令和3年2月3日(水曜日)13時30分~16時40分
※新型コロナウィルス感染拡大防止等の観点から,「集合型研修」に代えて,「オンライン研修(遠隔研修)」として試行的に実施しました。
講師:文部科学省国立教育政策研究所総括研究官
広島県教育委員 志々田 まなみ
講義では,「地域学校協働活動」の定義や学校運営協議会の機能,それぞれの意義等についてお話をしていただきました。また,それらを推進していくためには,持続可能な仕組みづくりや信頼される学校づくりが重要であるということについて理解を深めました。学校運営協議会と地域学校協働本部・活動推進のためのポイントについて,具体的な助言をいただきました。
講義の後,受講者がチャットに書き込んだ質問に対して丁寧に答えていただきました。例えば,「学校運営協議会の設置にあたって学校現場の負担を減らすためにはどうしたらよいか」という質問に対しては,「立ち上げ期には負担がかかるため教育委員会からのサポートが必要であること」「困ったことがあったら公民館等の社会教育施設に相談するとよいこと」の2点について助言がありました。また,「地域学校協働活動を始めるとき,どのような活動から始めたらよいのか」という質問に対しては,「気軽に多くの人が参加できるような活動から始めること」をお勧めされていました。加えて,「コミュニティ・スクールについて地域住民と教職員に周知するためにどのようにすればよいか」という質問に対しては,「研修会や広報が大切である」と助言していただきました。
これらの講義と質疑応答を通して,地域学校協働活動や学校運営協議会に関する理解をさらに深めることができました。
講義資料はこちらから (PDFファイル:2MB)
発表者:府中市立国府小学校 校長 立花 正行
府中市国府公民館館長 中田 曠平
府中市からは,学校・地域・公民館が一体となって開催している「国府演JOY祭」について発表していただきました。これまでの経緯やイベントに向けての準備の様子,イベント当日の様子,イベントに込められた子供たちや地域の方々の思い等について,スライドや動画を用いて紹介していただきました。「国府演JOY祭」は,従来の「公民館まつり」や「読書まつり」,「音楽発表会」といったイベントをつなげて「国府演JOY祭」が始まったそうです。当日に向けた企画の話し合いでは,子供たちと地域の方々がふれあったり意見を交流させたりする機会が多く設けられていること等,他市町の方々にとって参考になる点がたくさんありました。
発表資料はこちらから (PDFファイル:3.29MB)
発表者:山口県長門市油谷中央公民館 館長 中村 典生
学校と地域をつなぐ会代表 森田 和康
山口県長門市における地域学校協働活動の実態と,その推進における公民館の役割について発表していただきました。たくさんの活動写真から,子供たちが地域の方々に教えてもらうだけでなく,子供たちと地域の方々が一緒に学んでいる様子が伝わってきました。長門市では,学校支援だけではなく,学校を核とした地域づくりにも取り組んでおられるそうです。また,油谷地区でのこれまでの10年間の取組を振り返り,支援→連携→協働活動と発展してきたプロセスについて,詳しく説明していただいたので,これから地域学校協働活動に本格的に取り組む市町にとって,参考になる点がたくさんありました。
発表資料はこちらから (PDFファイル:5.91MB)
チャットに書き込まれた受講者からの質問を広げながら,コーディネートの難しさや活動への意欲付けの工夫等について,意見交換を行いました。例えば,学校の教職員と地域の方の人間関係を作ることが難しかったため,学校や地域の方の元に足繁く通うよう工夫したとのことでした。また,活動への意欲付けの工夫としては,活動後,子供たちと地域の方々が活動の良さや楽しさを振り返ることを重視されたそうです。さらに,各事例発表者からは,どのような思いでコミュニティ・スクールや地域学校協働活動に取り組んでいるのかということについても話していただいたので,受講者の今後の取組につながる内容になりました。最後にまとめとして,志々田先生より,「本研修は広島県内の地域と学校の連携・協働を進めていく第一歩となるので,今後もこういった研修を通して情報交換をしながら取組を進めて欲しい」という言葉をいただきました。
研修の終わりには,チャットにたくさんの感想の書き込みをいただきました。「実践への刺激とヒントをいただきました」「「できることから始めてみようと思います」「もっと職場でこのことを話題にしていかなかればいけないと思いました」「地域の役割が明確に理解できました。大変役に立ちました」「コミュニティ・スクール担当になり何ができるか不安な1年でしたが今日の研修に参加させていただいて足がかりが見えてきたように思います」といった意見や感想がありました。
本研修での学びが,今後の皆様の実践を支えるものとなれば幸いです。
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