広島県障害者プラン (広島県障害者計画、広島県障害福祉計画、広島県障害児福祉計画) 令和6(2024)年度~令和11(2029)年度 〔全体版〕 (素案) 第1章 総論 1 策定の趣旨 本県では、昭和56(1981)年の国際障害者年を契機として、昭和57(1982)年に「完全参加と平等」という障害者に関する基本理念の実現を目的とした「障害者に関する広島県長期行動計画」を策定して以降、障害者施策を取り巻く状況の変化等に対応しながら、第4次までの広島県障害者プランを策定し、総合的かつ計画的な施策の推進に取り組んできました。 また、第1期から第6期までの広島県障害福祉計画、及び第1期から第2期までの広島県障害児福祉計画を策定し、広島県障害者プランの実施計画としての位置付けの下、広域的な見地から、障害福祉サービス等の提供体制の整備を計画的に進めてきたところです。 この度、令和5(2023)年度末で第4次広島県障害者プラン及び第6期広島県障害福祉計画・第2期広島県障害児福祉計画が終期を迎えることから、この機を捉え、広島県障害福祉計画・広島県障害児福祉計画を本計画に統合し、新たな計画を策定します。 本計画は、人口構造の変化に伴う人材不足や、民間事業者による障害者への合理的配慮の義務化等、障害者を取り巻く環境の変化に対応するとともに、これまでの取組の成果や課題を踏まえ、障害の有無に関わらず、皆が安心して暮らせる社会を実現するための施策を推進していくものです。 2 計画の位置付け (1)法的位置付け この計画は、障害者基本法第11条第2項の規定に基づく「都道府県障害者計画」、障害者総合支援法第89条第1項に基づく「都道府県障害福祉計画」、及び児童福祉法第33条の22第1項に基づく「都道府県障害児福祉計画」を一体的に策定するものです。 都道府県障害者計画 (障害者基本法第11条第2項) は障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策の総合的かつ計画的な推進を図ることを目的とした、障害者のための基本的な計画、都道府県障害福祉計画 (障害者総合支援法第89条第1項)及び都道府県障害児福祉計画 (児童福祉法第33条の22第1項)は障害福祉サービス等及び障害児通所支援等の提供体制の確保等の業務の円滑な実施に関する計画です。  また、視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律第8条第1項に基づく「地方公共団体における視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する計画」、及び障害者による文化芸術活動の推進に関する法律第8条第1項に基づく「地方公共団体における障害者による文化芸術活動の推進に関する計画」を本計画の一部に位置付けています。  なお、本計画の策定や変更に当たっては、障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策の推進に関する法律(障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法)第9条第1項の規定により、同法の趣旨を踏まえた内容とします。 (2)他計画との関係  この計画は、「安心・誇り・挑戦 ひろしまビジョン」に掲げる目指す姿の実現に向けて、「広島県地域福祉支援計画」、「広島県保健医療計画」、「健康ひろしま21」、「ひろしま子供の未来応援プラン」及び「ひろしま高齢者プラン」等の関連する計画との整合を図り、本県の障害者関連施策全体の調和を保って推進します。 3 計画期間 計画期間は、令和6(2024)年度から令和11(2029)年度までの6年間とします。 ただし、3年に1度の国の基本指針の改定や社会情勢の変化等、本県の障害者施策を取り巻く状況の変化を踏まえ、必要に応じて見直しを行います。 4 特に考慮が必要な社会情勢等の変化 (1)人口構造の変化と障害者の動向 高齢者人口が増加し、生産年齢人口が減少することが予測される中、県内の障害者手帳保持者数は増加傾向にあり、介護人材等の人材が不足することが見込まれます。また、障害者及びその家族の高齢化に伴い、障害者が地域から孤立する可能性があります。 (2)民間事業者による障害者への合理的配慮の提供の義務化 令和3(2021)年6月4日に障害者差別解消法の改正が行われ(施行日は令和6(2024)年4月1日)、民間事業者による障害者への合理的な配慮の提供が義務化されました。 (3)障害者の法定雇用率の引き上げ 障害者の法定雇用率については、令和8(2026)年7月1日には民間企業が2.7%、国・地方公共団体等が3.0%、都道府県等の教育委員会が2.9%へと段階的に引き上げられることとなっており、今後も引き上げられることが予測されます。 (4)デジタル技術の進展 AI技術が進展し、障害者は自分に合った方法(音声、ジェスチャー、視線の動き等)を選択し、デジタル技術・サービスを利用することができるようになり、障害福祉サービス事業所等においても、介護ロボットの導入や事務負担軽減のためのICTの導入等が進んでいる。 また、ウェブ会議等のオンラインサービスの活用拡大やSNSの普及等により生活圏域に捉われない社会参加の新しいツールが拡大しています。 (5)災害・新興感染症への懸念 本県には、全国最多の土砂災害警戒区域があり、平成30(2018)年7月豪雨を始め、過去、幾度となく災害が発生しています。 また、令和2(2020)年1月以降の新型コロナウイルス感染症の感染拡大を契機とし、県民の生命及び健康に重大な影響を与えるおそれがある感染症の発生及びまん延に対する備えの重要性が認識されました。 (6)その他、障害者を取り巻く環境に関わる法律の整備 ○ 障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策の推進に関する法律(情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法)の施行(令和4(2022)年5月25日施行) ○ 医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律の施行(令和3(2021)年9月18日施行) ○ 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー法)の改正 5 計画の基本方針 (1)基本理念と目指す姿 基本理念とそれにつながる5つの「目指す姿」を設定し、共生社会の実現に向け、施策の推進を図ります。 【基本理念】  すべての県民が障害の有無にかかわらず、相互に人格と個性を尊重し合いながら、共生する社会の実現 【目指す姿】 ① 様々な心身の特性や考え方を持つ全ての人々の権利が守られ、相互に理解を深めようとコミュニケーションをとることで、お互いを認め合い、共に創っていく社会が実現しています。 ② 障害者が自らの意思で社会参加の機会や場を選択し、教育や就労、スポーツ、文化芸術等の様々な機会を通じて、持てる能力を発揮し、生きがいを持って暮らせる社会が実現しています。 ③ 障害の原因となる疾病等の予防や早期発見、専門的な治療が行える体制が構築され、全ての人が身近な地域において、良質で安定した医療等を受けられる環境が整っています。 ④ 障害者を地域で見守る体制が整い、障害の特性やライフステージに応じた質の高い障害福祉サービス等の支援を受けながら、自らが選ぶ場所で安心して暮らしています。 ⑤ 全ての人があらゆる場面で、生活への不安を感じることなく、安全に暮らせる社会が実現しています。 (2)総括目標    障害者施策全体の進捗状況を測るため、次のとおり総括目標を設定します。    指標 障害者本人やその家族の内、安心して暮らしていると感じていると回答した人の割合       現状値(令和5年9月) 52.8%       目標値(令和11年度) 県民全体の内、安心して暮らしていると感じていると回答した人の割合と同値 【総括目標の考え方】  障害者施策を進める上で、障害者及びその家族の方が安心して暮らせていることが最も重要であるため、障害者及びその家族の方の安心感を測る指標を総括目標として設定します。 6 障害者の定義  この計画における「障害者」は、障害者基本法の定義を踏まえ、「身体障害、知的障害、精神障害(発達障害を含む。)その他の心身の機能の障害(以下「障害」と総称する。)がある者であって、障害及び社会的障壁(障害がある者にとって日常生活又は社会生活を営む上で障壁となるような社会における事物、制度、慣行、観念その他一切のものをいう。)により継続的に日常生活又は社会生活に相当な制限を受ける状態にある方々」とします。  ただし、次章以降の具体的な事業の対象となる障害者の範囲については、個々の関係法令等の規定によりそれぞれ定められています。 7 基本原則  基本理念を実現させるため、障害者基本法第3条から第5条に規定される以下の基本原則に則り、障害者の自立及び社会参加の支援等のための施策を総合的かつ計画的に実施します。  ① 地域社会における共生等(障害者基本法第3条)  共生社会の実現は、全ての障害者が、障害者でない者と等しく、基本的人権を享有する個人としてその尊厳が重んぜられ、その尊厳にふさわしい生活を保障される権利を有することを前提としつつ、次に掲げる事項を旨として図られなければならない。  一 全て障害者は、社会を構成する一員として社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動に参加する機会が確保されること。  二 全て障害者は、可能な限り、どこで誰と生活するかについての選択の機会が確保され、地域社会において他の人々と共生することを妨げられないこと。  三 全て障害者は、可能な限り、言語(手話を含む。)その他の意思疎通のための手段についての選択の機会が確保されるとともに、情報の取得又は利用のための手段についての選択の機会の拡大が図られること。  ② 差別の禁止(障害者基本法第4条)  1 何人も、障害者に対して、障害を理由として、差別することその他の権利利益を侵害する行為をしてはならない。  2 社会的障壁の除去は、それを必要としている障害者が現に存し、かつ、その実施に伴う負担が過重でないときは、それを怠ることによって前項の規定に違反することとならないよう、その実施について必要かつ合理的な配慮がされなければならない。  ③ 国際的協調(障害者基本法第5条)   共生社会の実現は、そのための施策が国際社会における取組と密接な関係を有していることに鑑み、国際的協調の下に図られなければならない。 8 計画の推進体制 (1)施策の推進と役割分担 県民の皆様の協力を得ながら、障害者関係団体等の関係機関及び市町等と連携し、各施策の取組を推進します。 また、各施策の推進に当たっては、県や市町における相談支援体制をはじめとした公的なサービスの充実に加え、障害者関係団体等の関係機関、障害者を含めた県民一人一人が互いに協働しながら共生社会に参画していくことが期待されています。 〔県の役割〕 この計画に則り、各種施策を総合的かつ計画的に実施するとともに、障害者が日常生活及び社会生活を営む上で必要な施策を推進します。 また、県は広域的な立場から、障害保健福祉圏域間の調整や市町が行うことが困難な広域的な事業を実施するとともに、市町等への助言や支援を行います。 〔市町の役割〕 各市町は、障害者にとって最も身近な自治体として自ら策定した市町障害者計画及び市町障害(児)福祉計画により、それぞれの市町の独自性、地域性を考慮しつつ障害者への合理的な配慮を行う等、計画の着実な推進を図ることが求められています。 また、地域における障害者等への支援体制の整備に関し、中核的な役割を担う自立支援協議会等を通じて、障害者が必要とする日常的な保健・医療・福祉サービスが、性別・年齢、障害特性及び生活の実態に応じて、総合的かつ一体的に提供される体制を確保していくことが求められます。 〔サービス提供事業者や支援者に求める役割〕 サービス提供事業者や支援者は、障害者の意向を尊重し、障害者の立場に立った公正で適切なサービス提供や責任を持った支援に努めることが求められます。 〔企業に求める役割〕 企業は、働く意欲のある障害者の積極的な雇用を進めるために、企業全体で障害への理解を深めるとともに、合理的な配慮の提供等による働きやすい環境づくりを進めることにより、障害者の地域での自立と社会参加を支援する役割が期待されます。 〔県民に求める役割〕 県民一人ひとりがそれぞれの立場で「障害者の社会参加を阻むあらゆるバリアの解消」に向けた自主的・積極的な活動を行うことが期待されます。 また、障害者は、自ら社会を構成する一員として積極的に社会、経済、文化その他あらゆる分野の活動へ主体的に参加し、地域の人たちとの交流を深め、自立した生活を目指すことが期待されます。 (2)計画の評価と進行管理 〔広島県障害者施策推進協議会〕 県は、障害者、障害者団体、障害福祉事業者団体、学識経験者等から構成される「広島県障害者施策推進協議会」にこの計画の推進状況を毎年度報告し、点検・評価を受けるとともに、必要に応じてこの計画の内容を見直します。 〔広島県障害者自立支援協議会〕 県は、障害者、障害者団体、医師、障害福祉事業者団体、雇用関係機関、市町等で構成される「広島県障害者自立支援協議会」に必要に応じて意見を求めます。 広島県障害者施策推進協議会と広島県障害者自立支援協議会 広島県障害者施策推進協議会は、障害者基本法に基づき、都道府県障害者計画や都道府県障害福祉計画に関して、施策の総合的かつ計画的な推進に必要な事項を調査・審議する附属機関として設置されています。 広島県障害者自立支援協議会は、障害者総合支援法に基づき、その基本的な役割を都道府県全域の障害者等への支援体制の整備に向け、主導的役割を担う協議の場として設置されています。 [障害者基本法] 第36条 都道府県(地方自治法(昭和22年法律第67号)第252条の19第1項の指定都市を含む)に、次に掲げる事務を処理するため、審議会その他の合議制の機関を置く。一 都道府県障害者計画に関し、第十一条第五項(同条第九項において準用する場合を   含む。)に規定する事項を処理すること。 二 当該都道府県における障害者に関する施策の総合的かつ計画的な推進について必要な事項を調査審議し、及びその施策の実施状況を監視すること。 三 当該都道府県における障害者に関する施策の推進について必要な関係行政機関相互の連絡調整を要する事項を調査審議すること。 [障害者総合支援法]  第89条の3 地方公共団体は、単独で又は共同して、障害者等への支援の体制の整備を図るため、関係機関、関係団体並びに障害者等及びその家族並びに障害者等の福祉、医療、教育又は雇用に関連する職務に従事する者その他の関係者により構成される協議会を置くように努めなければならない。 9 障害保健福祉圏域の設定  障害福祉サービスのうち、市町域の枠ではなく、広域的に実施する必要がある各種施設・サービスを計画的に整備するため、障害者総合支援法に規定する「当該都道府県が定める区域」として、7つの「障害保健福祉圏域」を設定しています。  この圏域は、保健・医療・福祉の総合的な連携を図るため、「広島県保健医療計画」の二次保健医療圏域及び「ひろしま高齢者プラン」の老人保健福祉圏域と同じ区域とするとともに、各計画の圏域の見直しの際には連動するものとして設定しています。 【図表1-1 障害保健福祉圏域(図)】 【図表1-2 障害保健福祉圏域】 広島圏域(8市町) 構成市町名 広島市、安芸高田市、府中町、海田町、熊野町、坂町、安芸太田町、北広島町   圏域人口 1,354,735人(48.9%)   身体障害者 48,555人(44.8%) 知的障害者 11,591人(46.0%)   精神障害者 21,472 人(54.1%)   難病患者11,478人(47.4%) 広島西圏域(2市) 構成市町名 大竹市、廿日市市    圏域人口142,283人(5.1%)   身体障害者5,844人 (5.4%)   知的障害者 1,265人 (5.0%)   精神障害者 1,722人(4.30%)   難病患者 1,319人(5.4%) 呉圏域(2市) 構成市町名 呉市、江田島市 圏域人口 230,634人 (8.3%)   身体障害者 10,491人(9.7%)   知的障害者 2,477人 (9.8%)   精神障害者 3,085(7.8%)   難病患者 2,153人(8.9%) 広島中央圏域(3市町) 構成市町名 竹原市、東広島市、大崎上島町   圏域人口220,961人(8.0%)   身体障害者7,595人(7.0%)   知的障害者2,011人(8.0%)   精神障害者2,780人(7.0%)   難病患者1,827人(7.5%) 尾三圏域(3市町) 構成市町名 三原市、尾道市、世羅町 圏域人口 234,328人(8.5%)   身体障害者10,867人(10.0%) 知的障害者2,346人(9.3%) 精神障害者2,899人(7.3%)   難病患者2,275人(9.4%) 福山・府中圏域(3市町) 構成市町名 福山市、府中市、神石高原町   圏域人口505,496人(18.2%)   身体障害者 20,050人(18.5%)   知的障害者 4,498人(17.9%)   精神障害者6,776人(17.1%)   難病患者4,488人(18.5%) 備北圏域(2市) 構成市町名 三次市、庄原市   圏域人口 82,186人(3.0%)   身体障害者 5,074人(4.7%)   知的障害者 991人(3.9%)   精神障害者975人(2.5%)   難病患者690人(2.8%) 7圏域 構成市町 23市町   圏域人口 2,770,623人   身体障害者 108,476人   知的障害者 25,179人   精神障害者 39,709人   難病患者 24,230人 第2章 分野別施策の基本的方向 施策体系 分野(大項目) Ⅰ障害への理解促進   中項目 1障害に対する理解の促進   小項目 (1)子供の頃からの理解促進  (2)あいサポートプロジェクトの推進  (3)広報・啓発活動の展開 中項目 2権利擁護の推進   小項目 (1)障害者虐待の防止   (2)権利擁護の推進   (3)選挙等における配慮 分野(大項目) Ⅱ自立と社会参加の促進   中項目 1教育   小項目 (1)就学相談支援体制の確立 (2)幼・小・中・高等学校等の支援体制の整備 (3)教職員等の専門性の向上 (4)特別支援学校の充実 (5)生涯を通じた多様な学習活動の充実 中項目 2雇用・就労の促進   小項目 (1)企業等の理解促進 (2)公的機関における雇用促進 (3)就業機会の拡充と雇用促進 (4)工賃向上のための取組 (5)職業能力開発の充実 中項目 3情報の保障の強化   小項目  (1)情報アクセシビリティの向上 (2)視覚障害者等の読書環境の整備※ (3)意思疎通支援の充実 中項目 4スポーツ、文化芸術活動の推進   小項目  (1)パラスポーツの推進  (2)文化芸術・余暇活動の充実※ 分野(大項目) Ⅲ保健、医療の充実   中項目 1保健・医療提供体制の充実   小項目 (1)保健活動の推進 (2) 専門的な医療の提供 (3) 地域リハビリテーションの推進 中項目 2 療育体制の充実 小項目 (1)地域における重層的な支援体制の構築 (2)発達障害児支援の充実 (3)医療的ケア児支援体制の構築 (4)難聴児支援体制の整備※ 分野(大項目) Ⅳ地域生活の支援体制の構築   中項目 1福祉サービス等の提供   小項目 (1)訪問系のサービスの確保 (2)日中活動の場の充実 (3)居住系のサービス基盤の準備  (4)地域生活を支えるサービス等   中項目 2サービスの質の向上等   小項目 (1)質の確保 (2)人材の育成・確保   中項目 3相談支援体制の構築   小項目  (1)地域共生社会の実現に向けた重層的支援体制の構築 (2)身近な地域における相談 (3)専門的・広域的な相談支援   中項目 4地域生活への移行支援   小項目  (1)福祉施設等から地域生活への移行支援 (2)医療と福祉の連携による地域生活への移行支援  (3)更生支援の推進    分野(大項目) Ⅴ暮らしやすい社会づくり   中項目 1福祉のまちづくりの総合的な推進   小項目 (1)福祉のまちづくりの推進 (2)公共的施設等のバリアフリー化の推進 (3)公共交通機関等のバリアフリー化の推進  (4)ユニバーサルデザインの推進   中項目 2災害、感染症対策の強化   小項目  (1)災害対策の強化  (2)新興感染症等への備え   中項目 3防犯・交通安全等の推進   小項目  (1)防犯対策の推進  (2)交通安全対策の推進 (3)手話のできる警察職員の育成  (4)消費者被害の防止   中項目 4NPO、ボランティアとの協働 5福祉用具等の研究開発の推進と普及 ※ Ⅱ-3-(2)「視覚障害者等の読書環境の整備」は視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律第8条第1項に基づく「地方公共団体における視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する計画」、Ⅱ-4-(2)「文化芸術・余暇活動の充実」は障害者による文化芸術活動の推進に関する法律第8条第1項に基づく「地方公共団体における障害者による文化芸術活動の推進に関する計画」、Ⅲ-2-(4)「難聴児支援体制の整備」は「難聴児の早期発見・早期療育推進のための基本方針」に基づく難聴児の早期発見・早期療育推進を総合的に推進するための計画として本計画に位置付けています。 ◆ 重点的な取組 前計画の課題や社会情勢等を踏まえ、次のとおり重点的な取組の推進を図ります。 1 子供の頃からの理解促進 障害に対する正しい知識を社会に浸透させるためには、県民が子供の頃から教育を受けた上で社会に出ていくことが重要です。 全ての県民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、安心感を持って暮らす環境を整えるために、障害者への関わり方や特性について理解するだけでなく、行動に移せるように理解促進を行い、各施策の取組の底上げを図ります。 【主な取組】    〇 学校現場に向けた「あいサポート運動の出前講座」等の普及啓発の強化 P14    〇 小・中学校等の生徒に向けた交流・共同学習の実施 P14    〇 障害に関するバイアスの解消に向けた取組の実施 P14    〇 あいサポートプロジェクトの実施 P14 2 地域で支え合う体制の整備  人口構造の変化により、障害者を支える人材が不足し、障害者やその家族が高齢化する中でも、人材の確保、県内の各地域が抱える課題の把握、及び関係機関の連携の強化等に取り組むことで、障害者を適切な支援につなぎ、障害者が孤立することのない体制を整備していきます。 【主な取組】    〇 共生型サービスの参入促進 P65    〇 相談支援従事者、サービス管理責任者及び児童発達支援管理責任者等の育成 P74    〇 強度行動障害の支援に係る人材の育成 P74    〇 障害福祉サービス事業所におけるICT・ロボット等の導入支援 P74 〇 基幹相談支援センターや地域生活支援拠点等(システム)の整備に向けた取組 P82 〇 協議会を活用した市町との情報共有及び連携機能の強化 P82 Ⅰ 障害への理解促進 ≪この分野の目指す姿≫ 様々な心身の特性や考え方を持つ全ての人々の権利が守られ、相互に理解を深めようとコミュニケーションをとることで、お互いを認め合い、共に創っていく社会が実現しています。 1 障害に対する理解の促進 (1) 子供の頃からの理解促進 現状 ○ 令和5(2023)年度県政世論調査によると、障害のある人が困っているときに、手助けをしたことが「ある」と答えた人の割合が68.9%、手助けをしたことが「ない」と答えた人の割合は27.1%となっています。 また、令和4(2022)年度内閣府調査によると、若い世代(18~29歳)においては、「障害のある人が身近で普通に生活しているのが当たり前だと思う」人は75%(全体:64.8%)と全世代で最も高くなっていますが、「障害のある人が困っているときに手助けをしたことがある」人の割合は全体と同程度(18~29歳:60.5%、全体:61.9%)に留まっています。 ○ 小・中学校、義務教育学校、中等教育学校の前期課程(以下「小・中学校等」という。)においては、各教科の授業や学校行事等において、障害のある人等を取り上げた教材を使った学習や障害に関する話を聞くことを通して、障害に対する理解を深めています。また、「特別の教科道徳」の内容項目「相互理解、寛容」の指導を、道徳科を要として全教育活動で実施しています。 ○ 高等学校、中等教育学校の後期課程(以下「高等学校等」という。)においても、各教科の授業や学校行事、道徳教育等において、地域の社会福祉協議会等と連携して、障害に対する理解を深めていく取組を進めています。 ○ 小・中学校等の多くに特別支援学級が設置されており、障害のある児童生徒等と障害のない児童生徒等が日常的に交流及び共同学習等を実施しています。 ○ 小・中学校等及び高等学校等と特別支援学校は、計画的に交流及び共同学習を実施するとともに、デジタル機器を使ってオンラインで交流する等、実施方法を工夫しながら進めています。 課題 ○ 若い世代においては、障害への理解はあっても、手助け等の行動に移すことができていない傾向にあります。また、障害に対する正しい知識を社会に浸透させるためには、県民が若い世代から教育を受けた上で社会に出ていくことが重要ですが、障害の特性を知り、学び、実践する場が更に必要です。 ○ 教科等の学習や学校行事において、障害に対する理解を深める場合には、障害に対する正しい理解がなされるよう、発達段階に応じた指導の工夫が必要です。 ○ 交流及び共同学習の実施に当たっては、学習指導要領に基づき実施することが重要であり、共に尊重し合いながら協働して生活していく態度を育むとともに、障害のある児童生徒等には、将来、必要な合理的配慮を自ら求めることにつながるよう、組織的・計画的に取り組むことが必要です。 ○ 障害のある人やその家族へのインタビューを実施したところ、県民の障害に係るバイアス(無意識の偏見や思い込みから偏ったものの見方をしてしまうこと)の存在が確認されたため、潜在的な意識の変容を促す取組が必要となりますが、その現状や影響を正確に把握することができていません。 取組の方向性 ○ 特別支援学級を含む全ての学級において、特別支援教育の視点を踏まえた授業改善が行われるよう指導内容や指導方法の工夫について、学校へ助言を行うともに、個別最適な学びに係る好事例について研修等を通じて発信し、教職員の特別支援教育に対する理解を深めます。 ○ 学校における先進的な取組を、県教育委員会のホームページ等に掲載することや、各種研修等で交流及び共同学習等の推進について周知を図ります。 ○ 地域社会の中で障害のある人と助け合うことを学ぶ機会を創出するため、小・中学校等の児童生徒等が地域の障害者支援施設等を訪問し、施設利用者との交流や介護体験等を行う取組、障害のあるアスリートや芸術家との交流会の学校での開催、また、このような取組が行える団体・施設の連絡先を共有できるよう、障害保健福祉担当部局と教育委員会とが連携して、学校への情報提供や学校と関係団体・施設をつなぐ方策を推進します。 ○ 特別支援学校と小・中学校等の児童生徒等が清掃や農業、スポーツ、音楽活動等を通じて交流するなど、障害のある子供、障害のない子供がお互いを尊重し合う大切さを学ぶ機会を創出します。 ○ 子供たちが障害について理解するだけでなく、手助け等の行動に移せるよう、当事者団体等の協力を得ながら、学校等を通じて、あいサポート運動の出前講座を実施します。 ○ 有識者の意見等を踏まえながら、県民の障害に係るバイアスの調査・分析を行い、障害への理解をより一層推進するための確度の高い取組につなげていくことで、インクルーシブな社会を実現していきます。 (2) あいサポートプロジェクトの推進 現状 ○ 県では、平成23(2011)年10月から県民をはじめ、企業・団体等が、「様々な障害特性」、「障害のある人が困っていること」、「配慮の仕方やちょっとした手助けの方法」などについて理解を深め、障害のある方が困っている場面を見かけたら、手助けや配慮を実践する「あいサポート運動」を、県民運動として実施しています。 ○ 地域や自己の企業・団体において、「あいサポート運動」の推進役を担う「あいサポートメッセンジャー」、「就労支援メッセンジャー」を養成しています。 ○ 障害者の就労や地域生活の充実を図るため、福祉・地域活動に積極的に参加し、他の模範となる先導的な取組を行うあいサポート運動企業・団体を表彰しています。 ○ 「障害を理由とした差別的取扱いの禁止」、「合理的配慮の提供」が規定されている障害者差別解消法の理解促進のために、出前講座を実施しています。 ○ 配慮や援助を必要としていることが外見からは分からない障害者等が、周囲に配慮を必要とすることを知らせる「ヘルプマーク」、緊急連絡先や必要とする支援内容等を記載する「ヘルプカード」を、平成29(2017)年度から導入し、普及促進を図っています。 課題 ○ 「共生社会」の実現を図るためには、幅広い年齢層の人々がこの運動に参画し、障害や障害者に関する理解を促進し、併せて、障害者への配慮等を実践できるようになることが重要となります。 ○ 養成した「あいサポートメッセンジャー」が、地域で「あいサポーター研修」を実施する等の活躍の場をより多く創出する必要があります。 ○ 広く県民に、あいサポート運動を認識し、取り組んでもらうために、県だけでなく、市町も主体的に運動に取り組む実施体制や実施方法について、意見交換を行いながら、検討する必要があります。 ○ あいサポート企業・団体数が伸び悩んでおり、あいサポート運動に取り組む企業・団体の掘り起こしを行う必要があります。 ○ 障害者は多種多様で、同じ障害であっても一律ではなく、また、内部障害や難病など外見からは分かりにくい障害も多いため、こうした障害への理解も進めていく必要があります。 取組の方向性 ○ 企業・団体、地域、学校等への出前講座や一般県民を対象とした「あいサポート研修」、「あいサポーター研修」の講師や地域活動支援を行う「あいサポートメッセンジャー」、自己の企業・団体内でのあいサポート運動の普及などに取り組む「就労支援メッセンジャー」の養成研修を実施し、学校、地域、職場等の多くの場で、あいサポート運動が拡がるように取り組みます。 ○ 地域において実践的なあいサポート運動が展開されるよう、県で養成したあいサポートメッセンジャーを活用したあいサポーター研修が市町で実施されるなど、県と市町の連携を強化します。 ○ 障害者の雇用、就労促進、定着支援などに取り組む企業・団体をあいサポート企業・団体として認定し、先導的な取組を行う企業・団体を表彰するとともに、その取組を他の企業・団体にも共有することで、全体的な取組の推進を図ります。 ○ 「あいサポート運動企業・団体」の認定の少ない業種を中心に、関係団体等を通じ、「就労支援メッセンジャー養成研修」の受講や「出前講座」の実施を強く働きかけ、あいサポート運動への参加を推進します。 ○ 「あいサポート運動」の取組として、外見からは分からないが配慮や援助を必要とする方のための「ヘルプマーク」や、障害者に関するマークをより広く周知し、配慮や支援を必要としている障害者と支援をする者を結び付けるなど、障害者がより早期かつ効果的に支援が得られやすくなるよう、普及啓発を行います。 あいサポート運動 ~「あいサポート」とは~ 「愛情」の「愛」、私の「I」に共通する「あい」と、支える、応援する意味の「サポート」を組み合わせ、障害のある方を優しく支え、自分の意志で行動することを意味しています。 ■「あいサポート運動」 様々な障害の特性や障害のある方が困っていること、そしてそれぞれに必要な配慮の仕方を理解し、日常生活で障害のある方が困っている場面を見かけたら、手助けや配慮を実践していく「あいサポーター」の活動を通じて、誰もが暮らしやすい共生社会を県民のみなさんと一緒につくっていく運動です。平成21(2009)年11月から鳥取県が独自の運動として始め、本県では、平成23(2011)年10月から推進しています。 ■「あいサポートメッセンジャー」 地域において、「あいサポート運動」が広がることを目的として、地域住民を主に対象とした「あいサポーター研修」の講師役や、自ら率先して地域において障害者を支える支援活動(ボランティア等)の推進役です。 ■「就労支援メッセンジャー」 自己の企業・団体内において、「あいサポーター研修」の実施及び障害や障害者への理解の普及の促進や、職場の障害者の相談支援や障害者の職場定着の促進の推進役です。 ■「あいサポート運動用テキスト」~障害を知り、共に生きる~ 障害の特性や必要な配慮などをまとめたパンフレットです。 このパンフレットを読んで、日常生活で、障害のある方が、困っているときなどに『ちょっとした手助け』を実践していただく方が、「あいサポーター」です。 ■「ヘルプマーク」 義足や人工関節を使用している方、内部障害や難病の方など、配慮や援助を必要としていることが外見からは分からない方が、周囲に配慮を必要としていることを知らせることにより、援助が得やすくなるマーク。本県では、平成29(2017)年9月からヘルプマークを無償配布しています。 (3) 広報・啓発活動の展開 現状 ○ 「障害者週間」は、毎年12月3日から12月9日までとされ、この期間を中心に、国・地方公共団体・関係団体等においては、様々な意識啓発につながる取組を展開しています。 県では、庁内及び市町へのポスター等の配布による啓発を行うとともに、人権週間中に開催するイベント等を通じて人権啓発を行い、障害者に対する理解促進に努めています。 ○ 障害者を取り巻く情勢を踏まえ、令和3(2021)年3月に策定した「広島県人権啓発推進プラン(第5次)」に基づき、住民に身近な行政サービスを担う市町と連携し、人権啓発の取組を着実に推進することとしています。 ○ 「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(以下「障害者差別解消法」という。)」の施行に伴い、県職員対応要領の制定、専門相談員を配置した相談窓口の設置、障害者差別解消支援地域協議会の設置等を行うとともに、県に寄せられた相談については、相談者と相手方との間に立って調整を行う等事案の解決に向けた取組を進め、地域協議会で情報共有化や事案の解決方法等について協議、また、事業者等への普及啓発活動を行う等、障害を理由とする不当な差別的取扱いの禁止や合理的配慮の提供に取り組んでいます。 【図表2-1-1 広島県内における相談件数】 (単位:件) 不当な差別的取扱い 令和3年度 22   令和4年度 20 合理的配慮の不提供 令和3年度 10   令和4年度 41 課題 ○ 県民の障害理解の促進とともに、障害者が生活する上で関わる様々な機関(行政機関・公  共交通機関・司法機関等)においても障害に対する理解と支援の受けられる体制づくりが必要です。 ○ 令和3(2021)年5月に障害者差別解消法の改正が行われ、民間事業者に対しても、合理的配慮を法的義務とすることが定められたことから、法の趣旨を周知していく必要があります。 取組の方向性 ○ テレビ・インターネット等のマスメディアの活用やヒューマンフェスタ等の県民参加型の啓発活動、「障害者週間」を中心とした「心の輪を広げる体験作文」及び「障害者週間のポスター」募集などの取組を通じて、障害に対する理解の促進を図ります。 ○ 障害者に対する差別・偏見の解消や、各障害の特性・配慮の方法についての理解を深めることを目的とする「あいサポート運動」の取組等の中で、民間事業者に対して「合理的配慮の提供義務化」に係る普及啓発を推進していきます。 ○ 障害者差別解消支援地域協議会によるネットワークを構築し、複数の機関等によって紛争の防止や解決を図る事案、紛争の解決や合理的配慮の提供などに結びついた事例、相談を踏まえて実施した調整の内容やノウハウ等の共有を通じて、地域全体としての相談・紛争解決機能の向上に努めます。 2 権利擁護の推進 (1) 障害者虐待の防止 現状 ○ 障害者に対する虐待の禁止、障害者虐待の防止等に係る公共機関の責務、障害者虐待の早期発見の努力義務等について規定された「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律(以下「障害者虐待防止法」という。)」が、平成24(2012)年10月に施行されました。障害者虐待防止法に基づき、障害者等からの相談受付、市町に対する情報提供などを目的とした「広島県障害者権利擁護センター」を県社会福祉協議会へ委託し、平成24(2012)年10月1日から業務を開始しています。 ○ 平成24(2012)年度に障害者虐待防止ネットワーク推進会議を設置し、関係機関及び関係民間団体との連携協力体制を整備しています。 ○ 指定障害福祉サービス事業所等の従事者及び管理者並びに学校、保育所等、医療機関及び放課後児童クラブ等の関係者並びに市町担当職員並びに相談支援事業所職員を対象に研修を実施しています。 ○ 養護者による障害者虐待の通報・届出受理件数は、平成30(2018)年度の95件から令和3(2021)年度の142件へと増加した後、令和4(2022)年度は112件に減少しています。虐待件数も平成30(2018)年度の26件から令和3(2021)年度の43件へと増加した後、令和4(2022)年度は33件に減少しています。 ○ 障害者福祉施設従事者等による障害者虐待の通報・届出受理件数は、平成30(2018)年度から令和2(2020)年度までほぼ横ばいであったものの、令和3(2021)年度に倍増し、73件となり、令和4(2022)年度も79件に増加しています。虐待件数も、平成30(2018)年度から令和2(2021)年度にかけては、ほぼ横ばいでしたが、令和3(2021)年度は15件と倍増し、令和4(2022)年度も19件に増加しています。 ○ 使用者による障害者虐待の通報・届出受理件数は、平成30(2018)年度以降、減少傾向にありましたが、令和3(2021)年度は増加しています。令和4(2022)年度は通報・届出件数は18件に減少しましたが、虐待件数は4件に増加しています。 【図表2-1-2 障害者虐待の通報・届出受理件数及び虐待件数】 (単位:件) 養護者による虐待 通報・届出受理件数 平成30年度 95 令和元年度 123 令和2年度 109 令和3年度 142 令和4年度 112 虐待件数 平成30年度 26 令和元年度 28 令和2年度 31 令和3年度 43 令和4年度 33 障害者福祉施設従事者等による虐待 通報・届出受理件数 平成30年度 37 令和元年度 39 令和2年度 30 令和3年度 73 令和4年度 79 虐待件数 平成30年度 5 令和元年度 4 令和2年度 6 令和3年度 15 令和4年度 19 使用者による虐待 通報・届出受理件数 平成30年度 31 令和元年度 28 令和2年度 11 令和3年度 24 令和4年度 18 虐待件数 平成30年度 10 令和元年度 7 令和2年度 3 令和3年度 1 令和4年度 4 ○ 令和4(2022)年12月の「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律」の改正により、精神科病院における精神障害者に対する虐待の防止に関する規定が新設され、令和6(2024)年4月1日から施行されることとなりました。これに合わせて、県では、精神科病院における業務従事者等からの虐待通報・相談の受付窓口を設置することとしています。 課題 ○ 障害者虐待の未然防止や早期発見、適切な支援の実施のため、市町、障害福祉サービス事 業者、及び関係団体等に障害者虐待への対応方法等を広く知ってもらうとともに、定期的に関係団体等との連携・情報共有を行い、障害者虐待に対応するための体制を整備する必要があります。 ○ 障害者関係団体等の人材育成等を促進し指導的役割を担う人材の資質向上を図る必要があります。 ○ 障害福祉サービス事業者等が運営基準に従い、虐待防止の措置を適切に講じるとともに、障害福祉サービス等の利用計画を作成する業務等を通じて障害者の養護者、障害福祉サービス事業者等及び市町の担当部署とつながりのある相談支援事業者が的確に役割を果たす必要があります。 ○ 障害者虐待防止法では、市町に障害者虐待に関する通報窓口、届出・相談等を行う「市町村障害者虐待防止センター」機能を果たすことが求められているため、市町職員等の専門的知識の充実を図り、虐待事案の未然防止及び早期発見に努める必要があります。 ○ 精神科病院における業務従事者の精神障害者に対する意識の向上、研修の実施及び普及啓発等の取組を推進し、虐待事案の未然防止及び早期発見を図る必要があります。 取組の方向性 ○ 虐待事案の未然防止及び早期発見のため、市町職員及び障害福祉サービス事業者等並びに学校、保育所等、医療機関及び放課後児童クラブ等の関係者を対象とした虐待防止・権利擁護研修を毎年開催し、設置・管理者の受講を徹底します。 ○ 引き続き、県障害者権利擁護センターにおけるパンフレットの作成・配布、ホームページ等による情報発信等により、障害者虐待の防止や通報義務等、障害者、養護者及び事業者等への普及啓発活動に努めます。 ○ 定期的に障害者虐待防止ネットワーク推進会議を開催し、障害者等に対する虐待の未然防止、虐待が発生した場合の迅速かつ適切な対応、再発防止等に取り組むとともに、これらの体制や取組について、定期的に検証を行い、必要に応じて見直し等を行います。 ○ 障害者虐待の未然防止や権利擁護に関する研修等の指導者を養成するため、障害者関係団体等が推薦する者を国が実施する研修等へ参加させます。 ○ 虐待の未然防止、早期発見、虐待が発生した場合の迅速かつ適切な対応及びその後の適切な支援が行われるよう、令和4(2022)年度から障害福祉サービス事業所等に義務化された研修の実施、虐待防止委員会の設置及び虐待防止責任者の設置や、身体拘束等を行う際に必要な記録、身体拘束適正化委員会の設置等、指針の整備及び研修の実施について指導・徹底します。 ○ 相談支援事業者(相談支援専門員等)に、訪問による相談支援の機会等を通じた虐待の早期発見及び市町との連携の重要性について周知を図ります。 ○ 精神科病院を対象とした会議等の機会を通じ、病院管理者に対し、虐待防止等の取組の重要性について周知徹底を図るとともに、精神科病院における相談体制や業務従事者に対する研修等の取組状況を定期的に確認し、必要な指導を行います。 (2) 権利擁護の推進 現状 ○ 県社会福祉協議会は市町社会福祉協議会と役割分担して、福祉サービスの利用や日々の暮らしに必要なお金の管理に困っている人などを対象とした、福祉サービス利用援助事業(かけはし)を実施しています。 ○ 認知症高齢者や知的・精神障害者等、判断能力の不十分な人の増加が見込まれる中、従来の福祉的な相談支援では対応しきれない相談が財産管理や介護サービスの利用等に関する契約締結などを行う成年後見制度等の権利擁護支援の必要性が高まっています。 ○ 国の第二期成年後見制度利用促進基本計画(令和4(2022)~令和8(2026)年度)では、本人及び関係機関からの成年後見制度等に関する相談への助言や、司法、福祉、医療等が連携した仕組み(権利擁護支援の地域連携ネットワーク)の構築に向けた中核機関の設置の方針が示されていますが、県内市町の中核機関の設置は、9市町に留まっています(令和5(2023)年3月時点)。 また、市町は権利擁護支援の地域連携ネットワークを段階的に進めるため、成年後見制度利用促進基本計画の策定に努めるものとされています。 ○ 本県における成年後見制度の利用者数は、年間200件程度増加していますが、司法専門職等が不在の地域もあり、利用開始までに時間を要しています。 ○ 市民後見人の養成については、県内では3市が実施しています(令和5(2023)年3月時点)。 課題 ○ 福祉サービス利用援助事業(かけはし)の利用世帯は増加傾向にあり、特に生活困窮などの複雑な諸問題を抱えるケースが増えていることから、これらの課題に対応できるよう、利用者の支援を行う生活支援員や専門員の確保とスキルアップを図るとともに、支援の円滑化に向けて関係機関との連携強化を図っていく必要があります。 ○ 成年後見制度等の権利擁護支援の取組は、各市町で進められていますが、司法専門職との連携や成年後見制度利用等に係る提供体制(中核的機能)の構築には地域差が生じており、構築済みの市町においても、ノウハウ蓄積等の課題があるなど、各市町の実情等に応じた支援が必要です。 ○ 成年後見制度利用促進基本計画を策定している市町は16市町に留まっており、市町の計画策定を支援する必要があります(令和5(2023)年3月時点)。 ○ 市町においては、権利擁護を担う人材の確保・育成に苦慮しているなどの共通課題も多く、市町域を超えた広域的な対応も必要です。 ○ 司法専門職等において、意思決定支援や身上保護の福祉的な視点が十分でない運用がなされているケースがあり、制度利用のメリットや効果が十分発揮されていません。  また、成年後見制度を必要とする人が不安なく支援を受けられるよう、制度を分かりやすく周知する必要があります。 ○ 市民後見人の養成が進んでおらず、また、養成している市町においても、受任まで至るケースは多くない状況にあります。 取組の方向性 ○ 福祉サービス利用援助事業(かけはし)の一層の周知を図るとともに、生活支援員や専門員の担い手の確保、質の向上を図るため、県社会福祉協議会等が実施する研修や関係機関との連携体制の構築に向けた取組を支援します。 ○ 各市町において、成年後見制度等の権利擁護の相談が受けられ、司法専門職等と連携して課題を整理し、解決策の方針が決定できる体制構築に向けて、アドバイザーの派遣を通じた市町支援を強化します。また、成年後見制度の利用等に係る困難ケースへの専門家派遣や機能強化研修の開催等、各市町の取組の充実・強化に取り組みます。 ○ 市町の成年後見制度利用促進基本計画の策定に向け、情報提供や助言等を行います。 ○ 成年後見制度等に関わる人材が確保され、質の高い支援を提供する仕組みを整えるため、専門職団体や家庭裁判所等で構成する県域単位の協議会を設置して、関係団体等と連携・協力し、広域的に人材を確保します。 ○ 関係機関等を対象とする制度利用に関するガイドラインの作成や、意思決定支援・身上保護に関する研修の開催等により、必要な人材の確保と質の向上に取り組みます。また、県民向けに成年後見制度等の普及啓発を行い、理解促進と支援を要する人のニーズ把握を行います。 ○ 市民後見人の育成を行う市町に対する支援を行うとともに、複数市町での市民後見人の養成等について検討します。 (3) 選挙等における配慮 現状 ○ 身体に重度の障害がある人は、入所する施設や郵便などによる不在者投票ができます。また、投票所では点字による投票や、自ら投票用紙に記入することができない人のための補助者による代理投票ができます。 ○ 県選挙管理委員会が執行する選挙においては、障害者に点字、音声及び拡大文字(県議会議員一般選挙、県知事選挙は除く。)により、当該選挙・候補者情報を提供する選挙のお知らせを作成・配付しています。 ○ 市区町選挙管理委員会には、投票所環境の整備の働きかけを行っており、建物の2階以上に投票所が設けられる場合でも、適切な措置が講じられています。 【図表2-1-3 入口と同一フロアにない投票所等(第26回参議院議員通常選挙:令和4(2022)年7月10日執行)】 期日前投票所 入口と投票所が同一フロアにないもの 24 うち昇降機の措置あり 24 人的介助 0 措置なし 0 投票所 入口と投票所が同一フロアにないもの 19 うち昇降機の措置あり 16 人的介助 3 措置なし 0 【図表2-1-4 入口に段差のある投票所等(第26回参議院議員通常選挙:令和4(2022)年7月10日執行)】 期日前投票所 投票所の入口に段差のあるもの 10 簡易スロープ 1 人的介助 9 その他 0 措置なし 0 投票所 投票所の入口に段差のあるもの 475 簡易スロープ 293 人的介助 175 その他 7 措置なし 0 ※ その他…踏み台、カーペットなど ○ また、障害により介添を要する者が投票する場合、投票事務従事者が介添えするとともに、対応できる設備(車椅子等)について配慮がなされています。 課題 ○ 障害者支援施設については、身体障害者支援施設のみが不在者投票のできる施設に指定で  きるとされていますが、知的・精神障害者支援施設については、不在者投票のできる施設に指定できません。 また、現実的に投票所へ行くことが困難な状況にある重度の視覚障害者などは、現行制度では郵便による不在者投票ができる対象要件とされていません。 ○ 知事選挙などにおける政見放送では、字幕の付与が認められておらず、聴覚障害者が候補者の政見を知る機会が限られています。また、投票用紙記載場所での掲示物には法的制約があり、読字障害者などが候補者の氏名を記載するに際して、困難を感じる場合があります。 取組の方向性 ○ 全国の都道府県選挙管理委員会で組織する都道府県選挙管理委員会連合会を通じて、不在者投票のできる施設の対象施設の拡大や重度の視覚障害者などを郵便による不在者投票の対象とするよう、障害の状況に配慮した投票制度の整備や全ての政見放送への字幕の付与を要望していきます。 Ⅱ 自立と社会参加の促進 ≪この分野の目指す姿≫ 障害者が自らの意思で社会参加の機会や場を選択し、教育や就労、スポーツ、文化芸術等の様々な機会を通じて、持てる能力を発揮し、生きがいを持って暮らせる社会が実現しています。 1 教育 (1) 就学相談支援体制の確立 現状 ○ 市町の教育支援委員会の機能化及び適正な就学相談支援のため、市町教育委員会の専門性の向上を図る研修等を行っています。 ○ 保護者等に対する支援として、県の特別支援教育の状況や教育相談についての幅広い情報を紹介する教育支援ガイドブックを県教育委員会ホームページ(ホットライン教育ひろしま)に掲載しています。 ○ 障害のある幼児児童生徒の就学相談支援を適正に行い、特別支援教育の円滑な実施を図るため、県に特別支援教育指導委員会を設置しています。 ○ 「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー法)」の趣旨等を踏まえ、県立学校のバリアフリー化を進めています。 ○ 障害のある幼児児童生徒の就学(園)機会の拡大を図るために、障害のある幼児児童生徒を積極的に受け入れている私立幼・小・中・高等学校に対して助成しています。 課題 ○ 障害のある幼児児童生徒の増加、教育的ニーズの多様化を踏まえ、保護者に対する適切な情報提供を行うとともに、就学先決定を適正に行うため、市町教育委員会の専門性を更に高めていく必要があります。 ○ 市町において、医療・福祉と連携した早期からの就学相談支援の充実を図るとともに、乳幼児期から学校卒業までの一貫した指導・支援ができるような仕組みを構築する必要があります。 ○ 障害のある子供がその年齢及び能力に応じ、その特性を踏まえた十分な教育が受けられるよう、市町教育委員会の適正な就学相談支援を支援していく必要があります。 ○ 県立学校において、障害のある幼児児童生徒等が、支障なく安心して学校生活を送ることができるよう、バリアフリー化を更に推進していく必要があります。 ○ 私立幼・小・中・高等学校において、障害のある幼児児童生徒の個々の特性を踏まえた十分な教育が受けられるように、合理的配慮及び必要な支援が提供される状況を一層推進する必要があります。 取組の方向性 ○ 保護者が、子供の可能性を最大限に伸長できる教育の場に関する正確な情報について理解できるよう、市町教育委員会等の関係機関に対して教育支援ガイドブックの活用を促します。 ○ 市町教育委員会からの要請に応じ、教育的ニーズの整理と合理的配慮等の必要な支援の内容の検討に係る助言等を行い、市町教育委員会の就学相談支援体制を支援します。 ○ 県立学校における段差解消やエレベーターの整備など必要な整備を進めていきます。 ○ 障害のある幼児児童生徒の就学(園)機会の拡大を図るために、引き続き、障害のある幼児児童生徒を積極的に受け入れている私立幼・小・中・高等学校に対して助成していきます。 (2) 幼・小・中・高等学校等の支援体制の整備 現状 ○ 特別な支援を必要とする幼児児童生徒が年々増加しています。 【図表2-2-1 特別支援学級の在籍者数等の推移(各年度5月1日現在)】 特別支援学級在籍者数 令和元年度 7,180人 令和2年度 7,898人 令和3年度 8,625人 令和4年度 9,384人 通級による指導を受けている児童生徒数 令和元年度 2,335人 令和2年度 2,479人 令和3年度 2,648人 令和4年度 2,795人 ※ 広島市を含む公立小・中学校等 ○ 障害のある生徒等一人一人の教育的ニーズに対応するため、乳幼児期から学校卒業後までの一貫した長期的な計画である「個別の教育支援計画」と、指導目標や指導内容・方法を具体的に盛り込んだ計画である「個別の指導計画」(以下「個別の指導計画等」という。)を作成している学校の割合が高まり、概ね全ての公立学校で特別支援教育を推進するための基本的な支援体制が整備されています。 ○ 教員の専門性や施設・設備を生かした地域の特別支援教育に関するセンター的機能を果たすよう特別支援学校の体制を整備しています。 課題 ○ 個別の指導計画等の作成率は向上していますが、特別な支援を必要とする生徒等全員には作成されておらず、活用状況も十分とはいえない状況にあります。 ○ 障害のある幼児児童生徒の保護者からの教育相談や認定こども園・保育所・幼稚園、小・中学校等及び高等学校等からの支援要請が増加、多様化しており、指導・支援についての情報発信を含め、特別支援学校のセンター的機能を更に充実させる必要があります。 取組の方向性 〇 特別な支援を必要とする生徒等全員に対する個別の指導計画等の作成や校種間の円滑な接続に向けた個別の指導計画等の活用の必要性について、研修等で周知を図ります。 ○ 特別支援学校の教育相談担当教員が地域の小・中学校等へ出向いて行う特別支援教育に係る相談、助言、研修協力を行うなど特別支援教育のセンター的機能を充実させるとともに、教育相談主任及び特別支援教育コーディネーターとしての資質向上を図るため、教育センターや大学等と連携した専門研修の更なる充実を図ります。 (3) 教職員等の専門性の向上 現状 ○ 教員の特別支援教育に関する専門性の向上を図るため、毎年、免許法認定講習を開催し、特別支援学校教諭免許状(以下「免許状」という。)の取得を推進していますが、免許状保有率が伸び悩んでいます。 ○ 小・中学校等の通常の学級における発達障害の可能性のある特別な教育的支援を必要とする児童生徒に関する令和4(2023)年の国の調査において、学習面又は行動面で困難を示す児童生徒の割合は8.8%程度となっています。 ○ 小・中学校等の自閉症・情緒障害特別支援学級をはじめ、特別支援学級や通級による指導の対象となる児童生徒が増加しています。 課題 ○ 特別支援学校においては、新規採用や異動により一定の免許状未保有者がいるため、採用又は異動した教員全員が3年以内に免許状を取得するよう指導していく必要があります。 ○ 小・中学校等、高等学校等の教員一人一人が、発達障害等、学習面や行動面で、何らかの困難を示す幼児児童生徒に対する支援を進めていく必要があります。 ○ 特別支援学級担任及び通級による指導を担当する教員の特別支援教育に関する専門性を高めていく必要があります。 取組の方向性 ○ 免許法認定講習を継続して実施するとともに、免許状未保有者に対し、受講を促進するなど、より多くの特別支援学校及び小・中学校等の教員が早期に免許状を取得できるための取組を進めます。  ○ 特別支援学級担任及び通級による指導を担当する教員、特別支援教育コーディネーターへの研修を実施することにより、市町の特別支援教育の中核的な役割を担う人材の養成を図ります。 (4) 特別支援学校の充実 現状 ○ 特別支援学校にジョブサポートティーチャー(就職支援教員)を配置し、新規職場開拓等就職指導の充実を図っています。また、技能検定を開催することで、生徒の就職意欲を高めるとともに、働く態度の育成や技能の修得を図っています。 ○ 日常的に医療的ケアを必要とする幼児児童生徒が在籍する特別支援学校に看護師を配置し、安全かつ適正な医療的ケアの実施体制の整備を図っています。 ○ 全ての県立特別支援学校にタブレット型情報端末を整備し、授業における効果的なデジタル機器活用の促進を図っています。 ○ 知的障害のある児童生徒に対する教育を行う特別支援学校の在籍者数の増加に対応した教育環境の整備を行っています。 【図表2-2-2 県内の特別支援学校の在籍者数の推移(各年度5月1日現在)】 (単位:人) 視覚障害 令和元年度 50 令和2年度 48 令和3年度 43 令和4年度 40 令和5年度 45 聴覚障害 令和元年度 109 令和2年度 102 令和3年度 98 令和4年度 93 令和5年度 87 知的障害 令和元年度 2,367 令和2年度 2,335 令和3年度 2,363人 令和4年度 2,389 令和5年度 2,438 肢体不自由 令和元年度 248 令和2年度 262 令和3年度 253 令和4年度 260 令和5年度 251 病弱 令和元年度 14 令和2年度 16 令和3年度 18 令和4年度 15 令和5年度 12 計 令和元年度 2,788 令和2年度 2,763 令和3年度 2,775 令和4年度 2,797 令和5年度 2,833 ※ 広島市を含む 課題 ○ 幼児児童生徒一人一人の障害の種別・程度、発達段階及び教育的ニーズに応じた専門的な指導の充実、特に、職業的自立を促進する取組の充実を図る必要があります。 ○ 幼児児童生徒の障害の多様化に伴い、学校での医療的ケアの実施や対応方法について、専門的な判断を必要とする事例が増加しています。 また、「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」を踏まえ、特別支援学校の医療的ケア児及びその家族への支援について、引き続き、検討するとともに、必要な支援を実施する必要があります。 ○ 幼児児童生徒一人一人の発達段階や教育的ニーズに応じた授業を行っていくため、教員のタブレット型情報端末などのデジタル機器の活用能力を高める取組が必要です。 ○ 知的障害のある児童生徒の増加に対応するため、引き続き、児童生徒に適切な教育を行うための教育環境の整備を行う必要があります。 取組の方向性 ○ ジョブサポートティーチャーによる生徒との就職面談や新規職場開拓を実施するなど、生徒本人の希望に応じた進路決定を促すとともに、技能検定と関連付けて作業学習等の授業改善を図ります。 ○ 特別支援学校に配置している看護師や教員に対する研修を実施するとともに、指導医からの指導・助言を受けられるようにするなど、安全かつ適正な医療的ケアの充実を図ります。 ○ 特別支援学校におけるデジタル機器を活用した実践事例を共有するとともに、デジタル機器を活用した研修を実施する等により、教員のデジタル機器の活用の促進を図ります。 ○ 特別支援学校の在籍者数の推移、学校施設の状況及び特別支援学校設置基準等を踏まえ、引き続き、障害のある幼児児童生徒に適切な教育を行うための教育環境の整備に取り組みます。 (5) 生涯を通じた多様な学習活動の充実 現状 ○ 県民の多様な学習ニーズに応えるため、大学やNPO等が実施する講座等の情報を、県教育委員会ホームページで発信しています。 ○ 県立図書館では、資料の郵送貸出等の障害者サービスを実施するとともに、障害者サービスを紹介するコーナーの設置や当該サービスの体験会等を行っています。 ○ 知的障害等がある人にとっても読みやすい「LLブック」の配架や車椅子に配慮した通路幅を確保する等、県立図書館において、障害のある方に配慮した環境整備を行っています。 課題 ○ 障害者の社会参加を更に進めていくため、障害者の生涯学習支援の取組を広く発信する必要があります。 ○ 障害のある方の多様な学習ニーズに応えるため、障害のある方にも利用しやすい図書館資料を充実させる必要があります。 取組の方向性 ○ 障害者の生涯学習支援に関する模範的な取組や、障害のある方も参加できる講座等の情報を収集し、県教育委員会ホームページ等で広く県内へ発信します。 ○ 県立図書館において、障害のある方にも利用しやすい資料を充実させる等、障害者の読書環境を整備します。 2 雇用・就労の促進  (1) 企業等の理解促進 現状 ○ 障害者雇用義務を有する県内企業における障害者の実雇用率は、令和5(2023)年6月1日現在で2.48%(2,430社)と法定雇用率(2.2%・2.3%)を4年連続で上回り、法定雇用率を達成している企業の割合は52.1%と半数を超えたものの、法定雇用率未達成企業1,165社のうち、障害者を1人も雇用していない企業は684社で、未達成企業全体に占める割合は58.7%(企業全体に占める割合は28.1%)となっています。 【図表2-2-3 障害者雇用義務を有する県内企業の障害者雇用状況】 企業数 令和元年度 2,361社 令和2年度 2,356社 令和3年度 2,437社 令和4年度 2,474社 令和5年度 2,430社 雇用率達成企業数 令和元年度 1,136社 令和2年度 1,155社 令和3年度 1,170社 令和4年度 1,225社 令和5年度 1,265社 雇用率達成企業割合 令和元年度 48.1% 令和2年度 49.0% 令和3年度 48.0% 令和4年度 49.5% 令和5年度 52.1% 雇用率未達成企業数 令和元年度 1,225社 令和2年度 1,201社 令和3年度 1,267社 令和4年度 1,249社 令和5年度 1,165社 雇用障害者数が0人の企業数 令和元年度 720社 令和2年度 703社 令和3年度 735社 令和4年度 735社 令和5年度 684社 雇用率未達成企業のうち、雇用障害者数が0人の企業の割合 令和元年度 58.8% 令和2年度 58.5% 令和3年度 58.0% 令和4年度 58.8% 令和5年度 58.7% 雇用障害者数(雇用率算定用換算人数) 令和元年度 11,118.5人 令和2年度 11,460.5人 令和3年度 11,962.0人 令和4年度 12,584.5人 令和5年度 13,082.0人 実雇用率 令和元年度 2.18% 令和2年度 2.25% 令和3年度 2.3% 令和4年度 2.38% 令和5年度 2.48% ※ 対象企業は従業員H30~R2が45.5人、R3~が43.5人以上規模 ○ 平成25(2013)年6月に改正された「障害者の雇用の促進等に関する法律(以下「障害者雇用促進法」という。)」において、雇用の分野における障害者に対する差別の禁止や合理的配慮の提供が義務付けられるとともに、法定雇用率は平成30(2018)年4月から2.2%、令和3(2021)年3月から2.3%に引き上げられました。今後更に、令和6(2024)年4月から2.5%、令和8(2026)年7月から2.7%に引き上げられることとなっています。 また、平成30(2018)年度からは法定雇用率の算定基礎に精神障害者が加えられ、令和6(2024)年度からは重度障害者の算定範囲が広がる見込みとなっています。 ○ 障害者雇用の促進に向け、企業に対し啓発広報活動を実施しています。 ○ 県では、「あいサポート運動」に取り組む企業又は団体を「あいサポート運動企業・団体」として認定し、企業又は団体による実践的な「あいサポート運動」の一層の促進を図り、もって共生社会の実現を目指しています。また、平成27(2015)年度より、企業内での「あいサポート運動」の普及や障害者の職場定着を促進することを目的として、企業・団体内での「あいサポーター研修 」の実施や、職場の障害者の相談支援等を行う「就労支援メッセンジャー」を養成しています。 ○ 「あいサポート運動企業・団体」に対して、出前講座を実施することにより、様々な障害の特性や配慮の仕方を理解し、障害者と共に働く環境づくりに取り組んでいます。 課題 ○ 障害者雇用義務を有する県内企業の実雇用率は法定雇用率を達成しましたが、今後、法定雇用率の更なる引き上げが見込まれているため、引き続き、障害者雇用の充実・強化を図る必要があります。 ○ 企業が障害者を雇用するにあたり、障害特性に対する従業員の理解促進や雇用ノウハウの共有に取り組む必要があります。 ○ 障害者の就労や職場定着支援に取り組む企業を増やすため、さらなる「あいサポート運動企業・団体」数の増加及び企業内での取組の推進を図っていく必要があります。 取組の方向性 ○ 障害者雇用に関する啓発資料の作成・配布、雇用労働情報サイト「わーくわくネットひろしま」への掲載等により県内企業等への広報・啓発を行います。 ○ 障害者の特性を活かして重要な働き手として雇用している企業等の見学やセミナー等、障害者への理解促進と雇用促進を図ります。 ○ 障害者雇用に積極的な企業・事業所の表彰及び職場環境の整備等に係る取組事例の紹介により雇用の促進を図ります。 ○ 障害者の積極的な雇用について経済団体に要請していきます。 ○ 「あいサポート運動企業・団体」の認定の少ない業種を中心に、関係団体等を通じ、「就労支援メッセンジャー養成研修」の受講や「出前講座」の実施を強く働きかけ、あいサポート運動への参加を推進します。 ○ 障害者の就労や地域生活の充実を図るため、先導的な取組を行う「あいサポート運動企業・団体」を表彰し、その取組を他の企業・団体にも共有することで、全体的な取組の推進に取り組みます。 (2) 公的機関における雇用促進 現状 ○ 県職員及び教員の採用試験において、障害の状況に応じた対応や合理的配慮を行うとともに、障害のある方を対象とした選考を実施し、障害者の就労機会の拡充を図っています。 また、県教育委員会では、本庁、地方機関及び教育機関(県立学校含む)において、事務補助等の業務を行う非常勤職員として、障害のある方を雇用しています。 【図表2-2-4 広島県における障害者の雇用状況(実雇用率)(各年6月1日現在)】 (単位:%) 知事部局 平成30年 2.61 令和元年 2.5 令和2年 2.63 令和3年 2.68 令和4年 2.64 令和5年 2.63 教育委員会 平成30年 1.37 令和元年 2.09 令和2年 2.59 令和3年 2.68 令和4年 2.69 令和5年 2.68 警察本部 平成30年 2.54 令和元年 2.56 令和2年 2.43 令和3年 2.56 令和4年 2.23 令和5年 2.64 ※ 公的機関の法定雇用率は、令和3年2月までは2.5%(教育委員会は2.4%)、令和3年3月から2.6%(教育委員会2.5%) ○ 県内市町では、令和5(2023)年6月1日現在、33機関(広島市を含む。)中31機関において障害者の法定雇用率が達成されています。 課題 ○ 今後、法定雇用率の更なる引き上げが見込まれているため、民間企業に率先して、障害者雇用に積極的に取り組む必要があります。 取組の方向性 ○ 引き続き、県職員及び教員の採用試験において、障害のある方を対象に、障害の状況に応じた対応や合理的配慮の提供に考慮した選考を実施し、障害者の就労機会の拡充を図るとともに、雇用された障害者の定着・活躍に向けた取組を実施します。 また、県教育委員会では、障害者のそれぞれの特性を生かして教職員の業務効率化と負担軽減を図るためのサポート業務に従事する職員として任用するなど、就労機会の提供に取り組んでいきます。 ○ 法定雇用率の達成に向けた障害者雇用や厚生労働省のガイドラインに基づく確認などについて、県内市町に助言を行います。 (3) 就業機会の拡充と雇用促進 現状 ○ 県内の公共職業安定所における障害者の新規求職申込件数、就職件数は次のとおりです。 【図表2-2-5 県内の公共職業安定所を通じた障害者の職業紹介状況】 (単位:件) 新規求職申込件数 平成30年度   4,592 令和元年度 4,868 令和2年度 4,791 令和3年度 5,038 令和4年度 4,981 就職件数 平成30年度 2,421 令和元年度 2,275 令和2年度 1,955 令和3年度 2.132 令和4年度 2,016 ○ 障害者雇用義務を有する県内企業において雇用されている障害者の人数は毎年増加し、令和5年(2023)年6月1日現在では11,439人(2,430社)となっています。 【図表2-2-6 障害者雇用義務を有する県内企業の障害者雇用状況(各年6月1日現在)】 (単位:人) 雇用障害者実人数 令和元年度 9,526 令和2年度 9,920 令和3年度 10,519 令和4年度 11,154 令和5年度 11,439 ○ 就業機会の拡大及び雇用の促進・維持を図るため、雇用関係施策を実施しています。 ○ 全ての障害保健福祉圏域に設置している障害者就業・生活支援センターでは、雇用、保健福祉、教育等の関係機関と連携した中核的な拠点として、個々の障害者に応じた就業面及び生活面の一体的な相談支援を行うことにより、障害者の一般就労及び職場定着に努めています。 同センターの登録者数は増加傾向で推移しており、令和4(2022)年度の相談支援件数は10年前と比較して1万件以上増加していますが、令和4(2022)年度末時点の職場定着率は、就職後6か月経過後は89.1%ですが、1年経過後は81.9%に下がっています。特に、精神障害者の定着率が大幅に下がっている状況となっています。 【図表2-2-7 障害者就業・生活支援センターの取組状況】 (単位:所、人、件) センター数 平成30年度 8 令和元年度 8 令和2年度 8 令和3年度 8 令和4年度 8 登録者数 平成30年度 783 令和元年度 800 令和2年度 802 令和3年度 819 令和4年度 838 相談・支援 平成30年度 4,302 令和元年度 4,312 令和2年度 4,735 令和3年度 4,884 令和4年度 4,901 職場実習等あっせん 平成30年度 43.8 令和元年度 54.4 令和2年度 37.4 令和3年度 36 令和4年度 36.5 就職件数 平成30年度 66.1 令和元年度 73.9 令和2年度 60.3 令和3年度 57.3 令和4年度 62.4 ※登録者数等は1センター当たり平均 ○ 就労移行支援事業所を通じた就労実績は低調となっており、事業所数も減少傾向にあります。 また、障害者の一般就労後の離職を防止し、職場定着を促進するため、平成30(2018)年度から就労定着支援サービスが導入されましたが、令和5年(2023)年4月1日現在の事業所数は37事業所となっています。 課題 ○ 障害者の職場定着に当たっては、障害の特性を把握、理解した上で、日常的な業務遂行を支援するとともに、勤務状況等に変化があった場合は、迅速かつ的確に対応する必要がありますが、障害者本人の就労能力や適性を十分に把握できておらず、希望に応じた働き方や就労先の選択に必ずしも結びついていないため、障害者の職場定着につながらない場合があります。 ○ 特に、法定雇用率が令和8(2026)年7月までに段階的に引き上げられ、その後も引き上げられることが予測されるため、就労系障害福祉サービスから民間企業等への就職が増加するものと考えられます。 ○ このため、多様な就労ニーズに適切に対応するためには、障害者就業・生活支援センターを中核的な拠点として、市町や広島障害者職業センター、広島労働局、障害福祉サービス事業者等の関係機関の一層の連携強化が必要となります。 取組の方向性 ○ 就業機会の拡大及び雇用の促進・維持を図るため、引き続き、雇用関係施策を推進します。 ・ 障害者と事業主とが参加する合同就職面接会の共催による雇用・就業機会の拡大 ・ 職場適応訓練制度の活用による就業機会の拡大・雇用の維持 ・ 新たに障害者を常用雇用する等の要件を満たす中小企業に対する資金の融資による雇用促進 ○ 障害者の特性を活かして重要な働き手として雇用している企業等の見学・セミナー等、障害者への理解促進と雇用促進を図ります。 ○ 障害者の一般就労を促進するため、障害者の就労ニーズや、就労に伴う課題を把握するとともに、効果的な対策の検討や先進事例等に係る情報共有化を行い、関係機関、民間企業等との連携による支援、取組の促進に努めます。具体的には、障害者雇用を希望する企業に研修会、相談会等への積極的な参加を呼びかけます。 ○ 障害の特性を理解した上で障害者雇用を開始するなど、経営者、従業員の意識の向上、改革を図る必要があることから、出前講座等による「あいサポーター研修」や、「あいサポート運動企業・団体」認定申請への働きかけを行います。 ○ 一般就労への移行や職場定着支援を一層推進するため、引き続き、就労移行支援サービスや就労定着支援サービスの提供体制の確保に努めるとともに、新たに創設される就労選択支援サービスを円滑に実施できるよう、関係機関と連携して事業者参入に努めます。 また、障害者就業・生活支援センターが中核的な役割を果たせるよう、市町や就労選択支援事業所等の障害福祉サービス事業所との連携強化を図ります。 (4) 工賃向上のための取組 現状 ○ 障害者が地域で自立した生活を送るためには、それぞれの適性や能力に応じて就労し、経済的にも自立できることが必要ですが、就労継続支援B型事業所における平均工賃月額は、令和4(2022)年度実績で18,005円に留まっており、障害基礎年金等の収入を合わせても十分とは言えない状況となっています。 ○ 「国等による障害者就労施設等からの物品等の調達の推進等に関する法律」に基づき、広島県優先調達方針を作成し、障害者就労施設等からの物品及び役務の調達の一層の推進に取り組んでおり、令和4(2022)年度の実績額は、市町・独立行政法人分と合わせて約3億6,360万円となっています。また、「あいサポート運動企業・団体」に対し、製品の購入等を働きかけるなど、官民一体となった発注拡大等の取組を進めています。 ○ 各就労継続支援B型事業所は、独自の受託元や販売先の確保に努めていますが、単独の事業所での受注や販路拡大には限界があり、事業所相互の連携が必要となっています。 ○ このため、平成24(2012)年度から県内全ての事業所を対象に、県就労振興センターによる共同受注窓口を設置し、事業者情報の収集・提供、企業・官公庁への営業・受注確保、事業所間の受注調整、発注者と事業所とのマッチング等を行っています。 ○ また、広島市と連携し、障害者就労施設の製品を販売している「ふれ愛プラザ」の運営を支援し、事業所活動の情報発信や、販売体験を実施するとともに、企業等と連携した販売会やイベントへの参加、市町と連携した販売キャンペーンの実施等を通じて、障害者就労施設での活動や、製品等を知ってもらう機会・場を確保しています。 ○ 平成28(2016)年から、農産物の生産に取り組む就労継続支援事業所へ農業の専門家を派遣し、農業技術の指導・助言等を行うとともに、農業生産者と就労継続支援事業所との施設外就労(請負)のマッチング等を支援しています。 課題 ○ 就労継続支援B型事業所における工賃を収入として、障害者が地域で自立した生活を送るためには、障害基礎年金等による収入を合わせても十分ではないため、一層の工賃向上に取り組む必要があります。 〇 毎年度、広島県優先調達方針を作成していますが、制度を十分理解されていないため、制度の趣旨や手続きを明確にし、障害者就労施設等からの物品及び役務の調達を一層促進する必要があります。 ○ 各事業所は、提供可能な製品やサービス情報の周知、広報を積極的に行うとともに、企業、官公庁等への営業活動に取り組み、販売力の向上を図る必要があります。 ○ 共同受注窓口は、企業、官公庁等のニーズを把握し、ニーズに即した商品開発や、サービス提供などを事業所に提案、調整するなど、事業所との連携や支援機能の強化が求められています。 ○ 県内の障害者就労施設等の製品の販売拡大を図るためには、「ふれ愛プラザ」や障害者就労施設の製品の認知度を高める必要があります。 ○ 「ふれ愛プラザ」の売上増と自立的運営に向けて、設置主体である県就労振興センターの取組を引き続き、充実強化していく必要があります。 ○ 農産物を生産する就労継続支援事業所では、栽培方法・品質向上等に係る知識の習得が図られつつある一方、安定的な生産や販路の確保・拡大につながっていない事業所もあります。また、農業生産者と就労継続支援事業所とのマッチングによる施設外就労(請負)は行われていますが、期間限定のスポット的な作業となっているなど、農福連携の定着・拡大が十分ではありません。 ○ また、農福連携の具体的な手法等をアドバイスする専門人材である「農福連携技術支援者」は県内で令和4(2022)年度末時点において、8名に止まっており、農福連携を推進するためには更なる人材を確保する必要があります。 取組の方向性 ○ 就労継続支援B型事業所が作成する事業所の工賃向上計画について、平成30(2018)年度から各事業所において利用者に支払う工賃状況を管理できるよう、個別支援計画と連動した様式に変更しており、事業所での工賃水準の向上が進むよう、引き続き取組を進めます。 ○ 第5期の工賃向上計画(計画期間:令和6(2024)年度~令和8(2026)年度)により、事業所の工賃分析や取組成果を踏まえ、更なる工賃向上を目指していきます。 【図表2-2-8 平均工賃の推移と目標額】 (単位:円) 月額 実績 令和2年度 16,779 令和3年度 17,412 令和4年度 18,005 目標 令和6年度 19,100 令和7年度 19,700 令和8年度 20,300 伸び率(前年度比)実績 令和2年度 97.7% 令和3年度 103.8% 令和4年度 103.4% 目標 令和6年度 - 令和7年度 103.1% 令和8年度 103.1% 時間額 実績 令和2年度 245 令和3年度 253 令和4年度 271   目標 令和6年度 290 令和7年度 300 令和8年度 3 伸び率(前年度比) 実績 令和2年度 101.2% 令和3年度 103.3% 令和4年度 107.1%  目標 令和6年度 - 令和7年度 103.4% 令和8年度 103.4% ○ 専門家による事業所職員向けのスキルアップ研修やアドバイザー派遣による技術指導や経営指導を行い、製品の品質向上だけではなく、事業所の企画開発力や販売力の向上を図ります。 ○ 広島県優先調達方針を県全体で共有、周知し、優先調達の執行体制を確立するとともに、事業所が提供可能な製品やサービス情報を収集し、県ホームページ等により、「あいサポート運動企業・団体」等に対し、情報提供、広報を行うなど、障害者就労施設等からの物品及び役務の調達の推進を図ります。 ○ 共同受注窓口による企業、官公庁等への積極的な働き掛け、受注確保、販路開拓、マッチング等の取組により、事業所の受注拡大への支援を行っていきます。 ○ 「ふれ愛プラザ」で販売している障害者就労施設等の製品の認知度を向上させるため、ホームページやSNS等、県の広報媒体を積極的に活用するとともに、マーケティング手法の導入なども含めて、消費者ニーズに対応した商品の企画開発や品質向上、イベントや催事等への出展等による製品PR等の取組を支援していきます。 ○ 引き続き、農業の専門家を就労継続支援事業所へ派遣し、農業技術等の指導・助言を行うとともに、農福連携の施設外就労(請負)などのマッチングを支援する人材の育成等に取り組みます。 (5) 職業能力開発の充実 現状 ○ 障害者の態様に応じた多様な職業訓練を実施し、障害者の就職に必要な知識・技能習得を支援することにより、障害者の雇用を促進しています。 【図表2-2-9 広島障害者職業能力開発校の定員数(令和5(2023)年)】 訓練期間 CAD技術科 2年 情報システム科 2年 WEBデザイン科 2年 OAビジネス科 1年 事務実務科 1年 総合実務科 1年 チャレンジコース(総合実務科)6か月 定員 CAD技術科 30人 情報システム科 20人 WEBデザイン科 20人 OAビジネス科 20人 事務実務科 10人 総合実務科 30人 チャレンジコース(総合実務科) 5人×2回 計 140人 【図表2-2-10 障害者委託訓練定員の推移】 (単位:人) 定員 令和元年度 106 令和2年度 100 令和3年度 96 令和4年度 96 令和5年度 94 ○ 訓練手当については、「労働施策の総合的な推進並びに労働者の雇用の安定及び職業生活の充実等に関する法律」に基づく職業転換給付制度の給付金の一つとして、広島障害者職業能力開発校等の訓練生に対し、訓練期間中の生活の安定を図るための支援措置として実施しています。 【図表2-2-11 支給人数・支給額の推移】 (単位:人、千円) 支給人数 令和元年度 67 令和2年度 54 令和3年度 65 令和4年度 54 支 給 額 令和元年度 73,334 令和2年度 63,282 令和3年度 72,026 令和4年度 57,723 課題 ○ 障害者の就職件数が近年上昇傾向にある中で、就職に至らない比較的重度の障害者の就職率の向上を図るため、能力・適性に応じた職業訓練及び生活リズム・対人スキル等職業生活全般に渡る職業能力の習得支援を行うとともに、県内の企業や業界団体等との連携を強化する必要があります。 取組の方向性 ○ 障害の程度や障害者の能力・適性、地域の障害者雇用ニーズに対応した職業訓練を実施します。 ○ 広島障害者職業能力開発校等で職業訓練を受ける障害者に対し、引き続き訓練手当を支給することで訓練受講期間中の生活を安定させ、受講を促進します。 ○ 企業訪問や企業を招いた説明会等による企業へ周知・広報活動を行うとともに、訓練生の企業実習の受け入れ等を通じて、県内の企業や業界団体等との連携を強化します。 3 情報の保障の強化 (1) 情報アクセシビリティの向上 現状 ○ 令和4(2022)年5月には、障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策の推進に関する法律(障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法)が施行され、障害の特性に配慮した意思疎通支援や支援者の養成等、情報取得に係る取組の促進を図ることが求められています。 ○ コロナ禍において、対面による人と人との接触の機会が減少した一方で、オンラインでの会議等が広く受け入れられたことにより、外出が困難な人とのコミュニケーションの機会や選択肢が増加し、ICTを活用した意思疎通手段の導入も進められているため、ICTが障害のある人の社会参加に与える影響もますます大きくなることが予測されます。 <障害者ITサポートセンター> ○ IT(情報技術)を活用した障害者の社会参加及び就労促進を図ることを目的に、障害者ITサポートセンターを設置し、障害者の情報通信機器の利活用に係る相談・情報提供、ICT機器・タブレット端末等の体験会、支援者養成セミナー等を実施していますが、令和4(2022)年度の相談件数は42件に留まっており、十分活用されていません。 <県立視覚障害者情報センター> ○ 県立視覚障害者情報センターでは、視覚障害者情報提供施設として、主に点字刊行物、視覚障害者用の録音図書等の閲覧や貸出、点字・録音図書の製作、点訳・朗読奉仕員等の養成等を行っており、利用者ニーズの変化に対応し、視覚障害者情報総合ネットワーク「サピエ」の書誌データのダウンロード等、インターネットによる図書利用の促進や、視覚障害者向けのデジタル録音図書である「デイジー図書」等の蔵書の充実を図っています。 【図表2-2-12 県立視覚障害者情報センターの蔵書状況(令和5(2023)年3月31日現在)】 (単位:冊) 点字図書 タイトル数 11,440 音声デイジー図書 タイトル数 9,731 カセットテープ図書 タイトル数 12,016 マルチメディアデイジー図書 タイトル数 1 オーディオブック タイトル数 68 テキストデイジー図書 タイトル数 245 また、点字によらなければ日常生活上必要な情報が得られにくい重度の視覚障害者に対して、社会福祉法人日本視覚障害者団体連合会において点訳され、送信された最新の新聞情報等を登録者へ提供しています。 <県聴覚障害者センター> ○ 県聴覚障害者センターでは、テレビ番組等に字幕・手話を挿入したビデオカセットテープ・DVDや情報機器の貸出しを行うなど、聴覚障害者の社会参加を支援するために情報バリアフリー化を推進しています <その他の取組> ○ ひろしま県民だよりについては、県立視覚障害者情報センターを通じて、希望者に点字版、テープ・デイジー版を送付するとともに、県のホームページ上に点字データと音声データを掲載しています。   また、テレビ局とのタイアップによるテレビ広報ではクローズドキャプションの対応に努めるとともに、県公式アカウントでSNSに掲載する動画では字幕の対応をしています。 ○ 県ホームページについては、高齢者や障害者を含めた誰もが支障なく利用できるようにするためのアクセシビリティガイドラインを策定しており、システムによりアクセシビリティをチェックする仕組みとなっています。 ○ 県が主催する全県的なイベントのチラシ等のほか、身体障害者手帳の交付決定通知文書等の視覚に障害のある方を対象とした文書については、原則として音声コードの貼付をすることとしています。 【図表2-2-13 イベントチラシ等への音声コードの貼付状況】 種類 令和元年度 15種類 令和2年度 13種類 令和3年度 17種類 令和4年度 16種類 発行部数 令和元年度 551,370部 令和2年度 591,541部 令和3年度 261,995部 令和4年度 207,391部 ○ 令和4(2022)年2月現在、行政文書等への音声コードの貼付の取組を実施している市町は11市町であり、活字読上げ装置を設置している市町は22市町となっています。 課題 ○ 障害者による情報の取得利用や円滑な意思疎通が行える環境は整備されつつありますが、障害の種類や程度に応じて、あらゆる場面で、手話、音声、字幕、点字などにより、情報を取得利用する手段を選択できるよう、一層の取組が必要となります。 <障害者ITサポートセンター> ○ 社会全体のデジタル化が進む中で、障害者ITサポートセンターは、ICT技術の革新や、意思疎通支援に係る新たなニーズを踏まえ、障害者等のICT機器の利用機会の拡大や、活用方法の習得を支援するとともに、障害の特性に応じたICT指導者や支援者を養成する必要がありますが、障害者支援団体とのつながりが弱く、地域の障害者や支援者のニーズを十分に把握できていないため、支援する障害者の種別や地域に偏りが生じている状況となっています。 <県立視覚障害者情報センター> ○ 県立視覚障害者情報センターでは、視覚障害の特性や利用者のニーズに応じたサービス提供が求められています。特に、ICTの進展に伴い、視覚障害者においても、情報の取得等でICTの利活用等が求められる場面が増えているため、時代に合った情報の提供を行う必要があります。 <県聴覚障害者センター> ○ 県聴覚障害者センターでは、字幕や手話入り録画物の製作・貸出等といった聴覚に障害のある方への情報提供業務に限らず、様々な聴覚障害のニーズに応じたサービス提供が求められています。 <その他の取組> ○ 個別施策・事業の所管部署で制作した動画等を独自アカウントでSNSに掲載するケースが増える中、アクセシビリティを全庁的に啓発する必要があります。 ○ 県ホームページのアクセシビリティガイドラインは、日本工業規格(JIS)や総務省の運用モデルに沿って作成しており、JIS規格の等級AAをクリアするレベルになっていますが、新たに作成されたページ等について、総務省が提唱する等級AAを維持していくためには全庁的な対応が必要となっています。 ○ イベントチラシ等への音声コードの貼付について、周知徹底を継続的に行い、各所属の認識を高める必要があります。 取組の方向性 <障害者ITサポートセンター> ○ 障害者ITサポートセンターにおいては、引き続き、ICTに関する情報収集に努め、時代やニーズに沿ったICT機器の体験会や支援者養成セミナーを実施するなど、情報格差の解消を図り、障害者自らITの習得・利活用を行うことができる環境の整備を行います。 併せて、障害者やその支援者のニーズを的確に把握し、必要な支援につなげるため、障害者支援団体、市町、地域の支援者等とのネットワークを構築し、障害の種別や障害の特性に応じた情報取得利用・意思疎通の手段が提供できる体制を充実していきます。 <県立視覚障害者情報センター> ○ 県立視覚障害者情報センターにおいては、利用しやすい図書の製作やインターネットを活用した提供を促進するとともに、ICT機器の活用支援の実施による県立図書館等との連携強化によって、視覚による表現の認識に障害のある方々について、特性に応じた読書環境の向上に努めます。 併せて、引き続き、点訳・音訳・デイジー編集等を行うボランティアを育成していきます。 <県聴覚障害者センター> ○ 県聴覚障害者センターにおいては、聴覚障害者の障害特性やニーズに応じたイベント、聴覚障害者の障害特性に適した多様なコミュニケーション手段の情報を発信し、相談対応の充実を図るとともに、県民と聴覚障害者との交流促進を図り、ボランティアを育成し、意思疎通支援の提供体制を充実していきます。 <その他の取組> ○ ひろしま県民だよりの点字版、テープ・デイジー版の送付を継続して実施することとし、テレビ広報のクローズドキャプションについても、継続していきます。また、SNSへの動画掲載についても、字幕対応を推進します。  ○ 県ホームページのアクセシビリティについては、研修におけるガイドラインの周知を行うとともに、等級AAの維持に向けた方針の策定等を検討していきます。 ○ 研修会や説明会等において、イベントチラシ等への音声コードの貼付について周知徹底を図るとともに、各所属の認識を高めていきます。 (2) 視覚障害者等の読書環境の整備 現状 ○ 令和元(2019)年6月に「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律」(以下「読書バリアフリー法」という。)が施行され、視覚障害、発達障害、肢体不自由その他の障害により、書籍について、視覚による表現の認識が困難な者(以下「視覚障害者等」という。)が、読書を通じて文字・活字文化に触れることができるよう、公立図書館、県立視覚障害者情報センター、学校図書館等が連携し、環境整備を推進することが求められています。 <県立図書館> ○ 視覚障害者等が利用しやすい書籍等を所蔵するとともに、視覚障害者情報総合ネットワーク「サピエ」の活用により、県立視覚障害者情報センターから借り受けたアクセシブルな書籍等を含め、県内の公共図書館等への貸出を行っています。 ○ 書籍等の対面朗読サービスのほか、拡大読書器等の整備や大活字本コーナーの設置、所蔵する一般CD図書及びアクセシブルな電子書籍等を音声で紹介する「声の目録」の製作等、円滑な利用のための体制を整備しています。 また、県立視覚障害者情報センターと連携して、様々な読書媒体やサービスのほか、「サピエ」を紹介する障害者サービス体験会を開催しています。 ○ 障害者サービスへの理解促進を図るため、県内公立図書館職員向けの研修を開催しています。 <県立視覚障害者情報センター> ○ 視覚障害者等が利用しやすい書籍等を製作して所蔵し、「サピエ」に登録するほか、県立図書館へ貸出を行い、県内の公共図書館へ提供しています。 ○ 点字による館内案内や対面朗読室の設置等、円滑な利用体制の整備のほか、特別支援学校の新・転任教員に対してセンターの施設見学等を実施し、役割や利用方法について周知を図っています。   また、視覚障害者等向けに、様々な読書媒体や「サピエ」等のインターネットサービスを紹介するとともに、それらを利用するための読書支援機器、パソコン、タブレット端末、スマートフォン等の操作方法に関する研修を行っているほか、サービスの利用方法に関する相談対応や習得支援等、情報入手に関する支援を実施しています。 ○ 点訳・音訳奉仕員養成講座を開催し、点訳や音訳、利用しやすい書籍等の製作に携わるボランティアの養成・育成に取り組むとともに、公共図書館に音訳指導員を派遣し、ボランティアに対する音訳技術の指導を行っています。 <学校図書館> ○ 特別支援学校の図書館においては、人気のある墨字本の点字化や、視覚障害者等が利用しやすいよう排架の工夫等に努めています。 ○ 司書教諭等研修等において、学校図書館における視覚障害者等の読書環境の整備の必要性について講義を行っていますが、視覚障害者等の読書環境の整備が十分ではありません。 <私立学校> ○ 視覚障害等の特別な支援を必要とする児童生徒における読書環境の改善を図るため、視覚障害者等に配慮した教材を整備した私立小・中・高等学校に対する助成制度を設けています。 課題 <県立図書館> ○ 県内の公立図書館等で視覚障害者等に対する図書館サービスが十分に実施されていないため、引き続き、県内公立図書館等職員向けの研修を継続していくとともに、視覚障害者等が、アクセシブルな書籍等の読書に関する情報を、身近な地域の公立図書館等において入手できるよう、公立図書館等における情報発信や環境整備を行う必要があります。 <県立視覚障害者情報センター> ○ 「サピエ」の利用にはパソコンやタブレット等を使用する必要があり、操作方法の研修等を行っていますが、普及が十分に進んでいません。 ○ 製作したアクセシブルな書籍等は「サピエ」に登録し、全国の点字図書館・公共図書館との相互貸借を通じて利用者に提供されていますが、「サピエ」の登録基準を満たす書籍の作成技術を有するボランティアが不足しています。 また、趣味としての読書だけでなく、資格取得のための書籍の音訳等の需要が増加していますが、作成には相応の技術と時間を要することから、供給数が少ない状況です。 <学校図書館> ○ 視覚障害者等の読書環境の整備を含め、学校図書館の取組を充実させることの重要性について、引き続き、市町教育委員会及び県立学校に周知する必要があります。 <私立学校> ○ 私立小・中・高等学校において、視覚障害等のある児童生徒が、個々の特性を踏まえた上で、読書を通じた情報の収集を十分に行えるよう、合理的な配慮や必要な支援が提供される状況を、一層推進する必要があります。 取組の方向性 <県立図書館> ○ 県内公立図書館等において、視覚障害者等への図書館サービスが行われるよう、県内公立図書館等職員の障害者サービスへの理解促進に向けた研修を継続して実施するとともに、県立図書館と市町立図書館、県立視覚障害者情報センターの連携を促進し、利用しやすいアクセシブルな書籍の充実及び情報発信を図ります。 <県立視覚障害者情報センター> ○ 引き続き、操作方法等に関する研修を実施するほか、ITサポートセンターと連携したセミナーの開催等を通じて、操作方法、利用方法等の周知を図るとともに、特別支援学校等と連携し、学校在籍中に「サピエ」の会員登録を促す等、「サピエ」の普及促進に向けた取組を検討していきます。 ○ また、引き続き、点訳・音訳奉仕員養成講座を開催し、ボランティアを養成するとともに、点訳・音訳や書籍作成技術の向上に向けたスキルアップ講座を実施することにより、利用しやすい書籍等の製作に携わるボランティアの資質向上にも取り組みます。 <学校図書館> ○ 司書教諭等研修や市町教育委員会・県立学校の学校図書館担当が集まる機会において、視覚障害者等の読書環境の整備についての周知や、県立図書館が行っているバリアフリー図書セットの貸出等のサービスの情報提供を行い、学校図書館における視覚障害者等の読書環境の整備に向けた意識を高めていきます。 <私立学校> ○ 視覚障害等の特別な支援を必要とする児童生徒に対して、読書を行う機会の拡大を図るために、視覚障害者等に配慮した教材を整備した私立小・中・高等学校に対して、助成を行っていきます。 (3) 意思疎通支援の充実 現状 ○ 聴覚障害者の意思疎通支援については、市町において手話通訳者、要約筆記者等の派遣を行い、県では、市町内の登録通訳者等で対応できない場合や市外・県外派遣に対応するために、派遣ネットワーク事業を実施しています。 ○ 視覚と聴覚の両方に障害のある盲ろう者の意思疎通や移動を支援するため、盲ろう者向け通訳・介助員の派遣や、失語症者に対する意思疎通支援者の養成を行っています。 ○ 緊急時において、市町でタブレット端末等のICT機器を用いた意思疎通支援が実施できない状況となった場合、県からタブレット端末の貸出や意思疎通支援者の派遣を行うバックアップ体制を構築しています。 課題 ○ 県内全ての地域で派遣事業が着実に実施できるよう、意思疎通支援者の養成及び派遣を推進していく必要があります。 【図表2-2-14 意思疎通支援に係る県と市町の役割】 養成 実施主体 市町【支援を行う者の養成】 手話通訳 手話奉仕員の養成 要約筆記 要約筆記奉仕員の養成 触手話及び指点字 - 失語症者向け意思疎通支援 奉仕員等の意思疎通支援者の養成 養成 実施主体 県・指定都市・中核市【専門性の高い支援を行う者の養成 手話通訳 手話通訳者の養成 要約筆記 要約筆記者の養成 触手話及び指点字 盲ろう者向け通訳・介助員の養成 失語症者向け意思疎通支援 失語症者向け意思疎通支援者の養成 派遣 実施主体 市町【支援を行う者の派遣】 手話通訳 手話通訳者の派遣 要約筆記 要約筆記者の派遣 触手話及び指点字 - 失語症者向け意思疎通支援 奉仕員等の意思疎通支援者の養成 派遣 実施主体 県・指定都市・中核市【専門性の高い支援を行う者の派遣】 ・複数市町の住民が参加する障害者団体の会議、研修、講演等への派遣 ・市町が派遣できない場合の派遣(県) 触手話及び指点字 盲ろう者向け通訳・介助員の派遣 失語症者向け意思疎通支援 失語症者向け意思疎通支援者の養成 連絡調整 実施主体 県【派遣に係る相互間の連絡調整】 A市在住の者が、B市に出向く場合などにおいて、県が両市間の派遣調整を行うことなどを想定 触手話及び指点字 - 失語症者向け意思疎通支援 - ○ 障害特性に応じた多様な意思疎通支援が可能となるよう、ろう、中途失聴・難聴、盲ろう・失語症など障害種別ごとの特性やニーズに配慮した支援を充実する必要があります。 ○ 緊急時にICT機器を用いた意思疎通支援が円滑に実施できるよう、意思疎通支援者・利用者へ情報共有を図る必要があります。 取組の方向性 ○ 県と市町とで役割分担を行いながら、引き続き、人材の養成・確保及び派遣事業の円滑な実施について取り組みます。 ○ 盲ろう・失語症など障害種別ごとの特性やニーズに配慮した支援を実施するため、必要となる意思疎通支援者を養成することにより、支援体制の整備に取り組みます。 ○ ICT機器を用いた意思疎通支援に係る情報提供等を行い、緊急時においても意思疎通支援の提供体制が確保できるよう、取り組んでいきます。 4 スポーツ、文化芸術活動の推進 (1) パラスポーツの推進 現状 ○ 平成28(2016)年1月に、県障害者スポーツ協会(以下「協会」という。平成30(2018)年4月に一般社団法人化、令和4(2022)年4月から公益社団法人化し「パラスポーツ協会」に名称変更。)はパラスポーツを統括する中核的な組織として設立され、5年以上が経過したところです。 ○ 東京2020パラリンピック競技大会開催や県内のパラスポーツ国際大会等(2022ハンザクラスワールド(令和4(2022)年10月開催)、スペシャルオリンピックス2022広島(令和4(2022)年11月開催))によるパラスポーツへの関心の高まり、多様性が尊重される共生社会(インクルーシブ社会)の実現に向けた機運が高まりつつあります。 ○ 県パラスポーツ協会が中心となり、多様な主体と連携を図りながら、県内を4つに分け、4年に1回の持ち回りとして、障害の有無に関わらず、誰もが参画し、楽しめる「インクルーシブ・スポーツ・フェスタ広島」(以下「フェスタ」という。)を、県内4エリアで開催しています。初開催の令和5(2023)年度には、東広島運動公園を中心に7市町16競技が開催され、体験会参加者、スタッフ・ボランティア・観客を含め計3,000 名の参加がありました。 課題 ○ 県パラスポーツ協会においては、パラスポーツの体験会等の普及啓発は行っていたものの、市町等と連携したパラスポーツ施策の全県展開ができていないことから、今後、県パラスポーツ協会と連携し、施策の全県展開や多様なキープレーヤーが一体となって支える推進体制の構築を図る必要があります。 取組の方向性 ○ 県パラスポーツ推進事業においては、障害の有無等を問わず、誰もが参画できるパラスポーツの認知を高め、スポーツに触れる場や機会を地域に広く展開することを通じて、多様性が尊重される共生社会の実現を目指します。 ○ 具体的な取組として、県及び県パラスポーツ協会においては、「活力ある共生社会の実現」を目指し、次の3つの施策とそれらを「支える土台づくり」を中心にパラスポーツ事業を推進していくこととします。   1 普及・啓発   2 場の充実・機会の確保   3 競技力向上 【図表2-2-15 パラスポーツ事業の推進体制】 ○ これら一連の施策を有機的連携的に結びつけて、県パラスポーツ協会が中心となり、市町、競技団体、企業、大学、ボランティア、指導者、理学療法士など、多様な主体が一体となって支える推進体制の構築を図ります。 ○ 県民に広く浸透するよう、県パラスポーツ協会を中心に市町、競技団体、企業等の多様な主体と連携を図りながら、スポーツを通じた多様性を認め合う共生社会の実現を目指していきます。 【図表2-2-16 インクルーシブ・スポーツ・フェスタ広島2023(令和5(2023)年9月30日~10月1日開催)】 (2) 文化芸術・余暇活動の充実 現状 ○ 文化芸術活動は、様々な表現や創造による新たな価値を生み出すだけではなく、多様性を尊重し、相互に理解を深める機会となっています。 また、文化芸術活動の参加を通じて、生活を豊かにするとともに、地域での様々な人とのつながりや、自らの持つ個性や能力を引き出すことで、自立と社会参加を促進するためにも大きな役割を担っています。 ○ 平成30(2018)年には「障害者による文化芸術活動の推進に関する法律(平成30年法律第 47号)」が成立し、国において、平成31(2019)年3月に第1期の障害者文化芸術活動推進基本計画が策定され、障害者の文化芸術活動の促進に関する施策の推進が図られています。   また、令和5(2023)年3月には、国において、第2期の障害者文化芸術活動推進基本計画が策定され、合理的配慮の提供と、そのための情報保障や環境整備に配慮して、障害者の文化芸術活動の更なる促進、関係団体・機関との連携による取組の推進を図ることとしています。 ○ 県では、「けんみん文化祭」を市町と連携して毎年開催し、県民の発表、活動、鑑賞、交流の場を提供するとともに、文化情報を発信しています。 ○ 障害者団体が行う文化芸術活動について、県立文化施設利用料金の減免措置などを講じるとともに、障害者の利用に配慮した管理運営を実施しています。 ○ 県立美術館では、デジタル技術を活用してバーチャルツアー及びバーチャルギャラリーを行っており、館内の散策や、所蔵作品を鑑賞することができます。また、ウェルカムギャラリーでは、音声ガイドシステムを導入しており、携帯電話で展示作品の解説を聞くことができます。 縮景園では、高精細の360度バーチャルツアー等を行っており、いつでもどこでも縮景園を散策することができます。 ○ 県では、平成24(2012)年度以降毎年、障害のある人が創作した芸術作品を展示する「あいサポートアート展」を開催するとともに、平成29(2017)年度以降毎年、音楽、ダンス等の舞台芸術を発表する「あいサポートふれあいコンサート」を開催するなど、文化芸術活動の発表の場を確保しています。 ○ また、平成28(2016)年度から、「広島県アートサポートセンター」を設置し、障害のある人の文化芸術振興の総合的な支援を行う拠点として、情報収集・発信や相談支援、創作活動等を支援するアドバイザーの設置、支援する方々に向けたセミナー、権利擁護に関する研修等を開催するとともに、障害福祉サービス事業所、文化芸術施設、教育機関等の関係機関とのネットワークの構築に取り組んでいます。 課題 ○ 障害のある人もない人も誰もが等しく文化芸術を享受し、創造できる環境づくりをより一 層推進する必要があります。 ○ 文化芸術の鑑賞については、施設の利用環境の整備等による更なる鑑賞の機会の拡大が求められています。 ○ デジタル技術の進展等により、新たな形で文化芸術に触れられる機会が求められています。 ○ 障害のある人の中には、日頃から文化芸術活動に取り組んでいる人も多く、優れた感性や能力を持っていながら、作品等を発表する場、活動する場や機会が十分確保されていません。 ○ 文化芸術活動は、それぞれの福祉施設等で取組に差があり、個人での活動も増加していますが、希望に応じた文化芸術活動を支援する体制が十分確保されていません。 取組の方向性 ○ 障害の有無にかかわらず、県民誰もが文化芸術に親しめる環境づくりを推進するとともに、文化芸術活動に関する情報を幅広く発信していきます。 ○ 県立文化施設において、誰もが利用しやすい施設になるよう、環境整備を行っていきます。 ○ 県立美術館及び縮景園において、展示作品等に関する音声、文字による情報の提供や、デジタル技術の積極的な活用により、文化芸術の鑑賞機会の拡大に取り組みます。 ○ 作品等の発表の機会や、芸術性の高い作品を評価・発掘するため、「あいサポートアート展」を開催するとともに、市町巡回展示や県主催イベントへの展示などの機会を確保していきます。   〇 また、音楽、演劇等の舞台芸術分野での発表の機会を確保するため、関係機関と連携して「あいサポートふれあいコンサート」を開催し、音楽、演劇等の舞台芸術分野の振興を図ります。 ○ 障害者の文化芸術振興の総合的な支援拠点「広島県アートサポートセンター」における普及啓発、人材育成、相談支援、指導者派遣や、障害者芸術関係者とのネットワーク構築等の取組を通じ、身近な地域で文化芸術活動を行う環境の充実を図ります。   Ⅲ 保健、医療の充実                                       ≪この分野の目指す姿≫ 障害の原因となる疾病等の予防や早期発見、専門的な治療が行える体制が構築され、全ての人が身近な地域において、良質で安定した医療等を受けられる環境が整っています。 1 保健・医療提供体制の充実 (1) 保健活動の推進 現 状 <健康増進> ○ 障害の原因となる循環器病や糖尿病など生活習慣病のリスクを有する人を早期に把握し、保健指導により生活習慣の改善を促し、発症を予防するため、医療保険者は特定健康診査・特定保健指導を実施しています。 ○ 生活習慣病の予防のため、市町では健康教育、健康相談、健康診査、訪問指導などの健康増進事業を実施しています。 <精神保健> ○ 精神障害者やその家族からの各種相談に対応するため、専門医や精神保健福祉相談員による相談・訪問指導を実施しています。 【図表2-3-1 専門医や精神保健相談員による相談・訪問指導実施状況(令和3(2021)年度)】 (単位:人) 精神保健福祉相談等の被指導実人員 実人員 4,606 人口10万人当たり 168.8 全国平均 243.2 総合精神保健福祉センターにおける相談実人員 実人員 564 人口10万人当たり 20.7 全国平均 17.1 保健所、市町等が実施した精神保健福祉訪問指導人員 実人員 2,643 人口10万人当たり 96.8 全国平均 87.3 ○ 平成24(2012)年9月に県内3か所にひきこもり相談支援センターを開設し、ひきこもりに特化した相談業務、普及啓発、訪問指導を行い、関係機関と連携しながらひきこもりに対する支援を行っています。 <歯科保健> ○ 障害児(者)は、日常の口腔管理や歯科治療が困難な場合も多く、口腔内の状態が悪化しやすい傾向にあります。 ○ 障害児(者)施設において、利用者に対する定期的な歯科健診を実施している施設の割合は、75.8%です。 課 題 <健康増進> ○ 依然として循環器病による死亡割合は高く、糖尿病の外来の受療率も平成20(2008)年までは減少傾向にあったものの、その後増減しているなど、生活習慣病の発症リスクが高まる壮年期世代で健康づくりが十分できていません。 ○ 本県では、特定健康診査の受診率が全国に比べて極めて低く、特定保健指導等を通じた生活習慣の改善や、医療機関への早期受診の働きかけが一部に留まっています。 <精神保健> ○ 令和4(2022)年「国民生活基礎調査」(厚生労働省)によると、気分障害・不安障害に相当する心理的苦痛を感じている人(9.8%)の割合は、全国平均(9.8%)と同じですが、県内でストレスや悩みを抱えている人(47.1%)の割合は、全国平均(46.1%)より高くなっています。 ○ 精神保健福祉分野の新たなニーズに対応した相談体制が不足しています。 ○ 中高年齢層のひきこもりについては、就労が困難で、自立した生活の実現が難しいので、生活困窮者自立支援対策との連携が必要です。 <歯科保健> ○ 日常の口腔管理や歯科治療が困難な障害児(者)について、定期的な歯科健診の受診が必要です。 ○ 障害の状況に応じた対応、要介護者等の摂食嚥下障害の改善や誤嚥性肺炎予防など、専門的な歯科治療及び口腔健康管理に対応可能な人材の育成が必要です。 取組の方向性 <健康増進> ○ 健康増進事業などを通じて、壮年期からの健康づくりに取り組み、生活習慣病の予防と疾病の早期発見・早期治療を推進していきます。 ○ 県民一人一人が、進んで特定健康診査及び特定保健指導を受診するよう、医療保険者や医療機関と連携し、受診を促すための取組を積極的に行います。 <精神保健> ○ こころの健康に関する正しい知識の普及啓発を推進します。 ○ 保健所・市町でこころの悩みに関する相談が受けられる体制を拡充するとともに、精神障害の有無や程度にかかわらず、誰もが安心して自分らしく暮らせる地域包括ケアシステムの構築を進め、地域の見守りや支え合いの仕組みづくりを強化します。 ○ 精神保健福祉の総合的な技術拠点である総合精神保健福祉センターにおいて、保健所・市町及び関係機関に対する技術指導・援助及び教育研修等の支援を行うとともに、うつ病、薬物・アルコール・ギャンブル依存などの新たなニーズに対する相談指導の充実を図ります。 また、「広島いのちの電話」、「こころの電話」などの専門相談窓口との連携による相談体制の充実を図ります。 ○ 平成24(2012)年9月に開設したひきこもり相談支援センターの相談支援機能の充実を図ります。 <歯科保健> ○ 障害者支援施設等における協力歯科医療機関設置の働きかけや、施設職員等への研修等の実施により、障害児(者)についての歯科保健意識を高め、施設等での定期的な歯科健診の実施につなげます。 ○ 障害児(者)・要介護者等の専門的な治療及び教育機能を有する広島口腔保健センターを活用し、専門的治療等が実施できる歯科医師等の養成研修等を行い、障害児(者)等に対応可能な歯科医療機関の整備を進めます。 (2) 専門的な医療の提供 現 状 <県立総合リハビリテーションセンターの診療機能の充実> ○ 県立総合リハビリテーションセンターは、整形外科を中心とした拠点医療機関として、高い専門性を有する障害者医療を提供し、幅広い分野における障害者支援機能を有する複合施設として、相談支援から診断、治療、リハビリテーション等、様々な医療・福祉サービスの提供を行っています。 また、医療技術の進歩等により、今後増加が見込まれる医療的ケア児等を含めた重症心身障害児(者)に対応するため、令和5(2023)年度に、わかば療育園の同センターへの移転や若草園及び若草療育園の改修を行い、在宅支援機能等の拡充を図るとともに、同センター内に医療的ケア児等に係る相談支援や情報発信等の機能を有する県医療的ケア児支援センターを開設しました。 【図表2-3-2 県立総合リハビリテーションセンター利用状況の推移】 (単位:人) 医療センター 日平均入院患者数 令和2年度 123 令和3年度 107 令和4年度 104 外来患者数 令和2年度 48,003 令和3年度 47,040 令和4年度 47,519 若草園 月平均入園児 令和2年度 39 令和3年度 34 令和4年度 39 若草療育園 月平均入園児 令和2年度 53 令和3年度 53 令和4年度 52 あけぼの 月平均入園児 令和2年度 46 令和3年度 48 令和4年度 40 <精神科専門医療> ○ 精神疾患には、統合失調症、うつ病・躁うつ病、認知症、児童・思春期精神疾患、発達障害、依存症(アルコール依存症、薬物依存症、ギャンブル等依存症)、PTSD(心的外傷後ストレス障害)、高次脳機能障害、摂食障害などが含まれます。 ○ 精神疾患を有する患者数は増加傾向にあり、入院と通院患者を合わせて令和4(2022)年度には74,131人となっています。 ○ 児童・思春期精神医療に係る診療報酬の施設基準「児童思春期精神科入院医療管理料」を届け出ている医療機関は1か所、「児童思春期精神科専門管理加算」を届け出ている医療機関は3か所となっています。 ○ 平成29(2017)年度から、依存症については、治療拠点機関、専門医療機関を選定し、必要時に適切な医療を受けることができる体制の整備を図っています。 <発達障害の専門医等の確保> ○ 発達に課題のある子供が、身近な地域で適切に診察、診断、助言を受けることができるよう、医師や医療スタッフの養成のための研修を実施しており、県内の発達障害の診療を行う医療機関は徐々に増加しています。 ○ また、地域における医療支援体制の整備に向けて、各障害保健福祉圏域において、各医療機関の医療機能を明確化し、地域の拠点となる専門医療機関と他の医療機関の連携体制の構築・強化に取り組んでいます。 ○ 県民への適切な受診機会を確保するため、県ホームページにおいて発達障害の診断を行うことができる専門医療機関を公表しています。 <難病対策の推進> 〇 発病の機構が明らかでなく、治療方法が確立していない希少な難病であって長期の療養を必要とする難病のうち、客観的な判断基準が確立し、かつ、患者数が人口の0.1%程度である指定難病については、治療が困難かつ医療費も高額となることから、医療費の公費負担を行っています。 〇 難病患者に対し、必要な難病医療及び各種支援が円滑に提供されるよう、相談体制の整備、支援策の実施、難病医療提供体制の構築を行っています。 <医療費の助成> 〇 障害者の医療費を軽減し、安定した日常生活の継続を支援するため、自立支援医療(育成医療、更生医療、精神通院医療)の給付や、重度心身障害児(者)及び精神障害者への医療費公費負担制度を実施しています。 課 題 <県立総合リハビリテーションセンターの診療機能の充実> ○ 高度な障害者医療の中枢拠点として広範な医療ニーズに応えるとともに、増加が見込まれる重症・重度心身障害児(者)に対応するため、在宅支援機能の整備や医療的ケア児支援センターの機能強化に取り組む必要があります。 <精神科専門医療> ○ 精神疾患に加え、精神科救急、自殺未遂者への精神科医療も含めて、多様な精神疾患等に対応できる医療連携体制の構築を進める必要があります。 ○ 児童・思春期の心の問題や、児童・思春期に発症する摂食障害に対して専門的な診療を行う医療機関は不足していると考えられます。 ○ 依存症の専門医療機関がない圏域があり、圏域によっては専門的な医療が受けにくい状況にあります。 <発達障害の専門医等の確保> ○ 県内の発達障害の診療を行う医師は徐々に増加していますが、発達障害の診療が一部の専門医療機関に集中し、初診までに長期の待機が生じています。 また、専門医療機関の初診時に、療育や障害福祉、母子保健等の医療以外の分野の支援につながっていないケースが多く存在しています。 ○ 全ての小児科や精神科等において、発達障害の診療が可能な状況ではないことから、受診機会の確保のためには、県民への分かりやすい情報提供が必要です。 <難病対策の推進> ○ 難病患者の多くは、在宅での療養等地域で生活しながら病気の克服を願っており、難病患者が安心して在宅療養を送ることができる環境が求められています。 ○ できる限り早期に正しい診断を行い、診断後はより身近な医療機関で適切な医療を受けることができる体制や、学業・就労と治療が両立できる環境を医学的な面から支援する体制が必要です。 <医療費の助成> ○ 医療費の公費負担制度について、必要な医療を確保しつつ、制度の効率化、安定化に努める必要があります。 取組の方向性 <県立総合リハビリテーションセンターの診療機能の充実> ○ 今後も、障害者の医療ニーズや支援ニーズ等に対応した機能や役割、社会的使命等を踏まえながら、高度な障害者医療を担う中枢拠点及び幅広い障害者支援機能を有する複合施設として、引き続き、医療・福祉サービスを提供するとともに、県医療的ケア児支援センターにおいて、医療的ケア児の家族等からの相談に対する支援や、市町が実施する支援のサポート、支援人材の育成等に取り組みます。 <精神科専門医療> ○ 精神疾患等の医療連携体制については、統合失調症、うつ病、認知症、児童・思春期精神疾患、発達障害、依存症、PTSD、高次脳機能障害、摂食障害、災害精神医療などの多様な精神疾患等ごとに医療機関の役割分担を整理し、相互の連携を推進するとともに、各医療機関の医療機能を明確化し、地域連携拠点機能及び県連携拠点機能の強化を図っていきます。 ○ 児童・思春期精神疾患及び摂食障害の専門的な医療を行う医療機関が不足しているという課題を精神科医療、福祉、行政等関係者間で共有し、その解決に向けた有効な取組について検討します。 ○ 専門医療機関がない圏域内の精神科病院へ依存症に対応できる専門職の養成や多職種連携ができるよう、引き続き、行政から働きかけを行います。また、治療拠点機関、専門医療機関を核とした医療提供体制の整備を図ります。 <発達障害の専門医等の確保> ○ 早期から身近な地域で発達障害を診断し、必要な医療を受けることができるよう、医師や医療スタッフの養成に向けた研修を実施するとともに、各障害保健福祉圏域において、拠点機能医療機関と他の医療機関との連携体制の構築・強化を図ります。 ○ 初診待機期間から、発達障害の特性に配慮した支援が受けられるよう、各支援機関が連携した地域支援体制の整備を図ります。 ○ また、発達障害児(者)の個々の特性に応じて、適切な医療が受けられるよう、医療機関の情報を県のホームページで公表し、県民への情報提供の充実を図ります。 <難病対策の推進> ○ 早期の診断や地域で治療と生活を両立できるよう、難病診療連携拠点病院、各疾患分野の難病診療分野別拠点病院及び難病医療協力病院等による医療機関相互の連携を強化します。 ○ 難病診療に携わる医療従事者等を対象とした研修を実施し、疾病に関する正しい理解と知識を深めることにより、医療従事者等の資質の向上を図ります。 ○ ハローワークと連携し、難病患者の就労と治療の両立を支援します。 【図表2-3-3 難病医療提供体制】 <医療費の助成> ○ 医療費の給付や助成制度等を持続可能なものとし、障害者が安心して医療を受けることができるよう、各種制度等の適切な運用に努めるとともに、広報媒体を通じた周知を実施していきます。 (3) 地域リハビリテーションの推進 現状 ○ 障害者や高齢者が、住み慣れた地域で生涯にわたり生き生きと暮らしていくため、医療や保健、福祉及び生活に関わるあらゆる人々や機関等が協力し合って行う地域リハビリテーションの重要性はますます高まっています。 ○ 令和4(2022)年度末現在、県では二次保健医療圏単位でリハビリテーション実施機関に技術支援等を行う県地域リハビリテーション広域支援センター(11か所)、県地域リハビリテーションサポートセンター(115か所)を指定するとともに、これら広域支援センターやサポートセンターへの支援・助言を行う県リハビリテーション支援センター(1か所)を指定しています。 課題 ○ 市町や地域包括支援センターの介護予防や自立支援の取組が今後ますます進んでいくことにより、地域ケア会議等へのリハビリテーション専門職の協力要請の増加が見込まれます。 ○ 地域リハビリテーション専門職の派遣体制の構築を図るために、市町等の関係機関と地域リハビリテーション広域支援センターやサポートセンター等との連携が必要です。 ○ 地域リハビリテーション専門職が地域活動に参加していくには、所属する施設等の協力が必要です。 取組の方向性 ○ 市町や地域包括支援センターが実施する地域ケア会議等へのリハビリテーション専門職の協力要請に対応するため、サポートセンターの数を増やし、職能団体等との連携により派遣体制の構築を図ります。 ○ 市町や地域包括支援センターが主催する地域ケア会議等にリハビリテーション専門職が積極的に参加するため、所属する施設等の理解と協力が得られるよう働きかけていきます。 【図表2-3-4 地域リハビリテーションの体制】 2 療育体制の充実 (1) 地域における重層的な支援体制の構築 現状 ○ 県内の障害児通所支援事業所数は、児童発達支援センター 20、児童発達支援227、医療型児童発達支援4、放課後等デイサービス591、保育所等訪問支援53となっており、特に放課後等デイサービスは年々増加しています。 ○ 児童発達支援事業所が行う未就学の障害児に対する日常生活における基本的な動作の指導、知識技能の付与及び集団生活への適応訓練等の支援に加え、施設の有する専門性を活かし、地域の障害児やその家族への相談、障害児を預かる家族への援助・助言を併せて行う地域の中核的な療育支援施設である児童発達支援センターは、県内全ての障害保健福祉圏域で設置されていますが、未設置の市町があります。 【図表2-3-5 障害児通所支援事業所数(令和5(2023)年4月1日現在)】 (単位:所) 広島 児童発達支援(センター) 7 児童発達支援(センターを除く) 97 医療型児童発達支援 2 放課後等デイサービス 285 居宅訪問型児童発達支援 0 保育所等訪問支援 17 広島西 児童発達支援(センター) 2 児童発達支援(センターを除く) 7 医療型児童発達支援 0 放課後等デイサービス 35 居宅訪問型児童発達支援 0 保育所等訪問支援 2 呉 児童発達支援(センター) 1 児童発達支援(センターを除く) 20 医療型児童発達支援 0 放課後等デイサービス 36 居宅訪問型児童発達支援 0 保育所等訪問支援 3 広島中央 児童発達支援(センター) 1 児童発達支援(センターを除く) 16 医療型児童発達支援 1 放課後等デイサービス 45 居宅訪問型児童発達支援 1 保育所等訪問支援 3 尾三 児童発達支援(センター) 4 児童発達支援(センターを除く) 19 医療型児童発達支援 0 放課後等デイサービス 38 居宅訪問型児童発達支援 0 保育所等訪問支援 10 福山・府中 児童発達支援(センター) 4 児童発達支援(センターを除く) 64 医療型児童発達支援 1 放課後等デイサービス 145 居宅訪問型児童発達支援 0 保育所等訪問支援 17 備北 児童発達支援(センター) 1 児童発達支援(センターを除く) 4 医療型児童発達支援 0 放課後等デイサービス 7 居宅訪問型児童発達支援 0 保育所等訪問支援 1 計 児童発達支援(センター) 20 児童発達支援(センターを除く) 227 医療型児童発達支援 4 放課後等デイサービス 591 居宅訪問型児童発達支援 1 保育所等訪問支援 53 ○ 児童発達支援センター等機能強化事業を実施する施設においては、在宅の障害児等に対し、訪問・外来による療育や相談に応じるとともに、幼稚園や保育所、障害児通所事業所等、子供への支援に携わる施設に対して、療育に関する技術指導や研修等を行っています。 ○ 地域の保育所、認定こども園、放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)等において、障害児を受け入れる施設への職員の配置や医療的ケア児を受け入れる場合の看護師等の配置に対する補助などの支援を実施しています。 【図表2-3-6 障害児保育実施状況】 (各年度3月末現在) (単位:所、人) 障害児受入施設数 保育所 令和3年度 355 令和4年度 366 認定こども園 令和3年度 135 令和4年度 146 受入児童数 保育所 令和3年度 1,328 令和4年度 1,389 認定こども園 令和3年度 396 令和4年度 483 【図表2-3-7 放課後児童クラブ実施状況(各年度5月1日現在)】 (単位:所、人) 障害児受入クラブ数 令和4年度 382 令和5年度 399 登録障害児童数 令和4年度 2,000 令和5年度 2,387 課題 ○ 児童発達支援や放課後等デイサービスの事業所は、全ての障害保健福祉圏域において、少なくとも1か所以上ありますが、事業所のない市町があります。 ○ 障害児の地域社会への参加・包容(インクルージョン)を推進する保育所等訪問支援も、全ての市町では実施されていない状況です。 ○ 児童発達支援センターは県内全ての障害保健福祉圏域で設置されていますが、未設置の市町があります。 ○ 障害児通所支援における障害児及びその家族に対する支援について、障害児の障害種別や年齢別等のニーズに応じて、身近な場所で提供できるよう、地域における支援体制の整備が必要です。 ○ 障害児通所支援事業所については、障害児に対し、障害種別にかかわらず、質の高い専門的な発達支援を行う機関であることから、児童発達支援ガイドライン、放課後等デイサービスガイドライン等を活用し、常に支援の質の向上と内容の適正化を図る必要があります。 ○ 発達に課題があるものの保護者の障害受容が難しいなどの理由により、個別給付の申請に十分な時間をかけて支援することが必要なケースや、地域に利用できるサービスが無いことなどにより、児童発達支援などの個別給付のサービス利用に至らないケースへの支援も必要です。 ○ 身近な地域において障害が気になる段階から専門的な支援を受けられる体制の整備が必要ですが、発達障害等に関する知識を有する専門員が、保育所や放課後児童クラブ等の子供や保護者が集まる施設を巡回し、障害の早期発見・早期対応のための助言等を行う巡回支援専門員整備事業の導入状況は、市町によって差があります。 ○ 保育所、認定こども園、放課後児童健全育成事業(放課後児童クラブ)における障害児への受入体制が充実するよう、継続して取り組んでいく必要があります。 取組の方向性 ○ 重層的な地域支援体制の構築の中核となる児童発達支援センターや、地域で不足する障害児通所支援事業所の整備を促進するため、国に対して国庫補助制度の拡充等を要望します。また、市町の障害児福祉計画や障害児のニーズ等に沿った整備を進めるため、各市町の障害児福祉計画等で不足しているサービス事業の整備や、県の補助に加えて市町が上乗せ補助を行う予定の整備については、補助金の優先採択を行います。 ○ 障害児の地域生活への参加・包容を推進するため、各市町において、保育所等訪問支援を利用できる体制の構築に努めます。 ○ 児童発達支援や放課後等デイサービスの事業所等における支援の質の向上と内容の適正化に向けて、事業者等に対し適切かつ計画的に指導等を行うとともに、障害福祉サービス等情報公表制度等により各事業所等のサービス内容等の情報を公表します。 ○ 各障害保健福祉圏域の児童発達支援センターにおいて、児童発達支援などの個別給付のサービス利用に至らないケースを含めた地域の多様な子供や家族に対して、療育等の専門的な支援が行えるよう、児童発達支援センターの機能強化を図ります。 ○ 障害の早期発見・早期対応の推進を図るため、市町が実施する巡回支援専門員整備事業について、引き続き、財政支援や市町における好事例の共有等を行うことにより、県内市町における導入の促進を図ります。 ○ 障害児が地域の子供同士の触れ合いの中で健やかに育つよう、保育所や放課後児童クラブにおける支援の充実を図ります。 (2) 発達障害児支援の充実 現状 ○ 発達障害は、早期から適切な支援を行うことにより、発達障害があっても、日常生活や社会生活に適応することは可能であることから、早期把握、早期支援が特に重要です。このため、県では、乳幼児健康診査を始めとする様々な場面における気づきを強化するとともに、気づいた段階から特性に応じた支援が身近な地域で行われるよう、早期把握、早期支援の強化を図るための研修や、関係機関への助言等を行っています。 また、保護者の了解の下、関係機関による支援状況等の情報共有や引継ぎを行うためのツールである「サポートファイル」の作成や、厚生労働省が開発した市町の地域支援体制の点検・評価、地域内の連携状況の把握・分析を行うツール(Q―SACCS)の普及等により、地域の支援機関の連携強化に取り組んでいます。 ○ 発達に課題のある子供が、身近な地域で適切に診察、診断、助言を受けることができるよう、医師や医療スタッフの養成のための研修を実施しており、県内の発達障害の診療を行う医師は徐々に増加しています。 また、地域における医療支援体制の整備に向けて、障害保健福祉圏域ごとの各医療機関の機能を明確化し、地域の拠点となる専門医療機関と他の医療機関の連携体制の構築・強化に取り組んでいます。 さらに、県民への適切な受診機会を確保するため、県ホームページにおいて発達障害の診断を行うことができる専門医療機関を公表しています。 ○ 発達障害の家族支援体制の整備を図るため、発達障害児の保護者の養育スキル向上を図るペアレント・トレーニングや、発達障害児を育てた経験のある保護者による共感的な支援により発達障害児の保護者の精神的な支えになるペアレントメンター事業の普及に取り組んでいます。 ○ 発達障害児の権利利益の擁護を図るため、警察、司法関係者が実施する発達障害に係る研修やケース会議に、県発達障害者支援センターの職員を派遣しています。 課題 ○ 発達障害の早期把握、早期支援については、市町によって取組状況に差異があります。このため、身近な地域で早期から適切な支援が受けられるよう、一次支援機関である市町や事業所、保育所、学校等における対応力の向上、気づきの段階から関係機関が連携した重層的な支援体制の構築を図る必要があります。 また、「サポートファイル」については、十分に活用されておらず、「Q―SACCS」については、市町への普及が進んでいない状況にあるため、地域の支援機関の連携強化に向けて、更なる活用の促進を図る必要があります。 ○ 県内の発達障害の診療を行う医師は徐々に増加していますが、発達障害の診療が一部の専門医療機関に集中し、初診までに長期の待機が生じています。 また、専門医療機関の初診時に、療育や障害福祉、母子保健等の医療以外の分野による支援につながっていないケースが多く存在しています。 ○ 全ての小児科や精神科等において、発達障害の診療が可能な状況ではないことから、受診機会の確保のためには、県民への分かりやすい情報提供が必要です。 ○ 市町によって、ペアレント・トレーニングやペアレントメンター事業の取組状況には差異があるため、身近な地域でこれらの支援が受けられるよう、ペアレント・トレーニングやペアレントメンター事業の更なる普及を図る必要があります。 ○ 司法手続においても、個々の発達の特性に応じた適切な配慮が受けられるよう、警察や司法関係者職員における発達障害の理解促進や、特性に応じた対応力の向上を図る必要があります。 取組の方向性 ○ 早期から身近な地域で発達障害の特性に配慮した支援が受けられるよう、県発達障害者支援センターによる機関コンサルテーションや、ライフステージ等に応じた研修会の実施等により、支援者の質の向上を図ります。 また、地域支援マネジャーの派遣や、地域における発達支援の中核的な支援機関である児童発達支援センターの機能強化等により、地域支援体制の構築・強化をサポートします。 さらに、市町における効果的な活用事例の普及や、活用に向けた説明会の開催等により、「サポートファイル」や「Q―SACCS」の活用促進を図ります。 ○ 早期から身近な地域で発達障害を診断し、必要な医療を受けることができるよう、医師や医療スタッフの養成に向けた研修を実施するとともに、各障害保健福祉圏域において、拠点機能医療機関と他の医療機関との連携体制の構築・強化を図ります。 さらに、初診待機期間から、発達障害の特性に配慮した支援が受けられるよう、各支援機関が連携した重層的な地域支援体制の整備を図ります。 ○ 発達障害の特性に応じて、適切な医療が受けられるよう、発達障害の診療を行っている医療機関の情報を地域別に県のホームページで公表する等、県民への情報提供の充実を図ります。 ○ 発達障害の家族支援体制を整備するため、ペアレント・トレーニング実施者養成研修やペアレントメンター養成研修等の開催、地域支援マネジャーの派遣等による、市町におけるペアレント・トレーニングやペアレントメンター事業の導入の推進を図ります。 ○ 引き続き、警察、司法関係者が実施する発達障害に係る研修やケース会議へ、県発達障害者支援センターの職員派遣を行うことなどにより、個々の発達障害者の特性に応じた意思疎通の手段の確保などの発達障害児の権利利益を擁護するための必要な体制整備を進めます。 (3) 医療的ケア児支援体制の構築 現状 ○ 医療技術の進歩により、NICU(新生児集中治療室)等に長期間入院した後、引き続き人工呼吸器や胃ろう等を使用し、たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアが日常的に必要な障害児(以下「医療的ケア児」という。)が今後増加することが見込まれるとともに、退院して地域で生活するケースが増加しています。 ○ 医療的ケア児等を含めた重症心身障害児(者)を対象とする県立の医療型障害児入所施設として、東広島市に3施設(わかば療育園、若草園、若草療育園)、福山市に1施設(福山若草園)を設置しています。令和5(2023)年度には、わかば療育園を移転・新築するとともに、若草園、若草療育園を改修し、在宅支援機能等の拡充を図りました。 また、同年度、県立総合リハビリテーションセンター内に、県医療的ケア児支援センターを開設し、医療的ケア児とその家族等からの相談への対応や情報発信等の支援に取り組んでいます。 ○ 令和3(2021)年度に実施した医療的ケア児及びその家族の生活状況や支援ニーズに係る実態調査によると、県内の医療的ケア児の数は499人となっています。 また、同調査によると、医療的ケア児の家族等の内、14.7%が相談できるところがないと回答しています。 ○ 重症心身障害児(者)を対象とする事業所や、たん吸引等の実施に対応できる看護師及び介護従事者等の人材等、医療的ケア児の支援に係る地域資源が不足しています。 課題 ○ 医療的ケア児やその家族等を障害福祉サービス等の必要な支援につなげる必要がありますが、医療的ケア児の家族等が相談し、必要な情報を取得できる体制が十分に整っていません。 また、医療、福祉、教育等の関連分野間で連携し、医療的ケア児やその家族等がどこにいても切れ目のない支援が受けられるよう、市町や関係機関等との連携を強化していく必要があります。 ○ 在宅の医療的ケア児及びその家族等を支援する医療型の短期入所や障害児通所支援事業所等については、人員配置や設備基準などの法的規制や、医療職等の専門資格を有する人材の不足により、新規事業所の参入が難しい状況となっています。 また、訪問看護においては、たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアに対応できる看護師等の人材が確保できず、医療的ケア児に対応できる事業所が不足しています。 ○ 外出先での救急搬送や大規模災害発生時等に備え、有事に迅速に対応できるよう、医療的ケア児の医療に関する情報等について、医療機関間での共有が求められています。 取組の方向性 ○ 県医療的ケア児支援センターにおいて、医療的ケア児とその家族等に対し、関係機関と連携した相談支援や情報発信を行うとともに、地域で医療的ケア児の支援に係る調整等を行う医療的ケア児等コーディネーターや、医療的ケアに対応できる看護職員等を育成するほか、集約した先行事例の共有等を通じ、市町の取組等を支援します。 ○ 医療的ケア児等が在宅療養へ円滑に移行できるよう、医療機関の退院時カンファレンスに地域の医療的ケア児等コーディネーターが参画し、市町と情報連携することで切れ目のない支援体制の構築に取り組みます。 ○ 在宅の医療的ケア児及びその家族等を支援する医療型短期入所事業所の参入を促進するため、医療機関等への働きかけを行うとともに、社会福祉整備費補助金等の活用により、医療的ケア児 等を含めた重症心身障害児(者)を対象とする通所支援事業所の拡充を図ります。 ○ 医療的ケア児とその家族等に係る様々な課題について、引き続き、県障害者自立支援協議会医療的ケア児支援部会で協議するとともに、全ての市町における関係機関で構成する協議の場の設置の推進を図ります。 ○ 引き続き、厚生労働省が運用する医療的ケア児等医療情報共有システムの推進を図り、外出先での救急搬送や大規模災害発生時等の有事に対応できる体制を整備していきます。 (4) 難聴児支援体制の整備 現状 ○ 生まれつき耳が聞こえにくい赤ちゃんは1,000人に1~2人いるとされ、県内には聴覚障害のために身体障害者手帳を所持している18歳未満の児は213人(令和4(2022)年度末現在)います。聴覚障害は、早期把握と適切な早期支援により、聴覚障害による音声言語発達等への影響が最小限におさえられることから、検査の実施体制及び精度管理体制、早期療育支援体制を整備することが重要です。 ○ 新生児聴覚検査について、令和5(2023)年度現在、県内ほぼ全ての分娩取扱医療機関等において、スクリーニング検査ができる体制が整っています。 ○ また、令和4(2022)年度に構築した新生児・小児聴覚検査精度管理システム(以下、「システム」という。)を活用し、令和5(2023)年度に設置した県新生児・小児聴覚検査フォローアップセンター(以下、「センター」という。)を中心として、医療機関からの検査結果の迅速な把握、精密検査未受診者に対する市町からの受診勧奨や保護者支援、二次・精密医療機関から療育・教育機関へのつなぎを確実かつ円滑に行う体制を整備しています。 【図表2-3-8 新生児・小児聴覚検査フォローアップセンターイメージ図】 ○ 県内では、2カ所の児童発達支援センターと3校の特別支援学校(聴覚障害)で聞こえに不安のある児と保護者への、精神面を含めた専門的な支援を行っています。 ○ 県内の特別支援学校(聴覚障害)3校では、センター的機能の一環として、聴覚に障害のある乳幼児及びその保護者を支援する乳幼児教育相談を行っています。個別指導や集団指導といった定期的な教育相談を実施し、聞こえ、ことば、コミュニケーション等について個に応じた専門的な支援を実施しています。 課題 ○ 聴覚障害児を漏れなく、速やかに把握するためには、引き続き、関係機関とフォローアップ体制の強化を図っていく必要があります。 ○ 分娩取扱医療機関等におけるスクリーニング検査体制を維持しつつ、センターによる精度管理を進めていく必要があります。 ○ 福祉・教育・保健・医療等の関係機関との連携は極めて重要であり、児童発達支援センターや特別支援学校(聴覚障害)等を活用した、難聴児支援のための中核的機能を有する体制の確保を進め、難聴児及びその家族へ、言語・コミュニケーション手段(音声、手話、文字による筆談等を含む。)等の選択肢を保障・尊重し、地域差なく切れ目ない支援を関係機関が連携して充実を図ることが必要です。 ○ 個の実態に応じた指導を行うためには、教育相談担当教員の高い専門性が必要であることから聴覚障害教育の専門性向上のため、毎年、免許法認定講習を開催し、特別支援学校教諭免許状(以下「免許状」という。)の取得を推進していますが、新規採用や異動により免許状未保有者が一定数いるため、採用又は異動した教員全員が3年以内に免許状を取得するよう指導していく必要があります。 取組の方向性 ○ フォローアップの現状を把握し、関係機関と課題を共有していくことにより、フォローアップ体制の強化を図ります。また、センターを中心としたフォローアップ体制について保護者に周知すること等により、新生児聴覚スクリーニング検査の結果に不安を抱える保護者が相談しやすい環境を整えます。 ○ 精密検査を含め、検査の実施体制を一層充実させるとともに、システムに蓄積されたデータを活用し、関係医療機関等と連携しながら、新生児聴覚スクリーニング検査の精度管理に努めます。 ○ 福祉・教育・保健・医療の関係機関の協議等により、人材活用や連携等の進め方等地域の実情を踏まえた検討を行い、児童発達支援センター、特別支援学校(聴覚障害)等を活用する等により、難聴児支援のための中核的機能を果たす体制を確保します。 ○ 免許法認定講習を継続して実施するとともに、免許状未保有者に対し、受講を促進するなど、より多くの教員が早期に免許状を取得できるための取組を進めます。 (5) 成人期移行に向けた支援体制の整備 現状 ○ 平成22(2010)年の児童福祉法の改正(平成24(2012)年施行)により、18歳以上の障害者については、障害者施策での支援を受けることを基本とされましたが、その際に、現に障害児施設に入所している18歳以上の者(以下、「過齢児」という。)が退所させられることがないよう、障害児入所施設の指定を受けていることをもって、障害者支援施設又は療養介護の指定基準を満たすというみなし規定が設けられ、令和5(2023)年度末まで経過的に入所を継続できることとなりました。 この規定により、一部の18歳以上の入所者が障害児入所施設で支援を受けることとなりましたが、障害のある児童が成長した後には、一人の大人として個を尊重され、成人に相応しい場で過ごすことができる環境が求められています。 ○ 広島県内の「過齢児」は11名(令和5(2023)年4月1日現在)で、そのうち移行が困難なケースは1名となっています。 ○ 障害児入所施設の入所児童が18歳に達した後に適切な成人期の支援の場に移行できるよう、関係機関と連携・協力して調整等を行う「協議の場」を年2回程度設定しています。 ○ 特に移行調整が難しいケースについては、その都度「個別ケース会議」を実施し、関係機関との連携や役割分担、支援内容を検討し共有しています。 課題 ○ 過齢児を成人期に必要な障害福祉サービス等の支援につなげるためには、移行先となる施設等の実態を把握するとともに、関係機関と連携を図っていく必要があります。 また、障害児を成人期に相応しい場へスムーズにつなぐためには、早期からの調整を開始する必要があります。 ○ 移行先となり得るグループホームや、地域移行を支援する相談支援事業所などの活用と開拓ができておらず、移行先は主に障害者支援施設に限定されていますが、多くの障害者支援施設は常に満床であり、待機者も多いことから、過齢児が優先的に入所できる状況にありません。  特に、強度行動障害等により特別な配慮が必要な障害児や過齢児は、その支援の難しさから移行先の調整に時間を要する場合があります。 取組の方向性 ○ 引き続き、「協議の場」の開催により、関係機関との情報共有を行うとともに、15歳以上の障害児を対象とした早期からの入所調整を行います。 また、移行調整が難しいケース等については、「個別ケース会議」において、事例の蓄積を図り、スムーズに成人期の支援の場につなぐための調整機能を高めていきます。 ○ 移行先の選択肢を広げるため、地域資源の一つであるグループホームの活用等を「協議の場」で検討していきます。 Ⅳ 地域生活の支援体制の構築 ≪この分野の目指す姿≫ 障害者を地域で見守る体制が整い、障害の特性やライフステージに応じた質の高い障害福祉サービス等の支援を受けながら、自らが選ぶ場所で安心して暮らしています。 1 福祉サービス等の提供 (1) 訪問系のサービスの確保 現 状 ○ 県内の指定障害福祉サービス事業者のうち、訪問系サービスの事業者数は居宅介護で576、重度訪問介護535、行動援護79、同行援護140、重度障害者等包括支援1事業所となっています。 【図表2-4-1 訪問系サービスの事業所数(令和5(2023)年4月1日現在)】     (単位:所) 広島 居宅介護 319 重度訪問介護 301 行動援護 22 同行援護 51 重度障害者等包括支援 0 広島西 居宅介護 26 重度訪問介護 22 行動援護 4 同行援護 7 重度障害者等包括支援 0 呉 居宅介護 47 重度訪問介護 42 行動援護 7 同行援護 17 重度障害者等包括支援 0 広島中央 居宅介護 34 重度訪問介護 34 行動援護 12 同行援護 12 重度障害者等包括支援 0 尾三 居宅介護 46 重度訪問介護 42 行動援護 9 同行援護 22 重度障害者等包括支援 0 福山・府中 居宅介護 88 重度訪問介護 79 行動援護 23 同行援護 26 重度障害者等包括支援 1 備北 居宅介護 16 重度訪問介護 15 行動援護 2 同行援護 5 重度障害者等包括支援 0 計 居宅介護 576 重度訪問介護 535 行動援護 79 同行援護 140 重度障害者等包括支援 1 課題 ○ ヘルパー等介護人材の不足により、支援を必要としている人に必要な支援が行き届いていない場合があります。 また、中山間地域や島しょ部等、サービスの提供が十分に行われていない地域もあり、県内のどこにいても必要な障害福祉サービスが保障されるよう、提供体制を確保する必要があります。 ○ 難病患者等については、障害福祉サービスの利用が少ない状況にあります。 取組の方向性 ○ 研修機会の拡大を図ることなどにより、介護人材の育成を促進するとともに、サービスの提供について、市町の状況把握に努め、情報共有し、必要なサービス量を確保するため、指定事務を行う市町やサービスの提供を担う事業者等と連携して対応します。 ○ 地域の実情にあわせて、限られた福祉人材を有効に活用することが可能である共生型サービスについて、会議や市町指導等を通じて、市町職員への制度説明を行うとともに、集団指導等において、事業者に同サービスの内容の説明を行い、参入促進を図ります。 ○ 事業者が少ない行動援護、同行援護及び重度障害者等包括支援については、事業者への集団指導研修等を通じて事業内容の周知を図り、事業者の参入を促進します。 ○ 難病患者等に対し、障害者総合支援法に基づく給付の対象である旨を引き続き、周知していきます。 (2) 日中活動の場の充実 現状 ○ 県内の指定障害福祉サービス事業者のうち、日中活動サービスの事業者数は生活介護で313、宿泊型自立訓練4、自立訓練(機能訓練)5、自立訓練(生活訓練)36、自立生活援助 4、就労定着支援37、就労移行支援62、就労継続支援A型87、就労継続支援B型378、療養介護11事業所となっています。 ○ 平成30(2018)年度から、生活介護及び自立訓練(機能訓練・生活訓練)について、介護サービスと障害福祉サービスを提供する共生型サービスの制度が創設され、令和5(2023)年4月1日時点で指定を受けているのは生活介護が19件、自立訓練(生活訓練)が1事業所となっています。 【図表2-4-2 日中活動系サービス事業所数(令和5(2023)年4月1日現在)】 (単位:所) 広島 生活介護 123 宿泊型自立訓練 1 自立訓練(機能) 3 自立訓練(生活) 22 自立生活援助 2 就労定着支援 26 就労移行支援 28 就労継続支援A型 47 就労継続支援B型 169 療養介護 1 広島西 生活介護 20 宿泊型自立訓練 0 自立訓練(機能) 0 自立訓練(生活) 0 自立生活援助 0 就労定着支援 0 就労移行支援 0 就労継続支援A型 2 就労継続支援B型 19 療養介護 3 呉 生活介護 26 宿泊型自立訓練 0 自立訓練(機能) 0 自立訓練(生活) 3 自立生活援助 1 就労定着支援 2 就労移行支援 5 就労継続支援A型 8 就労継続支援B型 33 療養介護 1 広島中央 生活介護 29 宿泊型自立訓練 0 自立訓練(機能) 0 自立訓練(生活) 5 自立生活援助 0 就労定着支援 1 就労移行支援 7 就労継続支援A型 6 就労継続支援B型 28 療養介護 4 尾三 生活介護 31 宿泊型自立訓練 2 自立訓練(機能) 1 自立訓練(生活) 3 自立生活援助 0 就労定着支援 4 就労移行支援 6 就労継続支援A型 4 就労継続支援B型 41 療養介護 0 福山・府中 生活介護 68 宿泊型自立訓練 1 自立訓練(機能) 0 自立訓練(生活) 2 自立生活援助 1 就労定着支援 4 就労移行支援 15 就労継続支援A型 17 就労継続支援B型 74 療養介護 1 備北 生活介護 16 宿泊型自立訓練 0 自立訓練(機能) 1 自立訓練(生活) 1 自立生活援助 0 就労定着支援 0 就労移行支援 1 就労継続支援A型 3 就労継続支援B型 14 療養介護 1 計 生活介護 313 宿泊型自立訓練 4 自立訓練(機能) 5 自立訓練(生活) 36 自立生活援助 4 就労定着支援 37 就労移行支援 62 就労継続支援A型 87 就労継続支援B型 378 療養介護 11 ○ 障害福祉サービスの訓練等給付として、市町において自立訓練、就労移行支援、就労継続支援、就労定着支援、自立生活援助及びグループホームを実施しています。 課題 ○ 県内どこでも必要な障害福祉サービスが保障されるよう、提供体制を確保する必要があります。 ○ 施設入所等から地域生活への移行を進めるためには、グループホームの充実を図るとともに、自立生活援助、地域移行支援及び地域定着支援、自立訓練等のサービスを充実させる必要があります。また、併せて必要な訪問系サービスや日中活動系サービスを保障することにより、地域における生活の維持及び継続が図られるようにする必要があります。 ○ 日中活動系サービスは、通える範囲内に事業所がないなどサービスを利用しにくい地域があります。 取組の方向性 ○ サービス等の提供体制については、市町の状況把握に努め、情報共有を図るとともに、必要なサービス量を確保するため、市町や関係機関等と連携を図ります。 ○ 地域で不足する日中活動系サービス事業所の整備を促進するため、国に対して国庫補助制度の拡充等を要望します。また、市町の障害福祉計画に沿った整備を進めるため、それぞれの市町の障害福祉計画で不足しているサービス事業の整備や、県の補助に加えて、市町が上乗せ補助を行う予定の整備については補助金の優先採択を行います。 ○ 中山間地域や島しょ部など、事業者の参入が進みにくい地域においては、介護保険事業者などを市町において基準該当福祉サービス事業者として認定するほか、介護サービスと障害福祉サービスを提供する共生型サービスの参入を促進するなど、地域の実情に応じた事業者の確保を促進します。 (3) 居住系のサービス基盤の準備 現状 ○ 令和5(2023)年4月1日現在、県内の指定障害者支援施設(施設入所支援)は68施設、共同生活援助(グループホーム)の事業所数は189、短期入所(ショートステイ)の事業所数は244となっています。 ○ 児童福祉法に基づく障害児入所施設等は、令和5(2023)年4月1日現在、福祉型障害児入所施設が9施設、医療型障害児入所施設は8施設、重症心身障害児や肢体不自由児を受け入れる指定発達支援医療機関は3か所となっています。 課題 ○ 地域生活への移行を促進するための受け皿となるグループホームについて、設置されていない市町もあり、サービスを利用しにくい地域があります。 取組の方向性 ○ グループホームが不足している地域では、社会福祉施設整備費補助金の優先的な採択による新設や既存建物の利活用(賃貸の建物の活用を含む。)などにより、必要なサービス量の確保に努めます。 ○ グループホームの整備に当たっては、障害の重度化・高齢化に対応できるよう、平成30(2018)年度から新たに創設された、常勤の看護職員等の配置や短期入所等の体制を備えた「日中サービス支援型共同生活援助(グループホーム)」への参入について引き続き促進を図ります。 (4) 地域生活を支えるサービス等 現状 <市町地域生活支援事業の促進> ○ 市町では、相談支援、意思疎通支援、日常生活用具の給付及び移動支援など障害者の生活の基礎となる事業や、社会的障壁の除去に向けた地域社会への働きかけの研修・啓発事業等の必須事業に併せ、利用者ニーズに応じて、福祉ホームや日中一時支援、社会参加支援など多種多様な任意事業を地域の実情に応じ実施しています。 <身体障害者補助犬の普及啓発> ○ 身体障害者補助犬(盲導犬、介助犬、聴導犬)を育成・給付するとともに、補助犬使用者又は受入側施設の管理者等から苦情や相談の申し出を受けたときは、必要な助言、指導等を行っています。 【図表2-4-3 身体障害者補助犬の実働状況】 (単位:頭) 介助犬 広島県 1(R5.4.1現在) 全 国 57(R5.4.1現在) 聴導犬 広島県 実働なし 全 国 56(R5.4.1現在) 盲導犬 広島県 18(R5.3.31現在) 全 国 836(R5.3.31現在) ○ 人権啓発行事の「ヒューマンフェスタ」において、身体障害者補助犬の貸与式を実施する等、身体障害者補助犬の意義、役割等について普及啓発活動を行い、理解促進に努めています。 身体障害者補助犬法 この法律は、身体障害者補助犬の育成及びこれを使用する身体障害者の施設等の利用の円滑化を図り、もって身体障害者の自立及び社会参加の促進に寄与することを目的としています。具体的には、補助犬育成に係る訓練事業者及び使用者の義務を定めるとともに、公共施設、公共交通機関及びデパート、レストランなどの不特定多数が利用する施設を身体障害者が利用する場合、身体障害者補助犬を同伴することを拒んではならないことが定められています。 身体障害者補助犬は、目や耳や手足に障害のある方の生活のお手伝いをする犬のことで、盲導犬、聴導犬、介助犬のことです。 補助犬は特別な訓練を受け、身体障害者補助犬法に基づいて認定されており、障害のある方の社会参加のために行動を共にすることが認められています。 補助犬は障害のある方のパートナーです。 <障害者手帳の利便性向上> ○ 障害者手帳については、紙製の手帳形式で発行していますが、自治体の判断により、カード形式で発行することも認められています。さらに、国においては、障害者手帳とマイナンバーの連携強化について検討が進められています。 <軽度・中等度の難聴児支援> ○ 身体障害者手帳の交付対象とならないとならない軽度・中等度の難聴児の健全な発達を支援するため、18歳未満の対象児童等に対して、補聴器の購入費又は修理費の一部を助成しています。 <年金・手当等> ○ 障害者の経済的支援を行うため、各種手当等の支給や制度の周知を図っています。 <住宅の確保> ○ 障害者等が入居できる民間賃貸住宅の仲介を行う事業者(協力店)・居住の支援を行う団体(支援団体)の登録、居住支援法人の指定及び情報提供を実施しています。 ○ 県営住宅の一部の住戸で、社会福祉法人がグループホーム等として目的外使用することを認めています。 【図表2-4-4 広島県あんしん賃貸支援事業登録状況(令和5(2023)年3月末現在)】 協力店 登録数 56店 支援団体 登録数 1団体 【図表2-4-5 住宅確保要配慮者に対する賃貸住宅の供給の促進に関する法律における居住支援法人の指定状況 (令和5(2023)年3月末現在)】 居住支援法人 指定数 22団体 <思いやり駐車場利用証交付制度の推進> ○ 公共施設や商業施設等に設置されている障害者等用駐車区画の適正利用の推進及び当該駐車区画を安心して利用できる駐車環境を提供するため、障害者等、駐車区画の確保に特に配慮を必要とする人に対し「利用証」を交付する「広島県思いやり駐車場利用証交付制度」を実施しています。 【図表2-4-6 思いやり駐車場利用証交付状況】 (単位:人) 申請者数 平成30年度 12,944 令和元年度 14,196 令和2年度 9,600 令和3年度 16,117 令和4年度 14,001 <安全運転相談の実施> ○ 運転免許取得時・更新時等において、身体障害者等に対し安全運転相談を実施し、自動車等の安全な運転に必要な認知又は操作のいずれかに係る能力を欠くこととなる四肢又は体幹の障害者は、条件が付されることによって、安全な運転に支障を及ぼすおそれがないと認められることで、運転免許を取得できます。 また、一定の病気にかかっている人に対しても安全運転相談を実施し、個別に相談を受けるとともに、自動車の安全な運転に支障があると思われる人については、専門医又はかかりつけの医師の診断書の提出を求め、運転免許の取得ができるか否か判断するなどの対応をしています。 課題 <市町地域生活支援事業の促進> ○ 市町地域生活支援事業は、市町が地域の実情に応じて創意工夫により事業を実施できるという特性上、市町により実施される事業や事業形態が異なるなど、地域によって提供されるサービスに差が生じています。また、サービスの多様化に伴い、事業規模は拡大していますが、国の財政的支援は十分に行われていません。 <身体障害者補助犬の普及啓発> ○ 平成14(2002)年に身体障害者補助犬法が成立して20年が経過しましたが、法律の目的及び補助犬への理解が進んでいないこと等から、補助犬の施設への同伴入場は必ずしも円滑に受け入れられていない状況にあります。 <障害者手帳の利便性向上> ○ 国が進めるマイナンバーとの連携強化に併せて、本県においても利便性の向上に努める必要があります。 <軽度・中等度の難聴児支援> ○ 幼児期における言語やコミュニケーション能力の向上、または学齢期における学習機会の確保、難聴児の健全な発達等のため、身体障害者手帳の交付対象とならない軽度・中等度の難聴児に対する補聴器の早期装用への支援が求められています。 <年金・手当等>  ○ 経済的支援としての障害基礎年金等の給付、特別児童扶養手当や特別障害者手当等の手当制度、保護者が死亡した場合残された障害者の生活と福祉の増進を図るための心身障害者扶養共済制度などがありますが、障害のある方の生活に必要な年金・手当等の支援が安定的に行われる必要があります。 <住宅の確保> ○ 障害者等のそれぞれの状況に応じ、民間賃貸住宅の入居に向けた相談に加え、入居後の見守り、生活面の支援など、幅広い居住支援が求められています。 <思いやり駐車場利用証交付制度の推進> ○ 思いやり駐車場の利用対象者が、安心して利用できる駐車環境を整えるため、駐車区画の更なる確保や思いやり駐車場制度の周知を進めることが必要です。 <安全運転相談の実施> ○ 現行の道路交通法では、身体障害者等が免許を取得・更新する場合、一定の病気等に該当するかどうか判断するため、交付を受けた質問票に必要事項を記載し、提出する必要があり、質問票に虚偽の申告をした場合の罰則規定が設けられています。したがって、一定の病気等の申告や安全運転相談については、プライバシーの保護に配慮しつつ、窓口対応や相談時において、誤った認識や申告、記載がないよう正確な周知と丁寧な説明が必要となります。 取組の方向性 <市町地域生活支援事業の促進> ○ 地域の実情にあった柔軟で効果的なサービスが提供されるよう、県内市町の状況把握に努め、その取組の情報共有を図るとともに、必要な助言や調整等により、市町の取組を推進します。また、各市町が必要なサービスを安定的に提供するには、国の十分な財政措置が必要であるため、引き続き、他県と連携して要望するなど、国への働きかけを行います。 <身体障害者補助犬の普及啓発> ○ 身体障害者補助犬の育成・給付を継続するとともに、身体障害者補助犬の同伴入場が円滑に受け入れられるよう、人権啓発イベント等において、県民へ広くその意義、役割等について周知するほか、飲食店、商業施設、医療機関など業種別団体等に対し、補助犬に関する理解と対応について普及啓発に努めます。 <障害者手帳の利便性向上> ○ 障害者手帳のデジタル化については、国の動向を注視しながら、県内市町と連携し、障害者手帳所持者の利便性向上につながるよう、検討を進めます。 <軽度・中等度の難聴児支援>  ○ 軽度・中等度の難聴児の補聴器購入費の一部を助成することにより、補聴器の早期装用を促し、将来的に自立した日常生活を営むことができるよう、言語能力の発達を支援します。 <年金・手当等>  ○ 支援の必要な障害のある人への手当等の円滑な認定や、心身障害者扶養共済制度の安定的な運営の確保について、引き続き国及び県内市町と連携し、障害のある人の生活を支援していきます。 <住宅の確保>  ○ 多様なニーズに応じた居住支援を実施していくため、市町や関係団体等に普及啓発を行い、居住支援法人の増加に向けて取り組みます。 <思いやり駐車場利用証交付制度の推進> ○ 思いやり駐車場を必要とする方々が、安心して利用できる環境を整備するため、民間事業者等への思いやり駐車場の確保に向けた働きかけや、市町や民間事業者等との連携により、思いやり駐車場制度の周知を図ります。 <安全運転相談の実施> ○ 警察窓口においては、質問票作成時に個別説明するなどプライバシーの保護に配慮しつつ、きめ細かい案内をすることで、正確な申告を促すとともに、再取得した免許の有効期間や、免許再取得にかかる試験の一部免除などを周知し、身体障害者や一定の病気にかかっている人の社会参加が妨げられないよう配意します。 2 サービスの質の向上等 (1) 質の確保 現状 <障害福祉サービス等の質の確保> ○ 県及び市町では、事業者に対して運営基準等の遵守状況を確認するため、定期的に実地指導を実施し、提供するサービスの自己評価を行うよう指導しています。 ○ 事業者が適切なサービスを提供するために必要な情報を共有するため、制度改正や報酬改定等について、事業者への集団指導研修等を実施しています。 ○ 障害者総合支援法等の一部改正により、障害福祉サービス等の情報公表制度が創設され、平成30(2018)年度から施行されました。 ○ 就労継続支援A型事業所は、令和5(2023)年4月1日現在、県内で87事業所あり、雇用契約の締結による雇用機会の提供や、就労の知識・能力向上の訓練等を行う事業所として、障害者が自立した日常生活・社会生活を営むことに寄与しています。 <福祉サービス第三者評価> ○ 福祉サービス第三者評価は、福祉サービスの質の向上と利用者の適切なサービス選択に資する有意義な制度であり、社会福祉法や国が示す指針に基づき、本県を含む全ての都道府県が事業を実施しています。 ○ 本県では、この事業の「推進組織」の役割を担う「広島県福祉サービス第三者評価推進委員会」を県社会福祉協議会に設置しており、県は、推進組織の適切な運営を確保するため、事業実施に必要な助言や提案などを行っています。 ○ 推進組織では、評価基準の策定、評価調査者の養成、評価機関の認証及び福祉サービス事業者への普及啓発などを行っていますが、事業開始から20年が経過する中で、受審率の伸び悩みや、制度と運用面との間に乖離が生じるなど、様々な課題が顕在化してきています。 課題 <障害福祉サービス等の質の確保> ○ 実地指導の標準化を図るため、市町職員を対象にした研修の実施や、県が実施指導を行っていない障害福祉サービスに係る市町の指導状況を把握する必要があります。 ○ 障害福祉サービス等を提供する事業所数が大幅に増加する中、情報公表制度の効果的な活用により、利用者が個々のニーズに応じて良質なサービスを選択できるようにするとともに、事業者によるサービスの質の向上を図る必要があります。 ○ 就労継続支援A型事業所については、平成29(2017)年度から指定(運営)基準等の一部改正が行われましたが、県内では、生産活動の収益で利用者の賃金を賄うという指定基準を満たすことができない事業所が数件あり、経営の改善等を図る必要があります。 <福祉サービス第三者評価> ○ 福祉サービスの質の向上に向け、事業者に対して福祉サービス第三者評価の受審意義や具体的な効果などの情報を提供し、受審の機運を高めていく必要があります。 ○ 福祉サービス第三者評価の公表情報が、利用者やその家族にとって、事業所選択の際の有効な情報源となるよう、評価結果をわかりやすく情報発信し、広く活用を促していく必要があります。 〇 今後の制度改正や受審ニーズの増加等にも対応できるよう、評価調査者の資質向上や評価機関の確保等、福祉サービス第三者評価の推進体制の充実・強化を図る必要があります。 ○ 現行の評価基準は、本県独自の基準であり、定期的な更新ができておらず、一部項目に現行の制度実態との乖離が見られることなどから、現状に即した適切な評価が行えるよう、基準の抜本的な見直しを検討する必要があります。 取組の方向性 <障害福祉サービス等の質の確保> ○ 実地指導を担当する市町職員を対象とした研修を実施し、事例の発表・研修等による指導ノウハウの普及を図るとともに、市町へ権限移譲を行った障害福祉サービス事業については、市町が実地指導を行う上での障害福祉サービス等報酬や制度等の問題点を把握し、必要に応じて、国に働きかけるなど、市町と連携し障害福祉サービスの質の向上を図ります。 ○ 情報公表制度について、より多くの利用者や相談支援専門員等が活用できるよう普及啓発に向けた取組を実施し、障害福祉サービスの質の向上を図ります。 ○ 指定基準を遵守するよう就労継続支援A型事業所を指導するとともに、指定に際しては、令和元年度に設置した就労継続支援A型事業所の指定等に係る専門家会議の意見を聴取するなど、就労継続支援A型事業所の健全な運営が図られるよう取り組みます。 <福祉サービス第三者評価> ○ 推進組織や関係団体と連携し、福祉サービス第三者評価の受審の有効性や具体的な活用事例(優良事例等)をホームページ等でわかりやすく紹介することにより、事業所に対する受審意義の浸透と積極的な活用を促します。 ○ また、公表情報が利用者とその家族に積極的に活用されるよう、評価結果について、写真やグラフ等を活用した可視化や、関係団体等のホームページへのリンク掲載などによる情報検索の簡易化を図るとともに、地域住民の相談役となる民生委員とも連携して積極的な周知を図ります。 ○ 評価調査者の新規養成に加え、現任者のスキルアップの場や、組織を超えた評価調査者同士のつながりづくりの場など、評価調査者の育成に向けた研鑽機会の提供等について検討するとともに、関係団体を中心に評価機関への新規参入を働きかけます。 ○ 評価基準について、本県の独自基準から、全国で標準化された評価が実施でき、定期的な更新も容易に行える全国基準に移行する方向で、必要な準備を進めていきます。 (2) 人材の育成・確保 現状 <障害福祉サービス等の提供に係る人材の育成> ○ 全ての障害福祉サービス等の支給申請に対し、計画相談支援(サービス等利用計画、障害児支援利用計画の作成)を実施していく必要があることから、相談支援従事者の人材育成に取り組んでいます。 ○ また、令和2(2020)年度からは、地域課題の協議や相談支援従事者への助言・指導等を実施する中核的な人材として、主任相談支援専門員の育成に取り組んでいます。 ○ サービス管理責任者及び児童発達支援管理責任者については、資格の入り口となる基礎研修から、実践研修、更新研修を実施し、障害福祉サービス事業所等の中核となる人材の育成を行っています。 ○ 県内の障害福祉サービス等の利用者数は年々増加傾向で推移しており、今後、障害者及びその家族の高齢化等により、複合的な課題を抱える障害者が増加することが見込まれており、相談支援従事者やサービス管理責任者及び児童発達支援管理責任者等の人材が更に不足することが見込まれています。 〇 強度行動障害支援者養成研修を実施し、人材を育成していますが、困難な事例に対応できる専門人材が不足しています。 <障害福祉サービス等の提供に係る人材の確保> ○ 障害福祉サービス等事業所における福祉・介護職員の賃金の改善に向けて、福祉・介護職員処遇改善加算、特定加算、及びベースアップ等加算を事業者に周知するなど、職員の処遇改善に取り組んでいますが、今後更に介護人材等の人材が不足することが見込まれていることから、人材確保のために、職場の環境改善や賃金水準の引き上げが一層求められています。 ○ 障害福祉サービス分野において、職員の業務負担の軽減と生産性の向上を図るため、ICT・ロボット等の導入が進められています。 <保健医療サービス等の提供に係る人材の育成・確保> ○ 看護職員養成における看護教育の充実を図り、質の高い看護職員の養成に努めるとともに、復職支援、定着促進を図る取組を進めています。 ○ 県内の病院等に対して、認定看護師研修及び看護師の特定行為研修の受講に対して支援することにより、看護職員の資質向上を図っています。 ○ 医療技術・リハビリテーション技術の進歩や高齢期における地域包括ケアシステムの強化に伴う幅広いリハビリテーションのニーズに対応するため、病院や社会福祉施設等において、理学療法士、作業療法士及び言語聴覚士の需要が高まっています。 ○ 本県の就業歯科衛生士数は年々増加傾向にありますが、介護予防や摂食嚥下障害の軽減、誤嚥性肺炎の予防等には、口腔健康管理が効果的であることが分かっており、それらを担う歯科衛生士の役割は重要です。 ○ 障害者や在宅患者等の医薬品の適正使用を推進するため、薬剤師の関係団体が実施する医療や介護、福祉分野の研修を支援することにより、薬剤師の資質向上を図っています。 ○ 県立広島大学では、看護師、保健師、助産師、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、社会福祉士、精神保健福祉士を養成しています。 また、大学院総合学術研究科保健福祉学専攻では、保健・医療・福祉分野における高度かつ広範な専門性を身に付け、地域包括ケアシステムの中核を担う人材や大学等の教員の養成を行っています。 課題 <障害福祉サービス等の提供に係る人材の育成> ○ 必要な障害福祉サービス等が適切なタイミングで提供できるよう、相談支援従事者、サービス管理責任者及び児童発達支援管理責任者等の人材不足の解消が必要となります。 ○ 質の高いケアマネジメントや、地域を基盤としたソーシャルワークを実践できる相談支援専門員を養成するため、国の動向を踏まえ、研修制度やカリキュラムの改正などに的確に対応する必要があります。 ○ また、複合的な課題を抱える障害者が増加する中で、相談やサービス等利用計画について適切に対応できるよう、地域の相談支援従事者等の資質の向上に努める必要があります。 ○ 障害者の雇用や就労ニーズの高まりによって、雇用分野と福祉分野の知識やスキルを有する資質の高い従事者等による継続的な支援が求められています。 〇 支援が難しい強度行動障害に対応するための人材の養成や、支援者間での情報共有・連携が十分できていない状況があります。 <障害福祉サービス等の提供に係る人材の確保> ○ 障害福祉サービス事業所における人材を確保するためには、事業者が、福祉・介護職員処遇改善加算等、職員の処遇改善に必要な加算を取得するとともに、職場環境の改善や職員の賃金水準の引き上げに確実につないでいる必要があります。 ○ また、障害福祉サービス事業所においては、対面によるサービス提供が基本となることや、導入コスト等の問題により、ICT・ロボットの活用が進んでいません。 <保健医療サービス等の提供に係る人材の育成・確保> ○ 新興感染症拡大時等に迅速・的確な対応をするため、専門性の高い看護職員の養成が求められています。また、県内の65歳以上人口が増加する中で、在宅医療の需要の増大に対応していく必要があります。 ○ 保健、医療、福祉、介護の幅広い分野におけるニーズに対応できるよう、引き続き理学療法士、作業療法士及び言語聴覚士の資質向上に努める必要があります。 ○ 患者ニーズの多様化やチーム医療の推進、在宅医療への転換等に対応できる人材を育成する必要があります。 ○ 介護予防や摂食嚥下障害の軽減、誤嚥性肺炎予防など全身の健康につながる口腔健康管理に対応可能な歯科衛生士の養成が必要です。 ○ 多様な病態の患者への対応や入退院時等に関係機関と協力して対応できるよう、在宅医療に関わる薬剤師の資質向上や薬剤師確保を図る必要があります。 取組の方向性 <障害福祉サービス等の提供に係る人材の育成> ○ 地域の障害福祉サービスの提供に必要な相談支援従事者、サービス管理責任者及び児童発達支援管理責任者を確保するため、研修グループワークにおいて指導力を備えた演習ファシリテーターを確保するなど、受講希望者数に応じた研修実施が可能な体制を整備します。 ○ 指導力を備えた相談支援専門員を育成するため、国が実施する相談支援従事者等養成研修等へ計画的な人材派遣を行います。 ○ 相談支援従事者研修の計画的な実施とカリキュラムの充実により、相談業務の量的拡大によるセルフプランの改善・解消やサービス等利用計画の質の向上を図ります。 ○ 相談支援に関して指導的な役割を担う人材として、主任相談支援専門員の計画的な養成・確保により、地域の相談支援従事者の育成や相談支援体制の充実を図ります。 〇 障害者就業・生活支援センターにおいては、地域の中核的な拠点として、福祉や雇用の関係機関への相談支援や研修会等の開催を通じて、障害者の雇用や就労を支援する従事者等の資質の向上に努めます。 〇 強度行動障害支援者養成研修による人材育成に加え、国が実施する強度行動障害支援における中核的人材養成研修へ計画的に人材派遣を行い、事業所での適切な支援や、指導助言ができる中核的な人材を養成します。 <障害福祉サービス等の提供に係る人材の確保> ○ 集団指導を通じた事業者への福祉・介護職員処遇改善加算等の制度の周知を行うとともに、実地指導における職員への配分状況の確認などに取り組みます。 ○ 障害福祉サービス事業所におけるICT・ロボット等の導入について、先進導入事例の紹介や国庫補助事業の活用等を行い、生産性の向上を支援します。 ○ 生産年齢人口の減少が見込まれる中で福祉・介護人材の確保・定着を図るため、県社会福祉人材育成センターによる人材マッチングや「魅力ある福祉・介護の職場宣言ひろしま」認証制度の普及促進、外国人材の日本語学習支援に取り組みます。 <保健医療サービス等の提供に係る人材の育成・確保> ○ 県内看護師等養成所の教育の充実と資質向上を図るため、専任教員の成長段階に応じた研修の実施や実習指導者の養成等を行います。 ○ 県内の認定看護師研修及び看護師の特定行為研修の受講に対する支援を行うとともに、これら専門性の高い看護師の活用促進に取り組みます。 ○ 日々進歩する医療技術やリハビリテーション技術に対応するとともに、地域包括ケアシステムの中で役割を果たすことができるよう、関係機関と連携し、各種研修等の機会を通じて理学療法士、作業療法士及び言語聴覚士の資質の向上を図ります。 ○ 県歯科衛生士会と連携しながら、介護予防等のための口腔機能の維持・向上、誤嚥性肺炎予防等のための専門的な口腔健康管理が実施できる歯科衛生士を養成します。 ○ 地域包括ケアの推進など、持続可能な地域づくりに貢献できる医療・福祉分野のリーダーを養成するため、高度かつ広範な専門性を身に付けた人材の育成に取り組みます。 ○ 薬剤師の関係団体が行う介護・福祉分野の研修の充実を支援し、薬剤師の更なる資質向上や確保を図ることにより、医療ケアを必要とする障害者の医薬品の適正使用を推進します。 3 相談支援体制の構築 (1) 地域共生社会の実現に向けた重層的支援体制の構築 現状 ○ 近年、家族や地域の支え合い機能が低下し、地域のつながりが薄まる中で、従来の福祉制度により対応してきた課題に加えて、ダブルケアや8050問題などの複合的な課題や制度の狭間の問題が顕在化しており、既存の制度では解決が困難になっています。 課題 ○ 複合的な課題や制度の狭間の問題の解決に当たっては、地域での見守り合いや支え合いを進めるための地域づくり、生きづらさを感じている人へのアウトリーチ、地域と専門職、専門職間の分野横断的な連携を密にする必要があります。 ○ 地域で支え合う機能の低下に対して、様々な生きづらさを抱える方が見過されず、日常生活の中での「気づき」や「変化」を捉えて必要な支援へつながっていく「人と人とのつながり」そのものがセーフティネットとなる関係性を、現代社会に対応した形で構築していく必要があります。 取組の方向性 ○ 障害者をはじめ、高齢者、子育て、就労、ひきこもり等の複合的な課題や制度の狭間の課題を解決していくため、各分野が連携して総合的に対応できる包括的な相談支援体制の構築を図る市町の取組を支援していきます。 ○ 必要な支援や支え合いにつながりやすい仕組・環境づくりに向けて、制度や分野の枠を超えて多様な主体が参画する居場所づくりや社会とつながる機会・参加支援の取組など、市町が進める分野・属性等を問わない地域のつながりづくりへの支援に取り組みます。 (2) 身近な地域における相談 現状 ○ 市町において、障害者の相談に応じる相談支援事業が行われています。 ○ 地域における障害者等への支援体制に関する課題を共有するとともに、市町障害者自立支援協議会の取組を活性化するため、アドバイザー派遣による助言や市町協議会事務局連絡会議の開催等により、市町等への支援を行っています。 ○ 基幹相談支援センターは地域における相談支援事業者等に対する専門的な指導・助言、情報収集・提供、人材育成の支援など相談支援の中核的な役割を担うものであり、令和5(2023)年4月1日時点で10市町(うち広島市は8区全て)に設置されています。 令和4(2022)年12月に障害者総合支援法が一部改正されたことに伴い、令和6(2024)年度から基幹相談支援センターの設置は、市町の努力義務とされています。 【図表2-4-7 基幹相談支援センター設置市町数】 (単位:市、か所) 設置市町数 令和元年度 7 令和2年度 8 令和3年度 8 令和4年度 10 設置か所数 令和元年度 14 令和2年度 15 令和3年度 15 令和4年度 17 ○ 民生委員・児童委員は、同じ地域で生活する住民の一員として、日常生活上の困りごと等を抱える人の把握や相談対応を行い、市町や地域住民の人、専門機関等への「つなぎ役」として活動しています。 ○ 身体障害者相談員・知的障害者相談員は、障害者や家族が有している様々な経験や情報を活かし、身近な地域で当事者や家族の目線に立った相談援助を担っています。 課題 ○ 複合的な課題を抱える障害者が増加する中で、「基幹相談支援センター」の設置を促進するとともに、基幹相談支援センターが地域の相談支援の中核的な役割を担う機関としての機能を十分に果たす必要があります。 ○ 地域課題が複雑・多様化する中、民生委員・児童委員及び身体障害者相談員・知的障害者相談員の役割や負担が増加し、なり手不足が生じています。 取組の方向性 ○ 市町にアドバイザーを派遣し、相談支援体制の整備や市町障害者自立支援協議会の役割等について助言等を行い、協議会において、当該市町の障害福祉のあり方等について積極的な議論が行われるよう、協議会の取組の活性化を図ります。 ○ 基幹相談支援センターの設置促進に向けて、市町に対し、国の財政支援制度を活用しながら、地域の実情に応じた相談支援体制として整備するよう助言をしていきます。 ○ また、各市町の基幹相談支援センター等による専門的な助言・指導及び人材育成や、地域において指導的役割を担う主任相談支援専門員を計画的に養成し、基幹相談支援センターの機能の充実を図ります。 ○ 民生委員・児童委員の負担軽減やなり手の不足への対応のため、民生委員・児童委員が活動しやすい環境づくりに向け、広く県民等に対し、制度の周知やその活動内容等の普及啓発を行います。また、民生委員・児童委員が地域や家庭などにある多様な課題に対応できるよう、県民生委員児童委員協議会や地区民生委員児童委員協議会が行う研修会等の支援を行い、民生委員・児童委員の質の向上を図ります。 ○ 身体障害者相談員・知的障害者相談員についても、同様に地域にある多様な課題に対応できるよう、広島県障害者社会参加推進センターが行う活動強化研修会等の支援を行い、質の向上を図ります。 (3) 専門的・広域的な相談支援 現状 <県発達障害者支援センター> ○ 発達障害児(者)に対する相談・普及啓発・研修などに関する県内の総合拠点として、県発達障害者支援センターを設置し、発達障害のある当事者やその家族への直接支援のほか、一次支援機関である市町等関係機関への助言、研修、関係機関調整等を行っています。 <難病対策センター> ○ 難病対策センターでは、地域で生活する難病患者等の日常生活における相談・支援、地域交流活動の促進及び就労促進などを実施しています。 <若年性認知症相談> ○ 県では、若年性認知症支援コーディネーターを設置し、若年性認知症の人や家族への相談支援を行うとともに、支援に携わる関係機関とのネットワークの構築や支援に必要な知識・技術を習得するための研修を行っています。 <広島口腔保健センター> ○ 広島口腔保健センターでは、一般の歯科診療所での歯科治療が困難な障害児(者)を対象に、むし歯や歯周病治の治療、歯科衛生士による口腔衛生指導などを行っています。 <県こども家庭センター> ○ 県こども家庭センターでは、知的障害児(者)への専門的な相談や心理学的判定に応じるとともに、障害児の施設入所等の必要な支援、市町に対する技術的な支援を行っています。   また、子供の発達にかかる相談や児童虐待相談への対応等を実施しています。 <ろうあ者専門相談> ○ 県では、ろうあ者専門相談員を厚生環境事務所等の関係6機関に配置し、意思疎通が難しい聴覚障害者の更生援護等の相談に応じています。 【図表2-4-8 ろうあ者専門相談員の活動状況(令和4(2021)年度)】 (単位:件) 相談内容 家族関係 82 生活・生計 167 職業職場関係 25 住居 10 健康・医療 231 教育・育児 8 福祉サービス 55 補装具・日常生活用具 235 年金・保険 5 各種制度 31 災害 3 通訳 94 その他 238 計 1,184 課題 <県発達障害者支援センター> ○ 発達障害児(者)とその家族が、身近な地域・市町で個々の特性に応じた適切な支援を受けられるよう、一次支援機関である市町、事業所等への支援・バックアップや、保育所、学校、職場等における支援者のスキル向上等、相談支援の充実を図る必要があります。 <難病対策センター> ○ 難病患者の多くは、地域で生活しながら病気の療養等を行っており、難病患者が安心して在宅療養を送ることができる相談支援体制の提供が求められています。 <若年性認知症相談> ○ 若年性認知症の人を早期に適切な支援につなぐため、幅広い普及啓発に加え、若年性認知症の人や家族が気軽に相談できる総合的な相談体制の確立が必要です。 <広島口腔保健センター> ○ 日常の口腔管理や歯科治療が困難な場合が多く、口腔内の状態が悪化しやすい傾向にある障害児(者)が、予防や早期治療など適切な歯科保健医療が受けられるよう支援体制の充実を図る必要があります。 <県こども家庭センター> ○ 育てにくさのある子供の子育てが、児童虐待につながることがないよう、子供の発達にかかる相談について、より早期に相談できるよう市町や県こども家庭センター(児童相談所)における支援体制の充実を図る必要があります。 <ろうあ者専門相談> ○ 手話による相談を通して、ろうあ者のニーズを確実に把握し、適切な支援につなげることが必要です。 また、高齢のろう者や、ろう以外の障害も併せ持つろう者に対する支援ニーズが高まってきています。 取組の方向性 <県発達障害者支援センター> ○ 発達障害者支援センターにおいて、一次支援機関への機関コンサルテーションや、支援スキルの向上に向けた研修を行うなど、発達障害のある方が、早期から身近な地域で発達障害の特性に配慮した支援が受けられるよう、相談支援の現場のサポートに取り組みます。 <難病対策センター> ○ 難病患者やその家族の不安解消を図るため、難病対策センターが行う難病相談や、各保健所が行う難病相談会及び難病団体が行うピアサポート相談事業を実施します。 <若年性認知症相談> ○ 若年性認知症支援コーディネーターは、各地域の地域包括支援センターや認知症地域支援推進員等へ迅速に情報提供を行うなど、若年性認知症の人や家族からの相談ケースを地域の関係機関につなぐことにより、地域を含めた支援の実行体制の構築を図り、オーダーメイド型の支援を行います。 <広島口腔保健センター> ○ 障害児(者)の専門的な治療機能及び教育機能を有する広島口腔保健センターにおける研修等により、専門的治療及び歯科疾患予防のための口腔ケアが実施できる歯科医師・歯科衛生士の養成を行い、障害児(者)が適切な歯科保健医療を受けられる体制の充実に取り組みます。 <県こども家庭センター> ○ 子供やその家族に身近な市町が、育てにくさのある子供の子育て等に関する相談を受けて適切に支援につなぐことができるよう、アドバイザーの派遣や研修の実施等により市町の機能強化を支援するとともに、県こども家庭センター(児童相談所)の増設などにより、子供の発達課題等を早期に発見・相談できる環境の整備に取り組みます。 <ろうあ者専門相談> ○ 研修や情報共有により、ろうあ者専門相談員の専門性を高め、ろうあ者の方が適切な支援が受けられるような体制の充実に取り組みます。 4 地域生活への移行支援 (1) 福祉施設等から地域生活への移行支援 現状 ○ 障害者等の高齢化や「親亡き後」に備えるとともに、施設入所又は病院からの地域移行を進め、地域生活で生じる様々な課題に対応し、住み慣れた地域で安心して暮らすことができるよう、居住支援のための機能(相談、緊急時の受け入れ・対応、体験の機会・場、専門的人材の確保・養成、地域の体制づくり等)を備えた地域生活支援拠点等(システム)の整備を促進しています。 ○ 各市町においては、自立支援協議会等で協議し、地域の実情に応じて整備を進めており、県においては、個別ヒアリング等により、整備の進捗状況を把握しながら、必要に応じてアドバイザーを派遣するなどの支援を行っています。 【図表2-4-9 地域生活支援拠点等(システム)の整備イメージ】 ○ 県内で福祉施設を退所し、地域生活へ移行した障害者の人数は、令和元(2019)年度末時点から令和4(2022)年度までの間で、70人となっています。 ○ 福祉施設の入所者数(以下「施設入所者数」という。)は、令和4(2022)年度末現在2,944人となり、令和元年(2019)年度末時点の3,022人から 78人減少しています。 課題 ○ 地域生活支援拠点等(システム)は、障害者等の地域生活を支える地域システムを担うものであり、各地域のニーズやサービス提供体制に違いがあることから、市町によって整備状況に差が生じています。 ○ 福祉施設においては、障害の程度が比較的軽度である人の地域移行は進んでいる一方で、障害の程度が重度の人や高齢の人については、その支援の難しさや地域での受け入れ体制が整っていないことにより、地域移行が進んでいません。 取組の方向性 ○ 地域生活支援拠点等(システム)整備に向けて、地域の実情に応じて市町の自立支援協議会等で十分協議し、整備を進めるとともに、市町での取組状況や課題等を把握し、広島県相談支援アドバイザーの派遣等を通じて市町の取組を支援していきます。 ○ 強度行動障害や重度障害等、支援が難しい人の地域移行については、市町や関係団体と連携し、医療専門職の知見を得ながら、検討していくとともに、市町の自立支援協議会において、個別の事例検討を行う体制を整えます。 (2) 医療と福祉の連携による地域生活への移行支援 現状 ○ 令和4(2022)年度「精神保健福祉に関する資料」によると、本県の精神病床における1年以上の長期入院患者数は4,720人です。令和2(2020)年患者調査によると、本県の退院患者平均在院日数(病院)は306.7日で、全国平均(296.9日)より長い状況です。 ○ 高次脳機能障害者やその家族に対する医療及び社会復帰支援を充実させるため、県の中核施設である「広島県高次脳機能センター」を運営するとともに、地域において「広島県高次脳機能地域支援センター」を指定し、高次脳機能障害に係る相談対応を行っています。 ○ 県立総合リハビリテーションセンターに設置された県の中核施設である広島県高次脳機能センターを中心に、保健・医療・福祉・労働の各分野との連携強化を図りながら、高次脳機能障害者の地域生活や社会への復帰に向けた支援に取り組んでいます。 ○ 自ら障害や疾病の経験を持ち、その経験を活かしながら他の障害や疾病のある障害者の支援を行うピアサポーター及びピアサポーターの活用方法等を理解した障害福祉サービス事業所等の管理者等を養成するため、令和3(2021)年度より国の定める標準カリキュラムに基づいた広島県障害者ピアサポート研修を実施し、人材育成に努めています。 課題 ○ 精神保健医療福祉上のニーズを有する方が、その意向やニーズに応じ、切れ目なく医療福祉等のサービスを利用し、安心してその人らしい地域生活を送ることができるよう、地域における多職種・多機関が有機的に連携する体制の構築を進める必要があります。 ○ 県立総合リハビリテーションセンターにおいて、高次脳機能障害者への社会復帰への支援サービスを提供している機関の利用者が減少しています。 ○ ピアサポーターを着実に養成している一方で、当該研修を修了したピアサポーターが所属する46事業所のうち、広島県障害者ピアサポート研修を修了することにより算定が可能な「ピアサポート体制加算」あるいは「ピアサポート実施加算」を算定している事業所が10事業所に止まっており、地域の実情に応じた人材が確保されているか実態を把握し、ピアサポート体制の構築を行う必要があります。 取組の方向性 ○ 県及び各圏域において、地域包括ケアシステム連絡調整会議を設置し、精神障害の有無や程度にかかわらず、誰もが安心して自分らしく暮らせる地域包括ケアシステムの構築を進めます。 【図表2-4-10 精神障害の有無や程度にかかわらず、誰もが安心して自分らしく暮らせる地域包括ケアシステムの構築イメージ】 ○ 地域の精神保健医療福祉体制の基盤が整備されれば退院可能な精神科病院の入院者に対して、地域で安心して生活できる支援体制を整備します。 ○ 高次脳機能障害者の地域移行の進捗状況を考慮しながら、県立総合リハビリテーションセンターにおける高次脳機能障害者の地域生活や社会への復帰に向けた支援のあり方について、検討を行います。 ○ 引き続き、地域の実情に応じた人材を確保するため、広島県障害者ピアサポート研修を実施するとともに、市町や事業所等と連携し、ピアサポート体制の構築に取り組みます。 (3) 更生支援の推進 現状 ○ 令和4(2022)年において、新たに刑事施設に入所した人(受刑者)で、犯罪時の住居が広島県であった人のうち、60 歳以上の割合は28.4%となっており、平成28(2016)年からみると、23 ~30%で推移しています。また、入所時に無職であった人が69.8%となっており、平成28年からみると、63~74%で推移しています(法務省矯正局調査)。 ○ 令和4(2022)年において、新たに刑事施設に入所した人(受刑者)で、犯罪時の住居が広島県であった人のうち、IQ相当値69以下の人は28.9%となっており、平成28(2016)年からみると23~28%で推移しています(※₁)。また、境界知能域を含むIQ相当値70以上90未満の人者は44.4%となっており、平成28(2016)年からみると43~50%で推移しています(※₂)(法務省矯正局調査)。 ○ 県地域生活定着支援センターを設置し、矯正施設退所者等のうち、高齢または障害により自立した生活が困難な人に対して、必要な福祉的支援を行っています。 ○ 刑事司法手続終了者(起訴猶予者等や保護観察等終了者)のうち、就労能力や意欲はあるが自力での就労が難しい人(高齢者を含む)に対し、就職から職場定着までの支援を実施しています。 ○ 令和3(2021)年3月に「広島県再犯防止推進計画~更生支援の推進~」を策定するとともに、国、県、市町及び民間の関係機関等で構成する「広島県再犯防止推進連絡会議」を設置し、再犯防止に向けた取組を推進しています。 ※₁ 広島の療育手帳は、こども家庭センターの判定により、IQ75以下の人に対し、社会適応力を加味したうえで交付されます。 ※₂ 境界知能にある人とは、IQがおおよそ70以上85未満の人を言い、知的障害と判定されないものの、認知機能の弱さ、対人スキルの乏しさなどにより生活上の困難を抱えやすいとされています。(宮口幸治『ケーキの切れない非行少年たち』(新潮社、2019年)99頁、宮口英樹「(講演録)困難さを抱えた子どもたちの現状と支援について」鳥取市人権情報センター編『架橋』(2019年)所収41~43頁。) なお、IQの中央値は100となっています。 課題 ○ 県地域生活定着支援センターによる支援にあたっては、保護観察所、矯正施設、留置施設、検察庁及び弁護士会といった刑事司法関係機関や、地域の福祉関係機関等と適切に連携する必要があります。   また、刑事司法手続終了者の就労支援にあたっては、高齢や障害、帰住先がない等、複数のニーズを同時に抱えていることが多いことから、刑事司法関係機関、福祉支援機関、民間支援団体等の関係機関と適切に連携する必要があります。 ○ 県や国における様々な支援制度等を通じ、矯正施設退所者等に対する支援が漏れなく行き届くよう、仕組みを構築するとともに、県民の理解を深め、円滑に社会復帰しやすい環境を整える必要があります。 ○ 境界知能にある人に対する効果的な支援プログラムについて研究が進み、「認知機能向上トレーニング」の効果が、一部では実証されつつありますが、支援の現場への普及には至っていません。 取組の方向性 ○ 矯正施設退所者等が地域社会において生活基盤を持ち、社会参画が果たせるよう、県地域生活定着支援センターと、刑事司法関係機関、就労支援機関、福祉等関係機関との間で情報共有や意見交換を行い、福祉的支援の充実や就労支援・職場定着の促進に取り組みます。 ○ 「広島県再犯防止推進連絡会議」をはじめ、国、県、市町及び民間の関係機関等による情報共有や連携を促進し、矯正施設退所者等に対する支援体制の構築に取り組むとともに、犯罪や非行をした人たちの更生について、県民の理解促進を図ります。 ○ 境界知能域にある人の特性を踏まえた就労支援について、研究成果を踏まえ推進します。 【図表2-4-11 刑事司法手続きと地域支援の流れ(概略図)】 Ⅴ 暮らしやすい社会づくり ≪この分野の目指す姿≫ 全ての人があらゆる場面で、生活への不安を感じることなく、安全に暮らせる社会が実現しています。 1 福祉のまちづくりの総合的な推進 (1) 福祉のまちづくりの推進 現状 ○ 「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(バリアフリー法) 」に基づき、基準適合義務のある一定の建築物の建築時の審査のほか、基準適合建築物の維持保全について、建築主等に対し、指導、助言等を行い、建築物のバリアフリー化の推進に取り組んでいます。 ○ 「広島県福祉のまちづくり条例」に基づき、誰もが暮らしやすい福祉のまちづくりを推進するため、公益的施設等の適用施設の構造及び設備の整備について、必要な基準を定めています。 ○ 適用施設の建築等を行う場合には、事前に協議(一定規模未満の適用施設を除く。)することとしており、協議の際に基準への適合について指導及び助言を行っています。   なお、条例及び規則に基づく事務(事前協議、適合通知、適合証の交付等)は、各市町で処理することとしています。 課題 ○ 多様な障害特性に応じ、実態に即した建築物のバリアフリー化の促進が求められています。 ○ 建築計画の検討段階で、バリアフリー法及び広島県福祉のまちづくり条例に基づく基準適合に向けた建築主等の意識の向上が求められています。 取組の方向性 ○ バリアフリー法及び広島県福祉のまちづくり条例の普及啓発を行います。 ○ 建築主や設計者からの各種相談の機会を捉え、基準適合に向けた助言等により、バリアフリー化の実現に向けた意識啓発及び技術支援を継続的に実施していきます。 ○ 今後見込まれる社会情勢や障害者等の生活環境の変化に伴う多様なニーズに対応できるよう、国の法改正等に連動して、適宜、広島県福祉のまちづくり整備マニュアルの見直しを行っていきます。 (2) 公共的施設等のバリアフリー化の推進 現状 <道路空間> ○ 「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律に基づく移動円滑化のために必要な道路の構造に関する基準を定める条例」に基づき、人々が安全で安心して利用できる道路空間のバリアフリー化の推進に取り組んでいます。   国土交通大臣が指定する特定道路において、バリアフリー法の基準に適合した整備を実施しています。 <都市公園・自然公園> ○ 「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律に基づく移動等円滑化のために必要な特定公園施設の設置に関する基準を定める条例」に基づき、障害者等が利用しやすい都市公園となるよう多目的トイレの設置など園内のバリアフリー化の推進に取り組んでいます。 ○ 広島県福祉のまちづくり条例を踏まえた、自然公園等の施設整備や改修を実施しています。 <県庁舎> ○ 広島県福祉のまちづくり条例及びこれに係る広島県福祉のまちづくり整備マニュアルに基づき、県庁舎のバリアフリー化の推進に取り組んでいます。 <県営住宅> ○ 県営住宅再編5箇年計画に基づき、県営住宅のバリアフリー化の推進に取り組んでいます。 課題 <道路空間> ○ 人々が安全で安心して利用できる道路空間を創造するため、特定道路をはじめとした道路空間のバリアフリー化を推進していく必要があります。 <都市公園・自然公園> ○ 県及び市町の都市公園について、条例基準に適合した公園整備を行う必要があります。また、条例に適合していない既設の公園については、改善する必要があります。 ○ 誰もが利用しやすい自然公園等施設の整備・改修が求められています。 <県庁舎> ○ 障害のある方が、快適かつ安全に県庁舎を利用できるよう、バリアフリー化を更に推進していく必要があります。 <県営住宅> ○ 誰にでもやさしい安心した暮らしの確保の一環として、県営住宅のバリアフリー化を推進していく必要があります。 取組の方向性 <道路空間> ○ 国及び市町と連携し、道路空間のバリアフリー化を推進していきます。 <都市公園・自然公園> ○ 県で新規設置する都市公園については、広島県福祉のまちづくり条例に適合した整備を行うとともに、既設の公園については調査し、条例に適合していない場合は改善していきます。   また、市町の管理する都市公園については、各市町で制定している条例に沿って整備を行うよう働きかけます。 ○ 誰もが利用しやすい自然公園となるよう、主要な自然公園においては、公衆トイレのバリアフリー化(広島県福祉のまちづくり整備マニュアルに基づいた腰掛便座及び手すりが配置された便房)の整備を行っていきます。 <県庁舎> ○ 誰もが利用しやすい県庁舎となるよう、バリアフリー化を推進していきます。 <県営住宅> ○ 県営住宅の計画的な建替と改修に合わせて、バリアフリー化を推進していきます。 (3) 公共交通機関等のバリアフリー化の推進  現状 ○ 低床バス、床路面電車等の車両については、導入が進むよう助言し、令和5(2023)年度末時点の目標値が86%であるところ、令和4(2022)年度末時点で94.0%となっており、目標を上回っています。 ○ 鉄道駅や旅客施設のバリアフリー化については、導入が進むよう助言を行っています。  課題 ○ 鉄道駅のバリアフリー化については、国庫補助制度を活用し、利用者の多い駅から、市町とJRが連携して整備を進めていますが、利用者が一定以上の鉄道駅や市町の中心的な鉄道駅においてもバリアフリー化が未整備の駅があります。  取組の方向性 ○ 低床バス、低床路面電車等の車両について、今後もさらに導入が進むように事業者へ助言を行っていきます。 ○ 鉄道駅や旅客施設のバリアフリー化については、市町とJRが連携して行う先導的な整備に対し、導入が進むように事業者へ支援や助言を行っていきます。 (4) ユニバーサルデザインの推進  現状 ○ 「ユニバーサルデザインひろしま推進指針」(平成14(2002)年3月)の策定をはじめ、関連ガイドラインを策定し、全ての人があらゆる場面でバリアを感じることなく、安全で安心して快適な生活を楽しむことができるユニバーサルデザイン社会の実現に向け、セミナーの実施等を通じて普及啓発に取り組んできました。 ○ 現在、県内全ての市町においてユニバーサルデザインへの取組が進められています。 ○ 平成7(1995)年3月の広島県福祉のまちづくり条例制定後、県民一人一人が福祉のまちづくりに積極的に取り組む気運を醸成するため、福祉関係団体、経済関係団体、建設関係団体、交通関係団体等で構成する「広島県福祉のまちづくり推進協議会」を平成8(1996)年3月に設置しています。  課題 ○ ユニバーサルデザイン社会の実現に向けて普及啓発を進めていく必要があります。 ○ 福祉のまちづくりに向けた普及啓発活動等を進めていく必要があります。  取組の方向性 ○ 「ユニバーサルデザインひろしま推進指針」をはじめ、ユニバーサルデザインの考え方について、広く事業者や県民に普及啓発を図るため、HPの改善を図るなど、効果的な情報発信に取り組んでいきます。 ○ 広島県福祉のまちづくり条例の趣旨に沿った福祉のまちづくりを進めるため、「広島県福祉のまちづくり推進協議会」を必要に応じて開催し、民間団体等との情報交換や意見交換、課題等を共有しながら普及啓発活動等を推進します。 ○ 国において、2020年東京パラリンピックを契機とした共生社会の実現に向け、「ユニバーサルデザイン2020行動計画」を定め、公共交通機関や学校施設のバリアフリー化やその水準の向上、心のバリアフリー教育、ボランティア機運を高める取組等が進んでいることを踏まえ、本県においても推進指針に沿った取組を一層推進します。 2 災害、感染症対策の強化 (1) 災害対策の強化  現状 <災害時避難支援> ○ 市町では、自ら避難することが困難な要配慮者を把握して「避難行動要支援者名簿」を作成し、名簿情報を基に、要配慮者ごとの「個別避難計画」を任意に作成してきました。 令和3(2021)年5月の災害対策基本法の改正により、個別避難計画策定が市町村の努力義務とされるとともに、実効性の確保から計画に記載すべき要件が示されたため、それまで作成されていた計画は、その内容をはじめ、作成方法を含めて見直しが求められています。 ○ 災害発生時等において、高齢者施設や障害者支援施設等が要支援者を受け入れる福祉避難所の整備が各市町において進められており、令和4(2022)年12月1日時点で、433施設が市町との協力体制等を構築しています。 ○ 災害発生時において、障害者等の要配慮者が、避難所等において長期間の避難生活を余儀なくされる場合の生活機能の低下や要介護度の重度化などの二次被害の発生が懸念されることから、一般避難所等での福祉ニーズに対応するため、県災害福祉支援ネットワークを設置し、平時から、災害に備えた連携・情報共有や、研修・訓練の実施など、災害派遣福祉チーム(DWAT)の派遣に向けた基盤整備に取り組んでいます。 ○ 障害福祉サービス等事業所に対しては、災害発生時に備えた非常災害対策計画の作成や定期的な避難訓練が義務付けられており、各事業所における対応状況について、指導検査及び書面監査の機会に確認を行っています。 <緊急時情報提供体制> ○ 災害発生時に、迅速・的確かつ円滑に災害応急対策を実施するため、県では「防災情報システム」を整備し、市町からの被害情報や避難所開設の状況等をオンラインで収集しています。 また、収集した情報は防災関係機関と情報共有を図るとともに、インターネット「広島県防災Web」を通じて広く県民に提供しています。 ○ 障害者等への防災情報の伝達のため、音声読み上げソフトに対応した「視覚障害者向け防災情報メールシステム」の運用を行っています。 ○ 聴覚障害者への防災・災害情報の伝達にも対応できる聴覚障害者用情報受信装置等の給付等について、各市町地域生活支援事業により実施しています。 <土砂災害対策> ○ 要配慮者利用施設を保全する箇所における土砂災害対策施設の整備を優先して実施しています。 また、インターネット「土砂災害ポータルひろしま」等により、雨量・土砂災害危険度情報や土砂災害警戒区域などの防災情報を提供しています。 ○ 土砂災害警戒区域内の要配慮者利用施設の管理者等が避難確保計画の作成・避難訓練を実施するための支援を行っています。 <水害対策> ○ 洪水時に市町から発令される避難指示等の避難情報のうち「高齢者等避難」の発令判断の目安となるよう、県管理河川61河川において基準水位(避難判断水位)を設定し運用しています。   また、その水位情報等について、インターネット「広島県防災Web」や防災情報メール通知サービス等により、情報提供しています。 ○ 浸水想定区域内の要配慮者利用施設の管理者等が避難確保計画の作成・避難訓練を実施するための支援を市町と連携して行っています。 <自主防災> ○ 平成30(2018)年7月豪雨災害に関する県民の避難行動の調査を踏まえ、「自主防災組織による避難の呼びかけ体制の構築」に取り組んでおり、令和4(2022)年度末時点で47.9%の組織が体制を構築しています。  課題 <災害時避難支援> ○ 実効性の高い個別避難計画の作成を進めていくには、市町において、防災・福祉・まちづくりなどの関係分野の「庁内連携」、及び地域住民や専門職と協働する「庁外連携」の仕組みや推進体制を構築するとともに、災害危険度が高い地域や独居等の生活実態を踏まえて優先すべき対象者から作成を進めるなど、計画的に進めていく必要があります。 また、要配慮者及び避難支援者の双方が、個別避難計画の必要性等の理解を共有し、生活実態に詳しい福祉専門職等の協力を得ながら、地域ぐるみで避難する意識と行動を広げていく必要があります。 ○ 非常時において、要配慮者の避難先となる福祉避難所や一般避難所の福祉スペース等の整備を進めるには、開設・受入時の連絡体制、人員配置、要配慮者の特性に応じた滞在スペースの確保や整備、及び必要品の備蓄・調達方法など、個々の施設等の状況に応じた事前の調整や備え等が必要となります。 ○ 大規模災害時に備え、平時から、迅速かつ適切な福祉支援体制の構築を図るとともに、災害派遣福祉チーム(DWAT)の登録員の更なる増加や、継続的な知識・スキルの向上に取り組む必要があります。 ○ また、災害発生時にも障害福祉サービスがなければ生活が困難な障害者を対象とする事業継続計画(BCP)については、多くの障害福祉サービス事業所等において未作成の状況です。 <緊急時情報提供体制> ○ 障害者を含めた全ての人が、迅速な避難行動をとるため、避難情報や避難所開設情報などの必要な情報を、多様な情報提供手段により迅速かつ容易に入手できるよう環境を整備していく必要があります。 ○ 聴覚障害者が災害発生時に避難所等で生活する際の情報保障として、手話通訳者の派遣や、遠隔手話通訳による支援が求められます。 <土砂災害対策> ○ 本県は、土砂災害のおそれのある箇所に要配慮者利用施設が多いため、緊急度や優先度を踏まえながら、計画的に土砂災害対策施設の整備を進めていく必要があります。 ○ 土砂災害警戒区域内の要配慮者利用施設の管理者等は、避難確保計画の作成・避難訓練の実施が土砂災害防止法において義務付けられており、施設管理者等が主体的に作成する必要があります。 <水害対策> ○ 洪水時において要配慮者が適切な避難行動ができるよう、洪水時にとるべき行動やそのタイミング、基準水位の意味等について、継続して周知していく必要があります。 ○ 要配慮者利用施設の管理者等は、避難確保計画の作成・避難訓練の実施が水防法において義務付けられていることから、施設管理者等が自ら主体的に作成・実施する必要があります。 <自主防災> ○ 要配慮者を含め地域住民が、災害時に早めの避難行動をとるためには、過去の災害を踏まえ、災害リスクの高い地域の自主防災組織から優先的に避難の呼びかけ体制を構築していく必要があります。  取組の方向性 <災害時避難支援> ○ 市町が進める避難行動要支援者名簿の定期的な更新や、障害の特性や地域の実情等を踏まえた個別避難計画の作成・見直し、要支援者を含めた避難訓練等の取組に対して、県作成ガイドラインによる助言や先行事例の共有等により支援を行います。   また、避難支援者の確保に向けた取組を促進するため、福祉専門職を対象とした研修会の開催や地域住民の理解促進を図る研修教材の提供、地域コミュニティとの連携・協働した取組事例の共有等により、市町の取組を支援します。 ○ 福祉避難所や一般避難所の要配慮スペース等の整備・開設にあたって必要なポイント等をまとめたガイドラインを作成するなどにより、市町が進める避難者の特性等に応じた受入環境・体制づくりを促進します。 ○ 県災害福祉支援ネットワークの活動を通じ、災害派遣福祉チーム(DWAT)の周知を図るとともに、継続的に、登録員への実践的な研修・訓練を実施します。 ○ 障害福祉サービス事業所等に対し、サービス利用者の障害特性等を考慮した避難確保計画や事業継続計画(BCP)の作成について、集団指導や実地検査の機会を捉えて指導を行います。 <緊急時情報提供体制> ○ 情報を必要とする障害者やその支援者が、迅速かつ確実に必要な情報を入手できるよう、「広島県防災Web」や県の視覚障害者向け防災情報メールの周知と利用促進を図ります。 ○ 引き続き、聴覚障害者など情報伝達等が困難な方に対して、日常はもとより災害等緊急時にも対応できる、市町地域生活支援事業の情報意思疎通支援用具の給付等を支援していきます。 ○ 避難所等への速やかな手話通訳者の派遣や、遠隔手話通訳の提供が行えるよう、市町及び関係団体と連携して、体制の整備を推進します。 <土砂災害対策> ○ 緊急度や優先順位の高い箇所から、砂防堰堤や法枠等の土砂災害対策施設の整備を計画的に実施します。 ○ 要配慮者利用施設における避難確保計画の作成及び避難訓練の実施について、市町と連携して積極的に支援を行います。 <水害対策> ○ 洪水時の適切な避難につながるよう、市町と連携して、洪水時にとるべき行動やそのタイミング、基準水位の意味等について、住民への啓発活動に引き続き取り組んでいくとともに、実効性のある避難体制の確保ができるよう市町の取組を支援していきます。  ○ 要配慮者利用施設における避難確保計画の作成及び避難訓練の実施について、市町と連携して積極的に支援を行います。 <自主防災> ○ 災害リスクの高い地域に居住している方々に適切な避難行動をとっていただけるよう、市町と連携し、自主防災組織による避難の呼びかけ体制構築・実践の取組を促進します。 (2) 新興感染症等への備え  現状 ○ 障害者については、感染症にかかった場合、重症化のリスクが高いと言われており、特に入所施設においては利用者の高齢化が進んでおりハイリスクな状態にあります。 ○ 障害福祉サービス事業所等の運営基準が改正され、令和6(2024)年4月1日から、事業継続計画(BCP)を策定し、当該計画に従い必要な措置を講じること、当該計画を従業員に周知すること、必要な研修及び訓練を定期的に実施することが事業者に義務付けられています。  課題 ○ 未知の感染症が発生した場合には、感染症の専門家ではない障害福祉サービス事業所の職員や利用者の不安や混乱が増大するため、研修等正しい知識を得る機会が求められています。 ○ 災害と同様に、感染症の場合も、障害福祉サービスがなければ生活が困難な障害者を対象とする事業継続計画(BCP)が必要ですが、多くの施設が未作成の状況です。  取組の方向性 ○ 障害福祉サービス事業所等の運営基準では、感染症の予防及びまん延防止のための対策を検討する委員会を定期的に開催するとともに、その結果について、従業者に周知徹底を図ること、感染症の予防及びまん延防止のための指針を整備すること、従業者に対し、研修及び訓練を定期的に実施することが事業者に義務付けられており、今後も実地指導の場で事業者を指導していきます。 ○ 事業継続計画(BCP)の策定について、集団指導や広報媒体により周知を図るとともに、個別には、実地指導の場で必要な措置を講じるよう事業者に指導していきます。 3 防犯・交通安全等の推進 (1) 防犯対策の推進  現状 ○ 「減らそう犯罪」広島県民総ぐるみ運動の展開に伴う「『減らそう犯罪』第5期ひろしまアクション・プラン」(令和3(2021)年~令和7(2025)年)などに基づき、日本一の安全安心を実感できる広島県の実現に向けて取組を推進しています。 ○ 聴覚や言語に障害がある方や音声による110番通報が困難な方が緊急通報するための手段として、「ファックス110番」、「メール110番」、「110番アプリシステム」を運用しています。 【図表2-5-1 メール110番・ファックス110番受理件数】 (単位:件) 令和4年   メール110番 総件数 197 うち有効件数 194 ファックス110番 総件数 4 うち有効件数 3 課題 ○ 障害者は、自ら被害を訴えることができなかったり、被害に遭っていることに気付きにくいことがあることから、行政や関係事業者・地域等が連携し見守りのネットワークを構築するなど、障害者を犯罪被害から守る取組が必要です。 ○ 110番アプリシステム等について、県警HPへの掲載等により周知を図っていますが、周知が十分であるかどうか、判断が難しい状況です。 取組の方向性 ○ 「住む人 来る人 誰もが 日本一の安全安心を実感できる広島県の実現」を図るため、多様な主体が協働・連携した「安全安心なまちづくり」と「安全安心をもたらす警察活動」を両輪とした取組を推進します。 ○ 広報活動を通じ110番アプリシステム等の周知を推進します。 (2) 交通安全対策の推進 現状 ○ 身体障害者の自立支援等が進むことにより、身体障害者の外出機会が増加しており、これらの人々が安全・安心に外出できる交通環境の整備が求められています。 ○ 身体障害者の利用頻度の高い施設の周辺にある横断歩道等に設置される信号機に、視覚障害者用付加装置や音響式歩行者誘導付加装置などの機能を付加した制御のほか、横断秒数の見直しなどの運用改善を行っています。 ○ 交通弱者等の安全確保のため、区域を定めた最高速度30km/hの速度規制と路面のカラー舗装や路面表示、路側帯の整備等を組み合わせた「ゾーン30」の整備に加えて、速度規制とハンプや狭さくなどの物理的デバイスを組み合わせた「ゾーン30プラス」についても、道路管理者と連携し整備を推進しています。 課題 ○ 視覚障害者用付加装置については、付近住民から音が気になるとして設置について合意形成ができない場合があります。 ○ これまで整備を行ってきた視覚障害者用付加装置等の老朽化が進みつつあり、更新など適切な維持管理を行う必要があります。 取組の方向性 〇 視覚障害者用付加装置については、付近住民に設置の必要性等を説明するとともに、音量を調整するなどして理解を求めるほか、夜間は必要な時のみ吹鳴するよう押しボタンと連動した方式の導入を進めます。 ○ これまで整備した装置が適切に機能するよう、保守や更新を行います。 ○ 地域住民や関係団体の要望や意見を踏まえた対策を進めます。 (3) 手話のできる警察職員の育成  現状 ○ 警察本部では、事件・事故等の現場及び窓口において、聴覚障害者との円滑な意思伝達を図るため、初心者を対象とした手話講習会及び手話の素養を有する職員に対するブラッシュアップ講習を実施しています。 ○ 窓口業務において、必要に応じてコミュニケーション支援ボードを活用しています。  課題 ○ 事件・事故等の現場において、聴覚障害者の不安を解消するため、現場で対応する地域・交通部門の警察官に対する手話講習等への受講機会を増やしていく必要があります。 ○ 聴覚障害者がさらに安心して窓口を訪れることができるような取組を進める必要があります。  取組の方向性 ○ 窓口担当者や事件、事故の現場で活動する地域・交通部門の警察官を重点対象とした手話講習及びブラッシュアップ講習を継続して実施します。 ○ 窓口業務において、聴覚障害者が安心して円滑に意思伝達ができるようコミュニケーション支援ボードの一層の活用を図るほか、警察職員の手話能力の向上を図ります。 (4) 消費者被害対策の推進  現状 〇 インターネットやスマートフォンの普及等に伴う高度情報化の進展、取引形態の多様化、悪質事業者の手口の巧妙化等により、消費生活相談の内容はより複雑化・多様化しています。  課題 〇 障害者を含む県民が、消費者被害・トラブルの状況や相談窓口を知り、自らにあった方法で相談できるよう広報や消費生活相談機能の充実が必要です。 〇 障害者の消費者被害の防止と救済のためには、障害者への働きかけに加え、障害者を見守る立場の人への働きかけが必要です。  取組の方向性 〇 関係機関・団体と連携し、障害者を含む県民への消費者被害に関する広報啓発を行います。 〇 県生活センターでは、電話や来所に加え、メールでの相談対応を行うとともに、市町を含めた相談窓口や方法について広報を行います。 〇 関係機関・団体と連携し、地域の民生委員や福祉・介護関係者などへの出前講座を行います。 4 NPO、ボランティアとの協働  現状 ○ 県社会福祉協議会と市町社会福祉協議会では、ボランティア活動者の交流や、大学、地縁組織、NPO、地元企業、社会福祉法人などの多様な主体との連携を通じて、ボランティアセンター機能の充実を図るとともに、新たな担い手の参加促進に向けた取組を進めています。 ○ 県や県社会福祉協議会、県共同募金会等の関係機関などで構成する「広島県被災者生活サポートボラネット推進会議」において、発災時における各機関・団体の役割や課題等について情報共有等を定期的に行うなど、災害時に迅速な支援活動が行うためのネットワークづくりを行っています。 ○ 県社会福祉協議会と市町社会福祉協議会では、ボランティア活動者の交流や、大学、地縁組織、NPO、地元企業、社会福祉法人などの多様な主体との連携を通じて、ボランティアセンター機能の充実を図るとともに、新たな担い手の参加促進に向けた取組を進めています。 ○ 県や県社会福祉協議会、県共同募金会等の関係機関などで構成する「広島県被災者生活サポートボラネット推進会議」において、発災時における各機関・団体の役割や課題等について情報共有等を定期的に行うなど、災害時に迅速な支援活動が行うためのネットワークづくりを行っています。    課題 ○ 地域福祉ニーズの多様化に対応するため、市町社会福祉協議会のボランティアコーディネーターを育成し、多様な担い手の参加促進と、ボランティアセンターの更なる機能強化を図る必要があります。 ○ 今後は、南海トラフ巨大地震などの大規模災害や感染症流行時において、災害に対応できる体制等を整えるともに、被災者生活サポートボランティアセンター(災害ボランティアセンター)を迅速に設置・運営できる体制を整備する必要があります。  取組の方向性 ○ 県社会福祉協議会と連携し、ボランティアコーディネーターの育成研修の開催や、大学、地縁組織、NPO、地元企業、社会福祉法人などの多様な主体が連携するネットワークの構築などによりボランティアセンターの機能強化を図るとともに、啓発・広報等を通じて、新たな担い手の参加促進に取り組みます。 ○ 大規模災害や感染症流行時における災害に備えて、県被災者生活サポートボラネット推進会議において、災害ボランティアの確保やICTの活用策等の検討、市町社会福祉協議会の職員に対する研修などにより、災害発生時に、速やかに被災者生活サポートボランティアセンター(災害ボランティアセンター)が設置され、効果的な支援が展開されるよう取り組みます。 5 福祉用具等の研究・開発の推進と普及  現状 ○ 福祉用具・介護機器等は、高齢者や障害者等の生活の質の向上に不可欠ですが、様々な利用者のニーズがあることや、品目ごとの市場が小さく多品種少量生産であり、長期にわたってのメンテナンス性も求められることから、収益性が低い状況にあるため、国では福祉用具法の規定に基づき事業者の研究開発・普及を支援しています。   本県では、「安心▷誇り▷挑戦 ひろしまビジョン」の産業イノベーションにおいて「健康・医療関連分野」を広島の強みを生かした新成長産業と位置付け、県内企業が取り組む医療機器・福祉用具等の研究開発や生産・受注拡大を支援しています。 ○ 県立広島大学においても、県内産業の振興や地域課題の解決に貢献するため、健康、保健、福祉などの分野において、重点研究事業を推進するとともに、地域の保健・医療・福祉機関や企業等との連携による研究や研究成果を活用した商品開発に取り組んでいます。  課題 ○ 様々な利用者のニーズに合った福祉用具等が提供されるよう、福祉現場での実証フィールドの更なる活用等による製品開発を促進する必要があります。 ○ 県立広島大学における研究活動や大学の有する知的資源の地域還元の更なる推進を図る必要があります。  取組の方向性 ○ 医療・福祉の質の向上と、地域産業振興を促進するため、福祉用具等を含む「健康・医療関連産業分野」において、現場ニーズに即した事業化につながる実証フィールドの提供や補助金による研究開発の促進、産学マッチングなどによる総合的支援を実施します。 ○ 県立広島大学において、重点研究事業をはじめとする研究活動を推進するとともに、企業の課題解決に対する支援や、保健・医療・福祉等の分野における知的資源の提供、政策課題に対する提言などに取り組みます。  【図表2-5-2 県内企業が開発・製造販売する福祉用具の例】 第 3 章 成果目標 1 基本的な考え方 本計画では、障害者施策全体の進捗を測る指標を「総括目標」、各施策分野の取組の進捗を測る指標を「成果目標」、「成果目標」の内、特に5つの施策分野の施策に寄与する指標を「特に注視すべき指標」としてそれぞれ設定し、「第2章 分野別施策の基本的方向」の各分野に掲げる施策の達成度を測りながら、施策を計画的に推進していきます。 なお、本県の障害者施策を各分野で連携し、推進していくために、他の計画に掲げられた障害者施策に関連する数値目標を用いているものがあります。 また、市町や民間団体等、県以外の機関・団体等が直接実施する取組については、県がこれらの機関・団体等に働きかける際に、県として達成を目指す水準を成果目標として設定しています。 2 総括目標(再掲) 障害者施策全体の進捗状況を測るため、次のとおり総括目標を設定します。 指標 障害者本人やその家族の内、安心して暮らしていると感じていると回答した人の割合  現状値(令和5年9月)52.8%  目標値(令和11年度)県民全体の内、安心して暮らしていると感じていると回答した人の割合と同値 【総括目標の考え方】 障害者施策を進める上で、障害者及びその家族の方が安心して暮らせていることが最も重要であるため、障害者及びその家族の方の安心感を測る指標を総括目標として設定します。 3 成果目標 ※₁ 原則、現状値は令和4年度時点のもの、目標値は令和11年度末時点のものを記載。上記以外の時点における数値である場合は、〔 〕書きでその時点を記載。 (1)特に注視する指標   5つの施策分野を推進していくために、成果目標の内、次のとおり、特に注視する指標を設定します。 障害への理解促進     指標 県が実施する「あいサポート運動」に係る研修の受講者数          現状値※₁(令和4年度) 1,285人       目標値※₁(令和11年度) 2,800人 自立と社会参加の促進   指標 障害者雇用義務を有する県内企業の障害者雇用率              現状値※₁(令和4年度) 2.38%        目標値※₁(令和11年度 )2.7%以上〔令和10年度〕 保健、医療の充実     指標 医療型短期入所事業所の定員数(「空床型」施設等による病床確保数を含む。)現状値※₁(令和4年度)68人〔令和5年4月〕 目標値※₁(令和11年度)91人 地域生活の支援体制の構築 指標 基幹相談支援センターの設置市町数                    現状値※₁(令和4年度)7市町        目標値※₁(令和11年度)20市町〔令和8年度〕 暮らしやすい社会づくり  指標 個別避難計画作成の同意者に対する計画作成率               現状値※₁(令和4年度)54.2%        目標値(令和11年度)80.0%〔令和7年度〕 (2)成果目標 Ⅰ 障害への理解促進  1 障害に対する理解の促進  (1)子供の頃からの理解促進         学校等に対する出前講座実施数 現状値(令和4年度)7回 目標値(令和11年度)49回  (2)あいサポートプロジェクトの推進     あいサポート運動 企業・団体数 現状値(令和4年度) 823企業・団体 目標値(令和11年度)1,150企業・団体     県が実施する「あいサポート運動」に係る研修の受講者数 現状値(令和4年度)1,285人 目標値(令和11年度)2,800人  (3)広報・啓発活動の展開     相談事例の有無に関わらず、定期的に障害者差別解消の検討を含めた協議会を年1回以上開催する市町数 現状値(令和4年度)16市町  目標値(令和11年度)23市町       2 権利擁護の推進  (2)権利擁護の推進     成年後見制度における中核的機能を有し、地域連携ネットワークの構築に取り組む市町数 現状値(令和4年度)9市町 目標値(令和11年度)23市町 県関連計画 第8期ひろしま高齢者プラン第2期広島県地域福祉支援計画  (3)選挙等における配慮     県が管理執行する選挙における「選挙のお知らせ」の点字版及び音声版の配付率  現状値(令和4年度)100%(令和4年7月) 目標値(令和11年度)100%     県が管理執行する選挙における投票所及び期日前投票所の段差解消等への対応状況 現状値(令和4年度)100%(令和4年7月) 目標値(令和11年度)100% Ⅱ 自立と社会参加の促進  1 教育  (2)幼・小・中・高等学校等の支援体制の整備    個別の教育支援計画作成率 現状値(令和4年度)幼:100% 小:99.7% 中:99.6% 高:98.4%  目標値(令和11年度)幼:100% 小:100% 中:100% 高:100%〔令和10年度〕 県関連計画 広島県特別支援教育ビジョン  (3)教職員等の専門性の向上    特別支援学校教諭免許状保有率 現状値(令和4年度)特別支援学校教員:85.1%小・中学校特別支援学級担任:29.9%小・中学校通級による指導の担当教員:57.6%(令和4年5月)                   目標値(令和11年度)特別支援学校教員:100%小・中学校特別支援学級担任:60%小・中学校通級による指導の担当教員:100%〔令和10年度〕 県関連計画 広島県特別支援教育ビジョン  (4)特別支援学校の充実    特別支援学校高等部(本科)における就職希望者のうち、就職した者の割合 現状値(令和4年度)100%  目標値(令和11年度)100%〔令和10年度〕  県関連計画広島県特別支援教育ビジョン  2 雇用・就労の促進  (1)企業等の理解促進    あいサポート運動 企業・団体数≪再掲≫ 現状値(令和4年度)823企業・団体 目標値(令和11年度)1,150企業・団体  (2)公的機関における雇用促進    公的機関の障害者雇用率(県の機関) 現状値(令和4年度)2.63%〔令和5年6月〕 目標値(令和11年度)3.0% 県関連計画 広島県障害者活躍推進計画    公的機関の障害者雇用率(県教育委員会)現状値(令和4年度)2.68%〔令和5年6月〕目標値(令和11年度)2.9% 県関連計画 広島県教育委員会障害者活躍推進計画    公的機関の障害者雇用率(警察本部) 現状値(令和4年度)2.64%〔令和5年6月 〕目標値(令和11年度)3.0% 県関連計画 広島県警察障害者活躍推進計画  (3)就業機会の拡充と雇用促進    障害者雇用義務を有する県内企業の障害者雇用率 現状値(令和4年度)2.48%〔令和5年6月 〕目標値(令和11年度)2.7%以上〔令和10年度〕    障害者雇用義務を有する県内企業のうち雇用障害者の雇用障害者の数が0人の企業割合  現状値(令和4年度)28.1%〔令和5年6月〕 目標値(令和11年度)現状より減〔令和10年度〕    障害者就業・生活支援センターを通じた一般就職件数(1圏域当たり平均)※₂  現状値(令和4年度)62件  目標値(令和11年度)76件〔令和8年度〕    障害者就業・生活支援センター登録者のうち精神障害者の就職者の1年後の職場定着率※₂  現状値(令和4年度)76.7%  目標値(令和11年度)78.8%〔令和8年度〕    福祉施設から一般就労への移行者数※₂     現状値(令和4年度)424人〔令和3年度〕  目標値(令和11年度)574人〔令和8年度〕      うち、就労移行支援事業所利用者数※₂   現状値(令和4年度)228人〔令和3年度〕  目標値(令和11年度)320人〔令和8年度〕      うち、就労継続支援A型事業所利用者数※₂ 現状値(令和4年度)48人〔令和3年度〕   目標値(令和11年度)77人〔令和8年度〕      うち、就労継続支援B型事業所利用者数※₂ 現状値(令和4年度)117人〔令和3年度〕  目標値(令和11年度)152人〔令和8年度〕    就労移行支援事業所の内、一般就労へ移行した者の割合が5割以上の事業所数※₂  現状値(令和4年度)16事業所〔令和3年度〕 目標値(令和11年度)46事業所〔令和8年度〕    全就労移行支援事業所の内、一般就労へ移行した利用者が5割以上の事業所の割合※₂現状値(令和4年度)26.7%〔令和3年度〕  目標値(令和11年度)5割以上〔令和8年度〕    就労定着支援事業の利用者数※₂ 現状値(令和4年度)242人〔令和3年度〕 目標値(令和11年度)377人〔令和8年度〕    就労定着支援事業所の内、利用終了後一定期間の就労定着率が7割以上となる就労定着支援事業所数※₂     現状値(令和4年度)26事業所〔令和3年度〕 目標値(令和11年度)37事業所〔令和8年度〕    全就労定着支援事業所の内、利用終了後一定期間の就労定着率が7割以上となる就労定着支援事業所の割合※₂  現状値(令和4年度)86.7%〔令和3年度〕  目標値(令和11年度)2割5分以上〔令和8年度〕    協議会等の活用による雇用や福祉等の関係機関が連携した支援体制※₂  現状値(令和4年度)確保〔令和3年度〕 目標値(令和11年度)確保〔令和8年度〕  (4)工賃向上のための取組    障害者施設の平均工賃月額(就労継続支援B型事業所) 現状値(令和4年度)18,005円  目標値(令和11年度)20,300円〔令和8年度〕    障害者就労施設等が提供する物品・サービスの優先購入(調達)の実績  現状値(令和4年度)37,342千円  目標値(令和11年度)41,700千円〔令和8年度〕  (5)職業能力開発の充実    障害者職業能力開発校の修了者(就職中退者含む)における就職率 現状値(令和4年度)87.5% 目標値(令和11年度)80%以上〔令和7年度〕県関連計画 広島県職業能力開発施策事業プラン(令和3年度~令和7年度)    障害者の委託訓練修了者(就職中退者含む)における就職率 現状値(令和4年度)41.7% 目標値(令和11年度)55%以上〔令和7年度〕県関連計 画広島県職業能力開発施策事業プラン(令和3年度~令和7年度)  3 情報の保障の強化  (1)情報アクセシビリティの向上    広島県聴覚障害者センターの利用者数  現状値(令和4年度)18,379人  目標値(令和11年度)14,700人〔令和8年度〕    視覚障害者情報センターにおける「サピエ」による地域生活情報の提供の閲覧数  現状値(令和4年度)7,524回  目標値(令和11年度)8,643回  (2)視覚障害者等の読書環境の整備    公立図書館等において障害者サービスを実施している市町数  現状値(令和4年度)16市町  目標値(令和11年度)23市町〔令和10年度〕  4 スポーツ、文化芸術活動の推進  (1)パラスポーツの推進    障害のある人で週に1日以上のパラスポーツの実施率 現状値(令和4年度)35.5%〔令和5年8月〕 目標値(令和11年度)41.3%〔令和10年度〕 県関連計画 第3次スポーツ推進計画  (2)文化芸術・余暇活動の充実    あいサポートアート展への来場者数  現状値(令和4年度)2,367人  目標値(令和11年度)2,720人〔令和8年度〕 Ⅲ 保健、医療の充実  1 保健・医療提供体制の充実  (1)保健活動の推進    定期的に歯科健診を実施する障害児(者)施設数の割合  現状値(令和4年度)75.8%〔令和5年度〕 目標値(令和11年度)90%以上  県関連計画 第3次広島県歯と口腔の健康づくり推進計画  (3)地域リハビリテーションの推進    地域リハビリテーションサポートセンター指定数における活動実績のあるサポートセンターの割合  現状値(令和4年度)90.4%  目標値(令和11年度)100%  県関連計画 第9期ひろしま高齢者プラン  2 療育体制の充実  (1)地域における重層的な支援体制の構築    児童発達支援センターの設置市町数※₂ 現状値(令和4年度)15市町  目標値(令和11年度)22市町〔令和8年度〕    保育所等訪問支援を利用できる体制を整備している市町数※₂  現状値(令和4年度)14市町  目標値(令和11年度)21市町〔令和8年度〕    全市町における障害児の地域社会への参加・包括(インクルージョン)の推進体制の構築※₂  現状値(令和4年度)13市町  目標値(令和11年度)21市町〔令和8年度〕  (2)発達障害児支援の充実    発達障害に係る地域支援ネットワーク体制が整備された市町数  現状値(令和4年度)4市  目標値(令和11年度)23市町  県関連計画 ひろしま子供の未来応援プラン、第8次保健医療計画  (3)医療的ケア児支援体制の構築    医療型短期入所事業所の定員数(「空床型」施設等による病床確保数を含む。) 現状値(令和4年度)68人〔令和5年4月〕  目標値(令和11年度)91人    医療的ケア児支援センターの設置※₂  現状値(令和4年度)有り〔令和5年7月〕  目標値(令和11年度)有り〔令和8年度〕    医療的ケア児等コーディネーターの配置※₂  現状値(令和4年度)県、20市町  目標値(令和11年度) 県、23市町〔令和8年度〕    医療的ケア児支援のための保健、医療、障害福祉、保育、教育等の関係機関等が連携を図るための協議の場の設置※₂  現状値(令和4年度)県、17市町  目標値(令和11年度)県、21市町〔令和8年度〕    主に重症心身障害児を支援する児童発達支援事業所の設置市町数※₂  現状値(令和4年度)18市町  目標値(令和11年度)21市町〔令和8年度〕    主に重症心身障害児を支援する放課後等デイサービス事業所の設置市町数※₂  現状値(令和4年度)17市町  目標値(令和11年度)21市町〔令和8年度〕  (4)難聴児支援体制の整備    難聴児支援のための中核的な機能を果たす体制の構築※₂  現状値(令和4年度)無し  目標値(令和11年度)確保〔令和8年度〕    新生児聴覚検査から療育につなげる連携体制の構築※₂  現状値(令和4年度)確保  目標値(令和11年度)確保〔令和8年度〕  (5)成人期移行に向けた支援体制の整備    障害児入所施設からの移行調整に係る協議の場の設置※₂ 現状値(令和4年度)有り  目標値(令和11年度)有り〔令和8年度〕 Ⅳ 地域生活の支援体制の構築  1 福祉サービス等の提供  (2)日中活動の場の充実    生活介護の利用者数※₂  現状値(令和4年度)135,795人日/月  目標値(令和11年度)144,758人日/月〔令和8年度〕    自立訓練の利用者数(機能訓練)※₂  現状値(令和4年度)590人日/月  目標値(令和11年度)873人日/月〔令和8年度〕    自立訓練の利用者数(生活訓練)※₂  現状値(令和4年度)7,565人日/月 目標値(令和11年度)3,804人日/月〔令和8年度〕  (3)居住系のサービス基盤の準備    共同生活援助の利用者数※₂  現状値(令和4年度)2,812人/月  目標値(令和11年度)3,856人/月〔令和8年度〕  2 サービスの質の向上等  (1)質の確保    障害福祉サービス等の質を向上させるための取組に係る体制の確保※₂  現状値(令和4年度)県、13市町  目標値(令和11年度)県、20市町〔令和8年度〕  (2)人材の育成・確保   「相談支援従事者初任者研修」の修了者数  現状値(令和4年度)10,427人  目標値(令和11年度)15,000人   「サービス管理責任者及び児童発達支援管理責任者実践研修」の修了者数  現状値(令和4年度)567人  目標値(令和11年度)2,250人   処遇改善加算取得率  現状値(令和4年度)83.3%  目標値(令和11年度)前年度より増  3 相談支援体制の構築  (2)身近な地域における相談    基幹相談支援センターの設置市町数※₂ 現状値(令和4年度)7市町 目標値  目標値(令和11年度)23市町〔令和8年度〕    基幹相談支援センターへの主任相談支援専門員の配置数※₂  現状値(令和4年度)17人  目標値(令和11年度)40人〔令和8年度〕    基幹相談支援センターにおける地域の相談支援体制の強化を図る体制の確保※₂  現状値(令和4年度)9市町 目標値(令和11年度) 21市町〔令和8年度〕    協議会における個別事例の検討を通じた地域サービス基盤の開発・改善等を行う体制の確保※₂  現状値(令和4年度)14市町  目標値(令和11年度)23市町〔令和8年度〕  4 地域生活への移行支援  (1)福祉施設等から地域生活への移行支援    福祉施設入所者の地域生活への移行者数※₂  現状値(令和4年度)70人 (令和元年度~令和4年度累計)   目標値(令和11年度)119人〔令和6年度~令和8年度累計〕    施設入所者数※₂  現状値(令和4年度)2,944人  目標値(令和11年度)2,909人〔令和8年度〕    地域生活支援拠点等の整備市町数【箇所数】※₂  現状値(令和4年度)18市町【39箇所】目標値(令和11年度)23市町【50箇所】〔令和8年度〕    地域生活支援拠点における効果的な支援体制の構築※₂  現状値(令和4年度)11市町  目標値(令和11年度)22市町〔令和8年度〕    地域生活支援拠点における緊急時の連絡体制の構築※₂  現状値(令和4年度)12市町  目標値(令和11年度)22市町〔令和8年度〕    地域生活支援拠点における運用状況の検証・検討(年1回以上)の実施※₂  現状値(令和4年度)16市町  目標値(令和11年度)22市町〔令和8年度〕    強度行動障害を有する者に関する地域の関係機関が連携した支援体制の構築※₂  現状値(令和4年度)1市  目標値(令和11年度)22市町〔令和8年度〕  (2)医療と福祉の連携による地域生活への移行支援    精神障害者の精神病床から退院後1年以内の地域における平均生活日数※₂  現状値(令和4年度)314日〔令和元年度〕  目標値(令和11年度)325.3日〔令和8年度〕  県関連計画第8次保健医療計画    精神病床における入院後3か月時点の退院率※₂  現状値(令和4年度)59.9%〔令和2年度〕  目標値(令和11年度)68.9%〔令和8年度〕 県関連計画 第8次保健医療計画    精神病床における入院後6か月時点の退院率※₂  現状値(令和4年度)76.8%〔令和2年度〕  目標値(令和11年度)84.5%〔令和8年度〕  県関連計画 第8次保健医療計画    精神病床における入院後1年時点の退院率※₂ 現状値(令和4年度)85.2%〔令和2年度〕目標値(令和11年度)91.0%〔令和8年度〕  県関連計画 第8次保健医療計画    精神病床における慢性期入院患者(1年以上の長期入院患者)数※₂  現状値(令和4年度)4,720人(令和4年6月)目標値(令和11年度)4,464人未満〔令和8年度〕 県関連計画 第8次保健医療計画 Ⅴ 暮らしやすい社会づくり  1 福祉のまちづくりの総合的な推進  (2)公共的施設等のバリアフリー化の推進    特定道路におけるバリアフリー化率    現状値(令和4年度)71.0%       目標値(令和11年度)77.1%〔令和10年度〕    都市公園の園路・広場のバリアフリー化率 現状値(令和4年度)48%〔令和3年度〕 目標値(令和11年度)50%    都市公園の便所のバリアフリー化率    現状値(令和4年度)28%〔令和3年度〕 目標値(令和11年度)30%    都市公園の駐車場のバリアフリー化率   現状値(令和4年度)54%〔令和3年度〕 目標値(令和11年度)68%    主要な自然公園内の公衆トイレのバリアフリー整備率  現状値(令和4年度)57.9%  目標値(令和11年度)63.6%  (3)公共交通機関等のバリアフリー化の推進    旅客施設のバリアフリー化率  現状値(令和4年度)87.6%  目標値(令和11年度)100%    旅客施設のうち、鉄軌道駅のバリアフリー化率  現状値(令和4年度)87.6%  目標値(令和11年度)100%    低床バスの導入率  現状値(令和4年度)94.0%  目標値(令和11年度)100%  2 災害、感染症対策の強化  (1)災害対策の強化    個別避難計画作成の同意者に対する計画作成割合  現状値(令和4年度)54.2%  目標値(令和11年度)90.0%(令和7年度)  県関連計画 第2期広島県地域福祉支援計画  3 防犯・交通安全等の推進  (2)交通安全対策の推進    主要な生活関連経路における信号機等のバリアフリー化率  現状値(令和4年度)100%  目標値(令和11年度)100% ※₁ 原則、現状値は令和4年度時点のもの、目標値は令和11年度末時点のものを記載。上記以外の時点における数値である場合は、〔 〕書きでその時点を記載。 ※₂ 第7期障害福祉計画・第3期障害児福祉計画に係る指標(第4章において再掲) 第4章 障害福祉計画・障害児福祉計画に係る成果目標及び活動指標 第4章の各数値は、市町の策定する障害福祉計画の目標値と連動するため、現時点では調整中の数値を記載しています。 1 基本的な考え方 県は、障害福祉サービス等及び障害児通所支援等の円滑な実施を確保するための基本的な指針(平成18年厚生労働省告示第395号。以下「基本指針」という。)を踏まえ、障害者等の地域生活への移行や就労支援といった課題に対応するため、令和8(2026)年度を目標年度とする障害福祉サービス等及び障害児通所支援等の提供体制の確保に係る目標として、第7期障害福祉計画・第3期障害児福祉計画における成果目標とこれを達成するための活動指標を設定し、各施策の推進を図ります。 なお、各市町においては、これまでの障害福祉計画・障害児福祉計画の進捗状況やそれぞれの地域の実情を踏まえ、第7期障害福祉計画・第3期障害児福祉計画の目標値を設定しており、県は、これを基本として目標値を定めています。 2 第7期障害福祉計画・第3期障害児福祉計画に係る成果目標(再掲) 令和8(2026)年度を目標年度とする障害福祉サービス等及び障害児通所支援等の提供体制の確保に係る目標を次のとおり設定しています。 Ⅰ 福祉施設から地域生活への移行(第2章 Ⅳ‐4「地域生活への移行支援」(P82~)) 福祉施設入所者の地域生活への移行者数 現状値※(令和4年度) 70人(R元年度~R4年度累計) 目標値(令和8年度) 119人(R6年度~R8年度累計) 施設入所者数 現状値※(令和4年度) 2,944人 目標値(令和8年度) 2,909人 Ⅱ 精神障害の有無や程度にかかわらず、誰もが安心して自分らしく暮らせる地域包括ケアシステムの構築(第2章 Ⅳ‐4「地域生活への移行支援」(P82~)) 精神障害者の精神病床から退院後1年以内の地域における平均生活日数 現状値(令和4年度) 314日〔令和元年度〕 目標値(令和8年度) 325.3日 精神病床における入院後3か月時点の退院率 現状値(令和4年度) 59.9%〔令和2年度〕 目標値(令和8年度) 68.9% 精神病床における入院後6か月時点の退院率 現状値(令和4年度) 76.8%〔令和2年度〕 目標値(令和8年度) 84.5% 精神病床における入院後1年時点の退院率 現状値(令和4年度) 85.2%〔令和2年度〕 目標値(令和8年度) 91.0% 精神病床における慢性期入院患者(1年以上の長期入院患者)数 現状値(令和4年度) 4,720人(令和4年6月) 目標値(令和8年度) 4,464人未満 Ⅲ 地域生活支援の充実(第2章 Ⅳ‐4「地域生活への移行支援」(P82~)) 地域生活支援拠点等の整備市町数 現状値(令和4年度) 18市町 39か所  目標値(令和8年度) 23市町 50か所 地域生活支援拠点における効果的な支援体制の構築 現状値(令和4年度) 11市町 目標値(令和8年度) 22市町 地域生活支援拠点における緊急時の連絡体制の構築 現状値(令和4年度) 12市町 目標値(令和8年度) 22市町 地域生活支援拠点における運用状況の検証・検討(年1回以上)の実施 現状値(令和4年度) 16市町 目標値(令和8年度) 22市町 強度行動障害を有する者に関する地域の関係機関が連携した支援体制の構築 現状値(令和4年度) 1市 目標値(令和8年度) 22市町 Ⅳ 福祉施設から一般就労への移行等(第2章 Ⅱ‐2「雇用・就労の促進」(P30~)) 福祉施設から一般就労への移行者数  現状値(令和4年度) 424人〔令和3年度〕 目標値(令和8年度) 574人 うち、就労移行支援事業所利用者数 現状値(令和4年度) 228人〔令和3年度〕 目標値(令和8年度) 320人 うち、就労継続支援A型事業所利用者数 現状値(令和4年度) 48人〔令和3年度〕 目標値(令和8年度) 77人 うち、就労継続支援B型事業所利用者数 現状値(令和4年度) 110人〔令和3年度〕 目標値(令和8年度) 152人  就労移行支援事業所の内、一般就労へ移行した者の割合が5割以上の事業所数 現状値(令和4年度) 16事業所〔令和3年度〕 目標値(令和8年度) 46事業所 全就労移行支援事業所の内、一般就労へ移行した利用者が5割以上の事業所の割合 現状値(令和4年度) 26.7%〔令和3年度〕 目標値(令和8年度) 5割以上 就労定着支援事業の利用者数 現状値(令和4年度) 242人 〔令和3年度〕 目標値(令和8年度)  377人 就労定着支援事業所の内、利用終了後一定期間の就労定着率が7割以上となる就労定着支援事業所数 現状値(令和4年度) 26事業所〔令和3年度〕 目標値(令和8年度) 37事業所 全就労定着支援事業所の内、利用終了後一定期間の就労定着率が7割以上となる就労定着支援事業所の割合 現状値(令和4年度) 86.7%〔令和3年度〕 目標値(令和8年度) 2割5分以上 協議会等の活用による雇用や福祉等の関係機関が連携した支援体制 現状値(令和4年度) 確保〔令和3年度〕 目標値(令和8年度) 確保 Ⅴ 障害児支援の提供体制の整備等(第2章 Ⅲ-2「療育体制の充実」(P56~)) ①重層的な地域支援体制の構築を目指すための児童発達支援センターの設置及び障害児の地域社会への参加・包容(インクルージョン)の推進  児童発達支援センターの設置市町数 現状値(令和4年度) 15市町 目標値(令和8年度) 22市町 保育所等訪問支援を利用できる体制を整備している市町数 現状値(令和4年度) 14市町 目標値(令和8年度) 21市町 全市町における障害児の地域社会への参加・包容(インクルージョン)の推進体制の構築 現状値(令和4年度) 13市町 目標値(令和8年度) 21市町 ②難聴児支援のための中核的機能を有する体制の整備 難聴児支援のための中核的な機能を果たす体制の確保 現状値(令和4年度) 無し 目標値(令和8年度) 確保 新生児聴覚検査から療育につなげる連携体制の構築 現状値(令和4年度) 確保 目標値(令和8年度) 確保 ③主に重症心身障害児を支援する児童発達支援事業所及び放課後等デイサービス事業所の確保 主に重症心身障害児を支援する児童発達支援事業所の設置市町数 現状値(令和4年度) 18市町 目標値(令和8年度) 21市町 主に重症心身障害児を支援する放課後等デイサービス事業所の設置市町数 現状値(令和4年度) 17市町 目標値(令和8年度) 21市町 ④医療的ケア児支援体制の構築 医療的ケア児支援センターの設置 現状値(令和4年度) 有り 〔令和5年7月〕 目標値(令和8年度) 有り 医療的ケア児等コーディネーターの配置 現状値(令和4年度) 県、20市町 目標値(令和8年度) 県、23市町 医療的ケア児支援のための保健、医療、障害福祉、保育、教育等の関係機関等が連携を図るための協議の場の設置 現状値(令和4年度) 県、17市町 目標値(令和8年度) 県、21市町    ⑤障害児入所施設に入所する児童が大人にふさわしい環境へ移行できる環境の整備 障害児入所施設からの移行調整に係る協議の場の設置 現状値(令和4年度) 有り 目標値(令和8年度) 有り Ⅵ 相談支援体制の充実・強化(第2章 Ⅳ-3「相談支援体制の構築」(P77~)) 基幹相談支援センターの設置市町数 現状値(令和4年度) 7市町 目標値(令和8年度) 23市町 基幹相談支援センターにおける地域の相談支援体制の強化を図る体制の確保 現状値(令和4年度) 9市町 目標値(令和8年度) 21市町 協議会における個別事例の検討を通じた地域サービス基盤の開発・改善等を行う体制の確保 現状値(令和4年度) 15市町 目標値(令和8年度) 23市町 Ⅶ 障害福祉サービス等の質を向上させるための取組に係る体制の構築(第2章 Ⅳ-2「サービスの質の向上等」(P72~)) 障害福祉サービス等の質を向上させるための取組に係る体制の確保 現状値(令和4年度) 県、13市町 目標値(令和8年度) 県、20市町 ※ 原則、現状値は令和4年度時点のものを記載。それ以外の時点の数値である場合は、〔 〕書きでその時点を記載。  3 活動指標(県全体) (1)障害福祉サービス等の見込量 ① 障害福祉サービス 居宅介護 実績 令和4年度 85,967時間/月 5,550人/月 見込量 令和6年度 93,688時間/月 6,026人/月 令和7年度  96,843時間/月 6,235人/月 令和8年度 100,150時間/月 6,456人/月 重度訪問介護 実績 令和4年度 109,059時間/月 290人/月 見込量 令和6年度 108,641時間/月 314人/月 令和7年度 113,170時間/月 326人/月 令和8年度 117,446時間/月 339人/月 同行援護 実績 令和4年度 7,176時間/月 431人/月 見込量 令和6年度 8,038時間/月 499人/月 令和7年度 8,486時間/月 528人/月 令和8年度 8,989時間/月 559人/月 行動援護 実績 令和4年度 6,814時間/月 464人/月 見込量 令和6年度 8,219時間/月 562人/月 令和7年度 9,264時間/月 616人/月 令和8年度 10,449時間/月 674人/月 重度障害者等包括支援 実績 令和4年度 10時間/月 1人/月 見込量 令和6年度 289時間/月 256人/月 令和7年度 299時間/月 256人/月 令和8年度 329時間/月 257人/月 生活介護 実績 令和4年度 135,795人日/月 6,729人/月 見込量 令和6年度 139,160人 日/月 7,040人/月 令和7年度 141,929人日/月 7,185人/月 令和8年度 144,758人日/月 7,337人/月 自立訓練(機能訓練) 実績 令和4年度 590人日/月 43人/月 見込量 令和6年度 779人日/月 59人/月 令和7年度 831人日/月 63人/月 令和8年度 873人日/月 66人/月 自立訓練(生活訓練) 実績 令和4年度 7,565人日/月 555人/月 見込量 令和6年度 10,552人日/月 786人/月 令和7年度 12,048人日/月 903人/月 令和8年度 13,804人日/月 1,043人/月 就労移行支援 実績 令和4年度 11,582人日/月 665人/月 見込量 令和6年度 14,090人日/月 826人/月 令和7年度 15,383人日/月 901人/月 令和8年度 16,738人日/月 971人/月 就労継続支援A型 実績 令和4年度 33,028人日/月 1,619人/月 見込量 令和6年度 33,321人日/月 1,647人/月 令和7年度 33,952人日/月 1,675人/月 令和8年度 34,541人日/月 1,705人/月 就労継続支援B型 実績 令和4年度 136,448人日/月 7,823人/月 見込量 令和6年度 154,549人日/月 8,775人/月 令和7年度 164,599人日/月 9,317人/月 令和8年度 175,441人日/月 9,908人/月 就労定着支援 実績 令和4年度 355人/月 見込量 令和6年度 462人/月 令和7年度 518人/月 令和8年度 574人/月 療養介護 実績 令和4年度 643人/月 見込量 令和6年度 665人/月 令和7年度 670人/月 令和8年度 674人/月 短期入所(福祉型) 実績 令和4年度 13,196人日/月 1,741人/月 見込量 令和6年度 13,664人日/月 2,078人/月 令和7年度 14,548人日/月 2,226人/月 令和8年度 15,485人日/月 2,389人/月 短期入所(医療型) 実績 令和4年度 810人日/月 142人/月 見込量 令和6年度 1,113人日/月 191人/月 令和7年度 1,291人日/月 214人/月 令和8年度 1,509人日/月 241人/月 自立生活援助 実績 令和4年度 14人/月 見込量 令和6年度 29人/月 令和7年度 31人/月 令和8年度 32人/月 共同生活援助 実績 令和4年度 2,812人/月 見込量 令和6年度 3,274人/月 令和7年度 3,548人/月 令和8年度 3,856人/月 施設入所支援 実績 令和4年度 2,937人/月 見込量 令和6年度 2,966人/月 令和7年度 2,945人/月 令和8年度 2,924人/月 計画相談支援 実績 令和4年度 5,755人/月 見込量 令和6年度 6,575人/月 令和7年度 7,030人/月 令和8年度 7,479人/月 地域移行支援 実績 令和4年度 8人/月 見込量 令和6年度 23人/月 令和7年度 25人/月 令和8年度 25人/月 地域定着支援 実績 令和4年度 57人/月 見込量 令和6年度 73人/月 令和7年度 76人/月 令和8年度 78人/月 ※新たに創設される就労選択支援については、次期障害福祉計画において、見込量を設定する。 ③ 児童福祉サービス 児童発達支援 実績 令和4年度 実績 令和4年度 36,507人日/月 4,930人/月 見込量 令和6年度 46,719人日/月 5,987人/月 令和7年度 51,793人日/月 6,613人/月 令和8年度 57,557人日/月 7,324人/月 放課後等デイサービス 実績 令和4年度 117,119人日/月 11,306人/月 見込量 令和6年度 133,182人日/月 13,066人/月 令和7年度 141,799人日/月 14,068人/月 令和8年度 150,510人日/月 15,121人/月 保育所等訪問支援 実績 令和4年度 406人日/月 361人/月 見込量 令和6年度 544人日/月 528人/月  令和7年度 620人日/月 600人/月 令和8年度 701人日/月 676人/月 居宅訪問型児童発達支援 実績 令和4年度 10人日/月 3人/月 見込量 令和6年度 46人日/月 12人/月 令和7年度 47人日/月 13人/月 令和8年度 49人日/月 14人/月 障害児相談支援 実績 令和4年度 2,258人/月 見込量 令和6年度 2,596人/月 令和7年度 2,821人/月 令和8年度 3,052人/月 福祉型障害児入所施設 実績 令和4年度 144人/月 見込量 令和6年度 150人/月 令和7年度 153人/月 令和8年度 156人/月 医療型障害児入所施設 実績 令和4年度 91人/月 見込量 令和6年度 92人/月 令和7年度 94人/月 令和8年度 96人/月 (2)福祉施設から一般就労への移行等 福祉施設利用者から一般就労に移行する障害者に対する職業訓練終了者数 実績 令和4年度 4人 見込量 令和6年 6人 令和7年度 6人 令和8年度 6人 3)精神障害の有無や程度にかかわらず、誰もが安心して自分らしく暮らせる地域包括ケアシステムの構築の構築 保健、医療及び福祉関係者による協議の場について 開催回数 実績 令和4年度 79回 見込量 令和6年度 87回 令和7年度 88回 令和8年度 88回 参加者数 実績 令和4年度 317人 見込量 令和6年度 381人 令和7年度 381人 令和8年度 381人 保健、医療及び福祉関係者による目標設定及び評価の実施回数 実績 令和4年度 23回 見込量 令和6年 30回 令和7年度 30回 令和8年度 30回 精神障害者の地域移行支援 実績 令和4年度 7人/月 見込量 令和6年度 20人/月 令和7年度 22人/月 令和8年度 22人/月 精神障害者の地域定着支援 実績 令和4年度 見込量 34人/月 見込量 令和6年度 50人/月 令和7年度 53人/月 令和8年度 55人/月    精神障害者の共同生活援助 実績 令和4年度 657人/月 見込量 令和6年度 689人/月 令和7年度 705人/月 令和8年度 724人/月 精神障害者の自立生活援助 実績 令和4年度 12人/月 見込量 令和6年度 25人/月 令和7年度 27人/月 令和8年度 28人/月 精神障害者の自立訓練(生活訓練) 実績 令和4年度 408人/月 見込量 令和6年度 554人/月 令和7年度 627人/月 令和8年度 710人/月   (4)地域生活支援拠点等の状況 設置箇所数 実績 令和4年度 39箇所 見込量 令和6年度 46箇所 令和7年度 47箇所 令和8年度 50箇所 コーディネーターの配置人数 実績 令和4年度 45人 見込量 令和6年度 56人 令和7年度 59人 令和8年度 66人 支援の実績等を踏まえた検証及び検討の実施回数 実績 令和4年度 29回 見込量 令和6年度 36回 令和7年度 37回 令和8年度 39回 (5)発達障害者等に対する支援 発達障害者支援地域協議会の開催 実績 令和4年度 2回 見込量 令和6年度 2回 令和7年度 2回 令和8年度 2回 発達障害者支援センターによる相談支援 実績 令和4年度 1,823件 見込量 令和6年度 2,092件 令和7年度 2,092件 令和8年度 2,092件 発達障害者支援センター及び発達障害者地域支援マネジャーの関係機関の助言 実績 令和4年度 246件 見込量 令和6年度 255件 令和7年度 255件 令和8年度 255件 発達障害者支援センター及び発達障害者地域支援マネジャーの外部機関や地域住民への研修、啓発 実績 令和4年度 135件 見込量 令和6年度 147件 令和7年度 147件 令和8年度 147件 ペアレント・トレーニングやペアレントプログラム等の支援プログラム等の受講者数 実績 令和4年度 379人 見込量 令和6年度 438人 令和7年度 445人 令和8年度 445人 ペアレント・トレーニングやペアレントプログラム等の支援プログラム等の実施者数 実績 令和4年度 34人 見込量 令和6年度 55人 令和7年度 60人 令和8年度 62人 ペアレントメンターの人数 実績 令和4年度 76人 見込量 令和6年度 90人 令和7年度 95人 令和8年度 100人  ピアサポート活動への参加人数 実績 令和4年度 132人 見込量 令和6年度 261人 令和7年度 268人 令和8年度 271人 (6)障害児支援の提供体制の整備等 県における医療的ケア児等の支援を総合調整するコーディネーターの配置人数 実績 令和4年度 0人 見込量 令和6年度 2人 令和7年度 2人 令和8年度 2人 市町における医療的ケア児に対する関連分野の支援を調整するコーディネーターの配置人数 実績 令和4年度 136人 見込量 令和6年度 163人 令和7年度 176人 令和8年度 191人 (7)相談支援体制の充実・強化等 基幹相談支援センターの設置等の状況 設置箇所数 実績 令和4年度 15箇所 見込量 令和6年度 19箇所 令和7年度 20箇所 令和8年度 30箇所 地域の相談支援事業者の人材育成の支援件数 実績 令和4年度 281件 見込量 令和6年度 410件  令和7年度 466件 令和8年度 550件 地域の相談支援機関との連携強化の取組の実施回数実績 令和4年度 275回 見込量 令和6年度 245回 令和7年度 245回 令和8年度 346回 個別事例の支援内容の検証の実施回数 実績 令和4年度 528回 見込量 令和6年度 751回 令和7年度 752回 令和8年度 771回 主任相談支援専門員の配置数 実績 令和4年度 17人 見込量 令和6年度 28人 令和7年度 29人 令和8年度 40人 協議会での検討状況 相談支援事業所の参画による事例検討実施回数 実績 令和4年度 71回 見込量 令和6年度 106回 令和7年度 106回 令和8年度 107回 参加事業者・機関数 実績 令和4年度 515機関 見込量 令和6年度 536機関 令和7年度 539機関 令和8年度 542機関 専門部会の設置 実績 令和4年度 16市町 見込量 令和6年度 21市町 令和7年度 21市町 令和8年度 22市町 専門部会の実施回数 実績 令和4年度 318回 見込量 令和6年度 376回 令和7年度 379回 令和8年度 380回 (8)障害福祉サービスの質の向上をさせるための取組 相談支援専門員研修修了者数 実績 令和4年度 379人 見込量 令和6年度 410人 令和7年度 410人 令和8年度 410人 サービス管理責任者、児童発達管理責任者研修修了者数 実績 令和4年度 1,379人 見込量 令和6年度 1,370人 令和7年度 1,370人 令和8年度 1,370人 意思決定支援ガイドライン等を活用した研修の実施回数 実績 令和4年度 1回 見込量 令和6年度 1回 令和7年度 1回 令和8年度 1回 意思決定支援ガイドライン等を活用した研修の修了者数 実績 令和4年度 414人 見込量 令和6年度 400人 令和7年度 400人 令和8年度 400人 障害者自立支援審査支払等システム等による審査結果の分析、その結果の活用、事業所や関係自治体等と共有する体制の確保 実績 令和4年度 8市町 見込量 令和6年度 19市町 令和7年度 19市町 令和8年度 19市町 障害者自立支援審査支払等システム等による審査結果の分析、その結果の活用、事業所や関係自治体等との共有の実施回数 実績 令和4年度 32回 見込量 令和6年度 44回 令和7年度 44回 令和8年度 44回 指導監査結果の関係自治体との共有体制の確保 実績 令和4年度 4市町 見込量 令和6年度 13市町 令和7年度 13市町 令和8年度 14市町 指導監査結果の関係自治体との共有回数 実績 令和4年度 5回 見込量 令和6年度 13回 令和7年度 13回 令和8年度 14回 資料編 1 障害者の状況等    (1)障害のある人びとの福祉 本県では、障害者福祉に関するさまざまな制度やサービス、相談窓口、障害者の動向などをまとめた「障害のある人びとの福祉」を毎年作成し、HP上に公表しています。    広島県HP「障害のある人びとの福祉」のページ トップページ>組織でさがす>健康福祉局>障害者支援課>障害のある人びとの福祉 (https://www.pref.hiroshima.lg.jp/soshiki/62/1288079109843.html) (2)障害者を取り巻く環境の変化 ① 障害者施策に係る主な法改正等 平成23(2011)年6月 [H24.10施行] 「障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律」の成立 ① 障害者に対する虐待の防止 ② 発見者の市町への通報義務 ③ 市町長の立入調査 ④ 市町障害者虐待防止センターの設置 ⑤ 都道府県障害者権利擁護センターの設置 平成23(2011)年7月 [H24.8施行] 「障害者基本法の一部を改正する法律」の成立 ① 障害者の定義の見直し ② 地域社会における共生等  平成24(2012)年6月 [H25.4施行] 「国等による障害者就労施設等からの物品等の調達の推進等に関する法律」の成立 ① 公契約における障害者の就業を促進するための措置等 ② 障害者就労施設等の供給する物品等に関する情報の提供 平成24(2012)年6月 [H25.4一部施行] [H26.4施行] 「地域社会における共生の実現に向けて新たな障害保健福祉施策を講ずるための関係法律の整備に関する法律」の成立 ① 障害者自立支援法の法律名を変更(障害者総合支援法) ② 障害者の範囲に難病等を追加 ③ 重度訪問介護の対象拡大 平成25(2013)年6月 [H28.4施行] 「障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律」の成立 ①  差別的取扱いの禁止、合理的配慮の不提供の禁止 ② 差別の解消の推進に関する基本方針を策定 平成25(2013)年6月 [H28.4一部施行] [H30.4施行] 「障害者の雇用の促進等に関する法律の一部を改正する法律」の成立 ① 障害者に対する差別の禁止、合理的配慮の提供義務、苦情処理・紛争解決援助 ② 法定雇用率の算定基礎の見直し 平成25(2013)年6月 [H26.4一部施行] [H28.4施行] 「精神保健及び精神障害者福祉に関する法律の一部を改正する法律」の成立 ① 精神障害者の医療の提供を確保するための指針の策定 ② 保護者制度の廃止、医療保護入院の見直し、精神医療審査会に関する見直し 平成26(2014)年1月 「障害者権利条約」の批准 平成26(2014)年5月 [H27.1施行] 「難病の患者に対する医療等に関する法律」の成立 ① 難病に係る新たな公平かつ安定的な医療費助成の制度の確立 ② 難病の医療に関する調査及び研究の推進 ③ 療養生活環境整備事業の実施 平成28(2016)年4月 [H28.8施行] 「成年後見制度の利用の促進に関する法律」の成立 ① 地域の需要に対応した成年後見制度の利用の促進 ② 成年後見制度の利用に関する体制の整備 平成28(2016)年5月 [H28.8施行] 「発達障害者支援法の一部を改正する法律」の成立 ① 発達障害者の定義の見直し ② 発達障害者の支援等のための施策の強化 ③ 発達障害者支援地域協議会の設置 平成28(2016)年5月 [H28.6一部施行] [H30.4施行] 「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律及び児童福祉法の一部を改正する法律」の成立 ① 地域生活や就労定着に向けた支援を行うサービスの新設等 ② 医療的ケアを要する障害児に対する支援 ③ 障害福祉サービス等の情報公表制度の創設 平成30(2018)年6月 [H30.6施行] 「障害者による文化芸術活動の推進に関する法律」の成立 ① 障害者の文化芸術の鑑賞の機会及び創造の機会の拡大、文化芸術活動を通じた交流の促進等 令和元(2019)年6月 [R元.6施行] 「視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律」の成立 ① アクセシブルな電子書籍等(デイジー図書まど)の普及促進 ② インターネットを利用したサービス提供体制の強化 令和2(2020)年5月 [R2.6一部施行] [R3.4施行] 「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律の一部を改正する法律」の成立 ① 公共交通事業者等に対するソフト基準(明るさの確保等)遵守義務の創設 ② 障害者等へのサービス提供を行う国認定の宿泊施設等の情報提供の促進 令和3(2021)年6月 [R3.9施行] 「医療的ケア児及びその家族に対する支援に関する法律」の成立 ① 医療的ケア児及びその家族に対する各種支援施策の推進 ② 医療的ケア児支援センターの設置 令和3(2021)年6月 [R6.4施行] 「障害を理由とする差別の解消に関する法律の一部を改正する法律」の成立 ① 国及び地方公共団体の連携協力の責務の追加 ② 事業者による社会的障壁の除去の実施に係る必要かつ合理的な配慮の提供の義務化 ③ 障害を理由とする差別を解消するための支援措置の強化 令和4(2022)年5月 [R4.5施行] 「障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策の推進に関する法律」の成立 ① 国及び地方自治体等の責務等 ② 障害の種類・程度に応じた手段の選択等 令和4(2022)年6月 [R6.4施行] 「児童福祉法の一部を改正する法律」の成立 ① 児童発達支援センターの地域の中核的役割の明確化、類型 (福祉型、医療型)の一元化 ② 障害児入所施設の入所児童等の地域移行調整の責任主体を明確化、22歳までの入所可 令和4(2022)年12月 [R5.4一部施行] [R5.10一部施行] [R6.4施行] 「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律等の一部を改正する法律」の成立 ① 障害者等の地域生活の支援体制の充実 ② 障害者の多様な就労ニーズに対する支援及び障害者雇用の質の向上の推進 ③ 精神障害者の希望やニーズに応じた支援体制の整備 ④ 難病患者及び小児慢性特定疾病児童等に対する適切な医療の充実及び療養生活支援の強化 ⑤ 障害福祉サービス等、指定難病及び小児慢性特定疾病のデータベースに関する規定の整備 令和5(2023)年3月 [R6.4一部施行] [R8.7施行] 「障害者の雇用の促進等に関する法律施行令及び身体障害者補助犬法施行令の一部を改正する政令」の公布 ① 障害者雇用率の引き上げ ② 障害者権利条約 〔これまでの国内の取組〕 ○ 全ての障害者によるあらゆる人権及び基本的自由の完全かつ平等な享有を促進し、保護し、及び確保すること並びに障害者固有の尊厳の尊重を促進することを目的とした「障害者権利条約」が平成18(2006)年12月に国連総会で採択され、平成20(2008)年5月に発効しました。 ○ 国連総会で条約が採択された翌年の平成19(2007)年9月、日本は障害者権利条約に署名しました。一方、国内では、障害者権利条約の締結に先立ち、国内法の整備をはじめとする諸改革を進めるべきという意見が寄せられたため、これらの意見を踏まえ、障害者基本法の改正、障害者総合支援法の成立、障害者差別解消法の成立および障害者雇用促進法の改正など、障害者のための様々な制度改革が行われました。 ○ こうした国内法の整備を経て、平成25(2013)年12月に条約締結が国会で承認され、平成26(2014)年1月20日に批准書を国連に寄託し、140番目の締約国となりました。同年2月19日から日本で条約の効力が生じています。 〔主な内容〕 ○ 条約は、障害者の人権及び基本的自由の享有を確保し、障害者の固有の尊厳の尊重を促進することを目的として、障害者の権利の実現のための措置等について定めており、障害者に関する初の国際条約に当たります。その主な内容は次のとおりです。 ・ 一般原則(障害者の尊厳、自律及び自立の尊重、無差別、社会への完全かつ効果的な参加及び包容等) ・ 一般的義務(合理的配慮の実施を怠ることを含め、障害に基づくいかなる差別もなしに、全ての障害者のあらゆる人権及び基本的自由を完全に実現することを確保し、及び促進すること等) ・ 障害者の権利実現のための措置(身体の自由、拷問の禁止、表現の自由等の自由権的権利及び教育、労働等の社会権的権利について締約国が採るべき措置等を規定) ・ 条約の実施のための仕組み(条約の実施及び監視のための国内の枠組みの設置、障害者権利委員会における各締約国からの報告の検討) 〔基本的な考え方〕 (ア)「障害」の捉え方  従来の「障害」の捉え方は、心身の機能の障害のみに起因するとする、いわゆる「医学モデル」の考え方を反映したものでした。一方、条約では、障害者が日常生活又は社会生活において受ける制限は、心身の機能の障害のみに起因するものではなく、社会における様々な障壁と相対することによって生ずるものとする、いわゆる「社会モデル」の考え方が貫かれています。 (イ)平等・無差別及び合理的配慮  条約は、第1条において「全ての障害者によるあらゆる人権及び基本的自由の完全かつ平等な享有を促進し、保護し、確保すること並びに障害者の固有の尊厳の尊重を促進すること」を目的として定めています。  また、第2条では、障害者の人権と基本的自由を確保するための「必要かつ適当な変更及び調整」であって、「均衡を失した又は過度の負担を課さないもの」を「合理的配慮」と定義し、第5条で、締約国に対し、障害に基づくあらゆる差別を禁止することや、合理的配慮の提供が確保されるための適当な措置を採ることを求めています。  第4条では、締約国に対し、障害者に関する問題についての意思決定過程において、障害者と 緊密に協議し、障害者を積極的に関与させることを求めています。 (ウ)実施に関する仕組み  条約は、第33条において、自国の法律上・行政上の制度に従って「条約の実施を監視するための枠組み」を自国内に設置することを締約国に求めています。日本では、障害者、障害者の自立・社会参加に関する事業の従事者及び学識経験者から構成される障害者政策委員会が設置されており、障害者基本計画の実施状況の監視を通じて条約の実施状況を監視しています。  また、第35条において、締約国に対し、「条約に基づく義務を履行するために採った措置及びこれらの措置によりもたらされた進歩に関する包括的な報告」を、国連事務総長を経由して障害者権利委員会に提出することを求めています。この報告の作成に当たっては、公開された透明性のある過程を踏むことを検討するとともに、障害者の関与について十分な考慮を払うことが求められています。  障害者権利委員会は、締約国から選ばれた18名の専門家から構成され、締約国による報告を検討し、提案や勧告を行うことが定められています。この仕組みにより、締約国は条約の実施について国際的に審査されることになります。 2 障害福祉サービス等の状況    (1)障害福祉サービス等の体系 ① 障害者総合支援法によるサービスの体系 ② 児童福祉法によるサービスの体系 (2)障害福祉サービス等の種類と内容 ① 障害者総合支援法のサービス(自立支援給付) 介護給付 居宅介護 自宅で、入浴、排せつ、食事等の介護、調理等の家事並びに生活等に関する相談や助言、その他生活全般にわたる援助を行う。 重度訪問介護 常時介護を必要とする者であって、意思疎通に著しい困難を有する者につき、居宅において、入浴、排せつ、食事等の介護、調理等の家事並びに生活等に関する相談や助言、その他生活全般にわたる援助を行う。 同行援護 視覚障害により、移動に著しい困難を有する者につき、移動に必要な情報の提供(代筆、代読を含む)、移動の援護等の外出支援を行う。 行動援護 自己判断能力が制限されている者が行動するときに、危険を回避するために必要な支援や外出支援を行う。 重度障害者等包括支援 常時介護を必要とする者であって、意思疎通に著しい困難を有する者につき、居宅介護等、複数のサービスを包括的に行う。 短期入所(ショートステイ) 自宅で介護する人が病気の場合などに、短期間、夜間も含め施設で、入浴、排せつ、食事の介護等を行う。 療養介護 医療と常時介護を必要とする人に、医療機関で機能訓練、療養上の管理、看護、介護及び日常生活の支援を行う。 生活介護 常時介護等の支援が必要な者に、主として昼間において、入浴、排せつ、及び食事等の介護、調理等の家事並びに生活等に関する相談及び助言、創作的活動又は生産活動の機会の提供、生活能力の向上のために必要な援助等を行う。 施設入所支援 施設に入所する者に、主として夜間において、入浴、排せつ、食事等の介護、生活等に関する相談及び助言その他の必要な日常生活上の支援を行う。 訓練等給付 自立訓練(機能訓練)(生活訓練) 自立した日常生活又は社会生活ができるよう、一定期間、身体機能又は生活能力の向上のために必要な訓練を行う。 就労移行支援 一般企業等への就労を希望する者に、一定期間、就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練を行う。 就労継続支援(A型・B型) 生産活動その他の活動の機会の提供、その他の就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練、その他の必要な支援を行う。 ・A型:企業等に就労することが困難な者であって、雇用契約に基づき、継続的に就労することが可能な者が対象 ・B型:就労移行支援によっても通常の事業所に雇用されるに至らなかった者や、一定年齢に達している者などであって、就労の機会等を通じ、生産活動にかかる知識及び能力の向上や維持が期待される者が対象 就労選択支援 就労アセスメントの手法を活用して、本人の希望、就労能力や適性等に合った選択の支援を行う。(令和7(2025)年10月1日開始予定。) 就労定着支援 就労に伴う生活面の課題に対応できるよう、一定期間、企業・自宅等への訪問や障害者の来所により、事業所・家族との連絡調整等の支援を行う。 自立生活援助 障害者支援施設やグループホーム等から一人暮らしへの移行を希望する者に、一定期間、定期的な巡回訪問や随時の対応により、障害者の理解力、生活力等を補う観点から支援を行う。 共同生活援助(グループホーム) 主として夜間において、共同生活を営むべき住居において行われる相談、排せつまたは食事の介護、その他の必要な日常生活上の援助を行う。 相談支援 計画相談支援 利用するサービスの内容等を定めたサービス等利用計画案を作成し、支給決定が行われた後に、当該支給決定等の内容を反映したサービス等利用計画を作成する。  また、支給決定されたサービス等の利用状況の検証(モニタリング)を行い、サービス事業所等との連絡調整などを行う。 地域相談支援(地域移行支援) 施設に入所又は精神科病院に入院している者が、地域における生活に移行するための活動に関する相談等を行う。 地域相談支援(地域定着支援) 居宅において単身等で生活する者に対し、常時の連絡体制を確保し、緊急時には相談、対応等必要な支援を行う。 ② 児童福祉法のサービス 障害児通所支援 児童発達支援 集団療育及び個別療育を行う必要があると認められる未就学の障害児に対し、日常生活における基本的な動作の指導、知識技能の付与、集団生活への適応訓練、その他必要な支援を行う。 居宅訪問型児童発達支援 重度の障害等の状態にある障害児であって、障害児通所支援を利用するために外出することが著しく困難な障害児に発達支援が提供できるよう、障害児の居宅を訪問して発達支援を行う。 放課後等デイサービス 学校に就学しており、授業の終了後又は休業日に支援が必要と認められた障害児に対して、生活能力向上のために必要な訓練、社会との交流の促進、その他必要な支援を行う。 保育所等訪問支援 保育所等を利用中(又は利用予定)の障害児に対して、訪問により、集団生活の適応のための専門的な支援を行う。 障害児入所支援 福祉型障害児入所施設 障害児を入所させて、保護、日常生活の指導及び独立自活に必要な知識技能の付与を行う施設。 医療型障害児入所施設 医療型では、上記と併せて、治療も実施する。 障害児相談支援 障害児相談支援 障害児通所支援を利用する障害児等を対象に、サービスの内容等を定めた障害児支援利用計画案を作成し、支給決定が行われた後に、当該支給決定等の内容を反映した障害児支援利用計画の作成を行う。  また、支給決定されたサービス等の利用状況の検証(モニタリング)を行い、サービス事業所等との連絡調整などを行う。 (3)障害福祉サービス等事業所数(令和5(2023)年4月1日現在)【圏域別】 ① 訪問系サービス事業所数  広島圏域 居宅介護 319 重度訪問介護 301 同行援護 51 行動援護 22 重度障害者等包括支援 0 広島圏域計 693 広島西圏域 居宅介護 26 重度訪問介護 22 同行援護 7 行動援護 4 重度障害者等包括支援 0 広島西圏域計 59 呉圏域 居宅介護 47 重度訪問介護 42 同行援護 17 行動援護 7 重度障害者等包括支援 0 呉圏域計 113 広島中央圏域 居宅介護 34 重度訪問介護 34 同行援護 12 行動援護 12 重度障害者等包括支援 0 広島中央圏域計 92 尾三圏域 居宅介護 46 重度訪問介護 42 同行援護 22 行動援護 9 重度障害者等包括支援 0 尾三圏域計 119 福山・府中圏域 居宅介護 88 重度訪問介護 79 同行援護 26 行動援護 23 重度障害者等包括支援 1 福山・府中圏域計 217 備北圏域 居宅介護 16 重度訪問介護 15 同行援護 5 行動援護 2 重度障害者等包括支援 0 備北圏域計 38 居宅介護計 576 重度訪問介護計 535 同行援護計 140 行動援護計 79 重度障害者等包括支援計 1 圏域総合計 1,331 ② 日中活動系サービス事業所数 広島圏域 生活介護 123 自立訓練(機能) 3 自立訓練(生活) 22 就労移行支援 28 就労継続支援A型 47 就労継続支援B型 169 就労定着支援 26 療養介護 1 圏域計 419     広島西圏域 生活介護 20 自立訓練(機能) 0 自立訓練(生活) 0 就労移行支援 0 就労継続支援A型 2 就労継続支援B型 19 就労定着支援 0 療養介護 3 圏域計 44     呉圏域 生活介護 26 自立訓練(機能) 0 自立訓練(生活) 3 就労移行支援 5 就労継続支援A型 8 就労継続支援B型 33 就労定着支援 2 療養介護 1 圏域計 78     広島中央圏域 生活介護 29 自立訓練(機能) 0 自立訓練(生活) 5 就労移行支援 7 就労継続支援A型 6 就労継続支援B型 28 就労定着支援 1 療養介護 4 圏域計 80     尾三圏域 生活介護 31 自立訓練(機能) 1 自立訓練(生活) 3 就労移行支援 6 就労継続支援A型 4 就労継続支援B型 41 就労定着支援 4 療養介護 0 圏域計 90     福山・府中圏域 生活介護 68 自立訓練(機能) 0 自立訓練(生活) 2 就労移行支援 15 就労継続支援A型 17 就労継続支援B型 74 就労定着支援 4 療養介護 1 圏域計 181     備北圏域 生活介護 16 自立訓練(機能) 1 自立訓練(生活) 1 就労移行支援 1 就労継続支援A型 3 就労継続支援B型 14 就労定着支援 0 療養介護 1 圏域計 37     生活介護計 313 自立訓練(機能)計 5 自立訓練(生活)計 36 就労移行支援計 62 就労継続支援A型計 87 就労継続支援B型計 378 就労定着支援計 37 療養介護計 11 圏域総合計 929 ③ 障害児通所支援事業所数    広島圏域 児童発達支援(センター) 7 児童発達支援(センターを除く) 97 放課後等デイサービス 285 保育所等訪問支援 17 居宅訪問型児童発達支援 0 圏域計 406 広島西圏域 児童発達支援(センター) 2 児童発達支援(センターを除く)7  放課後等デイサービス 35 保育所等訪問支援 2 居宅訪問型児童発達支援 0 圏域計 46 呉圏域 児童発達支援(センター) 1 児童発達支援(センターを除く) 20 放課後等デイサービス 36 保育所等訪問支援 3 居宅訪問型児童発達支援 0 圏域計 60 広島中央圏域 児童発達支援(センター) 1 児童発達支援(センターを除く) 16 放課後等デイサービス 45 保育所等訪問支援 3 居宅訪問型児童発達支援 1 圏域計 66 尾三圏域 児童発達支援(センター) 4 児童発達支援(センターを除く) 19 放課後等デイサービス 38 保育所等訪問支援 10 居宅訪問型児童発達支援 0 圏域計 71 福山・府中圏域 児童発達支援(センター) 4 児童発達支援(センターを除く) 64 放課後等デイサービス 145 保育所等訪問支援 17 居宅訪問型児童発達支援 0 圏域計 230 備北圏域 児童発達支援(センター) 1 児童発達支援(センターを除く) 4 放課後等デイサービス 7 保育所等訪問支援 1 居宅訪問型児童発達支援 0 圏域計 13 児童発達支援(センター)計 20 児童発達支援(センターを除く)計 227 放課後等デイサービス計 591 保育所等訪問支援計 53 居宅訪問型児童発達支援計 1 圏域総合計 892 ④ 居宅系サービス事業所数 広島圏域 障害者支援施設 27 自立生活援助 2 共同生活援助(グループホーム) 65 福祉型障害児入所施設 4 医療型障害児入所施設 1 指定医療機関 0 短期入所 94 圏域計 193  広島西圏域 障害者支援施設 4 自立生活援助 0 共同生活援助(グループホーム) 16 福祉型障害児入所施設 0 医療型障害児入所施設 1 指定医療機関 2 短期入所 30 圏域計 53 呉圏域 障害者支援施設 3 自立生活援助 1 共同生活援助(グループホーム) 20 福祉型障害児入所施設 0 医療型障害児入所施設 1 指定医療機関 0 短期入所 16 圏域計 41 広島中央圏域 障害者支援施設 11 自立生活援助 0 共同生活援助(グループホーム) 18 福祉型障害児入所施設 2 医療型障害児入所施設 3 指定医療機関 1 短期入所 23 圏域計 58 尾三圏域 障害者支援施設 5 自立生活援助 0 共同生活援助(グループホーム) 23 福祉型障害児入所施設 0 医療型障害児入所施設 0 指定医療機関 0 短期入所 26 圏域計 54 福山・府中圏域 障害者支援施設 9 自立生活援助 1 共同生活援助(グループホーム) 35 福祉型障害児入所施設 2 医療型障害児入所施設 1 指定医療機関 0 短期入所 36 圏域計 84 備北圏域 障害者支援施設 5 自立生活援助 0 共同生活援助(グループホーム) 12 福祉型障害児入所施設 1 医療型障害児入所施設 1 指定医療機関 0 短期入所 19 圏域計 38 障害者支援施設計 64 自立生活援助計 4 共同生活援助(グループホーム)計 189 福祉型障害児入所施設計 9 医療型障害児入所施設計 8 指定医療機関計 3 短期入所計 244 圏域総合計 521 3 用語解説 あ アウトリーチ 生活上の課題を抱えながらも、自ら相談機関に相談に行けない個人や家族に対して、支援者が積極的に対象者のいる場所に出向いて働きかける支援方法のこと。 い 一般就労移行者 目標設定における一般就労移行者とは、福祉施設利用者のうち、雇用契約に基づいて、企業等に就職した者及び在宅就労した者並びに自ら起業した障害者等のことをいい、就労継続支援A型の利用者を含まない。 医療型児童発達支援 18歳未満の上肢、下肢又は体幹の機能に障害のある児童に対し、日常生活における基本的な動作の指導、知識技能の付与、集団生活への適応訓練、その他必要な支援及び治療を行うサービス。 医療型障害児入所施設 18歳未満の障害のある児童を入所させて、保護、日常生活の指導、独立自活に必要な知識技能の付与及び治療を行う施設。 医療的ケア児 NICU(新生児集中治療室)等に長期間入院した後、引き続き人工呼吸器や胃ろう等を使用し、たんの吸引や経管栄養などの医療的ケアが日常的に必要な障害児。 医療的ケア児等医療情報共有システム 医療的ケアが必要な児童等が救急時や、予想外の災害、事故に遭遇した際に、全国の医師・医療機関(特に、救急医)が迅速に必要な患者情報を共有できるようにするためのシステムのこと。 インクルーシブ(な)社会 性別・国籍・宗教の違いや障害の有無にかかわらず、互いを認め合い、排除せずに共生する社会。 え NICU 低体重児や先天的に重篤な疾患がある新生児に対応するための設備と医療スタッフを備えた集中治療室(新生児集中治療室)。Neonatal Intensive Care Unitの略。 お 音声コード 紙媒体に掲載された印刷情報をデジタル情報に変えるための二次元のバーコード。一つの音声コード(18㎜四方)に約800文字が収録可能で、音声コードを読み取り、音声出力するためには、活字文書読み上げ装置を用いるほか、無料の読み上げアプリ(Uni-voice blind)によりスマートフォンやタブレット等での読み上げができる。 き 技能検定 特別支援学校高等部の知的障害のある生徒に目標と自信をもたせ、働く意欲の向上を図り、企業等への就労支援を目的とした検定。年2回実施しており、清掃、接客、ワープロ、流通・物流、食品加工の5分野で級の認定を行っている。 義務教育学校 一人の校長の下、一つの教職員組織が置かれ、義務教育9年間の学校教育目標を設定し、9年間の系統性を確保した教育課程を編成・実施する新しい種類の学校。心身の発達に応じて、義務教育として行われる普通教育を基礎的なものから一貫して施すことを目的としている。 共同生活援助(グループホーム) 障害者が地域において共同して自立した日常生活又は社会生活を営むことができるよう、当該障害者の身体及び精神の状況並びにその置かれている環境に応じて共同生活住居において、相談、入浴、排せつ又は食事の介護その他の日常生活上の援助を行うサービス。 居宅訪問型児童発達支援 重度の障害のある児童の居宅を訪問し、日常生活における基本的な動作及び知識技能の付与並びに生活能力向上のために適切かつ効果的な支援を行うサービス。 く クローズドキャプション 表示・非表示を切り替えることができる字幕のことで、映像内に使われている音声情報の内容を、聴覚障害者に伝えるために文字情報として表示する技術のこと。 け 県営住宅再編5箇年計画 県民の安心な暮らしづくりを推進するために、老朽化が進行しつつある県営住宅の更新を、今後の人口と世帯数の減少を見据えて計画的に進めるための実施方針や、少子高齢化の進展への対応に向けた取組方針等を定めた計画。 県社会福祉人材育成センター 社会福祉法(昭和26年法律第45号)に基づき、福祉関係の人材確保と人材養成などの事業を進めるため、知事の指定を受けて、社会福祉法人広島県社会福祉協議会に設置された組織。福祉に関心のある人や福祉の職場で働きたい人と福祉施設・事業所とのマッチングや合同説明会の開催、必要な資格とその取得方法等の相談を行っている。 県地域生活定着支援センター 高齢や障害を有するなどの理由により、矯正施設退所後、福祉的支援を必要とする者に対して、保護観察所と協働して福祉サービスなどを利用できるよう支援する機関。 県地域リハビリテーション広域支援センター 介護予防と生活の質の向上及び障害のある人々の自立や、社会参加を支援することを目的に県が指定する施設。地域住民の相談への対応に係る支援や市町、地域におけるリハビリテーション実施機関からの相談、技術支援及び人材派遣を行うとともに、必要に応じて、二次保健医療圏域内の関係機関の連絡・調整や圏域内の地域包括支援センター等とのネットワーク化及び医療介護連携の推進、地域リハビリテーション推進に係る人材の育成及び研修を行う。 県地域リハビリテーションサポートセンター 介護予防と生活の質の向上及び障害のある人々の自立や、社会参加を支援することを目的に県が指定する施設。地域住民の相談への対応に係る支援や市町、地域におけるリハビリテーション実施機関からの相談及び技術支援を行う。 県立視覚障害者情報センター 県内の視覚障害者に対し点字図書や録音図書等の貸出・閲覧などを行う情報提供サービスや、点字図書や録音図書等を製作するボランティアの育成などを行っている施設。 県リハビリテーション支援センター 介護予防と生活の質の向上及び障害のある人々の自立や、社会参加を支援することを目的に県が指定する施設。広域支援センターへの支援や、関係団体、医療機関等との連絡・調整及び連携を行う。 こ 高次脳機能障害 脳の損傷によって、注意力や記憶力、感情のコントロールなどの能力に問題が生じ、そのために日常生活や社会生活が困難になる障害。 合理的配慮 障害者が日常生活又は社会生活において受ける様々な制限をもたらす原因となる社会的障壁を取り除くため、その実施に伴う負担が過重でない場合に、特定の障害者に対して、個別の状況に応じて講じられるべき措置のこと。 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(通称:バリアフリー法) 高齢者や障害者などの自立した日常生活や社会生活を確保するために、旅客施設・車両等、道路、路外駐車場、都市公園、建築物に対して、バリアフリー化基準(移動等円滑化基準)への適合を求めるとともに、駅を中心とした地区や、高齢者や障害者などが利用する施設が集中する地区(重点整備地区)において、住民参加による重点的かつ一体的なバリアフリー化を進めるための措置などを定めた法律。一体的・総合的なバリアフリー施策を推進するために、「高齢者、身体障害者等が円滑に利用できる特定建築物建築の促進に関する法律」(通称:ハートビル法)と「高齢者、身体障害者等の公共交通機関を利用した移動の円滑化の促進に関する法律」(通称:交通バリアフリー法)を統合拡充して平成18(2006)年に公布。 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律に基づく移動円滑化のために必要な道路の構造に関する基準を定める条例 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(平成18年法律第91号。通称:バリアフリー法。)に基づき、県が管理する県道に係る移動等円滑化のために必要な道路の構造に関する基準を定めた条例。バリアフリー法では、特定道路の新設又は改築を行うときは、この条例に定める基準に適合させなければならない(義務)こと、それ以外の道路については、この条例に定める基準に適合させるよう努めなければならない(努力義務)ことが定められている。 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律に基づく移動円滑化のために必要な特定公園施設の設置に関する基準を定める条例 高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律(平成18年法律第91号。通称:バリアフリー法。)に基づき、県が設置する都市公園に係る移動等円滑化のために必要な園路、駐車場、便所などの特定公園施設の構造等の基準を定めた条例。 工賃向上計画 国の工賃向上計画を推進するための基本的な指針において、全ての就労継続支援B型事業所が作成することとされている目標工賃額、各年度の具体的な取組方策などからなる計画。 こころの電話 臨床心理士などによる、こころの健康に関する問題や悩み事などの電話相談窓口。 こども家庭センター 児童虐待や少年非行、配偶者からの暴力(DV)など、子供や家庭の問題に対応するため、「児童相談所」、「知的障害者更生相談所」、「婦人相談所(配偶者暴力相談支援センター)」の機能を統合した、総合的な相談支援機関。 個別の教育支援計画 特別な支援を必要とする幼児児童生徒について、医療、福祉、労働等の関係機関との連携を図るための長期的な視点に立って作成する計画。この計画には、本人や保護者の願い、長期の支援目標、支援を行う関係機関等を記載する。 個別の指導計画 特別な支援を必要とする幼児児童生徒の指導を行うために作成する詳細な計画。個別の教育支援計画に比べ短期的な計画であり、実態把握で分かったこと、学習面や生活面での指導目標、手立て、評価等を記載する。 個別避難計画 避難行動要支援者の個々人ごとに、「発災時に避難支援を行う者」、「避難支援の方法」や「避難場所、避難経路」などを具体的に定めた計画。 さ サービス管理責任者 障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律(平成17年法律第123号)に基づく特定の障害福祉サービスを実施する事業者が指定を受ける際の人員基準において、事業所に配置する必要のある責任者。次の役割を担う。①個々のサービス利用者のアセスメントや個別支援計画の作成、定期的な評価などの一連のサービス提供プロセス全般に関する責任 ②他のサービス提供職員に対する指導的役割 サピエ 視覚障害者及び視覚による表現の認識に障害のある方々に対して点字、デイジーデータをはじめ、暮らしに密着した地域・生活情報などさまざまな情報を提供するネットワーク。日本点字図書館がシステムを管理し、全国視覚障害者情報提供施設協会が運営。 し 視覚障害者等の読書環境の整備の推進に関する法律(読書バリアフリー法) 視覚障害者等の読書環境の整備を総合的かつ計画的に推進し、障害の有無にかかわらず、全ての国民が等しく読書を通じて文字・活字文化の恵沢を享受することができる社会の実現に寄与することを目的として制定された法律。令和元(2019)年6月28日公布。 自主防災組織 住民の隣保協同の精神に基づく自発的な防災組織。防災対策を進める上で重要とされる、自助(自らが自分を守る)、公助(消防など行政が働く)と並び、住民が互いに助け合う「共助」の要とされる。 実雇用率 算定基礎労働者数(障害者の就業が一般的に困難な職種もあることから、企業全体の常用労働者数から業種ごとに定められている除外率相当数を控除した数)に占める障害者数の割合を指す。 指定発達支援医療機関 独立行政法人国立病院機構又は国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センターの設置する医療機関であって、厚生労働大臣が指定する、医療型児童発達支援(18歳未満の上肢、下肢又は体幹の機能に障害のある児童に対し、日常生活における基本的な動作の指導、知識技能の付与、集団生活への適応訓練、その他必要な支援及び治療を行うサービス)を行う医療機関。 児童発達支援(センター) 児童発達支援は、未就学の児童に対し、日常生活における基本的な動作の指導及び知識技能の付与、並びに集団生活への適応訓練、その他必要な支援を行うサービス。児童発達支援センターは、通所利用障害児への療育やその家族に対する支援を行うとともに、その有する専門機能を活かし、地域の障害児やその家族の相談支援、障害児を預かる施設への援助・助言を行う(地域の中核的な支援施設)。センター以外の事業所は、専ら、通所利用障害児への療育やその家族に対する支援を行う。 児童発達支援管理責任者 児童福祉法(昭和22年法律第164号)に基づく障害児通所支援及び障害児入所支援の事業指定を受ける際の人員基準において、事業所(施設)に配置する必要のある責任者。次の役割を担う。①個々のサービス利用者のアセスメントや個別支援計画の作成、定期的な評価などの一連の支援提供プロセス全般に関する責任②他のサービス提供職員に対する指導的役割 市民後見人 弁護士や司法書士などの資格は持たないものの社会貢献への意欲や倫理観が高い一般市民の中から、成年後見に関する一定の知識・態度を身に付けた良質の第三者後見人等の候補者。 若年性認知症 65歳未満で発症した認知症の総称。18~39歳を若年期認知症、40~64歳を初老期認知症と区分することもある。アルツハイマー病、脳血管障害、頭部外傷など原因は様々。 若年性認知症支援コーディネーター 若年性認知症の人やその家族等からの相談及び若年性認知症の人やその家族等の支援に携わる者のネットワークを調整するため、都道府県や指定都市に配置。若年性認知症の特性に配慮した就労継続支援及び社会参加支援等を推進する。 住宅確保要配慮者 低額所得者、被災者、高齢者、障害者、子供を育成する家庭、外国人等の住宅の確保に特に配慮を要する者。 重点研究事業 県内の地方公共団体、公的機関及び公共的団体から提案された地域課題の解決に資する研究を県立広島大学において実施する事業。 就労継続支援事業(所)(A型・B型) 生産活動その他の活動の機会の提供、その他の就労に必要な知識及び能力の向上のために必要な訓練、その他の必要な支援を行う障害者を対象としたサービス。利用対象者は次のとおり。・A型:企業等に就労することが困難な者であって、雇用契約に基づき、継続的に就労することが可能な者・B型:就労移行支援によっても通常の事業所に雇用されるに至らなかった者や、一定年齢に達している者などであって、就労の機会等を通じ、生産活動にかかる知識及び能力の向上や維持が期待される者 就労支援メッセンジャー 自己の企業・団体内において、障害者の職場定着を目的として、企業風土や業務内容を踏まえながら、それぞれの障害特性にあった業務の割り当てや職場適応に向けた相談支援などを中心的に担う推進役のことで、従業員の中から、主に就労支援メッセンジャー養成研修修了者がその任にあたる。 就労選択支援 障害者本人が就労先・働き方についてより良い選択ができるよう、就労アセスメントの手法を活用して、本人の希望、就労能力や適性等に合った選択を支援するサービス。令和7(2025)年10月1日に施行予定。 主任相談支援専門員 主任相談支援専門員養成研修を修了し、障害者等の意向に基づく生活を実現するため、地域課題についての協議や相談支援に従事する者への助言・指導等を実施するなど中核的な役割を担う人材。 障害者虐待防止ネットワーク推進会議 障害者虐待の防止、障害者の養護者に対する支援等に関する法律(平成23年法律第79号)第39条の規定に基づき、障害者虐待の防止、障害者虐待を受けた障害者の保護及び自立の支援並びに養護者に対する支援を適切に実施するため、関係機関や民間団体等との連携協力体制の整備を推進することを目的とした会議。 障害者差別解消支援地域協議会 障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律(平成25年法律第65号)第17 条に基づき、地域における障害者差別に関する相談等について情報を共有し、障害者差別を解消するための取組を効果的かつ円滑に行うネットワークとして組織できることとされた協議会。広島県では、学識経験者、障害当事者団体、教育、福祉、保健・医療、事業者団体、法曹、国・県の行政機関で構成。 障害者週間 平成16(2004)年6月改正の障害者基本法により、「国際障害者デー」である12月3日から我が国の「障害者の日」である12月9日までの1週間を「障害者週間」とし、この期間を中心に、障害の有無にかかわらず、誰もが暮らしやすい共生社会の実現を目指し、障害者の自立及び社会参加の推進を目的とした普及啓発活動等の取組を展開。 障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策の推進に関する法律(障害者情報アクセシビリティ・コミュニケーション施策推進法) 障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策を総合的に推進し、全ての国民が、障害の有無によって分け隔てられることなく、相互に人格と個性を尊重し合いながら共生する社会の実現に資することを目的として、障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策に関する国、地方公共団体等の責務等を明らかにし、障害者による情報の取得及び利用並びに意思疎通に係る施策の基本となる事項を定めた法律。令和4(2022)年5月25日公布。 障害福祉サービス等情報公表制度 利用者の個々のニーズに応じた良質なサービスの選択に資することを目的として、事業者に対して障害福祉サービスの内容等を都道府県知事等へ報告することを求め、その内容を公表する仕組み。独立行政法人福祉医療機構が運営する「障害福祉サービス等情報検索」を利用することで、全国の指定障害福祉サービス等施設・事業所の情報をインターネットで入手可能。 消費者被害 消費者(個人)の消費生活における被害。事業者が供給する商品・サービスの欠陥・不良等により生じる生命・身体被害と、事業者による消費者の利益を不当に害する行為等によって生じる財産被害がある。 ジョブサポートティーチャー 特別支援学校において、就職支援の充実のために、生徒への面接指導、個々の生徒の実態把握に基づく企業開拓、ハローワーク等の関係機関との連携、教職員研修の講師等の業務を専任で行う者。 自立訓練(機能訓練)  障害者支援施設若しくは障害福祉サービス事業所に通所させ又は障害者の居宅を訪問して、理学療法、作業療法その他必要なリハビリテーション、生活等に関する相談及び助言その他必要な支援を行うサービス。 自立支援医療(育成医療、更生医療、精神通院医療) 心身の障害を除去・軽減するための医療について、医療費の自己負担額を軽減する公費負担医療制度。各制度の対象者は次のとおり。・育成医療:身体に障害を有する児童で、その障害を除去・軽減する手術等の治療により確実に効果が期待できる18歳未満の者。・更生医療:身体障害者福祉法(昭和 24年法律第283号)に基づき身体障害者手帳の交付を受けた者で、その障害を除去・軽減する手術等の治療により確実に効果が期待できる18歳以上の者 。・精神通院医療:精神保健及び精神障害者福祉に関する法律(昭和25年法律第123号)に規定する統合失調症などの精神疾患を有する者で、通院による精神医療を継続的に要する者。 自立生活援助 居宅において単身等で生活する障害者につき、定期的な巡回訪問又は随時通報を受けて行う訪問、相談対応等により、居宅における自立した日常生活を営む上での各般の問題を把握し、必要な情報の提供及び助言並びに相談、関係機関との連絡調整等の自立した日常生活を営むために必要な援助を行うサービス。 人権週間 昭和23(1948)年12月10日に「すべての人間は、生まれながらにして自由であり、かつ、尊厳と権利とについて平等である。」とする「世界人権宣言」が国際連合で採択されたことを受け、翌年から法務省と全国人権擁護委員連合会が、同日を最終日とする1週間(12月4日~10日)を「人権週間」と定め、人権尊重思想の普及高揚を図るための各種啓発活動を実施。 心身障害者扶養共済制度 心身障害者を扶養している保護者が、相互扶助の精神に基づき、その生存中一定額の掛金を納入し、保護者が死亡した場合(又は重度障害者となった場合)残された心身障害者に年金を支給することによって、心身障害者の生活の安定と福祉の増進を図る制度。 精神保健福祉相談員 市町、精神保健福祉センター及び保健所において、精神保健福祉に関する相談に応じ、必要な助言を行う職員。精神保健福祉相談員は、精神保健福祉士か医師、認定講習を受けた保健師等で都道府県知事又は市町村長が任命する。 成年後見制度 認知症、知的障害、精神障害などにより物事を判断する能力が十分でない方について、本人の権利を守る援助者(成年後見人等)を選ぶことで、本人を法律的に支援する制度。 摂食嚥下障害 摂食嚥下とは、食べ物を見て、口に取り込み、噛み砕いて、舌で塊をつくり、飲み込むことをいい、摂食嚥下障害とは、食物が円滑に口腔から胃に運ばれない状態のこと。飲み込めない場合と、飲み込んだ食物が途中でつかえて円滑に通過しない場合がある。摂食嚥下障害の原因は、口腔・咽頭・食道の炎症、腫瘍、認知症、脳血管障害、神経・筋疾患、加齢などがある。 そ 相談支援専門員 指定相談支援事業所などにおいて、障害のある人が自立した社会生活を営むことができるよう、障害福祉サービス利用計画の作成をはじめ全般的な相談支援を行う人材 た 代理投票 投票用紙に文字を記入できない選挙人のための制度。投票管理者に申請すると、補助者2名が定められ、その1人が選挙人の指示に従って投票用紙に記入し、もう1人が指示どおりかどうか確認する。 ダブルケア 子育てと親や親族の介護が同時期に発生する状態。 ち 地域移行支援 障害者支援施設等に入所している障害者又は精神科病院に入院している精神障害者その他の地域における生活に移行するために重点的な支援を必要とする者につき、住居の確保その他の地域における生活に移行するための活動に関する相談その他の必要な支援を行うサービス。 地域ケア会議 地域包括支援センター、市町等が主催し、支援が必要な高齢者の個別課題などについて、地域の医療、介護、住民代表等の多様な関係者が協議する会議。個別ケースの検討を重ねることにより、地域の共通課題を関係者で共有するとともに、課題解決に向けて関係者間のネットワーク化、新たな資源開発、施策化などを図っていく。 地域定着支援 居宅において単身等で生活する障害者につき、常時の連絡体制を確保し、障害の特性に起因して生じた緊急の事態等において、相談その他必要な支援を行うサービス。 地域包括ケアシステム 高齢者が可能な限り、住み慣れた地域でその有する能力に応じて、自立した日常生活を営むことができるよう、医療、介護、予防、住まい、生活支援などのサービスを包括的に提供する体制。 地域包括支援センター 地域住民の保健医療の向上及び福祉の増進を包括的に支援することを目的に、総合相談支援、権利擁護、包括的・継続的ケアマネジメント支援、介護予防ケアマネジメントの4つの業務を一体的に実施する役割を担う地域の中核機関。平成18(2006)年度に創設され、市町又は社会福祉法人など市町から委託を受けた法人が運営し、保健師、主任介護支援専門員、社会福祉士等が従事する。 地域リハビリテーション 障害者や高齢者が急性期から回復期を経て維持期へと移行する全課程を通じて、住み慣れた地域で状況に応じた適切な医療リハビリテーション、生活リハビリテーション及び職業リハビリテーションを受けることができる仕組み。 中等教育学校 前期中等教育(中学校などにおける教育)と後期中等教育(高等学校などにおける教育)を一貫して施すシステムをとる学校。中高一貫教育の実施形態の一つである。 つ 通級による指導 通常の学級に在籍している障害のある児童生徒に対して、各教科等の大部分の授業を通常の学級で行いながら、一部の授業について当該児童の障害に応じた特別の指導を特別の指導の場(通級指導教室)で行う教育形態。 て デイジー(DAISY) 視覚障害などで活字の読みが困難な人のために製作されるデジタル図書の国際標準規格。デイジー図書は、インターネットからのダウンロードデータやCDなどにより、読みたい部分を検索して読めることや、大容量収録可能であることが特徴。DAISYは、Digital Accessible Information Systemの略。 と 特定健康診査 平成20(2008)年4月から40~74歳の人を対象に国民健康保険や健康保険組合等の医療保険者に義務づけられたメタボリックシンドロームに着目した生活習慣病予防のための健康診査。 特定公園施設 公園の出入口と主要な公園施設との間の経路を構成する園路・広場、屋根付広場、休憩所、野外劇場、野外音楽堂、駐車場、便所、水飲場、手洗場、管理事務所、掲示板、標識などの施設。 特定道路 生活関連経路を構成する道路法(昭和27年法律第180号)による道路のうち多数の高齢者、障害者等の移動が通常徒歩で行われるものであって、通称バリアフリー法施行令第2条の規定により、国土交通大臣がその路線及び区間を指定したもの。 特定保健指導 特定健康診査の結果をもとに、生活習慣病の予防・改善が必要と認められた人を発症リスクの程度に応じて2つのグループ(動機づけ支援・積極的支援)に分け、グループごとに生活習慣病に進行しないための保健指導を行う。 特別支援学校教諭免許状 特別支援学校の教員が、幼稚園、小学校、中学校又は高等学校の教諭免許状のほか、有していなければならない免許状。幼・小・中・高の教諭免許状を有する者は「当分の間」当該免許状を有していなくとも特別支援学校の相当する部の教諭等となることができる。 特別支援教育コーディネーター 各学校における特別支援教育の推進のため、主に、校内委員会・校内研修の企画・運営、関係諸機関・学校との連絡・調整、保護者からの相談窓口などの役割を担う者。 都市公園 都市公園法(昭和31年法律第79号)に規定される公園又は緑地で、住民に対して休息、運動等の屋外レクリエーションの場として利用されるものや、優れた自然の風景地として保護及び利用されるものであり、遊園地、自然公園などもこれらに含まれる。 な 難病医療協力病院 確定診断が困難な患者や高度な治療を必要とする患者などを難病診療連携拠点病院などへ紹介したり、難病診療連携拠点病院などから、当該病院で治療可能な患者を受け入れたりするほか、地域の関係機関に対する指導・助言などを行う病院。 難病診療分野別拠点病院 難病の各専門領域に対応する病院。難病医療協力病院・一般病院などで診断が困難な患者や高度な治療が必要な患者の受け入れや、身近な医療機関で治療が可能な患者を難病医療協力病院・一般病院などへ紹介するなどの診療連携を行う。 難病診療連携拠点病院  都道府県における難病診療連携の拠点となる病院。難病医療協力病院・一般病院などで診断が困難な患者や高度な治療が必要な患者の受け入れや、身近な医療機関で治療が可能な患者の難病医療協力病院・一般病院などへの紹介などの診療連携や、遺伝子診断に係るカウンセリング、難病医療関係者への研修や都道府県内の難病診療体制に関する情報収集を行う。 難病対策センター 難病相談支援員を配置し、難病患者の日常生活における様々な相談・支援、地域交流活動の促進及び就労支援などの患者等支援を行うとともに、拠点病院及び協力病院との連絡調整、医療従事者等に対する研修の実施など難病対策の拠点として設置。 に 日本工業規格(JIS) 日本の工業製品に関する規格や測定法などが定められた日本の国家規格。なお、主に高齢者、障害のある人がウェブコンテンツを利用するときの情報アクセシビリティを確保し、向上させるために、コンテンツの企画、開発、制作、運用をするときに配慮すべき工業標準(JIS X 8341-3:2016)が定められている。 は バイアス(アンコンシャス・バイアス) 無意識の偏見や思い込みから偏ったモノの見方をしてしまうこと。 8050問題 長期間のひきこもりなどにより50代前後の子供を、80代前後の高齢の親が養い続けていることで発生する社会問題。 発達障害 自閉症、アスペルガー症候群その他の広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能の障害であって、その症状が通常低年齢において発現するもの。 ひ ピアサポート 患者又は患者の家族が、同じ悩みを持つ患者等からの相談を受け、解決に向けた援助や助言を行う活動。 ひきこもり相談支援センター ひきこもりに関する本人、家族等からの相談窓口(電話、面接、訪問等)で、県内に3センター(西部センター、中部北部センター、東部センター)設置している。 避難確保計画 土砂災害警戒区域等における土砂災害防止対策の推進に関する法律(平成12年法律第57号)及び水防法(昭和24年法律第193号)の規定に基づき、土砂災害、洪水、高潮等によって被害発生が想定される地域にある社会福祉施設、学校、医療施設等の要配慮者利用施設の管理者等に作成が義務付けられている、施設利用者の災害時における円滑かつ迅速な避難の確保を図るための、防災体制、避難の誘導、避難の確保を図るための施設、避難訓練の実施等に関する計画。計画を作成したときは、市町長に報告することが求められている。 避難行動要支援者 要配慮者のうち、災害が発生し、又は災害が発生するおそれがある場合に自ら避難することが困難な者であって、その円滑かつ迅速な避難の確保を図るため特に支援を必要とする方。 広島いのちの電話 こころの健康に関する問題や悩み事などの電話相談窓口で、24時間年中無休対応。 広島県あんしん賃貸支援事業 低額所得者、被災者、高齢者、障害者、子供を育成する家庭、外国人そのほか住宅の確保に特に配慮を要する者(以下「住宅確保要配慮者」という。)が入居できる民間賃貸住宅の仲介を行う事業者(協力店)等の情報提供や居住支援を行うことにより、住宅確保要配慮者の入居をサポートする事業。 広島県高次脳機能地域支援センター 地域における高次脳機能障害に関する医療の相談窓口。 広島県被災者生活サポートボラネット推進会議 災害時等の緊急時に被災者への生活サポート活動を迅速に行うことができるように、関係機関・団体のネットワークを強化するために設置した会議。 広島県福祉サービス第三者評価推進委員会 福祉サービスの利用者からの苦情を解決することにより、利用者の権利を擁護することを目的として社会福祉法に基づき設置された第三者機関です。委員は、中立公正な立場から多様な事例に対応できるように、社会福祉、法律、医療などに関する学識経験者で構成されています 広島県福祉のまちづくり条例 全ての県民が自らの意思で自由に行動し、社会参加できるような環境の整備に向けて平成7(1995)年に制定した条例。多数の人が利用する建築物や道路、公園等について、全ての人が円滑に利用できるよう、スロープや手すりを設けること等を定めている。 広島県優先調達方針 平成25(2013)年度施行の国等による障害者就労施設等からの物品等の調達の推進等に関する法律(平成24年法律第50号)第9条に基づき、広島県の定めた障害者就労施設等からの物品等の調達の推進を図るための方針。年間の優先調達目標額や調達推進のための取組等を定めている。 広島口腔保健センター 一般の歯科医療機関では対応が困難な障害のある人たちの口腔保健の向上を図ることを目的として、広島県歯科医師会及び郡市区歯科医師会が設置及び管理運営を行っている施設。 ふ 福祉型障害児入所施設 18歳未満の障害のある児童を入所させて、保護、日常生活の指導及び独立自活に必要な知識技能の付与を行う施設。 福祉サービス利用援助事業(かけはし) 認知症や障害等により、一人で物事を決めることが不安な人に対し、福祉サービスの利用手続きや日常的な金銭管理を手伝い、安心して暮らせるように支援する事業。 不在者投票 名簿登録地の市区町の選挙管理委員会に投票用紙など必要書類を請求し、交付された投票用紙に自宅等自分のいる場所において記載し、これを郵便等によって名簿登録地の市区町選挙管理委員会に送付する投票制度。 へ ペアレント・トレーニング 発達障害のある(または疑いのある)子供を持つ保護者等が子供の特性や具体的な対応方法を身に付けることで、子供の適応行動を増やし、子育ての負担の軽減が可能になることをめざし開発された手法。 ペアレントメンター 発達障害者の子供を持つ保護者等であって、その経験を活かし、子供が発達障害の診断を受けて間もない保護者などに対して心のサポートを行う人をいう。県が開催するペアレントメンター養成研修を受講した人が任命される。 ほ 保育所等訪問支援 保育所等を現在利用中の障害児、今後利用する予定の障害児に対して、訪問により、保育所等における集団生活への適応のための専門的な支援を提供し、保育所等の安定した利用を促進するサービス。 放課後児童クラブ 昼間、保護者がいない家庭の小学校児童に対し、学校の空き室などの身近な社会資源を利用して、その育成・指導、遊びなどによる発達の助長などのサービスを行う施設。 放課後等デイサービス 学校(幼稚園、大学を除く。)に就学している児童に対し、生活能力向上のために必要な訓練、社会との交流の促進、その他必要な指導及び訓練を行うサービス。 防災情報システム 災害時に被害情報(人的被害・住家被害など)について、市町等関係機関と連携し、情報収集を行い、また、避難勧告等の発令状況や避難所の開設状況などを「広島県防災Web」で提供しているシステム。音声読み上げソフトに対応した「視覚障害者向け防災情報メールシステム」により気象の注意報・警報や避難勧告等の発令情報などの提供を実施している。 法定雇用率 障害者の雇用の促進等に関する法律(昭和35年法律第123号)により定められた事業所における障害者(身体障害者、知的障害者又は精神障害者)の雇用割合。 ボランティアコーディネーター ボランティア活動を行いたい人とボランティアの応援を受けたい人・組織などを対等につなぐ専門職。 ボランティアセンター 地域に根ざした住民自身によるボランティア活動の推進を図るため、社会福祉法人広島県社会福祉協議会に設置された組織。ボランティア活動の相談・援助や学習会の開催、情報提供を行い、災害時には活動相談や支援を行っている。 よ 要配慮者 高齢者、障害者、乳幼児その他の特に防災上配慮を必要とする者。 4 計画策定に係る検討組織 (1)広島県障害者施策推進協議会 (令和6(2024)年3月31日現在) ※敬称略、県関係職員を除き五十音順。【 】は推薦団体 井上 一成 広島県知的障害者福祉協会 副会長 岡本 英登 公益社団法人広島県精神保健福祉家族会連合会】 加藤 俊典 広島県身体障がい者施設協議会 副会長 金子 麻由美 一般社団法人 広島県手をつなぐ育成会 会長 兼森 路子 【一般社団法人 広島県手をつなぐ育成会】  河中 郁典 広島難病団体連絡協議会 副会長 川本 博也 一般社団法人広島県歯科医師会 常務理事 小池 英樹 社会福祉法人広島県社会福祉協議会 常務理事 関川 章子 【一般社団法人広島県身体障害者団体連合会】 添田 龍彦 一般社団法人広島県身体障害者団体連合会 副会長 髙垣 廣德 広島県市長会(東広島市長) 俵 尚子 広島県民生委員児童委員協議会 副会長 橋本 成史 一般社団法人広島県医師会 常任理事 広島県障害者施策推進協議会会長 長谷部 隆一 広島国際大学 教授 平石 協 広島県精神障害者支援事業所連絡会 会長 藤井 伸 公益社団法人広島県精神保健福祉家族会連合会 (江田島市精神障害者家族会 会長) 宮口 英樹 広島大学大学院 教授 宮地 正人 広島建築士会 副会長 吉岡 治 広島障害者職業センター 所長 北原 加奈子 広島県健康福祉局長 (2)広島県障害者自立支援協議会 (令和6(2024)年3月31日現在) ※敬称略、県関係職員を除き五十音順。【 】は推薦団体 石井 知行 一般社団法人広島県精神科病院協会 会長 広島県障害者自立支援協議会会長 大田 敏之 一般社団法人広島県医師会 常任理事 岡本 英登 【公益社団法人広島県精神保健福祉家族会連合会】 小田 龍雄 一般社団法人広島県身体障害者団体連合会 会長 柏田 潤子 一般社団法人広島県手をつなぐ育成会 副会長 加藤 俊典 広島県身体障がい者施設協議会 副会長 河中 郁典 広島難病団体連絡協議会 副会長 河本 千枝 東広島市健康福祉部障害福祉課 課長 吉川 達也 広島労働局職業安定部職業対策課 課長 橘髙 則行 【一般社団法人広島県身体障害者団体連合会】 熊澤 有馬 【一般社団法人広島県手をつなぐ育成会】 近藤 啓太 広島県立障害者リハビリテーションセンター 高次脳機能センター 高次脳機能センター長 新本 祐子 広島県精神障害者支援事業所連絡会 幹事 林 誠 広島県身体障がい者施設協議会 会長 寳子丸 周吾 社会福祉法人「ゼノ」少年牧場 理事長 森木 聡人 広島県障害者相談支援事業連絡協議会 会長 彌政 愼一 広島県知的障害者福祉協会 副会長 横藤田 誠 広島大学 名誉教授 横山 朋子 公益社団法人広島県精神保健福祉家族会連合会 理事 由水 尚哉 三原市保健福祉部障害者福祉課 課長 米川 晃 広島県障害児(者)地域療育等支援事業連絡協議会 会長 勝田 徹 広島県健康福祉局疾病対策課 課長 増廣 典子 広島県健康福祉局障害者支援課 課長 渕川 浩司 広島県商工労働局職業能力開発課 課長 長谷川 達也 広島県商工労働局雇用労働政策課 課長 津村 真一郎 広島県教育委員会事務局学びの変革推進部特別支援教育課 課長 5 計画の策定経過 (1)策定経過 令和5(2023)年 7月13日 令和5年度第1回広島県障害者自立支援協議会の開催 7月24日 令和5年度第1回広島県障害者施策推進協議会の開催 11月1日 令和5年度第2回広島県障害者施策推進協議会の開催 12月15日 令和5年度第3回広島県障害者施策推進協議会の開催(書面による意見照会) 12月21日 令和5年度第2回広島県障害者自立支援協議会の開催 令和6(2024)年 1月22日~2月22日 パブリックコメント(県民意見募集)の実施 未定 県議会生活福祉保健委員会における分野別計画の集中審議 月末 計画策定 (2)県民意見募集(パブリックコメント)の実施 実施期間 令和6(2024)年1月22日~令和6(2024)年2月22日 公表場所 広島県ホームページ、広島県行政情報コーナー、広島県健康福祉局障害者支援課、各広島県厚生環境事務所(支所) 公表資料 第5次広島県障害者プラン(素案)の全体版及びわかりやすい版 受付方法 郵便、ファックス、電子メール 御意見をいただいた主な項目 6 参考(障害者に関する主なマーク) 障害者に関するマークには、主に次のようなものがあります。 御理解、御協力をお願いします。 障害者のための国際シンボルマーク 障害者が利用できる建物、施設であることを明確に表すための世界共通のシンボルマークです。 駐車場などでこのマークを見かけた場合には、障害者の利用への配慮をしてください。 ※ このマークは「すべての障害者を対象」としたものです。特に車椅子を利用する障害者を限定し、使用されるものではありません。 (所管:公益財団法人日本障害者リハビリテーション協会) 身体障害者標識 肢体不自由であることを理由に免許に条件を付されている人が運転する車に表示するマークで、マークの表示については、努力義務となっています。 危険防止のためやむを得ない場合を除き、このマークを付けた車に幅寄せや割り込みを行った運転者は、道路交通法の規定により罰せられます。 (所管:警察庁) 聴覚障害者標識 聴覚障害であることを理由に免許に条件を付されている人が運転する車に表示するマークで、マークの表示については、義務となっています。 危険防止のためやむを得ない場合を除き、このマークを付けた車に幅寄せや割り込みを行った運転者は、道路交通法の規定により罰せられます。 (所管:警察庁) 盲人のための国際シンボルマーク 世界盲人会連合で昭和59(1984)年に制定された盲人のための世界共通のマークです。視覚障害者の安全やバリアフリーに考慮された建物、設備、機器などに付けられています。信号機や国際点字郵便物・書籍などで身近に見かけるマークです。 (所管:社会福祉法人日本盲人福祉委員会) 「白杖SOSシグナル」普及啓発シンボルマーク 白杖を頭上50cm程度に掲げてSOSのシグナルを示している視覚に障害のある人を見かけたら、進んで声をかけて支援しようという「白杖SOSシグナル」運動の普及啓発シンボルマークです。 白杖によるSOSのシグナルを見かけたら、進んで声をかけ、困っていることなどを聞き、サポートをしてください。 (所管:岐阜市福祉部障がい福祉課) ほじょ犬マーク 身体障害者補助犬同伴の啓発のためのマークです。 身体障害者補助犬とは、盲導犬、介助犬、聴導犬のことを言います。「身体障害者補助犬法」が施行され、公共の施設や交通機関はもちろん、デパートやスーパー、ホテル、レストランなどの民間施設でも身体障害者補助犬が同伴できます。 補助犬はペットではありません。体の不自由な方の、体の一部となって働いています。社会のマナーもきちんと訓練されているし、衛生面でもきちんと管理されています。 (所管:厚生労働省社会・援護局障害保健福祉部) オストメイトマーク 人工肛門・人工膀胱を造設している人(オストメイト)のための設備があることを表しています。 オストメイト対応のトイレの入口・案内誘導プレートに表示されています。 (所管:公益社団法人日本オストミー協会) ハート・プラスマーク 「身体内部に障害がある人」を表しています。身体内部(心臓、呼吸器、腎臓、膀胱・直腸、小腸、肝臓、免疫機能)に障害がある人は外見からはわかりにくいため、様々な誤解を受けることがあります。 内部障害のある人の中には、電車などの優先席に座りたい、近辺での携帯電話使用を控えてほしい、障害者用駐車スペースに停めたい、といったことを希望していることがあります。 (所管:特定非営利活動法人ハート・プラスの会) パーキンソン病・SOSカード パーキンソン病患者は、薬の効果がなくなり急に動けなくなることがあります。「ウェアリングオフ症状」と言います。 このカードを持った人が動けないのを見かけたら、何か手助けを必要としていないか進んで声を掛けてください。 「外見からは援助を必要としていることがわからない人」でも、援助を必要としていることを示すカードです。 (所管:全国パーキンソン病友の会・広島県支部) ヘルプマーク 義足や人工関節を使用している人、内部障害や難病の人、又は妊娠初期の人など、外見から分からなくても援助や配慮を必要としている人々が、周囲の方に配慮を必要としていることを知らせることで、援助を得やすくなるよう、作成したマークです。 (所管:東京都福祉保健局障害者施策推進部計画課) ※ 広島県は、平成29(2017)年9月から無償配布 耳マーク 聞こえが不自由なことを表す、国内で使用されているマークです。聴覚障害者は見た目にはわからないために、誤解されたり、不利益をこうむったり、社会生活上で不安が少なくありません。 このマークを提示された場合は、相手が「聞こえない」ことを理解し、コミュニケーションの方法への配慮をしてください。 自分が受けたい援助を示したカードを利用することもあります。(右参照) (所管:一般社団法人全日本難聴者・中途失聴者団体連合会) 要約筆記シンボルマーク 「要約筆記」という文字による通訳を社会一般に認知してもらい、聴覚障害者とのコミュニケーションに配慮を求めていくためのシンボルです。 (所管:特定非営利活動法人全国要約筆記問題研究会) 手話マーク 5本指で「手話」を表す形を採用し、輪っかで手の動きを表現しています。マークの意味は、「手話で対応します」「手話通訳者がいます」です。 (所管:一般財団法人全日本ろうあ連盟) 筆談マーク 相互に紙に書くことによるコミュニケーションを表現しています。マークの意味は、「筆談で対応します」「要約筆記者がいます」です。 (所管:一般財団法人全日本ろうあ連盟) あいサポートシンボル 障害のある人を支える「心」を2つのハートを重ねることで表現しています。後ろの白いハートは、障害のある人を支える様子を表すとともに、「SUPPORTER(サポーター)」の「S」を表現しています。 ベースとしている「橙色(だいだいいろ)」は、鳥取県出身で日本の障害者福祉に尽力された糸賀一雄氏の残した言葉「この子らを世の光に」から「光」や、「暖かさ」をイメージするものとしています。 また、「だいだい(代々)」にちなみ、あいサポーター(障害者サポーター)が広がって、共生社会が実現されることへの期待も込められています。 広島県思いやり駐車場利用証 身体・精神・知的障害、難病、高齢、けが、妊娠などによって車の乗降や歩行の困難な人が、公共施設やショッピングセンターなどに設けられた専用の駐車スペースを安心して利用できるように、「思いやり駐車場」制度を導入しています。 設置(管理)者の協力により「思いやり駐車場」として登録いただいた専用駐車スペースを必要とする人(制度対象者)に、県の発行する「利用証」を交付しています。 上マーク:身体障害、知的障害、精神障害、難病、高齢により、障害や症状が固定している人には、緑色の利用証を交付しています。 下マーク:対象となる施設に表示しています。