コスト縮減策とローカルルールの導入
印刷用ページを表示する掲載日2011年12月27日
背景
- 昨今の国や県の厳しい財政状況を踏まえ,事業の選択と集中により,効率的かつ効果的な事業の執行が必要です。
- 一方,地方における道路整備のあり方が問われており,地域の実情に応じた1.5車線的道路整備など地方で定めた道路整備の基準によるローカルルールの導入が全国的な動きとなっています。
道路区分の分類
- 県内の県管理道路のすべてを,路線の性格に基づき「ネットワーク形成型道路」と「地域密着型道路」 に分類し,道路区分に応じたコストの縮減策を講じる。
「ネットワーク形成型道路」:(合併前の)市町村間や他県と連絡するなど軸となる道路
「地域密着型道路」:「ネットワーク形成型道路」以外の道路
【イメージ】
整備方針
- 「ネットワーク形成型道路」は,コストの縮減を図りながら計画的に整備
- 「地域密着型道路」は,地域の実情に応じた整備
【道路区分と整備手法】
※但し,交通量が500台/日未満の区間において,大規模プロジェクトなどのアクセス道路で当該区間の整備により明らかに500台/日以上の交通量が見込まれる区間などについては,ローカルルールの対象外とする。
対象区間(路線) | 具体的内容 | |||
---|---|---|---|---|
道路区分 | 交通量 | 沿線の家屋数 | ||
コスト 縮減策 | ネットワーク形成型 | - | - | ○ 初期投資の抑制
○事業費の削減
|
地域密着型 | 500台/日以上 | - | ||
ローカル ルール | 地域密着型 | 500台/日未満 | 50戸以上かつ 10戸/キロメートル以上 | ○ 1.5車線道路整備
|
50戸未満又は 10戸/キロメートル未満 | ○ 1車線的道路整備
|
【コスト縮減策】
道路事業費の削減を図る方法として,○初期投資を抑制する方法,○道路構造規格などの見直しにより事業費の削減を図る方法,並びに,○VE(Value Engineering)方式の発注によるコストを低減し経費の削減を図る方法などをとりいれていきます。
初期投資の抑制
- 段階施工(1車線暫定改良などの暫定施工,歩道等の未設置)
- 改良・整備区間の見直し など
事業費削減
- 道路構造規格(平面線形や縦断線形等)の見直し
- 大型構造物の工法等の再検討
- 現道の活用
- 新技術による安価な工法の採用など
経費削減
- 工事発注方法の導入など
【1車線暫定改良例】
【歩道未設置例】
【ローカルルール】
(1)適用箇所
地域密着型道路で交通量が500台/日未満の路線あるいは区間に適用します。
(2)設計及び内容
[1] 1.5車線道路整備
- 対象:検討区間(工区)の沿線の家屋数50戸以上かつ沿線の家屋密度10戸/キロメートル以上
- 内容:道路構造令3種5級に基づく1車線連続改良と待避所
- 構造規格:第3種第5級(道路構造令3条の2を適用し,県道にも採用する)
- 幅員構成:W=4.0(5.0)メートル 〔車道4.0メートル 路肩0.5メートル〕
- 設計速度:V=30又は20キロメートル/時
- 待避所:大型車混入率の高い区間に設置します。
期待される効果:通常の改良(2車線)と比較して,費用が2分の1程度
[2] 1車線的道路整備
- 対象:検討区間(工区)の沿線の家屋数50戸未満または沿線の家屋密度10戸/キロメートル未満
- 内容:予算の範囲内で1車線改良や視距改良等を行います。
- 事業期間:工事着工後,3~5年間での完成を目安とします。
- 実施方法:ワークショップの手法を導入するなど,道路利用者(地域住民)の声を反映した設計とします。
期待される効果:通常の改良(2車線)と比較して,費用が20分の1~13分の1程度