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会員コラム Vol.20

印刷用ページを表示する掲載日2022年4月19日

2022.6.28

Vol.20

商船三井のカーボンニュートラル社会への取り組み」

商船三井は、130余年に渡り、資源、エネルギー、原材料、製品などさまざまな物資を安全・安定的に輸送し、人々の暮らしと産業を支えてきました。商船三井グループではこのように産業全体と大きくかかわる海運企業体として、様々なステークホルダーと共に気候変動問題の解決に取り組んでいます。

その取り組みは大きく分けて2つ。一つはお客様にご利用いただいている自社が運航する船舶の脱炭素化、もう一つは社会のGHG排出削減に資する各種サービスの提供です。

自社運航船に関する脱炭素化の取り組みは以下の通りです。

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図でご覧いただいているように、

2020年代については、LNG、バイオディーゼル燃料、近距離での電気推進などでのGHG排出削減を図り、並行してアンモニア、水素、合成メタンなどの次世代クリーン燃料の導入を増やしていきます。合成メタンについては、CCR研究会(下図)に参加、今後船舶燃料としてのサプライチェーン構築に取り組んでいます。

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 その他のユニークな取り組みとしては、

・砕氷輸送船を活用した北極海航路の開拓(航海日数減による消費燃料削減)

・ウィンドチャレンジャー(下図)のような「帆掛け船」の復権

などがあります。これらの減炭素、脱炭素燃料による輸送サービスをご利用いただくことで、お客様側でのサプライチェーン上のGHG排出削減にも寄与することが可能になります。

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次に、社会のGHG排出削減に貢献する取り組み例は以下の通りです。

 

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特に洋上風力発電事業支援の分野においては、風車建設におけるSEP船と呼ばれる作業台船や電力ケーブル敷設船、稼働後のメンテナンスに必要なSOV/CTVなどの作業支援船を提供してゆきます。

中でもユニークな取り組みは水素関連事業のウィンドハンターです。こちらは前述のウィンドチャレンジャーと同様に帆を使って風をエネルギーに推進しながら、貨物を輸送するのではなく、水中で発電用プロペラを回し、海水を電気分解することにより水素を製造貯蔵しようという試みです。

(詳しくはこちらで→ https://www.mol.co.jp/pr/2021/21112.html

また広島、瀬戸内エリアにおいては、海田バイオマスパワー向けに海栄丸の運航(https://www.mol.co.jp/pr/2020/20072.html)やフェリーによるモーダルシフトの実現などで脱炭素に貢献しています。(https://www.youtube.com/watch?v=XwE8-t3ZZAU

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最後に、液化CO2輸送、CCUS事業への取り組みをご紹介します。

商船三井では大量のCO2を大気中から除去し貯留、あるいは利用する方法としてのCCUSに注目し、その実現に必要となるCO2の大量海上輸送の検討を続けています。現在世界で唯一、液化CO2の海上輸送のノウハウを有するノルウェーのLarvik Shipping社に資本参加し、CCSで先行する欧州、マレーシアなどでの事業開発を進めています。

(詳しくはこちらで→ https://www.mol.co.jp/pr/2022/22045.html ) 

日本ではまだCCUSが実証段階ですが、やはり大量のCO2を処理するためには不可欠な技術と位置付けています。課題はやはりその処理コストを誰がどうカバーするかで、とても民間企業単独では対応しきれず、本邦官民、加えて国際間での協調、協力、制度設計が不可欠と考えています。

 

以上、商船三井が取り組むGHG削減につきご紹介してきました。読者の皆様が今後脱炭素に取り組まれる上で少しでもお役に立てれば幸いです。

 

📌著者プロフィール

中野 宏幸(なかの ひろゆき)

株式会社商船三井 広島支店長

奈良県出身、1985年入社。 主に原油、石油製品、LNG/LPGなどのエネルギー輸送関連業務に従事。

アメリカ、シンガポールに駐在経験あり。 2022年4月より現職。

 

 

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