平成26年度 隣保館運営等担当研修会を開催しました!
平成26年度 隣保館運営等担当研修会
平成26年4月23日(水曜日)エソール広島にて,隣保館運営等担当者研修会を行いました。
県内の3名の隣保館職員から事例発表をしていただいた後,社会福祉法人広島県社会福祉協議会事務局 事業部長(兼)地域福祉課長の上田正之さんを講師にお招きし,ご講演をいただきました。
1 隣保館職員の相談事例に関する発表
・三原市人権文化センター「三原市の人権相談事業について」
・江田島市宮ノ原隣保館・大柿厚生文化センター「生活困窮支援」,「要介護支援」の取組
具体的な事例を通じ,
・一番大事なのは,本人に寄り添うこと。
・寄り添うことで,本人から発せられる目に見えにくいSOSを受け取ることができること。
・そしていろいろな機関が,それぞれの「たまり場」を作ることにより,困りごとや課題の解決の糸口に繋がっていくこと。
など「たまり場づくり」の大切さを,教えていただきました。
2 講 演
演 題:「知ること・行動を起こすこと・つながることの大切さ」
~身の回りの出来事から,人が普通に暮らしていける権利擁護を考える~
始めに,講師の上田さんから,隣保館職員の相談事例に関する発表に対し,
・いろいろな情報を,一つの機関が抱え込むと他の専門機関はやりにくくなり,良いこととは言えない。
・情報は,(出せるものと出せないものはコントロールしながら)共有していくことで,各関係機関が,私たちも参加していると認識することができる。
とのコメントをいただき,改めて関係機関との連携の在り方,必要性を考えさせられました 。
そして,「日本の人口問題と地域の現状やその対策について」,事例紹介として「認知症を取り巻く ひとつの事件について」のお話をいただきました。(レジュメ参照)
この「事例紹介」では,
「本人がもう一歩,誰かがもう一歩,踏み込んで相談したり,相手の立場を理解していれば起こらなかったのではないか。
(中略)
現在,日本の人口は減り続け,高齢者人口は増え続けており,家族機能の弱体化,地域機能の希薄化のため困りごとを抱えた人が増加している。
しかしながら,私たちは地域で起こっている課題を全て詳しく知ることはできないし,すべてに対応することもできない。
けれど,身の周りで起こっている課題のいくつかは知ることができる。
知ったうえでどう動くか。まずは不安を抱えている相談者を孤立させてはいけない。
しかし相談員さんが直接問題を解決していくケースはそう多くないし,限界がある。
個々の相談で解決できることは対応しつつも,相談事業(隣保館)だけでは解決できないことは,積極的に他の関係機関につなげていく。
つなぎっぱなしは良くないが,つなぐことは責任転換ではないので,そういった方々に目を向けて,支えなり,相談なりを続けていって欲しい。
相談者にとっては,関係者が理解してくれているということが力になり,課題の解決に繋がる。」
とお話しされました。
「隣保館相談員は,地域の貴重な社会資源,地域の中で一隅を照らし続けて欲しい」
この言葉が心に響きました。
なお,今回の研修会では人権啓発の参考の資料として,各都道府県,県内市町の人権啓発冊子の展示や人権啓発の資料の配布を行いました。
今回の研修会での講演が,隣保館職員の皆様の活動の充実につながり,さらには,地域の社会福祉の向上の一助となることを期待しています!
【豆知識】隣保館とは
隣保館は,地域社会全体の中で福祉の向上や人権啓発の住民交流の拠点として,生活上の各種相談事業,人権課題の解決のための各種事業を総合的に行う施設です。
人権センター,コミュ二ティーセンターの名称で親しまれています。
PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)