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木川 眞さん(ヤマトホールディングス株式会社 代表取締役社長)

印刷用ページを表示する掲載日2015年3月9日

木川さんタイトル

観光客が体験したい“非日常”が、
瀬戸内の島生活にはあります。

 <プロフィール> 
 木川 眞(きがわ まこと)さん

 ヤマトホールディングス株式会社代表取締役社長。
 昭和24(1949)年12月31日生まれ、広島県御調郡(現尾道市)向島町出身。
 昭和48(1973)年富士銀行(現:みずほフィナンシャルグループ)に入行、平成14(2002)年みずほコーポレート銀行(現:みずほ銀行)常務取締役を経て、平成17(2005)年にヤマト運輸入社。
 ヤマトグループのDNAを踏襲しながらも時代に合わせた施策を進め、平成23(2011)年4月ヤマトホールディングス代表取締役社長 社長執行役員、ヤマト運輸株式会社取締役会長に就任。現在に至る。
 平成23(2011)年11月より「三原市ふるさと大使」も務める。

観光資源にあふれた都市であることを
強くアピールすることが必要です。

平成32(2020)年の東京オリンピックに向けて、観光や新しい産業への意識が高まっています。海外の方に「ひろしまに行きたい」と思っていただけるように、広島市内にとどまらず、さまざまな場所に行ってもらえる仕組みを作るべきです。例えば、手荷物を預けたり、宿泊先まで届けてくれる「手ぶら観光サービス」があると観光客はとても助かります。また、広島空港は広島市内まで遠いイメージですが、市内に辿り着くまでの美しい景色を活かすにはこの距離が適していると考えることもできます。少し遠回りでも山陽自動車道で直行せず、尾道や竹原の町並み、瀬戸内の海岸沿い、西条の酒蔵等を経由して広島市へ向かうコースは旅を豊かにしてくれるでしょう。 

竹原の街並み

それだけひろしまは観光資源にあふれた都市なのに、PR不足のものがたくさんあります。しかも、一つひとつが高レベルだからよりもったいない。もっと来てくださる方のことを考えて、アピールしていくべきだと思います。ひろしまに似ていると言われる福岡は、地元の特長をうまくアピールして独特のものを作っています。札幌の観光資源は、日本人はもちろん、海外の方も認知するほどになりました。それらの都市と比べると、ひろしまのアピール力は弱い。戦後、自動車産業や造船などで潤ってきた町なので、地元のものを外に知らしめる必要性を感じなかったせいかもしれません。今後は、観光客を一過性のものにせず、いかにリピートしてもらえるような広がりを生み出すかが課題です。 

ひろしまの人にとって当たり前でも、
観光客にとってはびっくりするくらいの価値がある。

筆影山からの眺望観光客にとって何が魅力かというと、非日常の体験だと思います。瀬戸内の小島が点々とする景色は、旅行者にとってはサプライズです。私の好きな三原の筆影山からの景色は、視野の広がり方が違います。瀬戸内の多島美をもっとアピールすべきだと思います。 

都会の方からしたら、島の生活は最高に非日常なんです。東京では切り身の魚しか知らない子どももいます。そんな子どもたちに、尾頭付きの魚を食べてもらいたい。自分で捕った魚なら、興味をもって美味しく食べてもらえるはずです。そんな体験ツアーや修学旅行を提案してはどうでしょう。 

観光客を受け入れる為の施設も必要ですが、立派なシティホテルよりも、学校の跡地や、民家を利用して、島の生活を体験できて、目の前で採れる柑橘類、新鮮な魚介類が味わえるというのが最大の売りになります。ひろしまの人にとっての日常が、びっくりするくらいの価値があるということを再認識してほしいですね。 

消費者のニーズを考えることが大切です。

瀬戸内・ひろしまの産物といえば、真っ先にあがるのが柑橘類ですが、県外の方に聞くと、柑橘類といえば「愛媛」と言われます。ひろしまには、多種多様な柑橘類が揃っているのに、愛媛のポンジュースのようなブランド化ができていません。農業が生き残るには、ブランド化を進めるという方法もありますが、逆に規格外の「わけあり品」を売りにするという発想もあります。「わけあり品」を使って、塩レモンのような製品の開発や、島生活の体験に来た人々に、地元ならではの料理を教えたり、振る舞ったりすればいいと思います。 

また、消費者がどんなものを欲しがっているかを考えてみてください。りんご1箱送られて来たとして、30個も入っていたら食べきれないと思いませんか? 美味しいものは、少量ずつほしいものです。でも、少量だとコストがかかってしまいます。1個1万円のマンゴーのように、希少価値があるものなら単品でも売れますが、ひとつの農家だけだと難しい。そこで、産物を自由な組み合わせでパッケージできるように、何軒もの農家が手を組んで売り出すんです。ひろしまは柑橘類ひとつとっても、みかん、レモン、ネーブルなど、さまざまな種類が選べます。それらが少しずつ入ったパッケージがあったらほしくありませんか? ひろしまだからできる魅力的な商品が生まれるベースがまだまだ眠っていると思います。 

移住のリスクが低く、住みやすいひろしま

 現在、ヤマトホールディングスでは「プロジェクトG(ガバメント)」という取り組みを行っています。ヤマトグループのネットワークを使い、高齢者宅の見守りなどの地域の生活支援を地方自治体と一緒になって行う取り組みです。その中で、地方へ移住する方への支援をして感じたのが、ひろしまは移住リスクの低い県だということです。都会と田舎とのギャップで移住生活がうまくいかない例もありますが、ひろしまは田舎と都会が隣接していて、学校、買い物施設、医療施設などが整っているので、都会から移住して来ても、不便さを感じることは少ないと思います。観光とは別の取り組みですが、これを武器に人口を増やす仕組みを作ってはいかがでしょう。ひろしまに住んでいる方々には、地元の魅力を再認識して、盛り上げていただくことを願っています。

【参考】地域の課題解決取り組み事例(ヤマト運輸HPより)
 http://www.kuronekoyamato.co.jp/chiikishien/top.html外部リンク

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