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核抑止に頼らない安全保障研究

印刷用ページを表示する掲載日2025年3月7日

核抑止に頼らない安全保障研究

 

HOPeは、核抑止(*)に依存した安全保障政策からの脱却と核軍縮を前進させるために、核抑止に頼らない安全保障を追究しています。多極化する世界、不安定化する地域情勢、技術発展など、安全保障を取り巻く環境が大きく変化する中、国内外の研究者等とともに、核抑止に替わる安全保障の形を研究、提案していきます。

 

*核抑止:潜在的な敵国に対し、その国からの攻撃があった場合には核兵器による耐えがたい反撃を行う意図と能力があることをあらかじめ示すことにより、相手国からの攻撃を思いとどまらせようとする考えである。[時事用語辞典、イミダス]

 

委託研究成果

 

2023年度~2024年度 核抑止に頼らない国際安全保障のビジョンづくり
英国王立防衛安全保障研究所(RUSI)


※成果物は、2025年4月以降に発表予定です。

 事業概要(RUSIウェブサイト)※英語のみ

2024年6月キャップストーン会議(RUSIウェブサイト)※英語のみ

 

2024年度 核軍縮のための地ならし:朝鮮半島における信頼醸成
ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)

※成果物は、2025年4月以降に発表予定です。

 

2022年度~2023年度 核兵器への依存低減:「傘の国」の役割 
ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)

 

レポート(2)

「軍事同盟における核兵器の役割低減」(Reducing the Role of Nuclear Weapons in Military Alliances) 2024年6月発表 ※英語のみ

 

レポート②

著者:ティティ・エラスト 上級研究員

概要: 本論文では、軍事同盟における核兵器の役割について、いわゆる「傘の国」(すなわち、核兵器は保有していないが、核武装国の「拡大核抑止体制」の一部となっている同盟国)に焦点を当てる。同盟国の安全保障の考え方を分析し、その根底にある核抑止に関する仮定や思い込みに注目した後、このいくつかの仮定を批判的に検証する。特に、地域の軍事バランスと核抑止に内在するエスカレーション・リスクを考えながら、非戦略兵器の前方配置によって得られると思われている安全保障上の利益や、核兵器の先制使用をベースとした同盟国の核ドクトリン(*)への継続的な支持、および、核の安心供与には確実な核の反撃能力が必然であるという仮定に、異議を唱える。本論文の最終的な目的は、軍事同盟における核兵器の役割を最も小さくした抑止へのアプローチを発展させるため、議論を開くことにある。

*核ドクトリン:核の運用方針を定めたもの

レポート(1)

「世界の核秩序における核の傘の国の役割」(The Role of Umbrella States in the Global Nuclear Order)2023年6月発表 ※英語のみ

レポート①

著者:ティティ・エラスト 上級研究員

概要:本論文では、拡大核抑止の下にある国々、いわゆる「傘の国」に焦点を当てる。アジア太平洋地域とヨーロッパにある傘の国々が、従来の核抑止をどのように支えてきたか、あるいは、逆にどのように距離を置いてきたかを探る。これらの国々は、核兵器や核軍縮規範に関する問題については、核保有国の側に立つ傾向があるが、時には、反核兵器政策を提唱することで、同盟国の主流の立場から離れることもある。拡大抑止が核の側面を持つ限り、同盟国は、核軍縮を支持すべき規範的圧力と、少なくとも核抑止の実践を消極的にでも支持することを求められる同盟の立場との間で、バランスを取ることが必要となるだろう。

 

 

2021年度 第三の核時代における抑止と新技術と軍縮 
レスター大学(英国)

レポート
「第三の核時代における抑止と新技術と軍縮」(Deterrence, Disruptive Technology and Disarmament in the Third Nuclear Age)  (PDFファイル)(680KB) 2022年4月発表 ※英語のみ

Deterrence, Disruptive Technology and Disarmament in the Third Nuclear Age

著者:アンドリュー・フッター教授
概要:本研究では、多極化と軍事上の急速な技術革新が進む現在を「第三の核時代」と呼び、この特徴が、これまでの核抑止や戦略的安定性をいかに複雑化させ、不安定化させる可能性があるのかを、米露中印の4か国の関係性から説明する。特に、非核戦略兵器の技術革新は、核兵器のように戦略的役割(*1)を可能にさせ、戦場における戦術的役割(*2)との区別もあいまいにすることで、核抑止や安定性が損なわれ、偶発的なエスカレーションにもつながりやすくなる。また、4か国のそれぞれの関係性と地域情勢が、複雑に各国の安全保障戦略に影響し合う多極化の中で、各国の目的に応じて新技術の配備が政治的に決定されることで、これまでの固定の二国間における相互脆弱性に基づいた安定性が揺らぎかねない状況であることを説明する。その上で、将来の安定と平和のために、軍備管理や規範などの制限によってより安定的な抑止や地域的安定性を追求するアプローチと、逆に新技術の進化を活かし、核兵器ではなく非核戦略兵器による抑止と安定を目指したり、核兵器禁止条約など倫理的圧力によって核軍縮を目指したりするアプローチを提案する。

 

*1 戦略兵器:敵の重要な施設など中核に攻撃を加え、戦争遂行能力を失わせることを目的とした兵器。
*2 戦術兵器:特定の戦域、戦場における戦闘作戦遂行を目的とした兵器。

 

イベントアーカイブ

 

〇NPT運用検討会議第2回準備委員会サイドイベント「核抑止の代替案:核兵器なき世界に向けた提案」(2024年7月24日開催)※英語音声のみ

​〇HOPe公開イベント「変容する国際安全保障と核兵器」(2024年6月16日開催)
(後日公開)

 

 

〇NPT運用検討会議第1回準備委員会サイドイベント「核抑止の代替案:核軍縮の中期的視点という提案」(2023年8月2日開催)

〇G7広島サミット関連イベント「核抑止を再考する」(2023年4月28日開催)

これまでの研究事業

核軍縮アプローチに関する委託研究(2016年度~2021年度)

核軍縮プロセスを進展させることを目的に、連携協定を締結した海外の研究機関[国連軍縮研究所(UNIDIR)、ストックホルム国際平和研究所(SIPRI)、王立国際問題研究所(チャタムハウス)]に、具体的な核軍縮アプローチについて委託研究を実施してきました。

 

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