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米国による核実験に対する抗議文(2013.10.30)

印刷用ページを表示する掲載日2013年10月30日

抗 議 文

 貴国が,今年7月から9月の間に,新型の核実験を実施していたことを公表しました。人類史上初の原子爆弾による破壊を経験した広島県民を代表して,ここに厳重に抗議します。

 核爆発を伴わないとはいえ,こうした実験を繰り返し行うことは,自国の核戦力を維持する姿勢の現れであるともとれ,核実験を実施した事実をすぐに公表しなかったことを含め,被爆者を始め,核兵器廃絶を望む世界の人々に大きな落胆と不信感を与えるものであり,誠に遺憾であります。

 大統領自身が「核兵器のない世界」を目指し,その実現に向けてリーダーシップを発揮すべき貴国のこうした行動が,先日の国連総会第一委員会において,ニュージーランドなど16か国が主導してまとめた「核兵器の人道的影響」に関する共同声明に,我が国を含む125か国が賛同するなど,核兵器の廃絶に向けて高まりを見せる国際社会の動きに水を差すことになるのではないかと危惧しています。

 貴国が,核兵器は,罪のない人々を無差別に大量に殺りくする非人道的な兵器であり,いかなる理由であっても,絶対に使用することは許されないということを深く理解し,核兵器のない平和な国際社会の実現を強く願う広島県民の思いを真摯に受け止め,今後,一切の核実験を中止するとともに,核兵器廃絶に向け,全力を挙げて取り組まれるよう,強く求めます。

 オバマ大統領には,是非,被爆地広島を訪問し,被爆の実相に触れ,核兵器廃絶に向けた思いを新たにされることを期待します。

2013年10月30日

アメリカ合衆国大統領
バラク・H・オバマ閣下

日本国 広島県知事   湯崎 英彦

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