第6回県政知事懇談「湯崎英彦の宝さがし」(竹原市)
第6回 県政知事懇談「湯崎英彦の宝さがし」を次のとおり竹原市において開催しました。
1 開催日時
平成22年5月16日(日曜日) 13時30分~15時30分
2 開催場所
竹原市保健センター 2階 :竹原市中央3丁目14-1
3 内容
知事と参加者が「挑戦そして実現!引き出せ広島県の『底力』」をテーマに意見交換を行いました。
4 参加者
竹原市在住の方 10名
5 傍聴
約40名参加
6 結果概要
○ご提言の概要
(1)子どもの文化・体験活動の充実について
○参加者
次世代を担う子どもたちが心豊かに育つよう,豊かな心をはぐくむ文化活動,体験活動に何らかの助成をしてはどうか。
○知事
今年から島体験・海体験といった事業や,瀬戸内をテーマにした絵画教室など,いくつか新しい文化関連の事業をやっている。市が取り組んでいる事業もいろいろあると思うが,そういうものがなかなか広く知られていないという課題もあると思う。
(2) 少子化対策の推進について
○参加者
少子化に歯止めがかからず,若者が地域で交流したり,まちづくりに参加する機会が持てない状況にある。婚活の取組を行っているが,活動を通じて少子化に歯止めがかかり,人口が増加して,活気が出ればと思っている。
○知事
少子化は大きな課題であり,今年,「みんなで育てる子ども夢プラン」という,いかにみんなで子育てをやっていくかというプランをつくった。こういう形で地域の中の取組としてやっていただくのは本当にありがたく,是非頑張っていただきたい。
(3) 福祉や教育の充実について
○参加者
竹原市を活性化させるためには,もっと住む人を増やす必要がある。介護,医療,雇用といった福祉の面に加え,教育の充実が重要で,例えば,少人数制の学級をつくったり,この学校では全員がアメリカに短期留学できるなどの特典を付ければ,若い人にとっても魅力的となり,この地域を選ぼうということになるのではないか。
○知事
福祉,生活環境,教育の問題は非常に大きい。また雇用の面も大事である。魅力的な仕事がないと,若い人がそこにチャレンジをしてくれないので,広島を元気にしてもらうために,また人に住んでもらうという観点から,少し時間はかかると思うが積極的に取り組んでいきたい。
(4) 農業の振興,食育の推進,中瀬戸地域の観光振興について
○参加者
農業の生産地では,高齢化や後継者不足に悩んでいるので,BUYひろしまやSELLひろしまといった販売面の対策の前に,生産者がつくりやすい環境づくりをしてほしい。
食育推進計画の推進にあたっては,官民一体となって,関係者が協調して取り組むことが大事だと思う。
広島空港に近い竹原港を拠点にして,船やJR等を利用した瀬戸内海を回遊する旅の開発ができないか。三原,呉間の中瀬戸地域は,海の道1兆円構想の重要な位置に存在すると思うので,よろしくお願いする。
○知事
食べ物は観光にとって非常に重要なものだと思うが,いろいろありすぎても,バラエティーがないのも問題となる。今,広島のイメージはカキとお好み焼きぐらいしかないということもあって,いろいろ増やしたいと思っているが,その両方のバランスが重要だと思っている。
(5) 海外からの観光客の誘致について
○参加者
海外から観光客にもっと来ていただくため,広島空港のダイヤの改善や,関空経由の広島便,アメリカからの直接乗り入れなど,難しいとは思うが,是非空港の活性化を図ってほしい。
風光明媚な瀬戸内海国立公園は内外のお客様を十分呼べるところだと思う。忠海港は,観光バスの待機場所がなく,道も細く,寂しいので,旅のわくわく感を感じるような港に整備してほしい。「みなとオアシスただのうみ」が本登録されたので,9月に瀬戸内ど真ん中祭りをやりたいと考えている。是非知事にお越しいただき,海の道1兆円構想を説明いただきたい。
○知事
インバウンドについては,これから力を入れていきたいと思っており,先日は台湾に行き,プロモーションを一緒にやりましょうと話をしてきたところである。飛行機のダイヤは確かにインバウンド向けには悪い時間となっているが,こちらから行く人が多いので,飛行機の搭乗率を上げようとすると,どうしてもこうなってしまい,ジレンマがある。
(6) 未来型の産業構造の構築について
○参加者
弱者やお年寄りに優しいまちづくりということで,いろいろな団体と連携し,竹原駅のバリアフリー化を推進している。
広島県は自動車産業に非常に傾いており,いわゆる未来型の産業は乏しく,広島大学の卒業生,特に研究者の受け皿がない。ポスト自動車をいかに今から構築していくか,民のほうにも是非声をかけながら,検討していただきたい。
○知事
そうした活動は本当に心強い。各地で活動が進んでいき,更に皆さんの力を集めていくということ目指している。
産業のお話はまた是非お聞きしたい。
(7) 医療体制の確保,充実について
○参加者
竹原は,現在お産ができないが,これから子どもを産もうとする母にとってはとても不安である。Uターンを希望する医師などの確保を広島県全体で取り組んでいただければ,再び分娩ができるようになるのではないか。
子宮頸がんの予防ワクチンの集団接種や全額助成を行っている自治体もあるので,そういったことにも取り組んでいただきたい。また,現在,公費で受けられるマンモグラフィーは40歳以上となっているが,年齢を下げるなど,更に力を入れていただきたい。
○知事
出産の問題は大きな課題であるが,二つ理由があって,一つは,お医者さんの数は,100人当たりではむしろ増えているが,出産の数自体が減っているので,残念ながら正業として成り立たなくなっていること。もう一つは大きな病院で産みたいという人が多く,そこに集中してきているということで,消費者側に対する啓発も必要である。私も子育て中で,身近な問題として感じており,引き続き頑張っていきたい。
(8) NPO等と行政の協働の推進について
○参加者
高齢者の介護予防などの事業を進めようとした際,どうしても行政の協力が必要だったので,市役所に話を持って行った時,本当に快く,むしろ頑張れよと背中を押してもらった。これからもNPOと行政が一緒になって活動を進めていきたい。
○知事
行政の側からいうと,NPOの方を含めて,地域でそうやって貢献していただく活動というのは,すごくありがたい。専門的な知識を持ってやられるので,内容的にも充実する。NPO等と一緒に公の政策を進めていくことは,行政の側でも少し重要度を高めていく必要があり,県内でももっと増えたらいいと思う。
(9) 人材の活用促進,防災対策の充実,孫休暇の創設について
○参加者
女性会として,日常生活に関わる様々な取組を行っているが,経験を持った人がいなくなってきているので,生きる知恵をたくさん持っている人の知恵を何とか絞り出して,データに残しておいてほしい。
防災の面では,災害から命を自分で守れる子どもや大人になってほしいと思うので,訓練の充実なとをお願いする。
少子化対策として,父母に対する育児休暇に加え,祖父母も子育てがしやすいよう,孫休暇をつくってはどうか。
○知事
皆さんの活動で共通しているのは,皆さんの力を引き出そうということで取り組まれ,いろいろなグループの人とネットワーク化し,更にそれが元気につながっていることだと思った。
防災,孫休暇はまた考えたい。孫休暇は目からうろこという感じで,確かに今面倒を見るのは親とは限らない。
(10) 商店街の活性化について
○参加者
商店街の活性化のため,市や商工会議所の助成やアドバイスを得ながら,定期市の開催,空き店舗対策などに取り組んでいるが,ハード面だけでなく,地域や人とのつながりを大事にしていきたい。
○知事
いろいろな人とのネットワークや力,アイデアを活用することと,その意欲を持って取り組んでいくということが,成果につながっていくということで,今日繰り返し出ているテーマのように感じた。
○自由討論
(1) 竹原市のイメージについて
○知事
私の竹原のイメージは,町並み保存,頼山陽,塩田から始まった歴史などに皆さん強みを感じておられ,そういうところに取り組んでおられる方が多いと思っていたが,どう受け止めているか。
○参加者
もちろん町並みは重要な観光のスポットだが,もっといろいろなところをリンクしないと,なかなか滞在期間が延びないという現実がある。
○参加者
情報発信が下手なのかもしれないが,魅力的なところはたくさんあるので,もっとアピールして,波及していけばいいと思う。
○参加者
竹原は祭りが多いところなので,毎年違ったものをポイントで持ってきて,お客様に来てもらって,併せて町並みにも行ってもらうことも考えられる。
○参加者
竹原は各地域で祭りが本当に多いので,スケジュールを書いたポスターを広島へ貼りに行ってはどうかという話もある。
○参加者
観光名所ではないが景観がいいところなどがたくさんあるので,マップをつくろうという話もある。
○知事
まず,暮らしている方々が第一なので,別に観光じゃなくてもいいと思う。それが暮らしている人たちにも十分知られていないということもあるかもしれない。
(2) 竹原市の住みやすさについて
○知事
竹原では,多くの方がいろいろなことに取り組んで,いろいろな人を巻き込んでやっていらっしゃるという印象を受けるが,その理由とか秘訣みたいなものは何か。
○参加者
歴史,文化もあって,四季折々に旬なものが食べられるなど,非常に住みよい場所だと思う。
○参加者
住みよさは非常にあるが,経済のことを考えると,若い人たちは働く場所がない。広島県には大きな自動車産業があるので,国や県は危機感が低いと思う。住みやすさという非常に重要なものはあるが,やはり産業も考えていかないといけない。
○知事
産業の面は,県としても決して手をこまねいて見ているわけではない。自動車産業は非常に重要な産業なので,強い体質にしていくとともに,更に多様な力を集めていくため,いろいろな産業施策に取り組んでいく。今年は産業政策ビジョンをつくることとしており,今議論を始めている。
(3) その他
○参加者
大久野島は,毒ガス関連の施設もあるので,観光だけでなく,平和の発信基地にもしていきたい。海底から毒ガス弾らしきものが見つかっているので,不安を取り除いていただきたい。
○参加者
若い世代にコミュニティービジネスを提案させて,各市町に起業家をサポートしていく体制があれば,おそらくそこから起業家が生まれ,雇用が生まれ,そして,住む環境が生まれるという流れになってくると思う。
○参加者
退職者等年配者が,輝いて生活ができるよう,生きがいになり,かつ,お金も使ってもらわなくてはいけないので旅行にもいけるような,そういう働き場がほしいと思う。
○知事
どの年代になっても人の役に立つというのは生きがいになるので,そういった観点も大事だと思う。少子高齢化は,働き手がいなくなるということでもあるので,女性もそうであるが,高齢者にいかに社会に参画していただくかは大事な視点だと思う。
7 現場視察
懇談に先立ち,竹原市内4箇所を現場視察しました。
○竹原駅前商店街 朝市「きてみんさい」
新鮮な魚や野菜,花,食品など竹原地域の物産が並ぶ朝市を訪ね,商店街活性化に向けた取組についてお話を伺いました。
○町並み保存地区
歴史ある町並み保存地区を散策しながら,まちづくりの取組についてお話を伺いました。
○小吹の竹林
たけのこ狩りを体験するとともに,地域ブランド産品化に向けた取組についてお話を伺いました。
○バンブージョイハイランド
地域のスポーツ振興の取組を視察するとともに,当日開催されていた「多世代運動会」の玉入れに飛び入り参加しました。
関連情報
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