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第4回県政知事懇談「湯崎英彦の宝さがし」(尾道市)

印刷用ページを表示する掲載日2011年11月1日

 第4回 県政知事懇談「湯崎英彦の宝さがし」を次のとおり尾道市において開催しました。

1 開催日時

 平成22年4月17日(土曜日) 13時30分~15時30分

2 開催場所

 尾道市総合福祉センター4階 :尾道市門田町22-5

3 内容

 知事と参加者が「挑戦そして実現!引き出せ広島県の『底力』」をテーマに意見交換を行いました。

4 参加者

 尾道市在住の方 10名

5 傍聴

 約50名参加

6 結果概要

懇談会

○ご提言の概要

(1)サイクリングロードの整備及び交換留学の促進について

○参加者
 しまなみ海道を世界一のサイクリングロードにするため,自転車専用レーンの設置,サイクルトレインの運行,国際ロードレースの開催などを実現したい。
 高校生で留学することは非常に有意義であるが,奨学金が少ない,勉強が遅れるなどの課題があるので改善が必要。
○知事  
 サイクルステーションは今年度整備する。サイクルトレインは秋に運行予定であり,サイクリングロードの改善も行う予定になっているが,更に何が必要だと思うか。
○参加者
 自転車を歩道にあげないでほしい。歩行者も自転車も危険なので,車道側へ自転車専用レーンを設けてほしい。

(2) 様々な取組への支援について

○参加者
 フリーマーケットや育児支援などを主催しているが,一人ひとりの力はとても大きいと感じている。人と人とのつながりを大切に,一人ひとりが自分らしく生きていくことによって,広島県全体が良くなっていくと思うので,その活躍の場をつくっていただきたい。
○知事
 広島県を動かしていく上で,個人,企業,サークルなど,個々の活動をもっと活発にし,何かを変えようという人たちが力を得て,もっと大きな動きができるようになっていくことが大事だと思う。

(3) 高齢者福祉の充実について

○参加者
 高齢者への声かけやふれあいサロンの活動に取り組んでいる。高齢者が住み慣れた地域社会の中で安心して暮らすことができるよう,福祉サービスが更に充実していくことを望んでいる。
○知事
 高齢化が進んでいる中で,高齢者の方が出かけられないことは大きな課題となっており,お互いが手を差し伸べながら活動する機会をつくられているのは本当に良いことだと思うし,行政としてもありがたいことだと思う。

(4) 今治との連携によるしまなみ海道の活性化について

○参加者
 今治とも連携して,しまなみコットンロードという取組や草木染めの調査研究・商品化に取り組んでいる。
 商店街で活性化委員会を立ち上げて,まちの定住人口をどのように増やしていくかを模索しているところ。
○知事
 今治のタオルはブランド化しているが,昔からあるものが,いろいろ工夫することにより新しい力を生みだすことができるといういい事例。これから県としても,他地域との協力をしっかり考えていく必要がある。

(5) 積極的な環境政策,国際化政策の取組について

○参加者
 ドイツでは,市民の力が政府を動かし,積極的に環境政策に取り組むようになった。県から積極的に環境政策を発信してはどうか。
 国際的に開かれた広島県にするために,しまなみ,やまなみの良さを英語だけではなく,ほかの言語でもHPで発信したり,通訳案内士をもっと養成して,広島市に限らず広島県内全域に配置できるような環境を整えるのが大事。また,国際社会で存在感を示していくためには,子どもたちの考える力をつけていくことが重要。
○知事
 大学が中心になるが,広島に留学生にたくさん来てもらい,更に県内で仕事を見つけて定着してもらう取組を進めるため,今年,機構の設置を検討し,来年から始めたい。また,海外からの観光客を増やすことによって,県民が外国の人と触れ合う機会が増え,更に国際化が進むという形にしたい。

(6) 個人農家への支援について

○参加者
 地域の活性化のためには雇用が大事になってくるが,農業は有力な手段だと思う。行政にはそのことをもっと広報してほしい。農業法人に対する雇用の紹介だけではなく,自営の農業への参入についてもしっかり広報してほしい。
○知事
 農家の大多数はなかなか収入が上がらず困っているため,県では農業法人化を進めている。他方で個人農家にもっと支援をしてほしいという声も強い。法人への支援を中心にした施策をどう思うか。
○参加者
 小さい面積でも収益があがる農業もあるので,もっと研究して,そちらのほうにも十分目を向けていただきたい。

(7) 海外への農産物の販売促進について

○参加者
 農家は作ることに一生懸命で,情報発信が十分ではないので,知事には是非かんきつ類など農産物のトップセールスをお願いしたい。現在は,台湾や香港など一部出荷しているが,果物だけではコンテナがいっぱいにならないので,他の商品と抱き合わせるなど,県に音頭をとっていただいて海外への輸出を増やしたい。
○知事
 海外への販売は是非やりたいし,やらなければいけない。海外はまだ白地の競争の余地があると思うので,大変だとは思うが,これから農林漁業活性化計画や個別に輸出施策を考えていく予定なので,またいろいろお聞きしたい。
○参加者
 広島県のアンテナショップがなくなると聞いたが,東京や大阪で情報発信をしていくことも必要だと思う。
○知事
 アンテナショップなのか,PRの場なのか,コンセプトを固めているところ。適切な時期に,なるべく早いタイミングで再開したいと考えている。

(8) 高齢者等の知識や体験を生かしたストーリーツーリズムの展開について

○参加者
 地域のことを歴史などを含めもっと知ることが重要。知るためには,高齢者の知識や経験を生かすべき。瀬戸内海に外国人を呼ぼうという話をよく聞くが,誰が瀬戸内海を最初にすばらしいと言ったかは誰も語れない。誰がどう表現したのかなどを調べると,外国人から見るとどうすばらしいかわかるので,もっと勉強する必要がある。そのようなストーリーツーリズムがこれから大切になるのではないか。そのためには,高齢者とのコミュニケーションをとる場が必要。
○知事
 宝はお年寄りの方々の頭の中にいっぱい入っているということですね。

(9) 干潟の再生による地域の活性化について

○参加者
 今年,国の事業により更に干潟をつくることが決まったので,これを活用して,地域の活性化につなげていきたい。
○知事
 子どもたちの海との関わりは,昔と比べてどうか。
○参加者
 戦後すぐは,地域全体が海との関わりがあった。新しい干潟は地域にも一部を開放して,皆さんに海へ入っていただきたい。
○知事
 今年度から県の施策として,小学生に海や山を実地に体験してもらう事業を始めることにしている。

(10) 商店街の振興について

○参加者
 観光地や商店街を島外にどんどんPRしていきたいので,人材育成や研修会,他地域との交流,情報の収集・発信などの活動に対しての協力をお願いしたい。
○知事
 地域に根ざした商店街の活性化に取り組むのはとても大事なこと。しまなみができたり車が便利になって,地域ではなく,尾道とか福山に買い物に行く人は増えたか。
○参加者
 週末は島外で買い物や食事をする人が多い。品数や価格では大手に勝負ができないので,人の温かさを大切にしながら頑張っていきたい。

○自由討論

(1) しまなみ海道の料金値上げについて

○参加者
 このたびしまなみ海道の料金が上がると聞いた。しまなみは高速道路ではなく,離島振興策の一つであり,通勤にも使っている。料金値上げについてどう思うか。
○知事
 地域の足として考える必要がある。生活道として使われている方々にはインパクトが大きいので,どうするべきなのかは国ともよく議論していかなければならない。橋の料金を下げることによってフェリーとか船が壊滅的な影響を受けていることもあるので,船とか橋とかではなく,生活道をどうするのかということで,料金のレベルや補助をどう考えていくか,全体的な視点で考えないといけない。
 日常生活での橋の利用はどうか。
○参加者
 橋ができて,高校生が三原や尾道に進学するようになり,地元の高校は存続が心配されている。産婦人科も瀬戸田にはなく,因島にもなくなると聞いている。ちょっとしたときには島外へ出て行かなくてはいけないので,そのたびに橋代がかかり,船の便も少なくなり船代も上がりと,島外に出る回数が多くなるにつれて,島で生活するのが逆にしんどくなってきた。
○参加者
 車がないと買い物にさえ困るので,高齢者で一人暮らしになると島に住めなくなるのかなと思う。
○知事
 便利になった分,島からいろいろなものがなくなって,島の不便さに拍車をかけている感じがする。これといった解がなく大変な問題ではあるが,そういった現実をよく踏まえながら,地域交通のことを考えていかなければならないと思う。

(2) 地域の医療体制について  

○参加者
 便利になりすぎて,昔のことを知らない人が多い。産婦人科がなくなるのは大変な問題であるが,逆に,助産師さんを呼んで自宅で出産したいという声もあるので,昔に戻った考え方もしながら生活を考えていくべき。また,農業についても,空いている畑が多いが,それは財産でもあり,そこを活用して雇用につなげ,地産地消を実践していくことは大切だと思う。
○知事
 悩ましい問題で,確かに自宅出産も増えているが,何かがあったときが一番病院に頼りたいときであり,病院が近くにあれば自宅出産も問題ないと思う。今,出産時の死亡率は低いが,それは病院に依存した形になっているので,セットで考えなければいけないと思う。
○参加者
 病気になったときに病院がないというのは大変なこと。人口に比例して考えることではなく,命にかかわることなので,絶対に必要なものである。
○知事
 地域医療再生計画をつくっており,医療圏ごとに救急体制や足りない医師をどう配置するかをやっている。地域医療のための医学部生の枠をつくったり,医師会等と機構・組織をつくって地域に医者を配置していく取組もやろうとしている。それらの効果が上がるのは10年仕事であり,地域から医者が減っているという当面の課題をどうするのかは大きな問題だと思っている。

(3) 持続可能な社会の構築について

○参加者
 社会が便利になり,物質的に豊かになったが,今必要なのは,この先資源がなくなったときにどのような生活様式を築いていくかであり,持続可能な社会の構築が求められている。これから広島県に住む人が今の生活を保ち続けるためにどのような政策を考えているのか。
○知事
 人が幸せを感じるのは,今日より明日のほうがよくなるというのを感じられることだと思っている。それぞれの分野で皆がそう感じていくことが大事で,関わっている人たちがより活性化していくとか,活動が救われて前に動いていくことが必要。そうなるよう,計画を立てたり,コミュニケーションを図ったりしている。一方,様々なことに対してお金を回していくための経済力も大事であり,農業も含めて,広島県の経済が発展するようしっかりやっていきたい。
○参加者
 シンガポールは一時財政が苦しくなった時に,海外からの居住者を受け入れて,住民税をとって財政を立て直したという事例がある。財政問題の解決策はなかなか見えない状況だがどう思うか。
○知事
 税収を増やすためには,税率を上げるか,ベースになる経済活動が活発になるかしかない。税率を上げることも考えなければいけないが,ベースの経済が拡大していくということが大事で,シンガポールの場合も海外から頭脳を呼び込んでくることによって経済の活性化を図っていった面が大きい。日本はシンガポールのようにもともと多民族国家ではないので,今ある我々の力でしっかり取り組んでいかなければいけないと思っている。

7 現場視察

 懇談に先立ち,尾道市内3箇所を現場視察しました。

○しまなみ海道サイクリングロード
 愛用の自転車でしまなみ海道を走り,尾道サイクリング協会の方からサイクリングロードの課題などのお話を伺いました。

しまなみサイクリングロード1 しまなみサイクリングロード2

 

○尾道空き家再生プロジェクト
 再生された家屋(通称:ガウディハウス)を見学し,空き家再生によるまちづくりの取組についてお話を伺いました。

ガウディハウス

 

○尾道地区港湾整備地区(西御所2号県営上屋)
 サイクリング基地,ボードウォークなどの整備予定地を視察しました。

県営上屋


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