次代を担う中学生に、応募を機会に税について考え、税に関する正しい知識を身に付けていただくため、毎年、納税貯蓄組合連合会が、県教育委員会などの後援を得て、税についての作文・書写を募集・表彰しています。
令和6年度は、広島県内の中学校に在校する生徒の皆さんから、作文9,964編、書写16,108点の応募があり、次のお二人が広島県知事賞を受賞されました。
ご応募いただいた生徒の皆さん、ありがとうございました。今回の応募を、身近な税について考えるきっかけにしていただければ幸いです。
「大切な場所」 学校法人鶴学園 広島なぎさ中学校 1年 大岩 勇登 | |
「ブーン。」 公園の草を刈る音だ。外に出ると、草のにおいがする。最近、行ってないなぁ。そんなことを思った。 少し前までは、休みの日はいつも友だちと公園で遊んでいた。五年生のときに転校してきた、とても気の合う友達といっしょに。 「二時に時計のところに集合な。」 「おう。」 前の日も学校で会っているのに、汗ビッショリになって遊んで、ベンチで休憩して、話しながら大笑いした。僕たちと同じように、公園は誰もが気軽に行くことのできる、憩いの場だ。 「公園って、税金でつくられとるんよね。」 ある日、母に聞いてみた。 「そうよ。もし税金がなかったら、公園も有料になっとるよ。」 ハッとした。そうだ。当たり前のようにある広場も、遊具も、トイレも、税金のおかげなのだ。もしも公園がなかったら、小さいころに母といっしょに虫を探すことも、初めて子ども同士で約束してドキドキしながら公園に向かうことも、かけっこの練習をすることもなかったかもしれない。そして、公園は、ときに避難場所になったり、備蓄倉庫が設置されているところもある。こういった災害の備えにも、税はつかわれている。あらためて税のありがたさを感じた。 税金はマイナスのイメージをもつ人もいると思う。しかし道路や橋、医療費やゴミ処理施設など、本当に身近なところに税はつかわれていて、みんなの安心した暮らしを支えている。僕はまだ、出来ることは少ないけれど、納税された方のおかげでつかうことができる教科書や施設を、大切にしたいと思う。そして、大人になったら今度は自分が誰かの支えになれるよう、しっかりと税金を納めたい。 調べてみると、税金には所得税や消費税以外にも、たくさんの種類があることがわかった。これは一部の人だけに負担がかからないようにするためだという。税は、一人一人が少しずつ力を出し合って、大きな助け合いの力をうむ素晴らしい仕組みだ。このことを知ることで、これからもみんなが納得して税を納めることができると思う。 税でつくられた公園は、かけがえのない大切な場所だ。友だちは、小学校の卒業と同時に遠くに引っ越すことになった。最後に遊んだ日、ふつうに 「またな。」 と言った彼は元気にしているだろうか。初めての中学校生活と、慣れない環境で、僕以上に頑張っているかもしれない。 また会うことが出来たら、あの公園でいっぱい遊んで、この作文で書いたことも話したいな。
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県知事賞をはじめとした各賞入選作品の一部を、以下の日程で展示します。中学生の皆さんの力作を是非ご覧ください。
(※土日祝日は開庁しておりません。)
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