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応援リレーメッセージ04|就業継続 ~仕事へのモチベーション~

印刷用ページを表示する 掲載日2019年1月25日

  

 

プロフィール

松原氏

【松原光代(まつばらみつよ)氏 (PwCコンサルティング合同会社 主任研究員/学習院大学 経済経営研究所 客員所員)】
博士(経済学)。民間企業や大学研究員,学習院大学客員教授を経て現職。専門は人的資源管理,女性労働。主な著書に『ワーク・ライフ・バランスと働き方改革』,『ダイバーシティ経営と人材活用』(ともに編著)等。

就業継続 ~仕事へのモチベーション~

昨年10月~12月に放映された新垣結衣の主演ドラマ「獣になれない私たち」を筆者は職場のモチベーション問題として視聴した。同ドラマは新垣結衣が演じる役が周囲との関係構築に疲弊しモチベーションを低下させる姿と,彼女の勤務先社長が社員に求めるモチベーションにより職場全体がモチベーション低下していく姿が描かれていたが,筆者から見ると前者は仕事と家庭を両立する女性が職場の全方位に配慮して疲弊しモチベーションを低下させている姿と重なり,後者は現代の管理職や経営者によるモチベーションの誤解(理解不足ともいう)問題をあらわしているといえる。
そして,この2つに共通して指摘できることは,モチベーションの「量」にとらわれ「質」を見落としている点である。ここでいうモチベーションの「質」とは,「自発的に取り組んでいく意欲」を意味する。昨今我々は成果として「創造性」「判断力」「洞察力」を求められているが,これらは必ずしも頑張りや気合いだけで解決できるものではない。むしろ「こういうモノが必要なのではないか」という発想からもたらされることが多い。これがモチベーションの「質」であり,これこそがキャリア意識を維持しながら就業の継続を図るうえで原動力となるのである。では,自発的モチベーションを育て維持していくためには何が必要なのだろうか?
 
育成については「チャレンジングな仕事のための努力は楽しい」という経験が重要である。アメリカの心理学者,チクセントミハイは目標達成に向けて没頭した経験やワクワクした仕事の経験は「快感」として潜在意識に残り,仕事を楽しみながら続けていくことに強く影響するとしている。とはいえ女性は「この仕事がしたい」とは言いたがらないうえに,具体的仕事内容を把握していないことも少なくない。また,ロールモデルが少ないことも足かせになりやすい。しかし,ロールモデルを女性に限る必要はなく社内に限定する必要もない。社内外の男女社員を見渡し面白そうなことを見つけ,その人を良く観察し「パーツ」「パーツ」で取り入れていくことで楽しい仕事に遭遇することも多い。
 
「維持」において最も重要なことは「安易な残業からの脱却」である。このことは,毎日遅くまで残業が続く職場で働いてきた人ほど年齢とともに仕事へのモチベーションが低くなり,楽な仕事を選択する傾向が強くなることからも明らかである。同志社大学の太田肇教授は「恒常的に長時間労働である職場はゴールの決まっていないマラソンを走らされているのと同じ」であり,同状態のなかで次第にモチベーションが枯渇していくことを指摘する。そうしたなかで我々が取るべき対策は何か。
 
前述の太田教授は,各自が求められている仕事の成果や果たすべき役割に集中して自己管理することをススメている。そのためには自分の分担と責任をはっきりさせておく必要がある。また,週2日は帰宅時間を明確に決めて「今日は○時に失礼します」と公言しその時間で帰ることを徹底していくことも重要である。
 
モチベーションは繊細であり周囲の影響を受けやすい。退職したり自身の活躍機会を喪失する前に,まずはモチベーションの自己防衛から始めてみてはどうだろうか。

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