平成27年度 第15回県政知事懇談「湯崎英彦の地域の宝チャレンジ・トーク」を,次のとおり府中町において開催しました。
平成27年9月12日(土曜日) 13時30分から14時40分まで
くすのきプラザ(安芸郡府中町本町1-10-15)
訪問先 | 内容 |
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町民による自主的な (空城山運動公園:府中町浜田) | ○町内の公共施設「空城山運動公園」の利用者達が,公園の緑化環境改善と施設老朽化に対応することを目的にボランティア団体「チーム空城」を結成。(H24.3) |
スポーツを通じた健康づくりとコミュニティづくり (くすのきプラザ:府中町本町) | ○会員が日常生活の中で継続的にスポーツや文化活動を楽しむことにより,心身の健康増進と相互の親睦を図るとともに,地域社会のコミュニティづくりに寄与することを目的に活動。(H18.2設立,H26.12法人格取得) ○チャレンジスポーツ隊(子ども多種目教室),グランドゴルフ,ドッジボールなど,特定の競技種目や型に捉われたスポーツではなく,楽しいことを行う「遊び」の要素を含めたスポーツを行うことで,従来のスポーツ嫌いの人でも参加・活躍できる活動を行っている。 |
「空城山運動公園」を訪問し,公園の清掃や植栽,樹木の管理のほか,施設の簡単な修繕などを自分たちの手で行い,町民の居場所づくりに貢献されている「チーム空城」の活動を拝見いたしました。
「くすのきプラザ」へ移動し,特定の競技種目や型に捉われず,「遊び」の要素を入れたスポーツを行うことで,従来のスポーツ嫌いの人でも楽しめる場を提供されている「呉娑々宇スポーツクラブ」の取組についてお聞きしました。
府中町在住で,あらかじめ選定した方に「人づくり」「新たな経済成長」「安心な暮らしづくり」「豊かな地域づくり」等の分野の取組について発表していただきました。
名前・職業など | 取組内容など | テーマ |
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田村 雅恵(たむら まさえ)さん 家庭教育支援チーム「くすのき」 | ○親が親としての役割や責任を自覚し,子育ての技術や知識を学ぶ「『親の力』をまなびあう学習プログラム」を活用した講座を保育所・幼稚園・小学校・公民館等各所で実施。 | 府中町子育て『学び・愛』 ~地域で広がる!和(わ)・輪(わ)・環(わ)~ |
深川 暢寛(ふかがわ のぶひろ)さん 「まるごと府中町実行委員会」 | ○町民ならではの視点で発見した地域の魅力や情報をブログやフェイスブックを通じて発信。 | みんなでつくろう!わがまちマップ |
渡部 健太(わたなべ けんた)さん 中高生実行委員会「ジョイントフェローシップ」 | ○学校も学年も違う中高生(府中町在住)が集まり,毎週1回のミーティングで自分たちのやりたいことをカタチにしていく。 ○おばけやしき,中高生のためのライブ,地域のお祭りへの参加等,地域に根差したイベントの企画・運営・実施に取り組む。 | 府中町×中高生=活性化 |
高野 仁菜(こうの にいな)さん 町立府中中学校3年生 | ○中学3年間を通して「総合的な学習の時間」で自分たちの住む町「府中町」について学習。 ○地域に伝わる民話の学習や,府中町の花であるつばきの栽培などを通じて地域住民と積極的な交流を図っている。 ○「総合的な学習の時間」の成果を活かしたイベント「椿ランド」を開催。(9/5:くすのきプラザ) | 府中中の誇り「椿ランド」 ~保育園・幼稚園・中学校・地域との連携~ |
○田 村
他者と対話して共感を深め,お互い学び合うことが日々の子育てに生かされるのではないかと考え,親の力を学び合う学習プログラムを使用した参加型学習を実施するファシリテーターのグループ,家庭教育支援チーム「くすのき」を立ち上げました。現在,112名のファシリテーターがいますが,その中で,多くの親プロ講座を実践し,地域のさまざまな場所で活動している5名がコーディネーターになりました。
親プロ講座とは,参加者がグループで楽しく話し合い,考えを出し合い,意見を尊重し合うことにより,私たちも含めて多くの気づきが得られるプログラムとなっています。
○松 浦
保護者を対象とした子育て支援に関する様々な講座があります。
受講後にアンケートをとった結果,9割の方が参加してよかったと回答してくださいました。そして,受講者の7割の方から育児の不安が軽減したとの回答がありました。
○米 田
活動の中で最も力を入れているのが,地域課題を踏まえた教材の開発です。全小・中学校の保護者を対象としたアンケートの中で,不安の声が一番多かった「しつけ」をテーマにして,全発達段階別に5教材を開発いたしました。教材の準備などは府中町の教育委員会にご協力いただいておりますが,コーディネーターやファシリテーターの活動は無償のボランティアです。
継続的な支援を行うための組織づくりなど,将来的にはコーディネーターが各小学校などの地域単位において,ある程度自主的に講座展開ができないかと模索しており,そのためには,体制を強化して,広く情報発信するとともに,チームの活性化につなげていきたいと考えております。
●知 事
子供が少ないということは大きな社会問題ですが,昔と違い地域で子供の面倒はなかなか見てくれませんし,特に知らない土地での子育ては,孤独になってしまうものです。
そういう中,ファシリテーターさんが100人単位でいらっしゃるということは,かなりきめ細やかで,本当に心強いと思います。「子育てって不安だよね」とか,「寂しいよね」と思う方は多いと思いますが,それを何とかしようと,立ち上がる方は,なかなかいらっしゃらないと思います。
府中はいろんな形で子育てを皆さんでサポートされていてすばらしいし,子供たちが本当に元気に育っていくのではないかなと思います。
○深 川
府中町をよくしたいという気持ちで動いておりまして,本当に府中町には単独とか単体ではすごく活動された方がたくさんいらっしゃって,個々に発信はしているけれど意外と発信能力が弱かったりとか,個々につながっていないということも感じ始めて,そして森脇さんがブログとかフェイスブックを立ち上げてくださったりしています。
そんな中,2人の出会いから支援センターさんの協力をいただいて,今日のマップづくりにたどり着いたわけす。
○森 脇
病院編は,医師会の調整から始まり,それぞれの病院にいろいろなヒアリング,聞取を行いました。予約方法から,幼児用の便座,おむつのかえ台,授乳室,キッズスペースに駐車場,行く前にさまざまな情報をやっぱり知りたいわけですね。できれば,どこにどんなものがあるか。そういうものを全部まとめて1冊の本にしました。
公園編は,町内の5つの小学校の4年生にいろいろなアンケートをとりました。どんな遊びをするのか,困ったことはあるのか,あったらいいな,できたらいいなというようなことを聞いてヒアリングをしてまとめました。
府中町は,町だからできることもたくさんあるんだと思うんです。いっぱい自分たちのまちにもっと気づけば,いいものが必ずあります。だから,気づいてもらいたい,そんな意味でつくっています。
「何か府中町って面白そうだぞ」って注目されるようなまちになるんじゃないかというような期待を込めながら,今,夢のような話をしておりますが,そういう気持ちで活動を続けております。
○深 川
要望とか不満,聞いたりしゃべったりするのは簡単ということに気づいたんですよ。だから,この気づきを,実は自分たちの行動で変えていこうと,何かできることはないだろうかということで,まずマップを1,2とつくらせていただきました。
これから府中町のために何ができるかということを本当に考えていける団体になれたらいいなと考えております。これから定例会も開いたり,府中町の声をどんどん聞いて,私たちができることから始めていこうと思っておりますので,ぜひ協力していただけたらと思います。
●知 事
マップづくりは,いろいろな皆さんを巻き込み,子供たちの協力ももらって,素晴らしいと思いました。マップは,トリビア的な感じの要素も入って,かばんにも入れやすい薄いサイズで,これをご覧になって,役に立てられ恩恵を受ける方は,たくさんいらっしゃると思います。
物事が動いていくきっかけというのは,ちょっとしたことで,人のネットワークであったり,何か「こうあったらいいな」という思いを持つことが大事で,それがそこで終わらずに火がついて行動につながっていくことで,大きな違いを生んでいくのではないかなと,そんなことを教えていただいたのではないかと思います。
○田 中
ジョイントフェローシップは,校外の児童センターバンビーズを拠点に,中高生合わせて20人前後で構成されています。主な活動として,週1回のミーティング,行事の企画・運営,毎週月曜日のカフェの運営などを行っています。
今日のテーマ,「府中町×中高生=活性化」についてです。これは,現在の府中町に,私たち高校生のような若い力が加わればもっといいまちになるということです。
○渡 部
これまでに行ってきた活動の中で1つ,譜宙雷舞(ふちゅうライブ)を紹介します。
譜宙雷舞とは,企画,タイムスケジュールの作成,広報活動,場所の確保,音響の依頼,機器の調達,挨拶回りまで,運営にかかわる全てのことを中高生が中心となって行う音楽イベントです。
私がこのライブから学んだことは,大きく5つあります。
1つ目は,新たな出会いとその人たちのよさの発見です。
2つ目は,今までに一緒に活動してきた人たちの新たな一面の発見です。
3つ目は,大きな行事をするときの難しさです。
4つ目に,充実感や達成感です。
最後に,一緒に活動してくれた仲間への感謝,私たちの活動を応援してくださった地域の人々への感謝,当日にライブに来て場を盛り上げてくださった人たちへの感謝です。
私は,譜宙雷舞を通して,一緒に活動してくれるありがたさ,心強さをとても感じました。さらに,いろいろな人たちを尊敬できるようになりました。
私たちにできるのは,受け身になるのではなく,自ら新たな挑戦をすること,また私たちだけではどうしようもないときは,地域の人たちの力を借りることです。
○田 中
私たちは,地域の人々ともっと交流を持って一緒に府中町を盛り上げていきたいと考えています。現在,ジョイントフェローシップの活動があまり知られていないので,地域の皆さんにもっと私たちの活動を知ってもらって,自分はその活動を通して周りに気配りができるような人になりたいと思っています。
今後も,私たちは自分たちのやりたいこと,好きなこと,これを地域の活性化につなげられるよう挑戦していきたいです。
●知 事
みんなに支えられているとか,皆さんに声をかけられてそれがうれしいというのは,中学生,高校生とは思えないような反応ではないかなと思います。よく,今時の若い子は云々と言われますが,皆さんの話を聞いていたら,やっぱり日本の子供たち,府中町の子供たちは捨てたもんじゃないなと,これから先ますます支えてくれるんじゃないかなと思います。
○高 野
私たちは,今まで,府中町についてたくさんのことを学んできました。
これまで府中町について学んだことの集大成として,9月5日土曜日に椿ランドを実施しました。
椿ランドは,総合的な学習の時間の一環である地域貢献行事で,ことしで7回目になります。小さい子供たちが楽しむことができる遊びやステージ発表の準備,プレゼントする椿グッズを作成しました。ひたすら折り紙を折り続けたり,段ボールを切り続けたりするので,時間がかかり大変な作業もありましたが,当日のことを考えると準備も楽しくできました。
○栄 井
椿ランド当日は,たくさんの子供たちが来てくれました。舞台では,町花にちなんだヒーローツバキマンや,歌のお兄さん,お姉さんのショー,吹奏楽部の演奏を披露しました。フロアでは,迷路やモグラたたきなどの遊びや絵本の読み聞かせのコーナーや,椿に関する学習発表のコーナーを設けました。来ていた子供たちはみんな楽しそうで,本当に準備を頑張ってきてよかったなと感じました。
椿ランドでは,たくさんの子供たちの楽しそうな笑顔を見ることができました。そんな子供たちの笑顔を見ると,私たち中学生も自然に笑顔になっていました。
私たちは,3年間,地域の方々から府中町のことについて多くのことを学びました。そして,椿ランドで学んだことを,保育園・幼稚園の子供たちに伝えることができました。
今後も,府中中学校の,そして府中町誇りの椿ランドが続いていくように,私たちは後輩にしっかりと引き継いでいきたいと思います。
●知 事
何か名調子の名コンビ,2人とも少しずつ違う調子で,それがまたぴったり合って何か楽しかったなという感じです。お二人とも椿ランドにかかわって,とてもよかったということが伝わりました。
府中町のことを小学校,中学校で学ぶだけじゃなくて,それを子供たちに還元したいという気持ちが素晴らしい。逆に言うと,そういう子供たちを育てているということで,府中町教育委員会の皆さん,本当にお疲れさまです。
それぞれの皆さんが,「放っておかない」というか,いろいろなことを自分事にして取り組んでおられるという姿が私にはとても印象的でした。子育てにしても,本当に自分が困ったというだけではなく,それをどうやってみんなと共有したり,少しでも人の役に立つために,自分が何ができるかということを実践をされています。まるごと府中町実行委員会も,どうしたらもっとこの府中町のいろいろな魅力を伝えていって,そしてみんながつながって活性化することができるかなと,1歩出ることによって,大きな変化を生み出していくのではないかと思います。
高校生の3人もそうです。自分が育ってきて感謝をしている府中町,その感謝の気持ちを持てるというだけで,これは中学生の2人もそうですが,それをそのままにしない。何ができるのだろうとやってみる。ライブをやって,そこに聞きに来てくれた人,聞いてくれただけで自分は励まされる。「ありがとう」と言われたらもっと励まされる。ライブに行くことは誰でもできますよね。何てことのない行動が,子供たちを元気にして励まして,次の行動につなげているということもあるわけです。皆さんこうしてご出席をいただいて,府中町で活躍しているみんなってどうなのかなとか思って聞きに来ていただく,それだけで多分大きな違いを生んでいるのではないかと思います。
それぞれの職場とか地域でいろいろな役割,あるいは家庭の中での役割があると思いますが,放っておかないでちょっとした行動をとるということが大きく集まると,大きな違いを生んでくる,そういうことを今日の皆さんの発表から学ばせていただきました。
ぜひ,また明日からそれぞれの皆さん,持ち場にお戻りだと思うのですが,そういう中で1歩何か前へ出てみていただき,今日と違う明日を何かやっていただいたら,すばらしいのではないかと思います。その蓄積が,またよりよい府中町をつくり,その集まりがまたよりよい広島県につながっていくのではないかと思います。
約150名
○新しい地域づくりの始動を感じました。都市化の進む府中町ですが,歴史や文化を大切にすることを望みます。「温故知新」の心で新しい地域づくりを進めてほしい。
○府中町のこと,府中町の子どものことを真剣に取り組んでおられる人たちに感激しました。知事さんの言われたとおり,自分のこととして考え,どうすればいいか,なにができるかと,一歩踏み出すことがとても大切であると思いました。
○子供を真ん中に,地域で繋がり面白いことをやっていきたい。よい機会をありがとうございました。
・家庭教育支援チーム「くすのき」 田村 雅恵さん
この度は貴重な経験をさせていただき感謝しております。
町内には,自発的で気持ちの良い活動団体がたくさんありますが,横のつながりが持てていなかったので,良い機会となりました。
また,中高生の皆さんの目が澄んでいて,キラキラと輝いていました。自身も「もっとできる!」をモットーに自分磨きをしたいです。
・家庭教育支援チーム「くすのき」 松浦 美都子さん
貴重な体験をさせていただいたことを感謝申し上げます。
沢山の地域住民の方に聞いていただいたことにより,「親プロ」とは,そして,その「主旨」などが少しでも分かっていただけたのではと思っております。
ファシリテーター養成講座にも広報を見て,自主的に参加してくださる若いお母さんが1~2名と増えて来ていますので,今回のこの発表後には益々のファシリテーターの増員,また「親プロ」講座の要請が様々なグループからあるのではと,期待もしております。
当日終了後,保育園の園長から「よかったですね。親プロ講座についても広まりますね。」の一言をいただきました。あらためて,チャレンジ・トークに参加させていただいたこと,本当にありがとうございました。
・まるごと府中町実行委員会 森脇 健二さん
発表を終えて思ったことは,自分たちの活動が多くの役場の方や議員の方たちに聞いてもらえたことが,一番大きなことだと思っています。
「まるごと府中町」というブログとFacebookを運営していますが,「どんな人がやっているのか実際に見に来た。」とおっしゃられる方が数名いらっしゃいました。運営側が定期的に交流センター等でオープンな場を設けなければいけないなと考えさせられました。
・町立府中中学校 3年 栄井 志月さん
この度,チャレンジ・トークに参加し,府中中学校3年生全員で取り組んだ「椿ランド」について発表させていただきました。
傍聴にいらしていた方が「去年も椿ランドに行ったよ。その時にもらった椿の苗木が立派に育っているよ。ありがとう。」と声を掛けてくださり,とても嬉しかったです。
地域の皆様に「椿ランド」を毎年楽しみにしてもらえるよう,後輩たちに引き継いで行きたいと思います。
今回,同じく地域のために活動されている方々の発表や,湯崎知事のお話を生で聞く事ができ,とても有意義で貴重な体験でした。そして,僕たちの取組をより多くの人に知ってもらう機会を与えて頂いたことに感謝しています。ありがとうございました。
懇談の模様は,録画でご覧いただけます。
こちら(インターネット放送局)からご覧ください。
第15回「地域の宝チャレンジ・トーク(府中町)」チラシ (PDFファイル)(3.2MB)
第15回「地域の宝チャレンジ・トーク」(府中町)議事録 (PDFファイル)(473KB)
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