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第9回「湯崎英彦の地域の宝チャレンジ・トーク」(平成27年1月24日 江田島市)

印刷用ページを表示する掲載日2014年11月5日

平成26年度 第9回県政知事懇談「湯崎英彦の地域の宝チャレンジ・トーク」を,次のとおり江田島市において開催しました。

江田島市

1 開催日時

 平成27年1月24日(土曜日) 13時30分から14時40分まで

2 開催場所

 江田島市沖美ふれあいセンター(江田島市沖美町美能833-5)

3 内容

取組現場の訪問

訪問先内容

深江地区オリーブ園

(江田島市大柿町‎)

○市民への苗木配布やモデルオリーブ園での講習会を開催し,栽培奨励活動を行っている。
○オリーブの生産拠点として平成24年度から大柿町深江地区に12haの造成を行い,3,000本を植栽している。

牡蠣生産者

(江田島市能美町)

○体験型修学旅行誘致に伴い,積極的に牡蠣打ち体験を受け入れて江田島の魅力をアピールするとともに,牡蠣のファンづくりに努めている。
○築地市場へ出荷をして,江田島牡蠣のブランド化を進めている。

深江地区オリーブ園

オリーブ団地(視察)

 耕作放棄地の解消や六次産業化を進めるために市が進めているオリーブ栽培の生産拠点として,深江地区に造成したオリーブ団地を見学しました。

牡蠣生産者

柳川水産(視察)

 江田島の魅力アピールや牡蠣のファンづくりのため,市の体験型修学旅行事業に参画し,牡蠣打ち体験などの受け入れを行っている柳川水産を訪問しました。

県政知事懇談会

懇談会

◆湯崎知事による挨拶

知事挨拶

◆地域住民の方(4組)による『私の挑戦』の発表 

 江田島市在住で,あらかじめ選定した方に「人づくり」「新たな経済成長」「安心な暮らしづくり」「豊かな地域づくり」等の分野の取組について発表していただきました。

名前・職業等取組内容等テーマ

南川 智子(なんかわ ともこ)さん

ぐるぐる海友舎プロジェクト実行委員会 代表

○築100年を超える歴史的建造物である”海友舎”を活用しながら,交流の場として再生を目指し,地域コミュニティの活性化と観光資源としての新たな魅力をつくりだしている。
○”海友舎”は,魅力ある建築物にスポットをあてるプロジェクト「ひろしまたてものがたり」の「ベストセレクション30(審査部門)」に選定。

 江田島で百年の歴史刻む洋館,海友舎が今,はじまりの場所になる。

大本 哲朗(おおもと てつろう)さん

竹炭工房おおがき 代表

○県内でも有数の生産規模を誇る竹炭製造設備を配備。(5トンの燻煙窯,2トンの焼成窯2基)
○竹炭の製造・販売のみならず,市が推進する体験型観光へ参画し,竹炭作りや竹細工の体験教室を開催。
○「瀬戸内しまのわ2014」の民間企画イベント「絵下山発のろしリレー」に参加。

  無いものねだり?有るもの活用!~「竹炭工房おおがき」を活かす~

山田 直弥(やまだ なおや)さん

県立大柿高校2年生

○昨年度まで部員1名だった硬式野球部に,1年生が入部し,活動が活発化。
○音戸高校との連合チームで6年ぶりに,夏の大会に復帰。
○初戦敗退ではあったが,最後まで決して諦めない全力プレーで多くの方々へ感動を与えた。

大柿高校野球部復活!~部活を通して地域をもっと元気に!~

小迫 玲奈(こさこ れな)さん
山野 昭穂(やまの あきほ)さん

市立大柿中学校2年生

 ○ボランティア活動として道路や河川の清掃活動・花植えの活動を行い、地域の方々と一緒になって美化活動に努めている。
○また,アダプト活動を通じて,明るい挨拶を交わし,楽しく地域の方とコミュニケーションをとりながら,きれいな町づくり・学校づくりを進めている。

 ありがとうの輪~柿中の自慢・生徒会活動を地域へ~       

 

発表者

ぐるぐる海友舎プロジェクト実行委員会代表 南川智子さん
「江田島で百年の歴史刻む洋館,海友舎が今,はじまりの場所になる。」

南川さん(発表)

●南 川
 ぐるぐる海友舎プロジェクトというのは,明治末に建てられた海友舎という建物を開かれた場として活用することで,新たに地域を楽しくしていこうという取り組みです。
 具体的に,我々は4つの軸を定めて活動しています。まず1つ目に,手入れをする。建物に昔の物が残っていたりして,こういう人が住んでいたんだとか,そういう発見をメンバーとしながら掃除をしていきました。今でも毎月1回こつこつと続けていて,毎月10人程度参加して続けています。
 活動の2つ目,学ぶということです。この建物はどういう特徴がある建物なんだろうとか,この建物はどういう歴史があるのかということが気になってきて,メンバーで調査をしていきました。建物が古いので,当初の図面とか資料が残っていなくて,初めは難航しながら,地域の高齢者の方にお話を聞くところから始まりました。
 活動の4つの軸の3つ目,使うということです。幅広くいろいろな人に建物のことを知ってほしいし,江田島の人に愛着を持ってほしいなということで,いろいろな参加型のイベントを海友舎で行っています。キャンドルづくりというワークショップをして,広島市内からも子供たちが遊びに来てくれました。
 活動の軸の4つ目,私たちはいろいろなメディアで宣伝をやっているんですけれども,何よりも人に言葉で伝えるというのを大切にしていて,広島市内のイベントとか,去年は呉のイベントにも参加させてもらって,江田島にこういう海友舎というお宝があるんだよというのをしゃべって伝えるように意識して取り組んでいます。
 海友舎というところを拠点に活動していて,所有者さんに協力をいただき,広島・呉からも通ってもらえるような若者を取り入れて,専門家,歴史好きの方にご支援いただき活動を展開しています。今は県外の江田島好きの人とかともつながってきて,そういういろいろな人とのつながりをぐるぐると輪を広げて活動を展開していければと,こつこつ活動しています。

○知 事
 南川さんはもともと建築デザインを勉強されていたということもあったんだと思いますけれども,建築デザインもやっているからこの価値が分かるわけですよね。自分でできること,それに共鳴する人を増やしていくことによって,100年の伝統がある,しかも海軍ゆかりの建物ですから,江田島にとってもすごく価値のあるものではないかと思うのですけれども,その保存がだんだんと形になって,さらに活用されているという感じですね。できることをやる。やってみるということが,いかに大事かという,本当にいい例だと思います。

竹炭工房おおがき代表 大本哲朗さん
「無いものねだり?有るもの活用!~「竹炭工房おおがき」を活かす~」

大本さん(発表)

●大 本
 竹炭工房おおがきは,大柿町の時代に設立されています。当時から竹害が出てきていて,それを阻止するために竹を伐採して,伐採した竹を有効に活用しようということで設立されました。
 この竹炭工房でやってみたいことは,具体的には「竹炭工房おおがき」の知名度を上げて,竹炭製品を大いに使ってもらい,就業機会を増やして,そこを活気と笑顔のあふれる場所にしたい。と同時に,周辺の自然をもっと生かしていきたいということで,農道の沿道に季節の花を植えて花街道にするとか,沿線に例えばオリーブを植えてオリーブの道にするといったことを実現したいと思っております。それと周辺の自然や史跡といったようなものを組み合わせて,いろいろな楽しみ方ができるトレッキングコースにもしたいと思っています。そういったことをやって,地元の方だけでなく,観光客の皆さんにも楽しんでいただける地域にしたいと思っています。
 次のステップでは,地元産品を活用した6次産業化の実現でございます。特に高齢化対策ということで,地域コミュニティーの充実によってお年寄りの孤立を防ぐ。あるいは旧商店街を復活して,買い物難民をなくするということを目指しています。江田島には,農業であるとか,漁業であるとか,竹炭は付け加えていますけれども,こういうフィールドがございます。それらの一次産品を集めて,複合,健康,安全といったことをキーワードにして新たな商品を開発して,地元でつくって販売する。販売も,卸とか店舗販売,インターネット販売,宅配とか多岐にわたる販売ルートも確保していければと思っています。
 既に江田島の各地で変化・変革ののろしが上がっています。この機会に皆様と一緒に,恵み多い「恵多島」にして,笑顔あふれる「笑多島」というものを実現していければと思っております。
○知 事
 あるものを活用していくということで,例えば竹も,もちろん竹害というお話もありましたけれども,ただ山に生えていれば,最近はびこってしまって害になるものですよね。ところが,それを切って手をかけてやると,すばらしい,いろいろな効用のあるものになっていく。本当に大本さんはビジネスをやってこられたので,そういう切り口からいろいろなアイデアが出てくるのではないかと思いますが,それを組み合わせていくと,ここにしかないものが実はたくさんあるんじゃないかと思います。
 たくさんの江田島の宝を発見して,それをまたこれから,退職後も長いですから,是非実現していただきたいと思います。
 

県立大柿高校2年野球部キャプテン 山田直弥さん
「 大柿高校野球部復活!~部活を通して地域をもっと元気に!~」

大柿高校(発表)

●山 田
 大柿高校野球部2年生の山田直弥です。僕たちは今,部員3人という少ない人数で試合に向けて練習をしています。僕が1年生のときは,部員は自分だけでした。大柿高校野球部としては1人でしたが,その当時,音戸高校では校舎の建て替えが行われており,グラウンドにプレハブ校舎が建てられていたため,音戸高校野球部が大柿高校のグラウンドを借りて練習をするようになりました。そのとき,一緒に練習しないかと声をかけてもらい,1年生の夏から大柿高校のグラウンドで音戸高校野球部の練習に参加させてもらうようになりました。
 2年生になり,部員は3人に増え,音戸高校野球部と連合チームを結成することで,夏の大会への出場が決まりわくわくしていました。対戦相手は近畿大学附属福山高校でした。大柿高校としては6年ぶりの夏の大会への出場でした。大柿高校は,平成元年には夏の県大会で決勝まで進み,今回の対戦相手である近畿大学附属福山高校に負けて甲子園出場ができなかったそうです。再びその因縁の対決となりました。
 スタンドにいる大柿高校の生徒たちや保護者,先生方,同窓会の方々の応援が聞こえたときはとてもうれしく思い,絶対にヒットを打つんだと強く思いながら打席に立ちました。守備では,声でチームを盛り上げ,集中して一つ一つのアウトを大事に取りに行きました。結果は,大きな差をつけられて負けました。とても悔しい思いで,つい涙がこぼれてしまいました。この思いを胸に,今年こそは絶対に勝ちたいと思って今の練習に取り組んでいます。練習はもちろん決して楽なものではないけれども,去年負けた悔しさを糧に頑張っています。グラウンドで練習していると,地域の方々が見てくださったり,声をかけてくださいます。
 僕は大柿高校の野球部として頑張ることで,自分を鍛えるとともに,地域の皆様方を元気づけたいと思っています。そして,将来は地元江田島市のために役立つ仕事に就きたいと思っています。これからも大柿高校野球部の応援をよろしくお願いします。
○知 事
 1人で1年間よく歯を食いしばって頑張ったね。1人ではできないと思うのが普通ですよね。だけど,1人でもやりたいということで情熱を持って取り組んで,そして,合同チームで,たまたま音戸高校が来ていたというのもあると思いますけれども,最終的に合同チームで夏の試合に出られた。まさにできることをあきらめないで頑張る。それが出場するという目標につながったし,いろいろな発見にもつながったのではないかと思います。僕らも見習わなければいけないと思います。すぐにあきらめない。大事なことだと思います。

市立大柿中学校2年 小迫玲奈さん,山野昭穂さん
 「ありがとうの輪~柿中の自慢・生徒会活動を地域へ~ 」

大柿中(発表)

●小迫・山野
 「ありがとうの輪」
 このスローガンには,「ありがとう」という言葉を通してあたたかい心を持った生徒の輪を広げたいという願いを込めています。学校では,時を守り,場を極め,礼を正すという三原則を徹底しています。この三原則の意味は,一つ目,自ら考え,判断し,行動し,自己の責任を果たせる生徒。二つ目,仲間や周りの人に感謝し,進んで友達や社会に貢献しようとする生徒。三つ目,夢や目標に向かって仲間と協力する生徒の三つの意味が込められています。
 今日はこの二点のことについてお話しします。一点目は,大柿中学校の生徒は挨拶をすることが身についており,校内,校外関係なく,すれ違った人に挨拶をすることです。現在,その挨拶のレベルを上げるため,立ち止まり挨拶に取り組んでいます。そのポイントは,「ぴたっと止まる」「自分から」「笑顔で」の3つです。この運動は,挨拶の達人を目指す取り組みです。あいさつ運動4daysとして続けています。クラスごとに決められた曜日の朝に正門で地域の人や登校する生徒に挨拶をします。そして,一番挨拶ができたクラスを表彰するという月に1回の行事です。大柿中学校は保護者とともに,挨拶で学校を明るく,元気にし,地域ともつながって,よりよい学校をつくっていこうと努力しています。
 二点目は,大柿中学校では年間を通して様々なアダプト活動に取り組んでいます。清掃活動では,祭りの後に地域の方々と一緒に祭礼後清掃をしています。また,小中高合同で行ったり,地域の方と一緒に行ったりするなど,地域をきれいにするとともに,交流を深められるとてもよい機会になっています。花植え活動では地域の方々からいただいた花の苗を大切に植えています。昨年度からはアダプト活動区間に「ポイ捨てゼロード」という愛称をつけ,看板を設置しました。これは,明るくきれいな環境を自分たちが責任を持ってつくるための決意です。これからポイ捨てゼロードのガードレールなどの清掃,草取り,ごみ拾いの徹底をしていきます。
 このように大柿中学校は常に地域とつながり,協力しながら活動しています。そして,地域との交流を続け,地域の方にも「ありがとう」と言っていただける,また,生徒同士でも「ありがとう」と言葉をたくさん交わす学校にしていきたいです。
○知 事
 大柿中学校でこのアダプトとか,挨拶とか,地域の皆さんはむしろおなじみなんじゃないかと思いますけれども,こうやって生徒の皆さんが自分たちで自主的に取り組んでくれているというのはすごくうれしいことではないかと思います。
 本当に明るくはきはきしたお二人で,大柿中学校も頼もしいなと感じました。
 

4 傍聴者

約110名

5 来場者の声(アンケート結果から)

来場者

○江田島市で開催されたチャレンジトークにすべて参加しています。江田島にはチャレンジするたくましい人々がまだまだいることに勇気をもらいました。
○身近な所で自分に出来る事を真面目に前向きに取り組んでおられる発表者に感激した。元気をもらいました。
○初めて参加させていただきました。市内の方々のすばらしい発表を聞かせていただき,マイナスをプラスにかえて,住みよい宝の島にしたいと思います。
○それぞれの立場で出来ることを頑張っている姿に感銘を受けました。地元でも知らないことが多くあると気付きました。良いきっかけになりました。

6 発表者の感想 ~チャレンジ・トークを終えて~

 ぐるぐる海友舎プロジェクト実行委員会代表 南川智子さん
 発表を通して活動を振り返り,発表を聞いていただいた人の声をいただき,改めて,活動の魅力を考える機会になりました。
 チャレンジ・トーク終了後に,江田島町にお住まいの女性から「わたしにもお手伝いできることあるかしら」と声をかけていただきました。その後,2月のお掃除会に足を運んでくださり,一緒に活動をしています。新たな仲間が加わりました。また,地元の中学生の女の子に「海友舎に行ってみたいです」と声をかけていただきました。フェイスブックやホームページを見た友人からも声を掛けていただきました。
 改善点として,発表後に会場からの質疑応答や,終了後に来場者と話す時間があると良いと思いました。

 県立大柿高校2年野球部キャプテン 山田直弥さん 
 自分たちが挑戦していることを,来場された多くの地域の皆さんの前で発表することは正直すごく恥ずかしかったですが,発表を終えて何人かの人に「がんばってね!」「発表良かったよ!」と言っていただいたときは,とてもうれしく思いました。貴重な経験ができて良かったと思っています。ありがとうございました。

 市立大柿中学校2年 小迫玲奈さん
 チャレンジ・トークでは,まだ知らない江田島市を知ることができてすごく楽しかったです。湯崎知事とも話すことができて,とても貴重な体験をさせていただきました。
 より,江田島に興味を持つことができました。

 市立大柿中学校2年 山野昭穂さん 
 チャレンジ・トークに参加して,自分の住んでいる地域を大切にしていこうと思いました。このように思ったのは,チャレンジ・トークの中で,次の3点が印象に残ったからです。1点目は,地域コミュニティの活性化につながる交流の場を歴史的建造物の保存を通して確保し,地域らしさを歴史と一緒に残そうとする活動に対し,今後の江田島市を町おこししていくためには,とても良いことだと思いました。2点目は,江田島市の特産物がこんなにたくさんある事を知って,これを通して江田島市を全国に広めていけたらいいなと思いました。3点目は,今安心で楽しく暮らせているのは,自分の知らないところでいろんな方が地域を豊かに,そして明るくしていこうというみんなの努力,行動のおかげだと思いました。
 本当に貴重な経験をさせていただき,ありがとうございました。

7 知事の感想 ~チャレンジ・トークを終えて~

知事感想

  邪魔モノでしかなかった「竹」,このままだと取り壊される運命だった旧海軍兵学校の娯楽施設「海友社」。どうしたら役に立つものに変えることができるか,どうしたら息吹をもたらすことができるのかを考え,大本さん,南川さんはそれぞれ行動を起こされた。部員がたったひとりとなった大柿高校野球部。たったひとりの部員の,野球がしたいという熱い思いが,新しい部員を引き寄せ,久々に大会出場へ。悔しい結果となったが,地域の皆さんが一生懸命応援することで地域はひとつになった。また,大柿中学校の行う地域清掃美化活動は,今や学校の枠を超えて,地域の皆さんとのコミュニケーションを担っている。
 これらの取組は,最初はほんの小さな点でしかなかったと思う。小さな点は動き出し,「ぐるぐる」回ることで,大きな点となる。いろんな人たちを巻き込んでいくうち,点はやがて面となり,地域を元気にする大きなうねりとなるのだということを実感した。

8 その他

 懇談の模様は,録画でご覧いただけます。
 こちら(インターネット放送局)からご覧ください。

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