平成24年度 第9回県政知事懇談「湯崎英彦の地域の宝チャレンジ・トーク」を,次のとおり東広島市において開催しました。
平成24年11月17日(土曜日) 13時30分から14時40分まで
(※ 開催日を変更しました。 18日⇒17日)
東広島市総合福祉センター : 東広島市西条町土与丸1108
訪問先 | 内容 |
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農事組合法人 ファーム・おだ (東広島市河内町小田) |
○小田小学校区を一つの農場として まとめ,効率的・安定的な農業経営が できる「農事組合法人ファーム・おだ」 を設立(H17年11月) ○地元小田産の米と水を使って米粉 パンを製造・販売する直営店「パン& 米夢」(パントマイム)が好評 |
つつみサロン (東広島市西条町西条東 Bee-Hive内) |
○高齢者が月一回程度集まり,おしゃ べりや歌など,自分たちが決めた活動 を広げることにより,地域で支えあう, 生き生きとした健康な暮らしづくりに挑 戦 ○東広島市社会福祉協議会が行う「地 域サロン」事業の一つ(現在:市内で33 サロンが活動中) |
東広島市小田地区の農事組合法人を訪問し,地域が一つになって効率的かつ安定的な農業経営を行う取組や,米粉パンの販売を行う「パン&米夢」(パントマイム)の取組についてお話を伺いました。
高齢者の「地域サロン」を訪問し,高齢者が互いに支えあう,いきいきとした健康的な暮らしづくりの取組についてお話を伺いました。
東広島市在住で,あらかじめ選定した方に「人づくり」「新たな経済成長」「安心な暮らしづくり」「豊かな地域づくり」等の分野の取組について発表していただきました。
名前・職業等 | 取組内容 | 発表テーマ |
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石川典子(いしかわのりこ)さん (社)東広島市観光協会事務局 |
○西条の活性化を図るため, 地元商店・酒蔵のおかみさん や商工会議所,観光協会職員 を中心に「西条ステキ委員会」 を構成し,「街角コンサート」, 「手みやげ横丁」の開催や, 「酒まつりマップ」の作成など, 自分達が「今できること」に挑 戦中 |
『西条酒蔵通り 西条ステキ委員会 ~おかみさん達の挑戦~』 |
吉弘昌昭(よしひろまさあき)さん 農事組合法人ファーム・おだ |
取組現場の訪問と同様 | 夢と希望の郷づくりに挑戦! |
明知里奈(めいちりな)さん 広島県立広島高等学校2年生 |
○ハワイ州への修学旅行にお いて,修学旅行委員として姉妹 校との交流に積極的に取り組 んだ。 語学力を一層高め,国際感覚 を有したアナウンサーになるた めに挑戦中 |
国際感覚を持つアナウンサーをめざして |
下田直輝(しもだなおき)さん 東広島市立中央中学校3年生 |
○H23年度に新設された中学 校として,新たな学校文化を築 いていくため,文化活動等の様 々な取り組みに挑戦中 |
ゼロからのチャレンジ! |
●石 川
西条酒蔵通りの商店で「西条ステキ委員会」を結成し,まちの活性化に取り組んでいる。商店間で情報共有することによって,町並みに統一感を持たせたり,各商店が街角案内所として観光客をもてなしたり,まちの旬な情報を商店間で共有している。また酒蔵通りのいろいろなお店の商品を一度に見てもらえる「手みやげ横丁」の開催,まち歩きを楽しくする「ステキマップ」の作成等に取り組み,酒蔵通り全体の魅力を高めている。
これらのつながりは観光面にとどまらず,防犯情報も共有して連携がとれるようにもなった。人と人がつながる知り合うということはとても大切なことだと実感している。
これからの挑戦としては,東広島市に大学入学や転勤でやってきた方に,第二のふるさととして東広島市のことを好きになってもらえるように,地元の人に向けた活動を充実させていきたい。
○知 事
これらの活動は住民自治の原点のように感じた。地域のみんなが楽しく集まろうというところから始まって,できるところから新たなことに取り組んでいく。次第に仲間も増え新しくできることが増え,発展していくのだと思う。考えているだけでなく,日常の中でできることから実行することで新しい動きにつながるということを実例をもって示していただいている。
●吉 弘
小学校の廃校という危機をきっかけに,自治組織「共和の郷・おだ」をつくった。現在210戸,人口600人の小田地区の小さな役場のような役割を担っている。組織として8つの部があり,その中の一つの農村振興部で,過疎化や高齢化が進み,担い手が不足している農業について検討した結果『農事組合法人 ファーム・おだ』を立ち上げた。
ファーム・おだでは小田地域の農地を集積することにより,経費を抑えて効率的に水稲や大豆,小麦,ソバ,野菜の栽培を行っている。また直売所「寄りん菜屋(よりんさいや)」の運営も行っている。
米の需要拡大を目指し,今年4月には米粉パンの専門店「パン&米夢」(パントマイム)を開業した。県内各地から多くの方に来ていただいている。荒廃地を利用して米粉用の米を生産することにより,荒廃地を減らすこともできる。米粉を普及させ,学校給食へ提供し,ひいては将来の米の需要拡大にもつなげたい。
○知 事
診療所や学校がなくなるということは地域の危機だが,そのまま放っておかずに危機をチャンスに変え,自治組織「共和の郷・おだ」をつくられた。これにより,かえって地域のつながりが強くなったのではないか。
●吉 弘
小田地区は兼業農家が多く,実際に農業をしているのは女性が多い。これまでは一人ひとりで農業をされていてなかなか話し合う機会がなかったが,自治組織をつくることによってお互いが一生懸命話し合い,決めたことは皆で挑戦するようになった。
○知 事
県では現在,ファーム・おだのような「集落法人」の経営拡大を支援している。まさにその中で,軌道に乗りはじめている例がファーム・おだだと思う。
パンづくりなどの六次産業化も進められ,今や県内でも先を行く農業に取り組まれている。また若い人も戻ってきているということで,これは過疎化や高齢化していてどうしようとただ考えているだけでなく,実際に危機を乗り越えるために行動したことによってここまで発展をしたのだと思う。本当にすばらしい取組だと思う。
●明 知
将来「国際感覚を身に付けたアナウンサー」になるため日々努力している。アナウンサーになりたいと思う理由は,単に事実を伝えるだけでなく,自分の持ち備えている豊富な知識を発揮してコメントするなど,多くの人に新たな知識を伝えることができ,ときには笑顔を伝えることもできるすてきな職業だと感じたからである。
アナウンサーになるためには,様々な国や地域の文化や経済,歴史などの知識を得,理解しておく必要がある。またそのためには英語力が必要だとも考えている。このため,これから様々な国の人とかかわり,必要な知識を吸収したいと考えている。
先日ハワイに修学旅行に行った際は,姉妹校で生徒代表として英語で挨拶を行い,自信につながった。また現地学生との交流などを通じ,日本との文化の違いを目の当たりにして,新たな知識を得ることができた。
大学に進学して英語力や国際知識を身に付け,将来はアナウンサーとして日本に,広島に貢献したい。人とのつながりや笑顔を大切に,これから頑張っていきたい。
○知 事
現在広島県では,全ての県立高等学校において海外の高等学校と姉妹提携を結び,交換留学等を行う取組を進めている。国際的な感覚,他国の方とも普通のお付き合いができる雰囲気を教育の中でつくりたいと考えている。
明知さんはしっかりと目標を持って,既にそこに向けて努力をされている。しゃべりもはきはきしていて,いいアナウンサーになれるのではないかと思う。夢を追いかけて頑張っていただきたい。
●下 田
昨年度開校したばかりの中学校に新しい歴史と伝統を築くために『ゼロからのチャレンジ』として,様々な取組を行っている。
例としては,学校生活のあらゆる場面の開始時に,その場にふさわしい心構えをつくる『立腰・黙想』。ぞうきんを使い身を低くして掃除をすることで謙虚さを身につけ,心を磨く『黙動流汗清掃』。全校生徒が毎日部活単位で集合・整列して声出しを行い,礼儀・マナーを身に付ける『部活集合』。琴や茶道,合唱を通して校訓の一つである『和心』を学び,日本の伝統文化を大切にする取組などである。
1年目はこれらの取組を試行錯誤しながら先輩や先生方と一緒に生み出してきた。2年目の今年度は,これらの取組を伝統にするよう取り組んでいる。このゼロからのチャレンジを5年後,10年後,30年後の後輩たちに長く受け継いでいってほしい。
○知 事
新しい学校の中で,先生も生徒も試行錯誤しながら一生懸命取り組まれている。
それぞれ違う小学校から様々な背景を持って中学校に入学してくる中で,下田くんをはじめとするリーダーが生徒たちを引っ張ることで,新しい学校文化ができていくのだと感じた。これからの新しい中央中学校に大きく期待したい。
約160名参加
懇談の模様を録画でご覧いただけます。
こちら(インターネット放送局)からご覧ください。
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