平成23年度 第2回県政知事懇談「湯崎英彦の宝さがし-未来チャレンジ・トーク」を,次のとおり「安芸高田市,安芸太田町,北広島町」地域において開催しました。
平成23年7月24日(日曜日) 13時30分から15時10分まで
JA広島北部千代田支店 3階 講堂 : 山県郡北広島町有田532-1
(1)北広島町立千代田中学校『ソーラン隊』による太鼓と踊りの歓迎
(2)湯崎知事による「ひろしま未来チャレンジビジョン」の発表
(3)地域住民の方による事例発表
氏名・職業等 |
取組内容等 |
発表テーマ等 |
|
---|---|---|---|
安 |
溝本 郁夫(みぞもと いくお)さん ・(株)神楽門前湯治村 |
|
「全国に発信 ひろしま |
安 |
吉田 秀政(よしだ ひでまさ)さん
|
|
「町の『強み』を『商品』にしよう! |
北 |
杉原 幸成(すぎはら ゆきなり)さん ・民宿「あるぺん屋」 |
|
「芸北地域未来チャレンジ -わしらの住処はダイヤモンドの上-」 |
(4)意見交換
180名参加
懇談の模様を録画でご覧いただけます。
こちら(インターネット放送局)からご覧ください。
●溝 本
神楽門前湯治村の代表取締役として,神楽を中心とした地域づくりに取り組んでいる。安芸高田市にある神楽門前湯治村の神楽専用施設「神楽ドーム」には,年間15万人ほどの観光客にきていただいている。今年度からは公演日数を倍以上の150日に増やし,年中いつでも楽しめる環境づくりにも取り組んでいる。
また,高校生の神楽甲子園,東京公演など地域外への出張公演などの取組も行っている。
世界文化遺産,厳島神社,原爆ドーム,島根県の石見銀山をめぐるトライアングルの真ん中に安芸高田市は位置している。世界遺産に匹敵するような魅力がこの中山間地域にあるということを情報発信していきたい。
○知 事
これまでは,神楽というものは限られた形でしかやられなかったものだが,それを観光に使い,今年からは上演回数を増やすという事は大きな挑戦だと思う。皆さんの負担は大きくなるが,そういったことは乗り越えて頑張ってほしい。神楽が皆さんに理解・評価をされて,また新しい形で地域に根付いていくといいと思う。
●吉 田
今年,公募で安芸太田町観光協会の常務理事に就任し,観光振興に取り組んでいる。
2011年は,広島市民及び広島市来訪客をターゲットにした安芸太田町のPR,戦略的な人づくりへ,ヘルスツーリズムへの挑戦をしていきたい。
ピンチをチャンスと認識して,その上で前に向けるように,一人ひとりの町民の皆さんと向き合って,皆さんを巻き込んで前に進めるような形をとっていきたいと考えている。
まだ赴任して2ヶ月であり,まだまだこれからの部分もあるが,頑張っていきたい。
○知 事
例えば雪というのは,どちらかというと邪魔なものだと受け止められがちだが,庄原市では雪を資源化しようという取組が行われている。また,しまなみの方ではサイクリングが盛んになりつつあるが,これはしまなみの景色が良いということだけでなく,車が少ないから,という理由がある。このように弱みに見えるものでも,見方を変えると強みになる。
安芸太田町でもたくさんの弱みを強みにして,ピンチをチャンスに変えていただきたい。
●杉 原
北広島町へI(アイ)ターンしてきて20年になる。未だに新しい宝を発見しており,この宝を生かすためにいろいろな事業や地域おこしに取り組んでいる。
具体的には,米粉やシソなど地域の宝の商品化に取り組んでいる。今は「どぶろく」シリーズとして,石けん,せんべい,シフォンケーキなどの販売を始める予定である。
また,海外に赴いて北広島町のPRをし,実際に中国の四川省や韓国から観光客を呼ぶことに成功した。こうして現在,ニーズが高まってきているが,以前はスキー場付近に150軒から170軒あった民宿が,現在は40軒以下に減少している。それを補うために,農家民泊なども一緒にできるような体制をとっていきたい。そして,最終的には北広島町に定住していただいて,地域の活性化につなげたいと考えている。
○知 事
中国の四川省や韓国に着目してPRをし,観光客を増やしていらっしゃるが,そのようにねらいを定めて挑戦をするということは非常に大事だと感じた。
地域のことを一番よく知っているのは地域の人だが,地域の人は感じていなくても,実は地域の外の人からはとても評価されるものもある。杉原さんはIターンということで,そのような地域の外の目も非常に大事であり,地域の中の知識と外の目を組み合わせると,すばらしいものができるのではないかという印象を受けた。
観光振興に,より力を入れて取り組んでいただきたい。
○知 事
観光を推進していく中で,三つ大事なことがあると思う。一つは,まさに今,皆さんに取り組まれていることで,サービスを提供する事業者さんが,それぞれ工夫したサービスをされるということである。二つ目は,ちょっとした挨拶や親切など,地域全体が「おもてなしの心」を持つこと。三つ目は地域で共同のPRをしていくということだと考えており,現在,実現に向け取り組んでいる。
知事のチャレンジビジョンの発表の中で,「行政の職員は,後押しはするけれども」という言葉があったが,私は職員さんがむしろ率先して地域の行事,いろいろなことに参加していただいて,アドバイスをいただければ地域の方にとってもいいことだと思う。
○知 事
まさにそういったことが後押しだと考えている。地域のお祭りなども,行政がお祭りをやったのでは活性化しないと思う。あくまで,そのお祭りを実行されるのは自治会や,地域の皆さんであり,行政の職員はアドバイスをしたり,メンバーとして参画をしてお手伝いをしたり,というのがいい姿ではないかと思う。
●佐 伯
幼い頃から地元の神楽団に所属し,現在は吉田高校の神楽部,地元の神楽団に所属している。
このたび,各地の高校生神楽が交流を深め,郷土芸能の保存・伝承を図ることを目的に,「第一回高校生の神楽甲子園」が神楽門前湯治村神楽ドームで開催される。今回はまだ5校の参加だが,今後,全国の高校に呼びかけていきたいと考えている。神楽甲子園を成功させることで,神楽を通じた交流の輪を広げ,地元の振興につなげたい。
また,韓国との交流も予定している。この機会に神楽を海外にも発信し,国際交流に役立てたい。
○知 事
神楽というのは地元に密着した伝統行事だが,それを受け継いだ上で,さらに全国から世界へと広めたいという大きな夢を持っていらっしゃる。是非頑張っていただきたいと思う。
●田 邊
高校生としてふるさと安芸太田町に貢献するために,三つの挑戦を行っている。
一つ目は,町から支援を受けている進路対策講座で勉強することである。将来は勉強したことを生かして,地域活性化に貢献したいと考えている。
二つ目は,安芸太田町の魅力をより深く知るために,町内の豊かな自然に触れ,自然体験活動に取り組むことである。この活動を通して,この豊かな自然を町内外の方や観光客の方など,一人でも多くの方に知っていただきたいと考えるようになった。
三つ目は,町内のイベントにボランティアとして積極的に参加することである。校外清掃活動や,しわいマラソンなどのイベントにボランティアとして参加している。町のイベントに高校生が多く参加することにより,過疎化,少子高齢化が進む町を元気にしていきたい。
○知 事
自分のためだけでなく地域のために勉強してくれるというのは本当にすばらしいお話だと思った。街の高校生にはとても考えられない発想ではないかと思う。
地域のことを学ぶ,あるいはボランティアにつながっていくということは,本当にいい循環ができていると感じた。
●森 山
7年前に「緑のふるさと協力隊」という事業に参加したことをきっかけに,県外から北広島町にI(アイ)ターンし,農薬や化学肥料を使わない農業に取り組んでいる。
森には保水力,カーボンニュートラルとしての機能,薪(まき)や木材としての用途等多くの能力がある。ただ,それは管理をしてこその機能で,管理しなければその機能はなくなってしまう。また,最近は化学的農薬を使うことが当たり前になっており,自然が減っている原因のひとつになっていると私は考えている。
森や農地を守るための活動をこれからも続けたい。また,北広島町の人たちがこの貴重な自然を再認識し,守っていく気持ちが広がっていけばいいと思っている。
○知 事
この芸北地域は,森も,あるいは農業も,非常に自然の豊かなところだが,それを自然な形で守っていくということは非常に大変なことであると思う。化学肥料,農薬を使えば簡単な部分があるだろうが,それをあえて使わずに自然を守っていくということ,その御努力に敬意を表したいと思う。これからも頑張っていただきたい。
●奥 田 (クラブ活動について)
今,女子バレー部のキャプテンをしている。新人戦で優勝してから,自分たちは最初の優勝を意識してしまい,なかなかうまくいかなかった。3年間の顧問の先生たちが私たちのために頑張ってきてくださったことを忘れずに,この最後のシーズン,必ず県大会に行けるように,残り少ない練習を大切にして頑張っていきたい。
●岡 田 (生徒会について)
千代田中学校は今,生徒を主体に行事に積極的に挑戦している。ボランティア活動やエコキャップ運動に取り組み,世界・地域に貢献している。今年度のスローガンの「切磋琢磨」をテーマに,さらなる千代田中学校の向上を目指し頑張っている。
先輩方の残した伝統を今以上に伸ばしていき,私も残り少ない中学校生活の間で伝統をつくり,後輩に受け継いでもらいたいと思っている。
●濱 本 (ボランティア活動について)
千代田中学校では,2年前から生徒会を中心に様々な活動を行っている。その挑戦の一つがボランティア活動であり,全校生徒での学校周辺の清掃活動をはじめ,千代田中ソーラン,千代田中太鼓,夏祭り会場準備などに力を入れて取り組んでいる。
一人ひとりの活動が,千代田中学校をよりよく,そして地域の方に信頼していただけるような学校づくりにつながっている。
○知 事
「挑戦」という話をしているときに,私は難しいことに取り組むことだと申し上げたが,その難しいことというのは,それぞれの立場,それぞれの役割の中でより一歩でもいいものを,少しでも成果の上がるものに取り組んでいくことが挑戦だと思う。中学生は中学生として挑戦をしているという御紹介をいただいてよかった。これからもよりよい千代田中学校づくりに励んでいただければと思う。
PDF形式のファイルをご覧いただく場合には、Adobe社が提供するAdobe Readerが必要です。
Adobe Readerをお持ちでない方は、バナーのリンク先からダウンロードしてください。(無料)