令和3年度広島県留置施設視察委員会活動状況について
印刷用ページを表示する掲載日2022年6月30日
委員会の活動状況
視察期間・回数
令和3年7月28日から11月17日までの間の全6回
視察場所・方法
県下の10留置施設を2人1組で視察
面接状況
被留置者3人と面接を実施
会議の開催状況
第1回 令和3年6月30日
第2回 令和4年2月 ※書面決議による
委員会からの主な意見・要望及び措置状況
被留置者の処遇に関するもの
意見・要望事項 | 措置状況 | |
1 | 居室内で手紙を書くとき等のために机を導入してはどうか。 | 危険物とならないよう段ボール等を使用した簡易机について他県で導入例があり,これらを調査研究し,当県においても導入を検討し,一部試行中。 |
2 | トイレ後の手拭き用にペーパータオルを導入してはどうか。 | 現状は,施設によって自弁購入又は差入れのハンドタオルの持込みとしている。ペーパータオルも検討したが,コスト面や管理面を考慮し,ハンドタオルを一律に配布した。 |
3 | 各居室から時計が見えるように設置してはどうか。 | 一部の居室内から時計が見えなかったので追加設置した。 |
4 | 発達障害のある被留置者の処遇等について,臨床心理士のような専門家に相談できるシステムを構築できないか。 | 現在,嘱託医や主治医と連携し必要に応じて心療内科部門の受診も行い,処遇等に反映している。意見を踏まえ,今後,発達障害等について相談できる仕組み作りについても検討していきたい。 |
施設設備・物品等に関するもの
当面の対応を求めるもの
意見・要望事項 | 措置状況 | |
1 | 被留置者用の布団同士が接触しないよう,布団庫内に棚を設置してはどうか。 | 布団を上下に積む場合は,間にシートを挟むなどして対応しているが,より分隔を徹底するため,布団庫内に簡易な棚を設置することで対応中。 |
2 | 換気の必要性を見える化するためCO2測定器を設置してはどうか。 | これまでは,各警察署に配備された測定器を持ち回りで使用していたが,意見を受け,常時測定できるよう,全留置施設に設置することとした。 |
3 | 床面に排水用の溝があり,躓くと危ないので対策できないか。 | 意見のあった警察署では,排水溝を使用していないため,溝を埋めて床面を平らにした。 |
4 | ひげそり用の鏡の位置が高く使いにくいのではないか。 | 当該施設は,鏡の位置がやや高く,小柄な被留置者には使いにくいことから,低い位置にも追加した。 |
5 | 調味料と常備薬が一緒に保管されているが,別保管の方が良いのではないか。 | 調味料は冷蔵庫保管とした。 |
6 | 掃除用具と洗面器を一緒に保管しているが,別にした方がいいのではないか。 | 意見のとおり別保管とした。 |
7 | 常備薬の使用期限についてはリストを 作成するなどして管理しているが,リ ストが更新されていないものがあった。 |
直ちにリストを更新するとともに,全留置施設に注意喚起した。 |
8 | 面会室の被留置者用の机が狭い。 | 留置施設によってカウンターの幅は約20cm~30cmと違いがある。カウンター自体の改修は構造上の問題やコスト面から難しいため,幅の狭い施設では,簡易机の天板を使用することで対応したい。 |
将来的な改善について検討を求めるもの
意見・要望事項 | 措置状況 | |
1 | 高齢の被留置者が増えており,トイレを洋式化するなどの配慮が必要ではないか。担当官が水を流す構造となっているトイレは改善を検討できないか。 | トイレについては基礎,配管工事を伴い,便器は専用物品であり,相当なコストと改修期間が必要となるため,会計,施設部門と協議調整を行いつつ,警察施設建築時,改修時のほか計画的な改修を検討していきたい。 |
2 | 運動場にストレッチの解説等を掲示してはどうか。 |
他県の導入例等を調査し,有効なものがあれば予算要求するなど対応を検討する予定。 |
3 | 運動場の鉄製柵の劣化がひどく,落下の危険性も懸念されるので,署員による塗装のみでなく,業者の修繕としてはどうか。 | 施設部門とも連携し,修繕を検討していく。 |
職員の勤務環境に関するもの
意見・要望事項 | 措置状況 | |
1 | 担当官用休憩室のエアコンが古いので計画的に更新を検討されたい。 | 当該施設は,現時点で性能に問題はないが,相当の年数が経過していることから,所属施設において,計画的に更新を進めていくこととしている。 |
2 | 女性担当官は人員が限られており,家庭の事情で休むのが困難になっているので今後の検討とされたい。 | 警察署等で補勤者を指定して運用していくほか,女性専用留置施設等における女性警察官の配置について,人事部門に配慮を引き続き依頼していきたい。 |