平成29年9月25日(月)午後4時00分から午後5時30分までの間
広警察署講堂
協議会委員 楠会長以下8人
警察署 署長以下16人
前回の警察署協議会では,警察の方から特殊詐欺の防止・高齢者の交通事故防止の取り組みについて説明があり,委員の方からは活発な質疑や意見交換が行われ,大変,有意義な会議でした。本日は,協議会の後に,女性警察職員の皆さんとの意見交換会が開催されるとのことであり,女性警察職員の皆さんが,どのような視点に立って活動されているかなど,話を聞かせていただくことを大変楽しみにしております。本日の協議会が実りある有意義な会議となるよう祈念いたしまして,私の挨拶とさせていただきます。
前回と同様,積極的な質疑や意見をお願いします。本日は,特殊詐欺被害防止向けた新たな取り組みと警察安全相談業務の現状などについて説明させていただき,委員の皆様からは忌憚のない意見をいただいて,参考にさせていただこうと思います。
また,本日の警察署協議会には警察学校を卒業したばかりの2名を見学させ,協議会の後には女性警察職員との意見交換会を開会します。将来の警察活動を担うのは,この若い人たちや女性警察職員であり,今後の警察活動について参考になることや耳の痛い話も含めて聞かせていただきたいと思います。
特殊詐欺被害の認知は,本年8月末現在で,
○県警全体
274件(前年同期比129件増)
6億2,964万円(前年同期比7,737万円増)
○広署管内
7件(前年同期比1件増)
498万円(前年同期比1,740万円減)
※8月中の還付金詐欺はゼロ件,架空請求が増加傾向
○「かもめ~る」を活用した啓発広報
初の取組みとして,広郵便局ほか協賛35の企業・団体,呉豊ライオンズクラブの協力により,広郵便局管内や豊町の高齢者世帯等に啓発広報ハガキ(かもめ~る)を発送しています。
○児童からの安全・安心お便り大作戦
「敬老の日」の取組みとして,管内の全小学校(15校)の6年生児童が,安全・安心メッセージをハガキに書いて発送しました。
○コンビニエンスストア等の連携
コンビニエンスストアにおいて,電子マネーを購入し,または現金を宅配便で郵送する被害を防止するため,管内のコンビニエンスストア37店舗に対し,注意喚起のカードとバインダーを配布し,利用者に対する声かけを促進しました。
○過去6年間,平成28年まで,県警全体で増加が続いています。
当署は,平成28年1,169件と前年より156件減少しましたが,高止まり状態です。
○本年7月末現在,当署は755件(前年同期比96件増加)で,1日にすると平均約4件の相談を受理し,その半数がDV・STなど将来事件に発展する恐れのある相談です。
○地域社会の連帯感の希薄化により増加傾向にあります。
○将来,犯罪に発展するおそれがある人身安全事犯や身に危険が及びそうな事案などは,日ごと,週,月1回の間隔で連絡を取り合っています。
DV相談の中には,相談を継続していても,相談者と連絡が取れなくなり,連絡が取れた時には仲良くなっているような場合もあります。
○DV相談では,相談者の保護や避難を最優先し,事案の軽重に応じて,相手方に警告したり,親や親族に仲を取り持たせたり,相手方を逮捕して,留置している間に相談者を施設や親元に避難させたり,相手方に警告し,相談者を親元などに避難させるなどの対応をしています。
○親子間の相談では,親への恨みなど根が深く,繰り返されて出口が見えないことがあります。将来的に大きくなる前に連鎖を断つように対応しています。
●警察署協議会委員(意見)
以前,他県で,警察に相談していたにもかかわらず,女子大学生が殺害されたという事件がありました。
それぞれ,状況は違うと思いますが,殺人などの被害まで至らないところで止まっている事もあると思います。
平和的に解決出来るかどうかは紙一重と思いますが,相談を受けた際に,どう判断され,どのような対応をとられていますか。
○生活安全課長(説明)
恋愛に起因する相談は,どう展開するか予測出来ない面があります。
お互いを分離する対応をとっていますが,当事者に危機感の無い方もおり,避難しない方もいます。
相談に強制力は無いので,本人の意思を排除出来ない難しい面があります。どの事案が凶悪化するかわからない状況で,相談者本人が協力的でなく,無防備,何も手だてをしない時は困ります。
○刑事課長(説明)
相談の段階で,事件性が有れば,即,対応し,刑事課員を現場に行かせています。
現行犯であれば逮捕し,被害届をしぶる相談者に対しては,説得して被害届を出してもらうように対応しています。
警察留置は48時間で,その後検察庁に送り,裁判官の判断も加わります。
その後,被害届が出ないとなると隔離する時間は短くなります。
○署長(説明)
広署では,刑事課・生活安全課の連携が出来ており,両課が機敏に対応しています。
相手方の動きにより,刑事課が事件化又は警告を行い,生活安全課は相談者の保護や避難を優先して対応しています。
相手側を検挙して,警察留置の48時間の間に,相談者を避難させて,相手方と相談者を離すという対応をしています。
●警察署協議会委員(意見)
マグネットを冷蔵庫の扉に貼り付ける家庭が多いことから,特殊詐欺被害防止の内容を表示したマグネットを配布したらどうですか。
何度も冷蔵庫を開け閉めすることから,マグネットが目にとまり効果があると思います。
また,行事予定などのチラシの余白も広報の媒体になります。
●警察署協議会委員(意見)
住民は,自治会の行事を見るのに,頻繁に自治会の掲示板を見ることから,自治会の掲示板に特殊詐欺のチラシやポスターを貼るのが効果が高いと思います。
○生活安全課長(説明)
これまでにも,マグネットに被害防止の広報を表示したグッズを配布したことがあり,これからも機会あるごとに配布していきます。
掲示板のチラシは,各地区に配布していますが,長期間掲示してある箇所もありますが,そうでない地域もあります。
●警察署協議会委員(意見)
特殊詐欺の発生を呉市の防災無線を使って広報していますが,地域まで特定して広報した方が,市民の関心も高まるのではありませんか。
○生活安全課長(説明)
防災無線の広報は被害者の意向に沿っており,広報する前には被害者に広報の承諾を得ています。
町名や地区まで広報すると,被害者個人が特定されるおそれもあることから,広報することは難しいです。
警察署協議会委員からの要望により,女性警察職員との意見交換会を開催しました。
各委員から女性警察職員5人(初任科第231期卒配1人含む)に対し,
○警察官の志望動機
○採用前と採用後の警察に対するイメージの違い
○男性警察官と女性警察官の違い
など,活発な質疑がありました。
委員からは
「男社会の中で働く女性警察職員が,何を思い,どのような活動をしているかを知ることができ,警察の中で女性の活躍が求められていることを理解しました。」
旨の意見があり,警察活動の理解が深められました。