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命の環つなげる 八幡湿原自然再生事業 ~霧ヶ谷湿原の動物~

印刷用ページを表示する掲載日2011年12月1日

霧ヶ谷湿原の植物へ

霧ヶ谷湿原の動物

 
ヒロシマサナエ  Davidius moiwanus sawanoi
ヒロシマサナエ体長は約45mm。体は黒色で胸や腹に薄黄緑色の斑が入る。緩やかな細流のある湿原に生息し,八幡湿原や比婆郡の湿原で確認されている。成虫は6月に見られ,流れのそばを緩やかに飛んでいる。

 
ハッチョウトンボ  Nannophya pygmaea
ハッチョウトンボ国内最小のトンボ。体長は約18mm。日当たりがよく草丈の低い休耕田や湿原に生息する。成虫は6月~9月まで見られる。名前は,矢田鉄砲場八丁目(現名古屋市矢田川)で発見されたことに由来する。

 
オオコオイムシ  Diplonychus major
オオコオイムシ体長は約25mm。湿地や休耕田などの浅い水辺に生息する。幼虫成虫とも肉食性で,小動物を食べる。雌は雄の背中に卵を産みつけ,雄は卵を保護するため「子負い虫」と名付けられた。成虫はほぼ一年中見られる。

 
カラフトゴマフトビケラ  Semblis melaleuca
カラフトゴマフトビケラ翅を開いた大きさは約60mm。湿原に生息する。本州では八幡湿原一帯と島根県赤木町の赤名湿原のみで確認されている。成虫は5~6月に見られ,夕方に湿原の樹上をすばやく飛び回る。

 
ミヤマカラスアゲハ  Papilio maackii
ミヤマカラスアゲハ翅を開いた大きさは約100mm。翅表は黒地に白~黄緑の帯が入る。山間の渓谷林に生息する。幼虫はカラスザンショウやキハダを食べ,成虫は5~8月に出現する。林道の染み出し水などに集まり吸水する。

 
ヒメシジミ  Plebejus argus micrargus
ヒメシジミ翅を開いた大きさは約28mm。雄の翅表は藍色で雌は黒褐色。湿原や草地に生息する。幼虫はマアザミなどの葉を食べ,成虫は7月に見られる。白い花を好み,オカトラノオなどの花で集団で吸蜜する姿が見られる。

 
カスミサンショウウオ  Hynobius nebulosus
カスミサンショウウオ全長9~13cm,淡褐色から黒褐色まで体色の変異は大きく,腹面に白い粉をふいたような個体も見られる。芸北地域の個体は尾に黄条を持っているのが特徴で,西日本に分布する止水性サンショウウオの代表種。湿地や水田の小溝に一対の卵のうを生みつける。約1ヶ月で孵化。幼生は「かく」と呼ばれる。標高の高い地域では越冬幼生を確認している。

 
ヤマアカガエル  Rana ornativentris
準備中体長4~8cm,雌がやや大きい。水田や湿地,その周りの林床に生息する。繁殖期は平地では2月から始まるが,芸北地域のような標高が高い場所では3月下旬から4月にかけて行われ,水田の溜りなどに大きな卵塊をつくる。最近の圃場整備事業や冬季の乾田化により繁殖環境が少なくなり,個体数は激減している。親は産卵後,再び冬眠するという。

 
モリアオガエル  Rhacophorus arboreus
モリアオガエル雄の体長は4~6cm,雌は6~9cm,樹上性の中型のカエル。指先に大きな吸盤があり,木によじ登ったり,木から木へ飛び移ったりする。全身鮮やかな黄緑色をしているが,背中の斑紋の変異は大きく,また,腹部の斑紋の変異も大きい。虹彩はやや赤みをさす。湿地や水田などの止水域に張り出した植物に,握りこぶし大の白い泡状の卵塊を産みつける。

 
カワネズミ  Chimarrogale himalayica
カワネズミ頭胴長12cm,尾長11cm。ネズミの仲間ではなく,モグラなどの食虫類に属する。渓流に生息し,泳ぐのが得意。水中を泳ぐときは,毛に気泡がつき銀色に見えるので,「ギンネズミ」とも呼ばれる。魚,カエル,水生昆虫などを捕らえて餌にする。かつては芸北地域で普通に見られたが,近年の河川改修によりすみかが奪われ,山間部の渓流でわずかに見られる。

 
アズマモグラ  Mogera wogura
アズマモグラ頭胴長12cm,尾長1.5cm。主として県北の山間部に分布する珍しいモグラ。コウベモグラに似ているが,より小型で全体に黒みがかっている。上あごの切歯の並び方はV字型。大型のコウベモグラに追われて山林に生息し,コウベモグラがすむ農耕地にはいない。臥竜山とその周辺に多く生息し,春先から初夏にかけて道路端などで死体が見られる。

 
カヤネズミ  Micromys minutus
カヤネズミの巣頭胴長6cm,尾長7cm。世界でもっとも小さなネズミの仲間。ススキやヨシといったイネ科の植物の茂る場所を好む。ススキ(カヤ)のあるところにいるのでこの名がついた。ネズミの仲間では唯一,草の上に巣を作り,草の繊維を細かく裂き,編み上げて直径約10cmの球形の巣を作る(写真)。

 
ツキノワグマ  Selenarctos thibetanus
ツキノワグマ頭胴長120cm,体重40~150kg。胸に白い三日月模様がある。広葉樹があれば民家のそばにもすんでいる。12月ごろから倒木の下や土穴などに入って冬眠する。雌は冬眠中の1月~2月にかけて普通2頭の子を産む。子は2才くらいまで母親と一緒に生活する。ミズナラ,クリ,サルナシなどの実を食べるが,春先には湿原でヒメザゼンソウの若葉を食べる。

 
スナヤツメ  Lampetra mitsukurii
スナヤツメ全長12~14cm,鉛筆大で茶褐色。繁殖期には金属光沢を発現する。口は丸く吸盤状。鰓穴は体側頭部に7つあり,目とあわせて8つあるように見えることから,ヤツメ(八つ目)の名がある。孵化後3年間は川底の泥中で幼生期を過ごし,4年目の春にかけて変態し,成熟する。繁殖期は初夏,砂礫底で産卵・放精し,親は死ぬ。

 
ゴギ  Salvelinus imbrius
ゴギ全長10~20cm。西中国山地・中央中国山地の最上流域に封印されたイワナの地方個体群。背部に瞳大の白斑が散在し,特に頭部まで及ぶことでイワナと区別される。文献によると太田川水系の個体は明治年間に波佐川水系より移入されたという伝承があるが,江戸末期に書かれた芸藩通志には芸北地方における本種(呉岐)の記述が残っている。

 
ノゴマ  Erithacus calliope
ノゴマ全長16cm。北海道に夏鳥として渡来後,渡りの時期には本州以南の各地を通過する。雄はのどが赤い。低木のまばらに生えた草原を好む。

 
ミヤマホオジロ  Emberiza elegans
ミヤマホオジロ全長16cm。冠羽を持ち,黄色い眉とのどが目立つ,林にいるホオジロ類。主としてロシアや中国,朝鮮半島で繁殖し日本に冬鳥としてやってくるが,国内でも少数のものが対馬と臥竜山麓で繁殖している。林の中の空き地や山道,林のへりなどの地上をはね歩いて移動しながら,地上に落ちているイネ科,タデ科などの草の実やマツの種子などを拾って餌にしている。

 
ノジコ  Emberiza sulphurata
ノジコ 全長14cm。目の周りが白く,黄緑色をした日本特有のホオジロ類。本州の主として中部地方以北の山地で局所的に繁殖し,西部では兵庫県の繁殖記録がある。繁殖期には標高1,000m以下の山地の,湿地のハンノキ林などの落葉広葉樹林やカラマツ林などでやぶのある明るい林に棲息する。

 
アトリ  Fringilla montifringilla
アトリ全長16cm。冬鳥として山際の農耕地や牧場などに多数渡来する。10月初旬に渡来し,このころは数百羽の群れが見られる。山でブナの実を食べたり,水田で落ちている籾を食べたりする。積雪と共に見られなくなり,雪解けと共に再び現れる。

 
ベニマシコ  Uragus sibiricus sanguinolentus
ベニマシコ全長15cm。冬鳥として牧場や草原などに渡来する。雄の体が赤いのでこの名がついた。数羽の群れで生活し,ヨモギやハギ,エノコログサなどの種子を食べる。「ピッポ,フィフィ」と口笛のような声で鳴く。積雪してもヨモギなどの草が出ているうちは留まっているが,完全に雪に覆われてしまうと移動する。渡来年数はあまり多くないが,毎年やってくる。

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