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体験学習法について 1

印刷用ページを表示する掲載日2011年11月22日

1.体験学習法とは…

 『体験学習』という言葉は、学校教育において「生活科」や「総合的な学習の時間」の導入に伴い、日常的に耳にするようになりました。一般的に、「体験学習」と言えば、日常的な学習環境である教室や職場などにおける一方的な知識の伝達とは異なる環境での体験を通して、態度変容や問題解決の能力などの学習効果を期待するものを総称しています。
 例えば、農村での田植えや収穫体験、青年の船などの洋上研修も体験学習をしたとされていますし、学校教育では、児童の発達段階に応じた動物の飼育、植物の成長観察も体験学習とされている例もあります。 
 その中で『体験学習法』とは、何らかの体験をすれば、そのことだけで学習したとするものではなく、 
今、ここでの体験によっての気づきにこだわり、共に体験した人と気づいたこと、感じたことをわかちあい、その解釈から学びを深めて、次の行動へと生かしていく循環過程として構造化される教育法を表します。
 「体験をしたらそれで良い」というものではなく、その体験をふりかえり、体験者相互でわかちあうことで、その学習効果は高まります。環境学習の場においては、この体験学習法に基づいて学習展開をすることで、参加者自らが気づき、学び、行動できるという循環が生まれます。
 体験学習法は、以下のことを念頭において実施しましょう。

(1)参加者中心の学習

 あくまでも参加者中心の学習法。
 進行役は、学習の場の設定、当初の課題などの準備を行い、指導ではなく、学習促進のための援助的な役割を担う。また体験の内容そのものに介入せず、体験したことの明確化や概念化の段階において関わる。

(2)気づきを概念化する

 体験は、気づきや感じたことの確認や解釈に終わるのではなく、理論との統合によって概念化(仮説化あるいは一般化)されて、実際の適応や新しい状況での試みに生かされる。

(3)学び方を学ぶ学習

 体験学習法は、学ぶことによっての知識の蓄積を行うものではなく、「学び方を学ぶ学習」の場である。
 参加者が体験学習を通して、自分自身で主体的な学び方を身につけることで、実生活の中で「体験→ふりかえり→わかちあい→実践」という循環過程が生かされてくる。

これだけは知っておこう!のイラスト

これだけは知っておこう!  

2.体験学習法の循環学習プロセス

 体験学習法で大切なのは、体験を学びに結びつける『循環学習のプロセス(過程)』です。
 体験学習で言われている「導入→体験→ふりかえり→わかちあい→実践および次の体験へ」という流れを踏まえた上で、「ふりかえり→わかちあい」の段階で単に感想を披露し合うだけではなく、

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ポイントは?

 今ここで何を体験して、
 その体験で自分に何が起こったのかを見つめ、
 自分および自分と他者、自然との関わりについて考え、
 その結果を自分なりにまとめてみる

ということを参加者自身が感じられる(考えられる)ことが大切です。

体験学習法の循環学習プロセス

この循環学習プロセスを積み重ねることによって,参加者個人の意識や行動が変容します。 

3.体験学習法の留意点

 体験学習という手法を使う目的は、参加者が体験を通して学ぶための援助をするということです。そしてその経験から得たスキル(技術)、考え方、姿勢、行動力などを、将来起こりうる状況に応じて、参加者自身が対応できる力をつけることです。
 指導者は、体験学習を通して、個人またはグループが達成すべき目標(方向性、目的、ねらい)を明確に設定する必要があります。なぜなら、どのような目標で実施したのかがわからなければ、その体験によって、参加者の知識や価値観、心構えなどがどこに到達したのかもわからないからです。
 この目標を考える際に、以下の点に留意しましょう。

今回の体験の目的は?イラスト
今回の体験の目的は?

◆精神面、身体面でのスキルの統合

 頭での知識(課題解決におけるメンタル面のスキル)と身体知能(身体を使った学習)を統合させる。
 知識を実際の活動を通しての学習に統合すること。

◆事実、概念、原則の理解

 今、地球上で何が起こっているのかなどの事実や食物連鎖に見られるような自然の法則などの、概念についての理解を深める。

◆課題の達成プロセス

 個人およびグループの力を結集して、いかにして課題を乗り越えるか。
 そのプロセスやかかわりの質的なことを問う。

◆心構えや価値観を育む

 自然環境に対する姿勢や価値観を育む。
 直接的に関わらない自然に存在する生命体も、「生態系の一部であり、人間にとって必要不必要に関わらず生命体がある」といった存在価値観を考える機会になる。

◆他者とのコミュニケーション能力

 学習者自身の気持ちに「気づく、大切に思う、ユーモアのセンス、適度なリスクを負える、素直に人からフィードバックを受けられる、自分自身の求めているニーズを認識する」などの能力に関わって、他者とのコミュニケーション能力を自己評価する。
体験学習の指導者は,学習者の援助という役割になります。目標を明確にして,その目標が達成できるようにしたいですね。

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