医薬品,医療機器等の品質,有効性及び安全性の確保等に関する法律(昭和35年法律第145号,以下「医薬品医療機器法」という。)上の製造販売承認を得る目的で、医薬品・医療機器の有効性・安全性をヒトで評価するための臨床試験が「治験」であり、そのルール、方法、報告書のまとめ方なども医薬品医療機器法やさまざまなガイドラインによって規定されています。
さらに、実施するに当たってはそれぞれの医療機関の治験審査委員会(IRB)の承認が必要となります。
臨床試験はその目的から、安全性や体内動態を中心に調べる臨床薬理試験(第I相)、安全性を確認しつつ有効性の瀬踏みをする探索的臨床試験(第II相)、それまでに得られた有効性・安全性の仮説を検証する検証的試験(第III相)に分類され、通常この順番で展開されます。
また、市販後に行う市販後臨床試験(第IV相)は、承認された適応、用法・用量の範囲内で行うため、治療的使用に分類され、有効性と安全性にかかわるさらなる情報の収集を目的とします。
ここでは, 「第I相試験」、「第II相試験」、「第III相試験」について解説しますが,これらの実施基準として、「医薬品の臨床試験の実施の基準に関する省令」(平成9年厚生省令第28号,「GCP省令」と略されます。)が定められています。
この試験では少量から始めて少しずつ量を増やして行き、安全性について検討します。また、からだの中でどのように吸収され、どのように作用して、どのように体外に排泄されるかを確認します。ここで人にどれくらいの量を投与するかの見当をつけて次の相に移ります。
この試験では、少数の患者さんを対象に有効性と安全性、そして投与量・投与方法について確認します。ここでどのくらいの量を投与すれば効き目があり、かつ副作用が少ないか、くすりの投与量を決めます。
この試験では多数の患者さんを対象に、既に多くの患者さんに使われているくすり(標準薬)と比較することで、有効性と安全性を確認して、総合的にどれくらい人にとって良いくすりか(有用性)を確認します。
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