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GCPについて

印刷用ページを表示する掲載日2015年9月1日


 人を対象とした臨床試験の実施は「GCP(Good Clinical Practice)」という規制に従い行われます。この「GCP」は「医薬品医療機器法」に定められた厚生労働省令です。「GCP省令」とも呼ばれます。
 この「GCP」に違反した場合は法令違反となり処罰の対象となります。
 「GCP」の大前提は、治験の対象となる患者さん(被験者と呼びます)の倫理性に最大限に配慮して、人権の保護と安全性を確保すること、そして試験が科学的に実施されることです。「GCP」の中で重要なことは、実施される試験がどんな内容で、どれくらいの期間で、どのようなメリットが期待され、どのようなデメリットが予測され、そして被験者の自由意思で参加することを十分な説明を受けた上で、被験者が納得して同意することです。このように十分に説明を受けて、納得して同意することを治験では「インフォームド・コンセント(説明と同意)」と呼んでいます。
 このインフォームド・コンセントは「文書」による取得が義務付けられています。この文書にはいつ誰が説明をし、いつ同意したか、また試験途中で試験への参加を止めた場合でも患者さんには一切の不利益がないことが明記されています。

 このように「治験」は法律の規制のもと、倫理性に配慮され、科学的に実施されていますので、安心して参加できます。新しいくすりの開発は多くの方の長い歳月の努力がありますが、被験者の協力なしではなり得ません。より良いくすりを、いち早く患者さんの手元に届けたい、この思いに支えられています。

 GCPについては厚生労働省のホームページで公表されていますが、ここではポイントをご説明します。 

治験の国への届け出

治験を依頼する治験依頼者(主に製薬企業)は、治験責任医師と合意した「治験実施計画書」を厚生労働省に届け出ます。届け出を受けた厚生労働省はこの内容を調査し、問題があれば変更等の指示を出します。

治験審査委員会での審査

治験審査委員会(IRB:Institutional Review Board)では「治験実施計画書」が科学的に行われ、かつ参加される被験者の人権保護に配慮されているかなどについて審査します。また、治験を担当する医師は適切に実施する要件を満たしているか、などについても審査します。この治験審査委員会は、専門委員や非専門委員、そして医療機関と利害関係のない者の参加などGCPで定められた設立要件があります。また、審査結果を無視して治験の実施はできません。

治験に参加する被験者への説明と同意取得

治験では、同意が得られた被験者のみ参加できます。治験の目的、方法、期待される効果、予測される副作用、治験に参加されない場合の治療法、そして途中で参加を取りやめた場合に不利益を受けないことなどを文書で説明をし、患者さん(被験者)の自由意思により文書による同意を得なければなりません。治験では、十分な説明と同意を得ることを「インフォームド・コンセント」と呼んでいます。非常に重要なポイントとなるものです。

重大な副作用の報告

治験依頼者は治験中に発生したこれまでに知られていない重大な副作用は国に報告しなければなりません。また、治験に参加されている被験者の安全を確保するため必要に応じて治験実施計画の見直しなどが行われます。

治験が適切に行われていることの確認

治験依頼者のモニターは、治験が「治験実施計画書」やGCPを遵守して適正に行われているか確認をします。

 
 このように「GCP」では治験依頼者や治験実施医療機関及び治験担当医師等が遵守すべき事項が詳細に定められています。また、治験に参加する被験者の人権の保護に最大限に配慮するよう定められています。

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