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平成22年10月30日(土曜日) 県政知事懇談で熊野町を訪ねました

印刷用ページを表示する掲載日2010年10月30日

 広島県では,CO2を排出しない電気自動車の普及を目指した「ひろしまEVタウン推進事業」を行っています。この事業は,レンタカー会社においてカーシェアリングやレンタカー用として,広島,福山,尾道市内等に電気自動車を配備し,併せて急速充電器施設の設置を行ったものです。今日は,この電気自動車を使って,県政知事懇談「湯崎英彦の宝さがし」として熊野町を訪れました。当然,走行中はエンジン音もなくて静かでしたし,乗り心地も快適でした。皆さんも,電気自動車,ぜひご利用ください。

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 はじめに,筆の街交流館「K-JIN(ケイジン)」に伺いました。こちらは,町内初の観光案内施設で,旧役場の建物で,その後筆工場となっていたものを活用して,今年9月に熊野町が設置されたものです。この日は,ちょうど「ありがとう絵手紙展」が行われていて,たくさんの方が展示を見に来られていました。また,初めて化粧筆づくりにも挑戦させていただきましたが,筆の毛を揃える段階で必要以上に抜いてしまい,余り上手くいきませんでした。指先の感覚が研ぎ澄まされていないと出来ない,正に職人技ですね。

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 次に,熊野町民会館前で行われていた花いっぱい活動を訪れました。こちらでは,花づくりを通じて,健康増進や地域活性化を推進することを目的に活動されており,町民の心のオアシスとなることを目指しておられるそうです。県でも,アダプト活動というものがありますが,こちらでは地域の方々が自発的に行動されていて,地域への愛着も一層深まることでしょう。今日は,パンジー,チューリップ,スイセンの植え付け作業が行われていて,私もちょっとお手伝いしました。

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 次は,熊野筆会館を訪問し,熊野筆マイスタースクールを見学させていただきました。熊野筆は,全国生産の約8割を占める伝統的工芸品で,江戸時代末期に農閑期を利用して生産・販売を行うようになったことが始まりと言われており,広島藩の生産奨励,教育の普及等に伴って発展し全国一の産地となったそうです。いずれの伝統的工芸品の場合もそうですが,熊野筆もやはり後継者不足が課題とのこと。このスクールでは伝統工芸師の方が技の伝承を行っていらっしゃいましたが,同じ材料でも作り手によってまた別の毛筆が出来上がるのだそうです。書家の方にも色々な好みがあるのですが,幅広いニーズに応えられているという点が面白いですね。

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 最後は,筆の里工房で開催中の「陽明文庫・国宝展」を見学しました。今回の特別展は,京都の陽明文庫から国宝8点,重要文化財9点を含む50点が展示されており,非常に見応えがあるものでした。私も最近,決裁時のサインを筆を使って行うようにしたのですが,歴史上の大書家の作品を見ていると,いかに精神統一して書かれた文書なのかがよく分かります。

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 午後から,筆の里工房ギャラリーホールで,県政知事懇談を行いました。今回感じたのは,とにかく熊野町の中心には「筆」があるということです。熊野町は広島地域のベッドタウンとして新たに移り住んで来られる方が増えているとのことですが,新たな住民と旧来からお住まいの方との間にも,根底に「筆の里・熊野町を愛している」という気持ちがあるため,地域の一体感が生まれやすいとのことでした。また,参加していただいた高校生の岩井さんは,将来は書家となって熊野町で活躍したいと夢を語ってくださいました。熊野筆は,もちろんそのものが重要な産品であり「宝」なのですが,その筆を介して生まれる地域愛もまた熊野町の「宝」なのですね。

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 さて,懇談会終了後いつもテレビ局のボードに一言書くのですが,今回は毛筆で,と依頼され,書いてはみましたが,なかなか上手くはいきません。取材後,岩井書道部長さんに書道をご教授いただきました。

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