平成２２年９月４日（土曜日）　県政知事懇談で江田島市を訪ねました

　雲ひとつない真っ青な空，翡翠色に輝く海，空と海の境を濃緑色の島々が縁取る美しい瀬戸内の景観。今日は，第１４回県政知事懇談「湯崎英彦の宝さがし」として，江田島市を訪問しました。連日猛暑日が続いていますが，今日も，暑くなりそうです。

　はじめに，大柿町大君の江田島ふるさと市場を訪問しました。ここは，今年３月から，国の支援制度を活用して，観光振興や地域の活性化を目指して，地元の魚介類や野菜，特産品を販売するために開設された市場です。今はテント等を並べてお店を設けておられますが，将来的には常設の道の駅として設置することを目指しておられるとのこと。販売されている野菜や魚は，どれも新鮮で美味しそうでした。私の好きなメバルもありました。

　さて実は，今日の視察は，第一土曜日で広島県の「環境の日」であること，そして最近，江田島をサイクリングで周遊する方が増えており，市観光協会で「サイクルアイランド江田島プロジェクト」も進められているとのお話をお聞きし，急遽，自転車を使っての移動とすることにしました。先導いただいた滝田一郎さんは，江田島市観光協会が行った全国公募によって事務局長に就任された方で，現在，江田島の観光ＰＲなどに積極的に取り組んでいらっしゃいます。

　次に，能美町鹿川の白地水産を訪ねました。こちらでは，平成１９年に最新の加工・冷凍技術を取り入れた工場を新設され，従来のイリコや乾燥カキ等の乾物加工から，鮮度を活かした水産加工品（シラス，冷凍カキ，冷凍小イワシ）の製造を行っておられます。シラスやイワシ等は季節や気候によって脂の乗り具合等が異なるため，水揚げされる度に魚の状態を丁寧に確かめ，どういった加工をするのが最も美味しいか判断されているのだそうです。また，何時の時期にどの市場で売るのが最も評価が高いかをしっかりと見極めて出荷されており，経営力の高さにも感心させられました。

　次は，沖見町岡大王のグリーンファームを訪ねました。こちらでは，広大な温室で吊り下げ式の栽培床を使ったトマトを栽培されています。こちらも，経営者の方はＵターンされた方で，地元農業者と共同して大規模栽培に取り組まれているものです。お伺いした時には，トマトは未だ青くて小さかったのですが，これが真っ赤に熟した時には，温室全部が真っ赤になって壮観なことでしょう。主に広島市内向けに出荷されているということで，こちらでもしっかりとターゲットを絞った農場経営を行っておられました。

　この後，サンビーチ沖美まで本日最後の自転車移動。左にビーチを見ながらサイクリング，実際に走ってみると瀬戸内海が世界的に評価が高い景勝地であることを実感できる素晴らしいコースです。しまなみ海道ももちろん素晴らしいですが，江田島は，白い砂浜とエメラルドグリーンの海をより間近に感じることができる夏向きのコースですね，是非，皆さんも走りに来てください。しかし，暑かった！です。

　次は，ＮＰＯ法人ブリコラージュ江田島が整備された夢来来（ゆめきらい）を訪問しました。こちらは，交流定住を図ることを目的に，江田島への移住希望者・観光客等の交流の場として設置されたものです。宮島の南側が見渡すことができる展望台やウッドデッキ等を手作りで整備されています。展望台から見える宮島の向こうに沈む夕日は，特に美しいそうです。こちらも他県或いは広島市内から移り住まれた方が主となって活動されており，定住希望者への情報提供等に取り組んでいるとのことでした。

　午後からは，沖美ふれあいセンターで，県政知事懇談を行いました。今回も，幅広い分野からご参加いただきましたが，江田島へ移り住んで来られた方が多くいらっしゃったのが印象的でした。すぐ目の前の海でとれる新鮮な魚介類，温暖な気候に合った野菜や果物，それらを育む豊かな自然，明るく開放的な人柄，江田島はこれらの宝が凝縮しています。この素晴らしさが余りに身近すぎて気づかない，そういったこともあるかと思います。そうした素晴らしい面を外の人たちが見付け移り住んで来られる，合わせて，江田島の方々も地域の良いところを再発見し，工夫して広くアピールして行こうという新しい動きが出ているように感じました。いわゆる田舎暮らしのニーズは全国的にも増えていることから，今後，江田島地域での取組が上手く進んでいくことを期待しています。