【解説】
南北朝時代の貞和4年(1348)住持頼秀のとき,一文勧進小資(いちもんかんじんしょうし)を積んで造られた五重塔。純粋の和様でよく整った外観と雄大な手法によって,南北朝時代を代表する建築の一つと言われている。
内部は一重目中央に壇が設けられ,心柱が二重目から立ち上がる特異な構造である。壇周囲の壁板に真言八祖行状図,四天柱には金剛界三十七尊,なげし天井などには,唐草文・花鳥・飛天などが描かれているが,当初の彩色をこれほどよく残した塔は他に類例がない。
なお,中世の港町・市場町の遺跡である草戸千軒町遺跡(くさどせんげんちょういせき)は,この明王院の東側山麓を流れる芦田川の中州にあった。
名称 | 明王院五重塔 | |
---|---|---|
よみがな | みょうおういんごじゅうのとう | |
指定 | 国指定 | |
種別 | 国宝 | |
種類 | 建造物 | |
所在地 | 福山市草戸町 | |
員数 | 1基 | |
指定年月日 | 大正2年4月14日(重要文化財指定) 昭和28年3月31日(国宝指定) |
|
構造形式 | 三間五重塔婆,本瓦葺 | |
法量 | 高さ29.14m | |
公開状況 | 外観は常時公開(内部は非公開) | |
交通案内 | ○JR「福山駅」から「尾道方面行」バスで国道2号線の「神島橋」下車,芦田川沿いに南に約800m(芦田川土手から西側の山裾に五重塔が見える) | |
関連施設 | 名称 | 広島県立歴史博物館 |
開館時間 | 9時~17時(入館は16時30分まで) | |
休館日 | 月曜日(休日の場合は開館),12月28日~1月4日 | |
入館料 | 一般290円(220円),大学生210円(160円)高校生まで無料 ※( )は20人以上の団体,企画展・特別展は別料金 |
|
所在地 | 福山市西町 | |
電話番号 | 084-931-2513 | |
交通案内 | ○JR「福山駅」から西へ約400m |