今回は,広島県減らそう犯罪・なくそう交通事故パートナーシップボランティア登録団体でもある青崎地区青少年健全育成連絡協議会「子ども見守り隊」のメンバーで,長年「わんわんパトロール」を実践している塩田涼子さんを取材しました。
※ わんわんパトロールとは,犬の飼い主の皆さんが,日課としている愛犬との散歩の際に,子どもの見守りやパトロール中であることを示す帽子・ベストなどを着装し,周囲にちょっと気を配りながらふだんの散歩コースで地域を見回るというもので,どなたでも気軽に無理なくできる愛犬とのパトロールです。
![]() わんわんパトロール実践者の塩田涼子さんと愛犬の「ハルト」 |
![]() 圧倒的な存在感だけでなく「やさしい」イメージが漂うホワイトスイスシェパードのハルト |
![]() 周囲に目を光らせながらパトロール開始です。 |
![]() ハルトは家庭犬訓練試験中など科(CD2)を取得しています。 |
![]() ハルトは子ども達の人気者。たちまち下校中の子ども達に囲まれました。 |
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![]() ハルトは子ども達が大好きです。子ども達に撫でられて嬉しそうにしています。 |
![]() 「4月には新1年生が入学するので,気を引き締めていきたい」と話される塩田さん。 |
まず一緒にパトロールをする犬について教えてください。
一緒にパトロールをしているのは,6歳のホワイトスイスシェパードの「ハルト」(オス)です。
活動の契機を教えてください。
単なる犬の散歩でなく,「わんわんパトロール」として活動を開始したのは,4年くらい前からです。きっかけは,子どもの見守り活動などを熱心にされている青崎青少協会長の高橋さんから活動を勧められたことです。ほかの件で高橋さんにお会いした際,私が大型犬を飼っていて日に数回散歩をしていることを聞いた高橋さんが,どうせ地域を歩いて回るのなら,パトロール活動を兼ねてみたらどうかと言われ,「わんわんパトロール」を始めたのです。
この地域でほかに「わんわんパトロール」をされている方はいないと聞いたのですが,活動を開始するにあたって,自分自身に抵抗などありませんでしたか。
もともとこのハルトは,セラピードッグ(触れ合いや交流を通じて,人の不安を減らし気力を高め,心と体を癒す働きをする犬)として飼い始め,訓練をした後,セラピードッグのサークルに入って老人ホームを慰安するなどの活動をしていました。しばらくしてそのサークルがなくなり,活動の場がなくなったのですが,そんなときに高橋さんからパトロール活動を勧められましたので,「地域に何かしら役に立てて,ハルトの活躍の場もある」と考え,何の抵抗も無くすぐに活動を開始しました。
具体的にどんな活動をされていますか?
ハルトと散歩する際,「子ども見守り隊」の帽子やベストなどを着装して,子どもの見守りや地域の安全点検を兼ねてパトロールを行っています。
パトロールは日によって多少の違いはありますが,1回につき1時間前後,1日3~4回行っています。時間帯はおおむね朝1回,昼1回,夕方から夜間にかけて1~2回です。
パトロールのコースは数種類あり,犬の体調,時間帯,周辺の状況などによって長さを調整しています。
パトロールの際,気をつけていることはありますか。
時間帯によってコースを変えたり,着目する点を変えたりしています。子ども達の下校時間帯では子どもの見守り活動を主に行っています。ただ下校時の見守りは,「子ども見守り隊」のメンバーが多数行っていますので,私はどちらかというと,見守り隊の目が届かない脇道などを重点に歩いています。夏は子ども達が学校から帰った後に外で遊ぶことも多いので,その時間帯にパトロールをします。
そのほかの時間帯では,意識して人通りの少ない道などを選んで歩きます。人目が届きにくい駐車場なども通って,ふだんと変わったことがないかなども注意しています。夜間は街道灯の状態なども点検しています。そのほか,不審火があった場所や賽銭盗があった神社をコースに入れるなど,時期や地域の状況によってコースを変えたりしています。
パトロールで何か気づきますと,緊急の場合を除いて何でも会長の高橋さんに連絡をしています。
一人で人気のない場所をパトロールされるのに,不安な点はないですか。
ご覧のとおり,ハルトは大変大きな犬です。このハルトと一緒ですと,怖いことは何もありません。ただし,ハルトはある程度訓練も受けていて,とても大人しい犬ですよ。
活動に対する思いを教えてください。
活動を始めたきっかけは高橋会長から勧められたことからですが,私自身,平成17年に安芸区で発生した女児殺害事件に大変ショックを受けていました。子ども達の安全のために,少しでも役に立てればとの思いで活動しています。
また,私はこの地域で周りの人に助けられながら成長しましたので,地域に恩返しをしたいという思いもあります。
工そのされていることはありますか?
工そのというわけではないですが,通りすがりの方や子どもにできるだけ声を掛けています。
今では相手から声を掛けてくれることが多くなりましたね。
活動を通じて良かったことはどんなことですか。
良かったことは沢山ありますが,何よりも子どもやお年寄りと仲良くなれたことです。最近は子どもとある程度会話ができるようになりました。それと,子どもの成長を見ることができることが楽しいです。中学生になった子どもから声を掛けられることもあります。
そのほかには,近ところでありながら今まで知らなかったような道を発見できたことがあります。
今後の抱負はいかがですか?
ハルトが元気な限り,地道に続けていきたいと思います。
また,この地域で私と同じように「わんわんパトロール」を行う人が増えていけばいいと思っています。
ハルトはもともとセラピードッグとして活動していました。パトロールを通じてハルトと触れ合った子ども達が心豊かになり,お年寄りが心を癒す助けになれば大変嬉しく思います。
本日は,本当にありがとうございました。
今回取材に協力していただいた青崎地区青少年健全育成連絡協議会「子ども見守り隊」代表者の高橋直嗣さん。
「塩田さんはほかのメンバーが目が届かない場所を回ってくれて,何でも連絡をしてくれる,『見守り隊』に欠かせないメンバーです」と話されました。
同団体は広島県減らそう犯罪・なくそう交通事故パートナーシップボランティアの登録団体であり,高橋さんはシンボルマークをメンバーが着装する名札や帽子などに使用しています。
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取材 | 平成22年1月22日(金曜日) 広島市南区堀越・青崎地区において |
協力 | 青崎地区青少年健全育成連絡協議会会長 高橋 直嗣さん |