凶悪事件の発生など,子供の安全が危惧されている中,安全・安心なまちづくりに向けた県民総ぐるみ運動の一層の推進が求められています。
こうした中,県では広島修道大学との連携のもと,同大学の教員等を目指す学生を対象に,「減らそう犯罪」広島県民総ぐるみ運動の推進状況,子供の安全教育や地域安全マップづくりに関する特別講義を実施しました。
5 講義の様子
特別講義の様子 |
【受講生の感想(一部)】
今回初めて教育者の立場に立って安全について考えてみました。なぜ校門を閉めておくのか,なぜ保護者はネームプレートを首に下げているのか,その答えが事件を背景にしていることを知りました。時間が経ってもこの残酷な事件を忘れずに子供の安全を守りたいです。子供の安全を子供自身が守ることができるようにするために,小学校での授業も重要なことが分かりました。私が小学生のころは不審者に出会ったらどうするかということについて教育していたと思います。しかし,今回「人(不審者)」ではなく,「場所」に注目することが大事だと知りました。悪いことをしそうな人は見た目では分からないうえに,不審者に気をつけようと思うと全ての大人を信じられなくなってしまいます。そうではなく,ウィルスの予防のように危険な「場所」を意識し,避けることで犯罪を予防することができるのだと学びました。今回DVDであったように子供たち自分自身で「地域安全マップ」を作ることは,子供が危険な場所を知るという点でも効果的であるうえに,フィールドワーク中にインタビューを受ける地域の方たちも子供の安全について意識するきっかけとなりうるためのいい取組だと思いました。
学校教育の土台の第一は,「児童・生徒が安全に過ごせる環境」づくりにあります。安全が確保されない中では,学校教育が充実できません。しかしながら,数多くの子供たちを巻き込んだ事件も多く発生し,特に登下校時,地域の中でも起こり,この土台が揺らいでいる状態が見受けられます。そのため,多くの地域でボランティアの方々や保護者による見守り活動等の「大人が子供を守る」対策が多くとられてきました。今回の特別講義では,「大人」だけではなく「子供」が「自分自身を守る」対策として,子供たちが危険を予測し,危険を回避する予防措置として「場所」に注目する「地域安全マップづくり」について教えていただきました。子供たちは人から言われただけでは危険な場所を忘れてしまうし,実感することはできません。子供たちが積極的に関わることにより,危険な場所について実感を伴って心に刻むであろうし,他の場所に行った時にも「領域性」「監視性」などの危険を見抜く「入りやすい」「見えにくい」というキーワードを使って,危険を回避することができるようになると思います。
私の小学校では,「不審者マップ」という過去に不審者が現れたところが書かれた地図が1クラスに1枚貼られていました。しかし,今回の講義を受けて,このマップでは危険防止がしっかりできていなかったということが分かりました。「人」ではなく「場所」を見て,子供自身が危険であるかの判断ができるようにならなくてはいけないと思いました。そのために,教師や地域の方々,保護者等,大人たちが子供に危険を見抜くキーワードとして「入りやすい」「見えにくい」であることを教え,「地域安全マップ」をとおして子供たちと一緒に確認することが大切だと感じました。初めて行ったところでも,どこが危険か自ら考え,周りに注意する行動がとれるような子供を育てていきたいです。
子供の安全を守るためには,大人が子供の行動に気を付けておくことも必要ですが,子供自身が自分が住む地域についてよく知り,危険に対するアンテナを張ることができるようになることの大切さを自覚しました。