魚の傷が治りやすくなる!?県の研究成果を産業に

2019年5月24日

低塩分海水で飼育されている魚

5月17日(金)に、三原市糸崎のマリンネクスト社の施設にて、県が保有する特許を活かした新事業の説明会がありました。 これは、広島県立総合技術研究所水産海洋技術センターが特許をもち、県立広島大学とともに共同研究を行った「魚の傷が治りやすくなる技術」。 いったいどんな技術で、私たちの生活にどのように影響があるのでしょうか。

広島県の研究開発って?

広島県では、中小企業や農林水産業者の既存製品の改良や新製品開発、生産性向上を支援し、県経済の持続的発展に貢献することなどを目的に、広島県立総合技術研究所にて県民や県内産業のニーズに対応した研究活動を行っています。 総合技術研究所には、食品製造技術に関する食品工業技術センターや、工業技術に関する西部・東部工業技術センターなど、専門領域によって8つのセンターがあるんです。

その中でも、水産海洋技術センターでは、例えば、殻付かきの養殖技術についての研究など、地域の水産業に密着した技術開発、技術相談対応などを行い、県の水産業を支援しています。

水産海洋技術センター

魚の傷が治りやすくなる技術

今回、県内企業に導入された技術は「低塩分蓄養技術」と呼ばれるもの。 通常、海水は魚の体液よりも塩分濃度が高く、漁の際に魚の表面に傷がつくと、体液の塩分濃度が上がり魚が死んでしまいます。そこで、この技術では、海水を真水で希釈し魚の体液に近い状態にすることで、外傷が悪化しにくくなり、魚を延命させる効果も認められています。

低塩分海水(上)と通常海水(下)で飼育したチヌ

低塩分海水 (上) と通常海水 (下) で飼育したチヌの比較写真。 通常海水による飼育では漁獲時には見られなかった外傷 (表面や尾びれなど) が悪化しているが、低塩分海水では綺麗な外見が保たれている 。

これまで底引き網や刺し網などを使った漁法では、どうしても網などにより魚の表面に傷がついてしまい、魚を生かしたまま出荷することは困難でした。 一方で、今回の「低塩分蓄養技術」を用いると、魚の外傷が回復し、魚を生きたまま出荷しやすくなります。 また、水槽等で備蓄しやすくもなるため、結婚式やイベントなど決まった日に活魚が必要になる場合など需要に応じて出荷することもできるようになり、県内水産業者の発展につながるものと期待されています。

低塩分海水の水槽で飼育されている魚

総合技術研究所では、今回の水産海洋技術センターの技術だけでなく、カキフライや焼きがきなど広島の名物料理と一緒に楽しむために開発された純米酒「ひろしま一途な純米酒」シリーズ (食品工業技術センター) や、LED光を利用した作物の病害や害虫を防ぐ技術 (農業技術センター) など様々な研究が行われています。 実は皆さんの生活の身近なところや産業で、県の技術が使われているんですよ。 秋には施設が一般公開されるセンターもありますので、その際には生活や産業に役立つ数々の技術を体験してみてください。

広島県立総合技術研究所 - 広島県ホームページ
水産海洋技術センター - 広島県ホームページ
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