現代アート事業「海と山のアート回廊」クロージング

2017年11月24日

海と山のアート回廊「海に還るプロジェクト」

尾道と福山・鞆の浦を舞台に9月から開催してきた現代アートの企画、「海と山のアート回廊」のクロージング・イベントを、11月12日に尾道と鞆の浦で行いました。 冒頭には、「パン人間」で話題となったパフォーマンス・アーティストの折元立身さんによるトークがあり、パフォーマンスを始めたきっかけから世界中で関わった素晴らしいアーティストの話、また日本の今後のアートシーンなど、幅広く話していただきました。

アーティスト 折元立身さん

その後は、塩のインスタレーション作品「瑠璃の龍」を、参加者の手で海に還すワークショップを開催しました。

この「瑠璃の龍」は、アーティスト山本基さんが20年以上使い続けている素材「塩」を用い、「三つ編」のように絡み合いながら天に昇る龍をイメージして描かれた地上絵的な作品です。

当時24歳だった妹の死を契機に、山本さんは妹との思い出に再び会うために作品をつくり始めましたが2016年秋、今度は25年間共に暮らした奥様が4歳の娘を残してお亡くなりになります。 「瑠璃の龍」には亡き妻に向けて、父娘が健やかに暮らしていることを伝えるメッセージが込められているとのことです。

参加者が作品を壊し、塩をすくう様子

そしてこの「海に還るプロジェクト」は巡りめぐる生命の繋がりを祝福するイベントでもあり、当日は71名の方に参加頂き、作品の素材である塩が各々の手によってすくいとられ、その手で海へと還されました。

作品の塩がイベント参加者によって海へ還される様子

最後に本事業のプロデューサー 中尾浩治さん、そして尾道市立大学の小野環准教授、参加作家の柳幸典さんと山本基さんによるトークイベントが開催されました。 小野先生からは、AIR ONOMICHI (アーティスト・イン・レジデンス) の今までの活動や今後アーティスト達がどのような展開をするかのお話がありました。 柳さんからは犬島やアートベース百島の事、なぜ「広島」という地を選んだのか、そして今後の広島における遊休施設の活用についも大変興味深いお話をいただき、最後に約1年ぶりに制作を再開できた山本さんからは作家として「制作する事」への熱い想いを語っていただきました。

尾道市立大学の小野環准教授、参加作家の柳幸典さんと山本基さんによるトークイベントの様子

これにて現代アート事業「海と山のアート回廊」が閉幕しました。重要なのは一過性のイベントで終わらず、今後も事業を継続していく事にあります。 広島県の東部エリアにおける「海と山のアート回廊」を文化的にまた観光資源として強化し、多くの皆さんにお越しいただける事を願っています。

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