映画「雪女」の監督兼主演、杉野希妃さんに独占インタビュー![前編]

2017年5月12日

杉野希妃さんが知事を表敬訪問

全篇が広島で撮影された映画「雪女」。 広島“らしい”ではなく、“新しい”広島の魅力を日本、そして世界へ発信したいという、杉野さんの「広島愛」が満載の独占インタビューです。 恐怖と神秘、雪の結晶のように繊細ではかなくも美しい愛の物語。 映画を通じて、あなたもまだ知らない、奥深い広島の魅力を感じてください! 現代版の映画「雪女」は、県内では5月13日(土)から八丁座、シネマ尾道、福山エーガール8シネマズで公開されます。

本日はお忙しいところ、ありがとうございます。今日の衣装、真っ白でとても素敵ですね。雪女のイメージですか?

杉野さん 少し意識しています(笑)。衣装の中から自分で選びました。

今日の知事表敬は、いかがでしたか?杉野さんの映画に対する思いと、広島への愛着が伝わってきました。

杉野さん 実は、以前に知事とは偶然会ってお話ししたことがあったんです。 会談は、出演者や協力者の方々もいてくれたので、みんなで終始楽しくお話しできました。 生まれ育った広島で映画を撮りたいという夢も実現して、とても嬉しいです。

なぜ広島県で「雪女」を撮ろうと思われたのですか?

杉野さん 「雪女」を撮りたいと決めて、最初は北海道や東北での撮影を考えていたんですよ。 でも、広島にも雪があるなって。広島県って本州最南端のスキー場集積地の県ですよね。実際の庄原市の雪を見て、これはいけるなと確信しました。 それと、広島県には、人々の祈りから生まれてくる神秘的で不思議な空気が漂っているようにも感じるんです。 その雰囲気も「雪女」にぴったりだなって。 特に川からは強くそれを感じて、「雪女」の中の象徴的なシーンは、三次市の馬洗川で撮影を行ったんですよ。 8月6日の灯篭流しは、私も以前参加していて、その時、川はたくさんの人の祈りを届けてくれたり、受け止めたりしているのかなって思ったんです。

杉野希妃さん インタビュー

この映画「雪女」を通じて、伝えたいのは、どんなことですか?

杉野さん 映像でいえば、「新しい」広島をお届けしたいなと思っています。 みんながイメージする宮島や原爆ドームなどの広島「らしい」だけではなくて、広島って雪もきれいなんだ!みたいな新しいイメージを提供したいです。 ストーリーでいえば、「雪女」は人間と異種との交わりを描いていて、その根底にある「平和」への願い等を汲み取って頂けたら嬉しいですね。 もちろんストレートに表現している訳ではありません。 私は、作品の中で答えを出さないようにしています。どういう意味なのか人によって解釈が違う、一緒に見た人とつい話し合っている…。 そんな色んな考えの共有や人との繋がり、再度見たときの自分自身の捉え方の変化等、映画を通じて何らかの気づきがあれば、と思っています。

映像美にもこだわりがあったようですね。ロケ地マップ(※1)も出来たとか。

杉野さん 映画は最初、白黒のシーンから始まり、カラーに移行していきます。 美術にもこだわりましたが、「雪女」の不思議な雰囲気を広島の景色が映像美で自然と盛り上げているんです。 当初はほとんど尾道市で撮影することを考えていたのですが、ロケ地調べをしていくうちに、導かれるように県北へとどんどん広がって…。 知れば知るほど、広島県の魅力って奥深いんです。 府中市上下町も、映画のロケ地になったのが恐らく初めてと聞いて驚きでした。 白壁が本当にきれいで、町全体が映画スタジオみたいなんです。一見の価値はありますよ。

映画「雪女」の撮影時には、地元の方による炊き出しもあったようですね。その他にも、思い出深いエピソード等がありますか?

杉野さん 今回の映画は、本当に地元の協力や支えなくしてはできませんでした。 色んな場面でお伝えしていますが、エンドロールのほとんどが広島県の方なんです。 それを見るだけでうるっとします。 その他にも、今!というタイミングで雪が降ってきたことが3~4回もあって、広島という土地からも受け入れられているような不思議な気持ちになりました。 撮影期間は2週間とタイトでしたし、今では、広島県でなければ撮れなかった映画ではないかと思っています。 3年間の構想が身を結んだのも嬉しいです。

杉野希妃さん インタビュー

「ひろしま さとやま未来博2017」のイベントの一環(※2)として、「雪女」の上映会が企画されているそうですね。

杉野さん 都合があえば、私もぜひ覗いてみたいなと思っています。 私は広島での映画づくりをライフワークにしていこうと思っているんです。 私の作品がさとやまや広島県の観光を盛り上げていくきっかけのひとつになるのは本当に嬉しいです。

2年前に交通事故に遭われて大ケガを負われたそうですが、そのことは、映画に影響を与えていますか?

杉野さん 影響は大きいと思います。数か月間、体が自由に動かなくなって、病院のベットにいる時には、色んな感情と向き合いました。 その時に、脚本家さんにお願いしていた脚本を全て自分で書き直すことにしたんです。 事故当初の「雪女」の構想は、もっと激しい感じだったんですよ(笑)。 理不尽な思いや怒りをそのまま脚本にぶつけていました。 でも、徐々に苛立つ自分にも疲れてきて、徐々に状況を受け入れるようになってきたら、自然と「雪女」の構想も落ち着いてきて。 本当に大切なのは、肉体ではなくて、魂の部分ですよね。 「雪女」では、そんな肉体のはかなさと脆さ、魂など目に見えないものの大切さも伝えられたらと考えています。

(※1) ロケ地マップ:「ひろしま観光ナビ」のHPや八丁座や県内ロケ地の観光案内所で配布。
(※2) 「ひろしま さとやま未来博2017」のHPで、イベント詳細が決定次第、順次公表。

後編に続く (5月19日公開)

映画「雪女」ポスター

映画『雪女』Snow Woman オフィシャルサイト

取材協力/八丁座(広島市中区胡町6-26 福屋八丁堀本店8階 TEL:082-546-1158)

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