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農業経営指標のご利用にあたって

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年4月1日更新

1 作成のねらい

 広島県では2020農林水産業チャレンジプランを策定し,産業として自立できる農林水産業の自立に向けて取り組んでいる。また,平成26年度には目標をより着実に実現するためにアクションプログラムを策定し,平成27年度から平成29年度の3年間で重点的に取り組みことを明確にしている。
 本経営指標は担い手が将来の生活設計を描ける経営の確立をめざし,経営計画や経営改善計画の樹立にあたっての手引書として策定した。本経営指標は現地で直接指導にあたっている普及指導員が作成しており,現場実態と到達可能な目標数値を基本に所得目標を設定している。
 活用にあたっては対象経営体の状況や目標,また地域性に応じて修正加工し,それぞれの経営発展に寄与できることを期待している。

2 地帯区分

 広島県メッシュ気候図の標高を加味した年平均気温データを基本に,県内を北部,中部および南部の3地域に区分した。
地域区分

1.3地域区分の気象的特徴
(1)北部:年平均気温概ね11.0℃以下,冷涼で積雪量が多く,年降水量1,800mm以上の地域。
(2)中部:年平均気温概ね11.0~15.0℃程度,年降水量1,000~1,800mm程度の地域。降水量は梅雨期と台風時を除けば少ない。
(3)南部:年平均気温概ね15.0℃以上,年降水量1,000~1,300mm程度の地域。降水量は梅雨期と台風時を除けば少ない。
2.経営類型や作目ごとの適応地域など
 経営類型や作目ごとの適応地域については,気象条件や「2020広島県農林水産業チャレンジプラン」(平成22年12月策定),同アクションプログラム(平成26年12月策定)および次の振興計画,栽培基準等との整合性に配慮した。
(1)水稲:広島県水田フル活用ビジョン,水稲・麦・大豆栽培基準(以上,広島県農林水産局)
(2)野菜:広島県野菜中期振興計画,Vegetable『広島の野菜作り』(以上,JA全農ひろしま)
(3)花き:花ロマンひろしま 普及指導指針
(4)果樹:広島県果樹農業振興計画(広島県農林水産局),果樹商品づくり重点対策(JA広島果実連)
(5)畜産:広島県酪農・肉用牛近代化計画(広島県農林水産局)

3 作成上の基本的考え方

 本指標は,「農業経営指標」(平成18年3月作成,広島県農林水産部)を改訂したものである。
1.作成の基礎年次は平成26年におき,指標の目標年次は平成29年とした。
2.対象経営体は,集落法人,新規就農者,個別経営体,農業参入企業および一般法人の5つとした。
3.各経営体の売上目標や所得目標は次のとおりとした。
(1)集落法人(売上目標):4,000万円,8,000万円および12,000万円の3区分を設定した。
(2)新規就農者(所得目標):250万円
(3)個別経営体(所得目標):500万円
(4)農業参入企業,一般法人(売上目標):先進事例の調査結果等に基づいて設定した。
4.先進事例の調査結果や既存資料等を活用し,望ましい経営類型や作型を設定した。なお,経営類型や作型の呼称は一般的に使用されているものとした。
5.交付金,助成金および補助事業等は平成26年時点の水準とし,最大限活用することとした。

4 作成上の前提条件

1.土地
(1)経営類型ごとに必要となる農用地面積を設定した。
(2)農用地は水田(転作田を含む),普通畑,樹園地および飼料畑とした。
2.労働力
(1)集落法人,農業参入企業および一般法人は,必要に応じて労働力を確保するものとした。
(2)新規就農者は保有労働力1.0人(基幹1人,労働時間2,000時間)とした。
(3)個別経営体は保有労働力2.5人(基幹2人+補助1人,総労働時間5,000時間)とした。
3.標準技術
 先進的経営体の現状分析から得られた技術水準,既存資料および試験研究成果等をもとに,当該経営類型の売上目標や所得目標を達成するために必要な技術を標準技術として組み立てた。
 4.固定資本装備
(1)取得価格
 ア.「農畜産物用固定資産評価標準」(農林水産省),「2014/2015農業機械施設便覧」(一般社団法人日本農業機械化協会),メーカーカタログや実勢価格を参考とした。
 イ.果樹等は原則「農畜産物用固定資産評価標準」(農林水産省)によるものとし,これに計上のないものは別途育成費用を算出し,収穫物収益と育成費用が均衡する時点の育成費用累計額とした。
 ウ.以下のものは関係業者等への聞き取りにより基準を設定した。
 ・作業場等:鉄骨+スレート59,400円/平方メートル(税込み),鉄骨+ルーフデッキ43,200円/平方メートル(税込み)
 ・軽トラック:新車920,000円/台(税込み)
 ・2tトラック:新車3,500,000円/台(税込み),中古車1,500,000円/台(税込み)
 エ.以下のものは農林水産省の基準を参考とした。
 ・牛舎等:24,000円/平方メートル(H26「強い農業づくり交付金実施要領」の「整備事業の上限事業費」をもって取得価格とした)。
 ・堆肥舎:22,000円/平方メートル(H19「たい肥舎等建設コストガイドライン」の整備額をもって取得価格とした)。
 (2)その他
 少額資産は諸材料費や小農具費等で処理した。
5.作業時間,労働可能時間
 (1)作目別,作業別,時期別作業時間
 先進事例の実態調査を基本とし,農林水産省の各種統計調査やJA全農農業機械部資料等の既存資料をもとに設定した。
 (2)労働可能時間
 ア.基幹労働者1人の1日当たりの労働時間は8時間を原則とし,農繁期は10時間まで可能とした。
 イ.基幹労働者1人の1月当たりの労働時間は230時間以内とした。ただし,労働者の健康に配慮し,上限時間の連続月 数を2ヶ月,上限時間の年間合計月数を3ヶ月までとした。
 ウ.年間労働時間は,基幹労働者2,000時間,補助労働者1,000時間以内とした。
6.売上
 (1)販売量
 生産農畜産物の内,自家消費量を控除した商品化可能な量を計上した。
 (2)農畜産物の価格
 原則として次の価格を用いるが,対象作目がない場合は別途価格を調査し,価格を設定した。
 ア.水稲:平成25年度価格を基に広島県農林水産局が予測した3年後の価格を用いた。
 イ.大豆:公示価格の直近3ヶ年の平均価格を用いた。
 ウ.麦 :公示価格の直近3ヶ年の平均価格を用いた。
 エ.野菜:広島市中央卸売市場の直近5ヶ年の平均価格を用いた。
 オ.花き:広島市中央卸売市場の直近5ヶ年の平均価格を用いた。
 カ.果樹(かんきつ):JA広島果実連取扱いの直近5ヶ年の平均価格を用いた。
 キ.肉用牛(子牛):JA全農ひろしま三次家畜市場に出荷された「元気な子牛プレミアム」牛の直近3ヶ年の平均価格を用いた。
 ク.肉用牛(肥育):枝肉価格は広島食肉市場の直近3ヶ年の平均価格をもとに目標上物率割合から算出した。枝肉重量は「広島県乳用牛及び広島牛改良目標値」(広島県農林水産局)を用いた。
 7.経営費
(1)種苗費
 対象作目における平成26年の実勢価格を用いた。
(2)肥料費,農薬費
 県内の一般的な小売価格を参考に算出した。
(3)購入飼料費,薬剤診療費
 広島県酪農業協同組合の取扱価格および公益社団法人中央畜産会の畜産コンサル資料等を参考に算出した。
(4)動力光熱費
 ア.農業機械等の燃料等使用量は,「高性能農業機械等の試験研究,実用化の促進及び導入に関する基本方針参考資料」(農林水産省),「特定高性能農業機械導入計画」(広島県農林水産局)およびJA全農農業機械部資料等の既存資料を参考に算出した。なお,ディーゼルトラクターの毎時燃料消費の目安量は次のとおりとした。

10PS級

15PS級

20PS級

30PS級

40PS級

50PS級以上

毎時燃料消費量(L)

2.0

2.5

3.0

4.0

4.5

5.0

 イ.燃料単価は,一般社団法人日本エネルギー経済研究所石油情報センターの中国地方の過去2年(平成24年11月~平成26年10月)の平均小売価格を用いた。
 ・ガソリン:158.4円/L(店頭小売)
 ・軽油:84.7円/L(産業用軽油インタンク)※軽油引き取り税32.1円/L分を減額。
 ・灯油:102.1円/L(店頭小売)
 ・混合油:168.4円/L(ガソリン価格+10円)
 ・A重油:95.2円/L(小型ローリー納入)
 ウ.電気は中国電力株式会社の電気料金単価表(平成26年6月以降)を用いた。
 ・電気:14円/kwh(夏および夏以外の平均)
 エ.潤滑油費は動力用燃料費の30%を計上した。
 (5)諸材料費,小農具費
 諸材料および小農具の中で複数年にわたって使用するものについては,使用年数で除して1年あたりの金額を費用として計上した。
(6)賃料料金,管理委託料
 「平成25年度集落法人の経営状況」(広島県農林水産局)および広島県内の各市町の農作業料金に関する調査結果等を参考とした。
(7)修繕費
 建物・施設は取得価格の1%,機械・器具については5%を計上した。
(8)減価償却費
 ア.固定資産の減価償却の計算は定額法を用いた。
 イ.償却率および耐用年数は「減価償却資産の耐用年数等に関する省令」(昭和四十年三月三十一日大蔵省令第十五号,最終改正:平成二十六年七月九日財務省令第五十五号)を用いた。
 (9)労務費
 ア.「平成25年度集落法人の経営状況」(広島県農林水産局),広島県内の各市町の農業労賃に関する調査結果および広島県最低賃金の動向等を参考とし,オペレーター1,100円/時間,補助労務900円/時間とした。
 イ.給料制とする場合は,先進事例等を参考に望ましい賃金を設定した。
 ウ.法人の法定福利費としては労災保険料のみを計上(雇用労賃総額×1.2%)した。
(10)支払地代
 ア.水田(転作田を含む)は「平成25年度集落法人の経営状況」(広島県農林水産局)に平成26年の米価下落等の要因を加味し,3,000円/10aとした。
 イ.普通畑は実勢価格を参考に3,000円/10aとした。
 ウ.樹園地は実勢価格および関係業者等への聞き取りを参考に,ブドウ(土地のみ)15,000円/10a,ブドウ(土地+棚)50,000円/10a,カンキツ5,000円/10aとした。
(11)生産雑費
 生産原価の1%を計上した。
(12)販売費
 対象作目における平成26年の実勢価格を用いた。
(13)役員報酬
 「平成25年度集落法人の経営状況」(広島県農林水産局)および先進事例等を参考に望ましい報酬額を設定した。
(14)共済掛金等
 ア.農業共済掛金(水稲,麦,大豆,うんしゅうみかん,なつみかん,指定かんきつ,りんご,なし,ぶどう,野菜・花きの施設内作,施設,肉用牛)はNOSAI広島の設定金額とした。
 イ.普通トラック,軽トラック等の自賠責保険料(法定)および任意保険料を計上した。
(15)土地改良費,水利費
 「平成25年度集落法人の経営状況」(広島県農林水産局)および対象地域の実勢価格に基づいて計上した。
(16)租税公課
 ア.固定資産税(農地):水田(転作田を含む)1,400円/10a,畑・樹園地380円/10a
 イ.固定資産税(建物):評価額に1.4%の税率を乗じた額を計上した。
 ※耐用年数の1/2程度を経過しているものとした。
 ウ.自動車関係の諸税は,平成27年度改定を加味して計上した。
 ・軽自動車税:軽トラック5,000円/台・年,農耕作業用小型特殊自動車(トラクター,コンバイン等)2,400円/台・年,フォークリフト等5,900円/台・年
 ・自動車税:普通トラック(1t以下)8,000円/年・台,普通トラック(1~2t以下)11,500円/年・台
 ・自動車重量税:1t以下4,100円/年・台,1~2t以下8,200円/年・台
 ※2年分(車検時)を1/2にして計上した。
(17)助成金,補助金,交付金,価格補てん金
 想定されるものを最大限計上した。
(18)その他
 投資行動は経営体によって個々に異なることから,借入金利息は計上していない。経営計画の策定や分析・診断では重要な費目なので,本指標の活用にあたっては留意する。

5 利用上の留意点

 本経営指標は先進事例等を参考としているが,前述のとおりの一定の前提条件のもとで組み立てたものであり実態と異なる点も多いので,利用にあたっては指標値であることに留意する。また,以下の点についても留意すること。
1.本経営指標は表計算ソフトにより計算し整数表記としているため,表記の合計に誤差が生じる場合がある。
2.基盤整備の状況や気象,土壌および水利条件等が地域によって大幅に異なるため,経営計画等に利用する場合は地域実態に応じて適宜修正する。
3.資本装備は実際の経営を想定し,新規資産,償却済み資産および中古資産を組み合わせた。減価償却費,修理費等もこれに基づいて計上している。経営計画等に利用する場合は地域実態に応じて適宜修正する。
4.売上に販売高しか計上していないが,実際には家庭内消費等その他収入があることに留意する。
5.経費では借入金利息の外,福利関係費(労災保険,雇用保険,健康保険,厚生年金保険等),会議費,旅費,研修費,事務通信費および作業用衣料費等を十分には計上していないので,経営計画の策定や分析・診断にあたっては留意する。
6.農薬,肥料等は平成26年時点のものを用いて記載しているので,経営計画等に利用する場合は使用が認められている農薬,肥料等に適宜修正する。 

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