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野生動物における狂犬病の発生について

印刷用ページを表示する掲載日2015年4月1日

台湾における野生動物での狂犬病発生について

台湾行政院農業委員会は,平成25年7月16日付けで野生動物(イタチアナグマ)において狂犬病の発生を確認した旨を公表しています。

これを受け,厚生労働省は平成25年7月30日付けで「狂犬病が発生していない地域」として厚生労働大臣が指定する地域から台湾を除外しています。
 
狂犬病は,世界150以上の国・地域で発生が確認され,毎年55,000人以上が亡くなっています。発生は,主にアジアとアフリカです(2012年 WHO発表)。

1 狂犬病とは

狂犬病ウイルスの感染によっておこる動物由来感染症です。
人を含む全ての哺乳類が感染します。
人や動物が感染発症した場合,重篤な神経症状を伴ってほぼ100%死に至る大変危険な疾患です。

(1)感染経路
狂犬病にかかった動物(り患動物。アジアでは主に犬)に咬まれた部位から,唾液に含まれるウイルスが侵入します。
通常,人から人に感染することは無く,感染した患者から感染が拡大することはありません。

(2)潜伏期 (病原体に感染してから,体に症状が出るまでの期間)
【人の場合】1~3ヶ月間程度

【犬の場合】2週間~2ヶ月間程度

(3)症状
【人の場合】
前駆期:発熱,食欲不振,咬傷部位の痛みなど
急性神経症状期:不安感,恐水及び恐風症状,興奮性,麻痺,幻覚などの神経症状
昏睡期:昏睡(呼吸障害により,ほぼ100%が死亡)

【犬の場合】
前駆期:性格の変化と行動異常
狂躁期:狂興奮状態,光や音の突然刺激に対する過敏な反応
麻痺期:全身の麻痺症状による歩行不能,咀嚼筋の麻痺による下顎下垂及び嚥下困難,舌を口外に垂らしながら流涎,昏睡状態になり死亡

(4)治療
【人の場合】発症後の有効な治療法はありません。
【犬の場合】治療はしません。

(5)予防
【人の場合】
り患動物に咬まれた場合は,発症前にワクチン接種等を行います。
海外の狂犬病発生国で頻繁に動物に接する場合には,渡航前に狂犬病ワクチンを接種しておくことが望ましいです。

【犬の場合】
年1回の予防接種が義務付けられています。

2 海外へ渡航される方へ

海外渡航者の方は次のことに留意してください。

☆感染予防の観点から,現地では動物にむやみに近寄ったり触ったりしないようにしましょう。
☆万が一,渡航中に狂犬病流行地域で犬等に咬まれた場合には,
●すぐに傷口を石けんと水でよく洗いましょう。
●現地医療機関を受診し,傷の手当と狂犬病ワクチン接種を受けましょう。
●帰国時に検疫所(健康相談室)に申し出ましょう。

3 犬を飼っている方へ

狂犬病予防法に基づき,犬の飼い主にには次のことが義務付けられています!!
 
★ 市町に犬を登録すること。
★ 犬に毎年狂犬病の予防接種を受けさせること。
★ 犬に鑑札及び注射済票を付けること。

【詳しくは,最寄の市町の窓口へお問い合わせください。】

4 その他(関連リンク)

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