環境用語解説-た行
● 第一種フロン類回収業者
フロン回収破壊法が平成13年12月21日に施行され、廃棄される業務用冷凍空調機器(第一種特定製品)から冷媒として充てんされているフロン類の回収を行おうとする場合は、知事の登録を受けなければならない。また、第一種特定製品を廃棄する際に廃棄者自らそのフロン類の回収を行う場合にも登録が必要となる。
● ダイオキシン類 (dioxine)
有機塩素化合物の一種。 塩素原子の数と位置により多数の異性体があり,このうち2,3,7,8-テトラクロロジベンゾパラジオキシンの毒性が最も強く,生殖機能への影響,発ガン性や奇形を引き起こすおそれがあることなどが,指摘されている。
主な発生源として,ごみの焼却などにより非意図的に副生物として生成している。
● ダイオキシンの恒久基準
平成14 (2002) 年12月1日から適用されたダイオキシン類の排出基準のこと。
● 代償植生
本来の自然植生の代償として、何らかの人為的干渉によって成立し、持続している植物群落。アカマツ林等の二次林、スギ、ヒノキ植林等の人工林、畑の雑草群落等。
● 多自然型工法
動植物の様々な生態の保全・創出に配慮して,瀬や淵など変化のある水際環境の創出や覆土による植生の維持,落差の穏やかな魚道の設置などの工夫を施した工法のこと。
● 炭素税
地球温暖化の要因となっている二酸化炭素の排出削減を目指して、発生源である石炭、石油、天然ガス等の化石燃料の販売や消費に対し、炭素含有分等に応じて課す環境税の一つであり、その財源を新エネ開発等に活用する制度。1990年以降、フィンランドやオランダ、ノルウェー、スウェーデン、デンマークなどですでに導入されている。
● 地球温暖化
地球の温度は,太陽の日射熱と地球から宇宙へと放出される熱とのバランスにより一定を保っている。 ところが,大気中には地球から放出される熱を逃がしにくい二酸化炭素,メタン,フロン,亜酸化窒素などの温室効果ガスが含まれている。 これらが増えすぎると,宇宙空間へ放出される熱が地表面に戻され,地上の気温が上昇すること。
● 地球温暖化防止活動推進員
地球温暖化防止法の規定に基づき、地球温暖化対策の推進に熱意と見識を有する者の中から知事が指定するもの。
● 地球温暖化防止地域協議会
地球温暖化防止法の規定に基づき、地方公共団体、地球温暖化防止活動推進員、地球温暖化防止活動推進センター等が温室効果ガスの削減に向けた措置等について協議を行うため設置するもの。
● 地球環境問題
人類の将来にとっての大きな脅威となっている地球規模における環境問題。 地球環境問題として現在認識され,かつ,取組がなされているのは,次の10項目の問題である。
- 地球温暖化
- オゾン層の破壊
- 酸性雨
- 海洋汚染
- 森林破壊
- 野生生物種の減少
- 砂漠化
- 有害廃棄物の越境移動
- 開発途上国等の公害
- 国際的に価値の高い環境の保護
それぞれの問題は,因果関係が相互に複雑に絡み合っている。 例えば,フロンガスはオゾン層を破壊する一方で地球温暖化をもたらす温室効果ガスでもあり,森林の破壊は,二酸化炭素の収入源の減少を通じて地球温暖化を加速する一方,野生生物種の減少の最大の要因でもある。
これらの問題は,現在の,特に先進国での大量生産,大量消費,大量廃棄といった経済社会活動や個人のライフスタイルのあり方,さらには,人類のこれまでの技術文明の責任を問うような内容を含んでいるといえる。
● 地球サミット
地球環境問題の対策を課題に,1992年6月にブラジルのリオデジャネイロで開催された 「環境と開発に関する国連会議」 (UNCED) のこと。 地球環境問題についての歴史的な会議で,世界の各国の元首,首脳の参加の下に行われた。 地球温暖化防止のための気候変動枠組み条約,生物多様性条約への署名が始まるとともに,環境と開発に関するリオ宣言,アジェンダ21,森林原則声明が合意された。
● 地域冷暖房システム
地域冷暖房は,大気汚染の防止,都市災害の防止,建物スペースの有効利用及び熱エネルギーの有効利用等を図るため,一定地域内の建物群に対して一ヵ所あるいは数ヵ所の熱発生所で製造した冷水・蒸気・温水等の熱媒を地域配管を通して各建物に供給し,建物の冷暖房供給を行うシステム。 熱源として都市ガスによる方法と,温度差エネルギー・排熱エネルギー等をヒートポンプで回収する方法等がある。
● 地区計画制度
都市における良好な市街地景観の形成,保全を図るため,都市計画により建築物の用途,形態などに関する制限や道路,公園等の配置について地区の特性に応じてきめ細かく定めることによって,建築または開発行為を規制・誘導することができる街づくり計画。
● 窒素酸化物 (NOx)
石油や石炭等の窒素分を含んだ燃料の燃焼や燃焼に伴う空気中の窒素により発生する。 窒素酸化物は,高温燃焼の過程でまず一酸化窒素 (NO) の形で生成され,これが大気中に放出された後,酸素と結びついて二酸化窒素 (NO2) となる。 この反応はすぐに起こるものでないことから,大気中ではその混合物として存在している。 二酸化窒素は高濃度で,呼吸器に好ましくない影響を与える。
● 中山間地域
山林や傾斜地が多く,第1次産業が地域経済の基盤となっている地域。 第1次産業の就業人口は年々減少しており,それとともに高齢化も深刻化している。 また,地域における農林業の健全な営みによって発揮されてきた国土保全や自然環境の保全等の公益的機能はその減退が懸念されている。 このため,地域の特色を生かした農林業や地場産業を振興するとともに,就業機会の確保,魅力ある定住条件の整備などにより活性化を図り,公益的機能の維持,増進に努めることが重要である。
● 中水道システム
水洗トイレ用水,冷却・冷暖用水,散水など雑用系の用途に,下水,産業排水の再生水や雨水など,水道水と比較して低水質の水を供給し,水を循環利用するシステムのこと。
● 長距離越境大気汚染条約
1979年に国連欧州経済委員会(UNECE)において採択された条約で1983年3月に発効した。この条約では加盟各国に越境大気汚染防止のための政策を求めるとともに、硫黄などの排出防止技術の開発、酸性雨影響の研究の推進、国際協力の実施、酸性雨モニタリングの実施、情報交換の推進などが規定されている。
● 鳥獣保護区
野生鳥獣の保護・増殖を図るために狩猟を禁止する区域。 鳥獣保護区のうち特に良好な生息環境の保全を図る必要のある地区は特別保護地区に指定することができる。 特別保護地区では狩猟が禁止されるほか,開発行為に規制がかかる。
● 長伐期施業
大径木の生産などを目的として,樹木を伐採するまでの期間を延ばして,森林を育てること。
● DPF(Diesel Particulate Filter)装置
自動車排気ガス中の粒子状物質を除去する装置。
● 低公害車
大気汚染物質の排出や騒音の発生が少ない,従来の自動車よりも環境への負荷が少ない自動車の総称。 主に,ガソリンや軽油にかわる燃料をエネルギーとする自動車のことで,電気自動車,メタノール車,天然ガス車をいう。 また,制動時に生じる運動エネルギーを電気または油圧ポンプに回収蓄電する補助動力を備えたハイブリッド車も低公害車である。
● 低周波音
人の耳には聞こえない20Hz以下の超低周波音と、20~100Hz程度の周波数範囲の音を合わせて、こう通称される。人の聴覚感度が鈍くなる周波数範囲の音だが、建具や窓、障子などが振動して音を発し、騒音・振動公害の一因として昭和40年代から問題化した。
● 手続的手法
各主体の意思決定過程の要所要所に環境配慮のための判断が行われる機会と環境配慮に際しての判断基準を組みこんでいく手法であり、各主体の自らの行動への環境配慮の織り込みに大きな効果を発揮する。
● デポジット制度
製品の販売にあたり,一定金額を預り金として上乗せして販売し,消費者がそれを返却すると,預り金が払い戻される制度。 現在ビールびん等について業界が独自に実施しているが,欧米の一部の国や州では,飲料容器ばかりでなく,その他の缶やプラスチック包装容器,自動車等の例が見られる。
● テレメータ・システム
遠隔地にある環境濃度等自動測定器で測定したデータを,無線等を利用して中央監視室に送信し,得られたデータを集中管理するシステムのこと。
● 天然林施業
天然の力を活用することによって,次の世代の樹木を発生させて,森林を育てていく施業のこと。
● 透水性舗装
舗装帯の貯留と路床の浸透能力によって,雨水を地中へ浸透させる舗装のことで,雨水の流出抑制や地下水のかん養などの効果がある。
● 都市・生活型公害
都市化の進展により,活発な都市活動や日常の生活に伴う環境への負荷が原因となって起きる自動車公害や河川の水質汚濁,近隣騒音などの公害。 産業公害と異なり,多くの場合,原因者が被害者にもなりうるという特徴をもっている。