「敷金が返ってこない!」というトラブルにご注意を
賃貸住宅を退去する時の敷金返還トラブルとは
転勤や進学などが多い3月,4月には,賃貸アパートやマンションなどを退去した後,家主に預けておいた敷金が返ってこない,または,傷つけずきれいに住んでいたつもりなのに,畳,襖,壁紙などの修繕費や清掃料など(原状回復費用)を引かれて,少額しか返還されなかった,という苦情が毎年寄せられます。
原状回復の考え方
不動産賃貸物件を退去する時,借主には建物の原状回復義務がありますが,これは,借りた当時のままの状態に戻すという意味ではありません。
簡単に言うと,原状回復義務とは,借主の故意や不注意によって生じた傷や汚れのみ,借主負担で修繕しなければならない,ということで,経年変化や通常の使用による傷や汚れなどは,既に月々の家賃に含まれていると考えられるので,家主負担ということです。
また,たとえ借主が不注意で畳に飲み物をこぼし,シミが残っていたとしても,部屋の畳すべてではなく,汚れた部分のみの補修工事(原則1枚単位から)を負担すればよいことになっています。
この原状回復の考え方についての詳細は,次のサイトをご覧ください。
●国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」(国土交通省のホームページへ)
●「賃貸住宅退去時の敷金返還トラブル」リーフレット(広島県ホームページ)
なお,契約書に特約を設け,一般的な原状回復の考え方の範囲を超える修繕費の負担(例えば,畳,襖,壁紙などの修繕費及び清掃費をすべて借主負担とする,など)を借主に義務付けているものもありますが,これには一定の要件を満たしておく必要がありますので,すぐにあきらめず広島県生活センターにご相談ください。
アドバイス
実は,このトラブルを防ぐためには,入居(契約)の時に気をつけることが一番です。
【入居(契約時)に注意すること】
● 不動産取引のときには,契約の前に必ず不動産仲介業社が重要事項説明を行わなくてはならないと
法で定められています。説明を受けた際,借主負担についてよく確認し,理解してからサインしましょう。
● 入居前から既にある室内の汚れや損傷については,家主(管理会社)と立会確認し,写真に撮って記録に残
しましょう。
【退去時に注意すること】
● 国土交通省の「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」をよく読んだ上で,退去の立会いに臨みましょう。
● 修繕費の負担割合でトラブルになったら,修理明細書を請求するなどして,家主や管理会社とよく話し合いましょう。
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