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狙われている多重債務者【サラ金を巡るトラブル】

印刷用ページを表示する掲載日2013年2月19日

〈相談事例〉

 サラ金数社から180万円を借りており,毎日その支払いに追われていたところ,「超低金利・無担保・即日融資」というダイレクトメールが届いた。借金を一本化したいと思い,早速業者に電話して200万円の融資を依頼したところ,「今のあなたの状況では信用が足りないので,融資の前に保証金として50万円必要だ」と言われた。本当に融資してもらえるのだろうか。 (40歳代 男性)

サラ金を巡るトラブルのイメージ画像 

〈相談への対応〉

 これは「ヤミ金融」の手口の一つで「融資保証金詐欺」だと思われます。言われるままに振り込むと,その後業者と連絡が取れなくなり,融資を受けられないばかりか,払い込んだお金を取り戻すことも困難になりかねないので,信用しない方が無難であると助言しました。

〈アドバイス〉

 不景気のあおりを受けてか,借金を返済するために借金する,いわゆる多重債務の状態にある人は,全国に139万人もいると言われています。多重債務者は,ヤミ金融業者から様々な手口で狙われており,中には借金を苦に,夜逃げや自殺など深刻な状況に追い込まれてしまった人もいます。こうした状況を受けて,国や県・市町などでは多重債務者の発見・相談窓口への早期誘導を働きかけ,弁護士や司法書士などの法律専門家と連携した取り組みを行っています。

 平成18年12月に貸金業法等が抜本改正され,いわゆる「グレーゾーン金利」の撤廃,出資法の貸出上限金利を20%へ引き下げ,貸金業者への規制強化(広告や取立の規制など),年収の1/3を超える過剰貸付の禁止,ヤミ金業者への罰則強化などが段階的に行われ,平成22年の6月に完全に施行されました。

 法改正を受けても,安易な借入れはしないよう,慎重に行動しなければなりません。既にローンやクレジットなどで多額の借金を抱え,その支払いが困難であっても,借金の返済を借金ですることだけは絶対に避けなければなりません。

そこで,多重債務に陥らないために,次のことに注意しましょう。

1.借りる前に,もう一度考えましょう!

2.借りる業者は,慎重に選びましょう!

 ◆営業所に掲示が義務付けられている貸金業の登録番号の確認を!
~無登録営業は違法です~

登録業者かどうかは,金融庁の「登録貸金業者情報検索サービス」で確認できます。

 ◆「甘い話」にはウラがある!
~低金利・好条件のオトリ広告やダイレクトメールにはご注意ください~

ダイレクトメール

 

3.返済に困ったら,内容に応じてすぐに関係機関に相談しましょう!

 もし,多重債務で支払い困難になったときは,その対策として次の方法があります。

◆特定調停

 簡易裁判所に調停申立てをして,簡易裁判所の調停委員のあっせんを受けながら,和解の成立を図る制度です。借金をしている貸金業者の数が少ない場合に適し,費用が安いのが特徴です。

◆任意整理

 裁判所などの公的機関を利用しないで,私的に債権者と話し合い,債務者の収入の範囲で弁済方法の交渉を行って債務整理をすることです。借金総額が比較的少額な場合に適します。

◆個人債務者の民事再生手続

 地方裁判所に申立てをし,一般的には財産を処分することなく生活の立て直しを図る方法です。借金をしている貸金業者の数や額が多い場合に適し,話し合いによる解決が困難な場合であっても債務の整理が可能です。
 ただし,住宅ローン等を除く借金額が5千万円以下,継続して収入のある人,原則として3年間で計画どおりに一定額を返済する等の条件があります。この条件を満たすと,借金の減免が受けられます。

◆自己破産

 地方裁判所に破産の申立てをし,全財産を処分することにより,残った借金の全ての免除を受けて生活の立て直しを図る方法で,財産より債務の方が多く現在の支払い能力では全部の債務を弁済できる見込みがない場合に適します。免責が許可されれば早期に借金から解放されますが,最低限の生活資材を除く住宅等の財産は失うことになります。

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