貴金属の訪問購入にご注意!
〈相談事例〉
ある日,「古いバッグがありますか?あれば買い取りますよ。」という電話が女性からあったので,訪問を了解した。20分ぐらいして,若い男性が来訪し,「バッグの他に貴金属はありませんか。」と聞いてきた。アクセサリーを15点ほど見せると,それも査定し,アクセサリー10数点とバッグ3点とで計3万7千円で買い取りを了承した。
しかし,アクセサリーには娘のものも混じっており,返してほしいが,どうすればよいか。(80代 女性)
〈相談への対応〉
相談者にはクーリング・オフについて説明し,書面で出すよう助言しました。その後,品物は返品され,お金は業者に返金したと連絡がありました。
〈アドバイス〉
訪問購入についてもクーリング・オフが可能になりました!!
平成25年2月21日に特定商取引法が改正施行され,事業者が消費者の自宅を訪問して物品を買い取る場合(訪問購入)についても,法定書面を受け取った日を含めて8日以内であれば,無条件で契約を解除(クーリング・オフ)することができることとなりました。この他,訪問購入に関して,次の規制が盛り込まれました。
- 購入業者は,物品の売買契約の申込みや契約を締結するときは,消費者に書面を交付しなければなりません。 (書面交付義務)
- 消費者は,購入業者と物品を引き渡す契約をした場合でも,この期間内は物品の引渡しを拒むことができます。 (引渡しの拒絶)
- 購入業者による,消費者に迷惑を覚えさせるような方法での勧誘(執拗な勧誘,長時間の勧誘など)などが禁止されました。 (迷惑勧誘の禁止)
購入業者は、訪問購入に係る売買契約の締結についての勧誘の要請をしていない者に対し、消費者の自宅等で売買契約の締結について勧誘することなどが禁止されました。(不招請勧誘の禁止)
規制内容の詳細については,特定商取引ガイド(訪問購入)を御覧ください。
※ これらの適用が除外される物品(自動車(二輪のものを除く。),家庭用電気機械器具(携行が容易なものを除く。),家具,書籍,有価証券,レコードやCD等)もあります。
【他にも,こんなトラブルが発生しています!!】
- 着物などの不用品を買い取ると言ったが,貴金属を出すよう言われた。
- 貴金属の買取りを了承したが,あまりにも安いので後悔している。
- 思い出の物を売ってしまい,取り戻そうと業者に連絡すると,「すでに溶かしてもうない。」と言われた。
また,購入業者が「ペースメーカーの材料にする」とか,「東日本大震災の義援金にする」などとと言って,消費者が断わりにくいように勧誘する事例もあります。
【トラブルにあわないために】
・ 突然訪問されても,売りたくない場合には,きっぱりと断りましょう。
(※購入業者が,勧誘の要請をしていない者に対して勧誘をすることは禁止されています。)
・ ある物の買い取りに同意して業者が訪問してきた場合に,業者から他の物を出すよう言われても,売りたくない場合はきっぱりと断りましょう。(ex.着物を買い取ると言われ訪問を了承したが,貴金属を出すように言われた場合)
(※購入業者が,ある特定の物品について勧誘の要請を受けて訪問する場合であっても,その他の物品について勧誘等をすることは禁止されています。)
・ 突然訪問してきた人を,簡単に家に上げないようにしましょう。
(※断っているのに上がり込んでくるような場合は,警察に連絡しましょう。)
・ 買い取りに同意する場合でも,すぐに引き渡す必要はありません。本当に手放してもいいのか,よく考えましょう。
・ 買い取りを依頼しようとする場合でも,信頼できる業者を自分で調べて依頼しましょう。
・ もしトラブルに会ってしまったら,お近くの消費生活相談窓口に相談しましょう。
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