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食品の乾燥方法

印刷用ページを表示する 掲載日:2013年6月18日更新

食品工業技術センター > 企業のためになるQ&A No.2 > 食品の乾燥方法


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Q98 新商品として乾燥野菜やドライフルーツを製造したいのですが,食品の乾燥方法にはどのようなものがあるか教えてください。

A 食品の乾燥方法には自然乾燥と人工乾燥があります。食品の乾燥によく利用される方法と特徴について紹介します。(表1,2)

表1 食品の乾燥方法

乾燥方法

概要

対象

自然乾燥

陰干し,天日干しなど自然のエネルギーを利用する方法。干し魚,干し椎茸,かんぴょうなど

人工乾燥

熱風乾燥熱風を食品に吹きつけて乾燥。人工乾燥の中で最も一般的に使われる。野菜,果実など
流動層乾燥法食品を気流中で浮遊させ乾燥。顆粒状に乾燥できる。スープ,穀類,豆類など
噴霧乾燥液状食品を微粒化して高温気流中に噴霧して瞬間的に乾燥。粉末状に乾燥できる。粉乳,粉末コーヒーなど
ドラム乾燥加熱された回転式円筒の上に液状の食品を薄く塗布し,連続的に乾燥し掻き取る。マッシュポテトなど
低温乾燥湿度を下げた低温(20~30℃)の空気により乾燥。水産物,麺,野菜,果実など
凍結乾燥食品を凍結し,高真空下で氷の昇華によって乾燥。インスタント食品など
加圧乾燥密閉容器中で食品を加熱・加圧後,急激に常圧に戻し,瞬間的に水分を蒸発させ乾燥。
膨化食品の製造に利用。
ぽんせんべい,スナック食品など

乾燥野菜やドライフルーツの製造に際しては,原料中の酵素を失活させることにより乾燥中及び乾燥後の褐変や品質劣化を防止するため,前処理としてブランチング(熱湯や蒸気による短時間加熱)や硫黄燻蒸がよく行われます。

表2 乾燥方法の特徴

乾燥方法

長所

短所

自然乾燥

操作が簡単。
乾燥コストが低い。
時間,手間,場所が必要。
天候に左右され,品質管理が困難。
成分変化を起こしやすく,均一に仕上がりにくい。
人工乾燥

熱風乾燥

自然乾燥に比べ乾燥速度が速く,均一に仕上がる。
装置が簡単なためランニングコストが安い。
加熱により成分変化を起こしやすい。
収縮・硬化しやすく,乾燥しにくい食材がある。

流動層乾燥法

乾燥が均一に仕上がる。
ランニングコストが安い。
粘結性,団粒性を持つ食品は流動化しないので不適。
粒子構造のもろいものは微粉になりやすい。

噴霧乾燥

食品成分の変化が少ない。
ほぼ球状の粉末が得られる。
装置が大型で高価。

ドラム乾燥

乾燥速度が速い。
噴霧乾燥機に比べ装置が小型で安い。
食品成分の変化が大きい。

低温乾燥

栄養成分や色,香りの変化が少ない。
加熱による油やけや褐変が起こりやすい脂肪含量の多い水産物の乾燥に適する。
熱風乾燥に比べ乾燥に時間がかかる。
装置がやや高価。

真空凍結乾燥

食品の復元性に優れる。
食品成分の変化が少ない。
乾燥コストが高い。
乾燥品がもろい。

加圧乾燥

食品の復元性が良い。
乾燥速度が速い。
原料の水分の多少により膨化程度が変わる。

乾燥方法を選定する条件としては,乾燥製品の形状と乾燥コストが大きく関係します。原料の原形を保った乾燥食品を製造する場合は,自然乾燥,熱風乾燥,凍結乾燥などが利用され,野菜エキスのような粉末製品を作る場合は噴霧乾燥が適しています。乾燥コストは,自然乾燥が最も低く,凍結乾燥が最も高くなります。

乾燥食品では,保存中に食品に含まれる油脂,色素,ビタミンなどの成分の酸化,変色やメイラード反応による非酵素的褐変や異臭の生成などさまざまな化学的変化が起こり,風味の低下や栄養成分の減少などの品質劣化を招きます。これらの品質劣化を防止するためには防湿包装により吸湿を防ぐ工夫や,ガスバリアー(酸素遮断)包装,脱酸素材封入包装などにより低酸素状態を維持する必要があります。


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