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Q&A106 清酒もろみの管理

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年3月16日更新

食品工業技術センター > 企業のためになるQ&A No.2 > 清酒もろみの管理  


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Q106 清酒もろみの管理で,BMD値を用いた手法について教えてください。

A 清酒もろみでは,麹由来の酵素による米デンプンの糖化と,酵母による発酵の2つの過程が並行して進みます(並行複発酵:図1)。
このため,もろみ管理では麹の酵素と酵母の活動の制御が求められます。

清酒の糖化・発酵過程

図1 清酒の糖化・発酵過程

糖化と発酵のバランスは,もろみの比重を毎日測定することで把握できます。蒸米が溶解し,ブドウ糖が増えると比重は増大し,ブドウ糖がアルコールに変わると比重は減少するため,糖化と発酵のどちらが優勢かを判断できます。

もろみの比重は,ボーメ度として測定されます。留後日数で3~4日目までは,糖化が先行するのでボーメ度が高まります(図2)。
もろみ期間を通じて,最も高いボーメ度を最高ボーメと言い,7~8が標準とされます。
以後,ボーメは切れ始めます(ボーメ度が低下することを,ボーメが切れると表現します)。
始めは切れ方が鈍く,1日に0.4~0.6度程度ずつ低下します。
発酵が最も強い時期には1日に0.5~0.7度程度ずつ低下しますが,終盤には1日の低下量は0.2~0.5度程度となり,切れ方は鈍くなります。

ボーメ度及びアルコール度の推移のイメージ

図2 ボーメ度及びアルコール度の推移イメージ

さらに,ボーメの切れは,BMD値で表現すると判断が容易になります。
BMD値は次の式で表され,これをグラフ化したものはB曲線と呼ばれます(図3)。 

 BMD値=留後日数×ボーメ度
 (例:10日目のボーメが4の場合のBMD値は40=10×4)

B曲線の推移イメージ

図3 B曲線の推移イメージ

B曲線には,適正な型があるわけではありません(図3)。
過去のもろみ経過から,仕込みごとに標準的なB曲線のパターンを作成し,このパターンから大きくずれることがないように管理します。
B曲線のピークが予定よりも高くなると考えられる場合,つまりボーメの切れが悪い場合には発酵を促進する必要があります。この場合は温度を徐々に上昇させるとともに,できる限り速やかに追水をします。
逆に,B曲線の低下が標準パターンより速く進む場合,進みすぎている発酵を抑える必要があります。この場合は1日0.5~1.0℃を目安に温度を下げてください。
また,標準パターンとのずれが大きい場合は,麹の酵素力価,酵母の発酵力,蒸米の状態などが影響していると考えられます。再度,仕込み前の工程を見直しましょう。

 <参考文献>
 財団法人 日本醸造協会「増補改訂清酒製造技術」


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