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かまぼこの遊離水の発生防止方法

印刷用ページを表示する掲載日2020年11月10日

食品工業技術センター > 企業のためになるQ&A >かまぼこの遊離水の発生防止方法


Q かまぼこを真空包装して,冷蔵庫に貯蔵しておくと,遊離水が出てくることがありますが,遊離水の発生防止方法を教えてください。

A かまぼこを真空包装して加熱を行い,冷蔵庫に貯蔵すれば,長期間腐敗させずに保存することができます。しかし,かまぼこと包装フィルムとの間に遊離水が出て,著しく商品価値が下がることがあります。

 この原因は,かまぼこの主要原材料である魚肉の保水量が低下し,魚肉から水が遊離してくるためです。よって,この現象を防止するには,魚肉が保持できる量よりも多くの水を加えないことです。冷凍すり身は,等級別によって加水できる量が異なっています。高い等級のものほど多く加水することができ,低い等級のものほど,加水できる量が少なくなります。同じ加水量の場合,等級の低いすり身を用いた製品は,等級の高いすり身を用いた製品に比べて,早く遊離水が出てくることになります。

 遊離水の発生を防止する手段として,保水力の強い添加物を加える方法もあります。
 最も手に入れやすく,価格の安いのはでん粉です。でん粉はその重量の2~3倍の水を吸収して糊化します。また,一旦吸収した水はなかなか遊離水としては出てきませんが,その効果は,でん粉の種類によって異なっています。最も多くの水を吸収できるのは,じゃがいもでん粉で,次いでトウモロコシでん粉,小麦でん粉となります。じゃがいもでん粉は他のでん粉に比べて老化しやすいことから,他のでん粉と混合して添加することをお勧めします。

 また,植物性たん白質にも保水力を高める作用があり,2~4倍の水を吸収することができます。植物性たん白質には,大豆由来と小麦由来の2種類があり,性質がかなり異なることから食感が違うため,かまぼこの種類によって,使い分ける必要があります。例えば,大豆たん白質は揚げかまぼこ,小麦たん白質は竹輪に用いるとよいと思います。

 その他,貯蔵中に細菌が増殖することにより遊離水が生じることもありますので,衛生管理も必要です。


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