汐見稔幸氏をお招きし,乳幼児期の自然体験の充実に向けた講演会を開催しました!
平成30年3月10日に,汐見稔幸氏をお招きして,「乳幼児期の自然体験活動の充実に向けた講演会」を開催しました
開催概要
広島県では,自然保育の充実や,ひろしま自然保育認証制度の普及に向け,平成30年3月10日(土曜日)に,はつかいち文化ホールさくらぴあにおいて,日本保育学会会長の汐見稔幸氏をお招きし,「広島県 乳幼児期の自然体験活動の充実に向けた講演会」を開催しました。
第1部では,汐見稔幸氏の講演を,第2部では,県内の保育実践者から,それぞれの園での自然体験活動に関する実践報告を発表して頂きました。
また,会場では,昨年10月に創設した「ひろしま自然保育認証制度」の認証団体に御協力を頂き,それぞれの団体での活動の様子をパネル展示しました。
当日は,300名を超える方にご来場いただきました。
当日の様子をお伝えします。
(チラシ)
チラシのダウンロードはこちら (PDFファイル)(800KB)
(開催要項)
開催要項(申込用紙)のダウンロードはこちら (PDFファイル)(207KB)
(第1部)講演会
第1部では,汐見先生からは,「自然が人間にもたらすもの」という題名で,様々な知見や事例を紹介して頂きながら,
・子供の頃に,自然と交わる中で,5感を使って感じることや,自然に対する畏怖を感じることが大切であること
・子供たちの「感じる働き」を,「知識」や「命の働き」とつなげることで,子供の中の自然性を活性化させることが大切であること
・乳幼児期の自然体験活動を考えるには,「森の中でどのような遊びをしたか」ではなく,「子どもの中の自然性を活性化するために,自然素材や自然環境を生かした活動」と捉えてはどうか
・知識と体験の相互交渉によって,知識だけでなく,私たちの心の中,体の中で命の喜び,命の声をしっかり聴ける人間を育てることが,とりわけ大事なのではないか
といったお話をしていただきました。
(講演の様子)
(第2部)県内の実践事例発表とパネルディスカッション
第2部では,
広島大学大学院教育学研究科の七木田敦教授をファシリテーターにお迎えし,
広島女学院ゲーンス幼稚園の高田憲治園長,
広島大学附属幼稚園の松本信吾主幹教諭
社会福祉法人みどり会 みどりの森保育園の中川宏美園長と,みどりの森みらい保育園の溝上郁子園長から,それぞれの園での取組を発表して頂きました。
※それぞれの発表については,当日の配布資料や発表資料も併せて御覧ください。
広島女学院ゲーンス幼稚園の高田先生からは,
・園庭に緑や水辺を増やしていく取組を通じて得た気づき
・子供達が,保育者だけでなく,地域や保護者とともに育ち合うことの大切さ
・自然体で自然に向き合うことが大切
などについて,御発表頂きました。
広島大学附属幼稚園の松本先生からは,
・すぐ近くにある自然を活用するに至った経緯
・自然の活用を通じて得られた保育内容や保育者の変化
・屋内での保育と戸外での保育の違い(時間の流れ,保育者の感じ方 など)
・インタープリター(森の達人)から得た,保育者にとっての多くの学び
・まずは,子供に何をさせるでもなく,森へ出かけてみよう
などについて御発表頂きました。
中川先生と溝上先生からは,
・広島市中心部にある保育所であるが,園外の公園なども,お散歩マップ作りを通じて,積極的に活用していること
・そのために,職員が連携して,職員配置を日々検討していること
・地域の方との連携を通じて,子供達の活動の幅が広がっていくこと
・ブログやボードフォリオ,親子交流行事などの取組を通じて,保護者と信頼関係を築いていること
・近隣の小学校との幼保小連携の取組を通じて,子供達の活動の幅が広がるとともに,保育者自身も,就学後の教育を見据えることで,現在の保育に対する理解が深まること
などについて御発表頂きました。
最後に汐見先生から,講評として
・それぞれの園で,自然に対するアプローチが異なり,そのことがとても素晴らしい
・保育者として,子どもの目線の高さから,子供がどう感じているか想像することが大切
といったお話を頂きました。
【配布資料】
当日の配布資料(第2部) ※容量が大きいためご注意ください。 (PDFファイル)(14.06MB)
【発表資料】
高田先生(広島女学院ゲーンス幼稚園) (PDFファイル)(26.63MB)
松本先生(広島大学附属幼稚園) (PDFファイル)(14.05MB)
※ 許可を得たもののみ掲載しています(転載・転用は不可)。
ひろしま自然保育認証制度認証団体のパネル展示
また,ロビーでは,ひろしま自然保育認証団体の活動の様子をパネル展示しました。
※団体名をクリックすると,拡大します。
ナチュキッズ 森のようちえん (その他のファイル)(5.4MB)
みどりの森みらい保育園 (その他のファイル)(4.97MB)
森のようちえん まめとっこ (その他のファイル)(5.13MB)
東広島シュタイナーこども園さくら (その他のファイル)(5.35MB)
認定こども園さざなみの森 (その他のファイル)(5.63MB)
麦わらぼうし こどもえん (その他のファイル)(3.95MB)
幼保連携型認定こども園ふたば (その他のファイル)(5MB)
展示の様子
アンケートの声
(印象に残ったこと)
・様々な視点から“自然の保育”を学ぶことができた。
・自然が子どもたちに与える影響について,改めて深く知ることができた。おおまかにしか知らなかった良さについて触れることができたので,すぐに実践できるようなことから行っていきたい。
・自然という環境の保育がどれだけ大切なのかを汐見先生の話で感じた。街中でも都会の真ん中でも工夫できる!!やりたい!
・自然と触れ合った保育の大切さを改めて感じた。
・事例発表が良かった。実際に各園でどういった取組をしているのか知ることができて,とても興味深かった。
・自然保育をしたいと始めて1年目。自然がどう子供の一生の人間形成を左右するかについて,理論的に地域や保護者へ伝えていきたいので,とても参考になった。
・保護者にはいろいろな考えの人がいるので,自然保育を取り入れるのはとても難しいと感じている。
・「森の日」のように一日自然と触れ合う,時間を気にせずに遊び込める日をつくってみたいと思った。
(要望など)
・0~2歳児に向けたものも見てみたい(ふつうの街中にある園での取組等)。
・園内に豊かな自然がなくても,あるものを最大限活用することや,積極的に園外に出かけることで,子供に素敵な体験を味あわせてあげられることができますね。今日のお話を伺って,自分の保育園の保育を見直してみようと思いました。
・じっくり遊びに共感したいところだが,事故が起きたときのリスクマネジメントとして全体を見渡しているだけで精一杯。リスクマネジメントの研修などを今後企画してほしい。
・森の達人に園に来てもらいたい。森の遊びを教えてほしい。
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