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坪井 純子さん(キリン株式会社執行役員)

印刷用ページを表示する 掲載日:2015年5月16日更新

坪井純子さん

ひろしまをブランディングするには
「ほかにはない魅力」をストーリーにすること

<プロフィール> 
坪井 純子(つぼい じゅんこ)さん

安芸郡府中町出身。
東京大学理学部卒業後、昭和60(1985)年キリンビール株式会社に入社。
「キリン秋味」の開発及びブランドマネージャーなどを担当し、平成22(2010)年3月株式会社横浜赤レンガ代表取締役社長に就任。
現在は、キリン株式会社執行役員CSV本部ブランド戦略部長。

ひろしま出身であることを
誇りにできる街

私は、町立府中南小学校を卒業していますが、いま思うとたいへんチャレンジングな教育方針の学校だったようです。
たとえば国語の授業で、教科書を1ページ読ませ「何でも思ったことを言いなさい」と、生徒にフリーディスカッションをさせる。それが珍しいということで、全国から多くの先生が授業の視察に来られたと記憶しています。自由闊達で、自主性を尊重し、当時としては先鋭的な学校だったのだと思います。4年生くらいからは、音楽、美術、体育などを専門の先生が教えるのもほかの小学校では珍しいことを中学に入って知りました。
教育が人を育て、文化を創る。ひろしまの魅力は教育から始まっているのかもしれません。

私は、大学進学で上京して、ひろしまよりも東京や横浜に暮らす時間のほうが長くなりました。
ひろしまに住んでいた頃は意識していなかったのですが、ひろしまの良さは外に出てみてより強く感じるようになりました。ひろしま出身の人と東京で出会って感じるのは、ひろしまを愛してやまない気持ちです。ひろしま出身であることに誇りを持っていて、私もそうですが「ひろしま出身」を口にしたくなる。それは、幼いころから原爆の体験を身近で耳にし、平和への特別な思いを感じながら育ったこと、世界でも特別な街であるという思いがあるからかもしれません。そういったほかにはない街の歴史、そこから再生・発展し、マツダ、ユニクロなどのひろしまで育った産業、カープやお好み焼きなど、自慢できる文化を誇りに思っているからではないでしょうか。キリン広島工場(昭和40年代)
キリンビール広島工場も昭和13(1938)年に操業を開始し、戦争や原爆を経験しながら平成10(1998)年に工場再編成を行うまで約60年間、地元の皆さまに親しんでいただいてきました。現在もたくさんのビールや清涼飲料をご愛飲いただいており、感謝とともに、今後もひろしまゆかりの企業としてご愛顧いただければと思っております。

幼い頃、小さな地球儀を買ってもらったときのことです。日本には都市の名前が5、6つくらいしか書いてありませんでしたが、その中にひろしまが入っているのがすごくうれしかった。そのとき母が「原爆を経験した街だから、地球儀にも書いてあるんだね」と言ったんです。その言葉を今でも鮮明に覚えています。被爆し焼け野原になった街を再生し・こんなにも発展させたひろしまには、ゼロからいろんなものにチャレンジする気概があるのかもしれませんね。 

ブランディングは、ほかにはない魅力で
“選ばれる理由”を創ること

私の仕事は企業や商品のブランディングです。「ひろしま」という都市もひとつのブランドですから、ブランドの魅力を高めていきたいですね。「地方創生」はいまや日本全体のキーワードですし、東京集中でなく地方に興味をもつ若い世代も増えているのでとそれらを追い風にできるチャンスだと思います。

ブランドは受け手の心のなかに創られるイメージ。ブランディングで大事なのは、ほかにはない魅力や個性を際立たせ、“選ばれる理由”を創ることだと思います。言い換えれば「どこが強みか」「どこを好きだと感じてほしいか」を明確にすることといってよいかもしれません。

県のコンセプトブックを拝見して、個性を明確にして、ひろしまの強みはここだと定められたのはすばらしいことだと思いました。
ブランドの魅力はしぼり込んでエッジを立たせるほど強くなりますが、逆に狭くもなる場合もあります。
県は広いですし魅力がたくさんあっていろいろアピールしたい。一つにはしぼりにくいですよね。そこで、ただ「いろいろある」のでなく、いろいろある魅力に通底するストーリーを打ち出すことが大事だと思います。たくさんの魅力が一つのストーリーでつながることで、それぞれの魅力がもっと強く、魅力的にみえてくると思います。その意味ではこのコンセプトブックには、もっと人の魅力や教育のすばらしさを立てられてもよいのではないかと感じました。チャレンジ、新進気鋭……そういう街だからこそ生みだされる様々な魅力。人の魅力を軸にストーリーをつなぎ、だから広島の魅力が創られると伝える。企業ブランディングも同じですが、答えがあるというよりはシナリオを創りだすこと、クリエイティブだと思います。

さてキリンでは、CSV(Creating Shared Value)を掲げています。CSRは企業が社会的責任を果たすことですが、CSVはそれを一歩進め、企業と社会が共有する価値をクリエイト(創造、共創)していくというコンセプトです。社会への価値創造が企業にとっても価値になり、ウィンウィンになるということです。たとえば平成25(2013)年から毎年期間限定でキリンのチューハイ「氷結」の福島県産の和梨味を発売しており、今年は桃味も追加しました。風評被害に苦しまれる福島県を応援し、キリンにとっては大事なブランドのオリジナル商品となりました。

キリンはCSVの主要テーマの一つとして「人や地域とのつながり」を掲げています。キリンはお客様に身近な商品を扱う事業ですから全国に様々な拠点があり、私が関わった横浜赤レンガもそうでしたが、そこの生活者や企業、大学、行政と一緒に社会課題の解決を目指す試みに積極的に取り組もうとしています。ひろしまでも行政が目指しておられるテーマに一緒に取り組みたいですし、お客様、他の企業や大学の方々とも共創していきたいと考えています。

事業の中で社会課題を解決していくわけですが、各県で狙っている社会課題は違うでしょうから、例えば、ひろしまで打ち出したい産業、あるいは食文化の振興などをキリンの商品やキャンペーンで一緒に取り組む、そういうこともキリンにとって大事なCSVの取り組みになると期待しています。

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