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平成23年広島県議会5月臨時会(平成23年5月19日)

印刷用ページを表示する掲載日2011年12月1日

知事説明要旨

 臨時県議会の招集に当たり,一言ごあいさつ申し上げます。
 議員の皆様方におかれましては,先般行われました選挙におきまして,めでたく御当選の栄に浴されましたことを,心からお喜び申し上げます。
 県議会の皆様とともに,本県のさらなる発展のために,全力で取り組んで参りたいと考えておりますのでよろしくお願い申し上げます。

 さて,去る3月11日,東日本で未曾有の大震災が発生いたしました。
 三陸沖を震源とする観測史上国内最大の地震と,それに伴う津波が,東北・関東地方の広い範囲にわたって,想像を絶する被害をもたらしました。
 さらに,東京電力福島第一原子力発電所の事故により,依然として予断を許さない不安定な状況が続くなど,この度の大災害は,我が国全体の国民生活や経済に深刻な影響をもたらしております。
 改めまして,この度の震災により犠牲となられた方々に対しまして,衷心より哀悼の意を表しますとともに,被災された皆様に対しまして,心からお見舞いを申し上げます。
 この東日本大震災に対し本県では,直ちに捜索・救助活動や緊急医療に従事するため,消防・防災ヘリコプターや消防車両,消防部隊や警察部隊並びに医療チームを被災地に派遣いたしました。
 さらに,放射線量測定チームや,心のケアを含む医師,保健師,児童福祉司などを派遣しているほか,公共施設復旧支援や避難所支援のための職員も継続して派遣しております。一方,この度の災害においては,県民や企業の皆様方の被災地を支援したい,というお気持ちも極めて強いものがあると感じております。日本赤十字社広島県支部においては,義援金として,過去最大の25億円がこれまでに集まっているほか,物資の支援,ボランティア登録などにも積極的に対応いただいているところでございます。県としては,このような県民の皆様の応援したいというお気持ちを十分に汲み取りながら,被災地支援を進めて参りたいと考えております。
 広島も,被爆により社会も街も焼き尽くされた中で立ち直って参りました。この度の震災においても,被災地は必ずや立ち直り,より良い地域として再生するものと確信しながら,今後も被災地のニーズに応じた復興支援に積極的に取り組んで参ります。なお,福島第一原子力発電所の事故による放射線の影響につきましては,将来にわたる健康不安の軽減を図っていくことが必要であります。
 このため,被爆者医療のノウハウと実績を持つ本県としては,科学的に信頼性の高い健康追跡調査の一元的な実施等について,国に対して提案するとともに,最大限の協力をして参る所存です。
 一方,東日本大震災は,国内経済へも深刻な影響をもたらしております。
 本県におきましても,震災の影響を受けて,資材や部品の調達難などサプライチェーンが滞っていることにより,自動車産業を中心とした生産活動の低下や,海外からの観光客の減少などの影響が表れており,先行きに対する不透明感が高まっております。
 また,県内の雇用情勢は,この春に卒業した高校生の就職率が昨年を上回るなど,持ち直しの動きが見られておりましたが,今後,生産や消費活動の停滞による雇用への悪影響が懸念されるところであります。
 本県では,こうした県内企業の厳しい状況を踏まえ,震災発生後速やかに,金融・経営相談窓口を設置するとともに,震災による間接被害についても県費預託融資制度の対象とするなど,弾力的な対応を行っているところでございますが,引き続き,県内企業等への影響を注視しつつ,適切に対応して参ります。
 また,海外からの観光客の減少につきましては,誤った風評の払拭や渡航自粛措置等の解除に向け,中国地方各県とも連携して国に対し,海外への正確な情報発信等を働きかけたところであります。
 次に,先般,国においては,被災地の災害救助費等を中心とする平成23年度第一次補正予算が成立したところであり,今後,本格的な震災復興のための補正予算対応も想定されます。
 その際,震災への対応と併せて,当初予算に盛り込まれた主要な施策の見直しや復興のための財源対策が大きな論点になってくると考えられます。
 こうした動きに対して,本県としても時期を逸することなく,適切に対応するとともに,国に対しても地方の立場からの意見を提言していく必要があると考えております。
 また,この度の震災は,これまでの想定を遥かに超える災害であり,国等において今後,様々な観点からの原因分析や対策等にかかる検証が進められていくものと考えております。
 本県といたしましては,こうした国等の動きも注視しつつ,県の地域防災計画について,どのような見直しをする必要があるか,県庁内にプロジェクトチームを設置し,検討に着手することといたしました。

 さて,昨年度は,本県の総合計画である「ひろしま未来チャレンジビジョン」を初めとする各種の計画や,ビジョンを支えることとなる「行政経営刷新計画」及び「中期財政健全化計画」を策定するなど,新たな挑戦のための「仕込みと基盤づくり」に取り組みました。
 そして,平成23年度は,この「仕込みと基盤づくり」を踏まえ,施策をしっかりと実行していく「実行の年」であると位置づけております。
 4月以降これまでの間におきましても,広島中央フライトロードや福山港国際コンテナターミナル第2バースの供用を開始するとともに「広島県留学生活躍支援センター」を開設したほか,広島版「産業革新機構」につきましては,「株式会社ひろしまイノベーション推進機構」として,設立準備を具体的に進めるなど,主要な取組についての進捗を図っているところであります。
 引き続き,「ひろしま未来チャレンジビジョン」で掲げました,「人づくり」,「新たな経済成長」,「安心な暮らしづくり」,「豊かな地域づくり」の各政策分野で,具体的な成果を生み出していくための施策に着実に取り組んで参ります。
 今回の大震災は日本に未曾有の危機をもたらしたものとなりました。しかしながら,我々はこの国難を必ず乗り越えなければなりません。ピンチをチャンスに変えていかねばならないのです。また,特に西日本におきましては,復興支援と自らの変革の双方に取り組み,日本全体を引っ張っていく責務を有していると言えるでしょう。
 そのためには,まず,我々がビジョンで描いたところに向かって全力を挙げ,ますます力強く挑戦していかなければなりません。この震災は,日本の強さを再認識させるものでもありました。その強みの上に新たな強みを築き上げ,新たな時代を切り拓いていくため,広島県としても県民の皆様とともに最大限の努力をして参りたいと考えております。


 今回提出しております議案は,東日本大震災の被災者支援に関する地方税法改正に伴い広島県税条例の一部を改正する条例など,専決処分の承認を求める議案2件及び広島県監査委員の選任の同意についての議案であります。
 なお,専決処分報告2件についても併せて提出しております。
 どうぞ,慎重にご審議いただいたうえ,適切なご議決をいただきますよう,よろしくお願いいたします。

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