第13回県政知事懇談「湯崎英彦の宝さがし」(江田島市)
第13回 県政知事懇談「湯崎英彦の宝さがし」を次のとおり江田島市において開催しました。
1 開催日時
平成22年9月4日(土曜日) 14時00分~16時00分
2 開催場所
沖美ふれあいセンター 1階 ホール : 江田島市沖美町美能833-5
3 内容
知事と参加者が「挑戦そして実現!引き出せ広島県の『底力』」をテーマに意見交換を行いました。
4 参加者
江田島市在住の方 10名
5 傍聴
約50名参加
6 その他
懇談の模様を録画でご覧いただけます。
こちら(インターネット放送局)からご覧ください。
7 結果概要
<ご意見の概要>
1 定住促進の取組について
○参加者
「田舎暮らしを楽しもう会」において定住促進の取組を行っている。私自身も移住者で,移住してきたときに本当に情報がなく苦労したので,仲間を集めて情報交換しようと会を発足させて5年になる。県として,江田島市をどういう方向にしていくかを明確に示していただければ,私たちは民間の立場として,江田島の活性化に向けてできることをやっていきたい。
●知 事
県としてこうなってほしいということではなくて,地元の方々が活力をもって,元気になっていただければ,それはどんな方法でもいいと思う。それを今,県内全体で進めようとしており,地元が持っている強いもの,自慢できるもの等をベースに,それを頑張って広げていく。そういったことを私は期待したいし,一緒に汗をかいていきたいと思っている。
2 異業種参入によるイチゴ栽培の取組について
○参加者
沖美ベジタという会社で,イチゴのハウス栽培をしている。もともとは建設会社だったのだが,
公共工事の大幅な削減の中で,雇用を確保するため,異業種参入ということで,平成14年に会社を設立した。沖美町のイチゴは,日照時間が長くよく日が当たっているので,色やつやがよく,また,スーパーの九州等のイチゴと違い,完熟に近い食べ頃の状態で出荷しているところが強みである。
●知 事
今,地産地消を推進しているが,大きな広島市場に近いところで,おいしいだけでなく,完熟に近く栄養価も高いということなので,是非進めていただければ,広島県全体が健康になっていいと思う。建設業からの新規参入ということも大きな課題なので,是非頑張っていただきたい。
3 Iターン及び新規就農の取組について
○参加者
Iターンで江田島に移住し,ちょうど1年で,大須でキュウリをつくっている。北海道で酪農をしていたが,たまたまホームページで江田島のお試し暮らしというページを見つけ参加し,自然環境のよさから移住を決めた。新規就農に対する支援がもっとあれば,移住や農業を始めたいという人が増えるのではないか。
●知 事
認定就農者を対象とした機械等の導入に対する融資や,集落法人への就業の支援などを行っている。経験がない方が農業を始めるのは,営農知識や初期投資等の面でなかなか難しいので,一回法人に就職して,勉強した後,独立していくというやり方も,就農者を増やすためには必要なプロセスかと思っている。
4 サイクルアイランドの取組について
○参加者
江田島市観光協会の事務局長の全国公募に応募し,今年の4月に江田島に来たばかりである。
私自身もサイクリストであり,広島から自転車で江田島を訪れる方が非常に多いということで,
サイクルアイランド江田島というプロジェクトを立ち上げて,今活動している。
●知 事
今朝,ふるさと市場のある大君から,サンセットビーチまで,18km程,自転車で走ったが,車が少ないので走りやすく,海を横に見ながら走れるので,サイクリングにはすごくいいところだなと改めて感じた。
○参加者
しまなみ海道は一本道で,向こう側で疲れたら帰る手段がなかなかないが,島は周遊できるので便利である。更に,疲れたときには自転車といっしょにバスに乗れるようになるといい。
●知 事
先ほど,車が少ないのでいいと申し上げたが,県北でも雪で不便という考え方に対して,雪で人を呼ぼうとする取組があるように,寂しくて残念と思うかもしれないが,逆にサイクリストには天国のような所で,弱みをいかに強みに変えるかというのは大事な視点だと思う。今は,しまなみ海道を中心に,サイクリングを通じて海外からお客さんを呼び込もうとしているが,是非連携をしてやっていきたいので,よろしくお願いする。
5 花卉農業と花育の取組について
○参加者
能美町で花をつくっている。花の産地として,2月に業界みんなで宣伝のため花の祭典を行っている。また,命の大切を学んでもらおうと「花育」に取り組んでおり,来年のフラワーフェスティバルのために,小学校の子ども達に種から花を育ててもらうという活動を予定している。
●知 事
来年のフェスティバルに向けて子ども達が種から育てて,5月くらいに花が咲き,イベントに使っていく。育てていくためにはいろいろと手間もかかるので,花育,命の大事さという観点からいいことだと思う。
6 カキの販売促進の取組について
○参加者
能美町でカキの養殖を行うとともに,江田島市の水産物等販売協議会において,水産物を県内,県外に売っていこうという活動をしている。普通のカキの販売とともに,広島県が開発した夏ガキを,江田島市のきれいな海で作って,「ひとつぶくん」をいう名前で,地域ブランドにしようと頑張っている。
●知 事
「ひとつぶくん」はびっくりするくらい大きく,目を引く。去年もカキのプロモーションを行った。県からの供給が限られているのがネックかなと思っている。
○参加者
せっかく認知され利用も増えているので,しっかり供給を増やしていただきたい。
7 自治会活動の取組について
○参加者
江田島市には31の自治会があり,その下に,小回りの利く小さな班等があり,それぞれの地域の環境整備や社会福祉事業,自主防災組織等々の活動を行っている。更に,協働のまちづくりを推進するため,地域内のすべての各種団体によるまちづくり協議会の結成を進めている。自治会やまちづくり活動の取組にあたり,後継者がなかなかいないことが一番大きな悩みである。
●知 事
活動が活発になっていく中で,続けていこうという方が増えていくことを期待したいが,おっしゃるように,江田島だけでなく,県内全体,日本全体で大きな課題になっていることだと思っている。地域の絆や,お互い,近隣同士で見守り合うということも,これからますます大事になってくると思うので,是非お力を発揮していただきたい。
8 囲碁の普及,振興について
○参加者
広島県立呉商業高等学校の1年生である。私が習っている囲碁をもっと多くの人に知ってもらうとともに,瀬越憲作という立派なプロ棋士の人が歴史上にいるので,そのことも広めていきたいと思っている。今年,広島県大会で優勝し,全国高校囲碁選手権に出場した。
●知 事
何でも一番になるというのはすごい。おめでとう。高校生がこの会に参加してくれた時,皆さんに聞いているが,高校を卒業したら,大人になったら,広島県に住みたいと思うか。
○参加者
まだ進路ははっきり決めていないが,やっぱり広島で進学か就職できたらいいなと思っている。
●知 事
いい広島県になるように頑張りたい。
9 女性会の活動について
○参加者
江田島市女性会連合会は,温かい心の通い合う安心して暮らせる社会を活動目標に挙げて,声のかけあい運動や,地域の行事への参加のほか,環境問題にも取り組んでおり,海や川をきれいにしようという活動をしている。会員の高齢化に伴い,年々会員数が減少しているが,活動のPRや魅力を広めて後継者を育てていきたい。女性が明るくなれば地域も元気になり活性化するとの思いでやっている。
●知 事
我が家でも妻が元気であればそうである。また,海は江田島市の大きな財産なので,海をきれいにする活動は非常に大事なことだと思う。
10 ふるさと市場の取組について
○参加者
朝,知事に来ていただいたふるさと市場に出店している。この市場は試行的実施として,3月からこの9月20日まで設置しているもので,皆さんで出店して,地域活性化のためにたくさんの人に来ていただき,おいしいものを食べていただいたり,特産物や郷土の紹介を行い,頑張っている。将来的には,今はテントであるが,お客様に失礼に当たらないように,施設を構えて,海の駅,道の駅にしていただければと思っている。
●知 事
今は皆さんが持ち寄る形でやられているというよさもあるが,いろいろな工夫の仕方があると思う。もちろん建物があるといいという気もするが,私はテントの良さもあるのではないかと思う。皆さんでお知恵を出していただいて進められるのが一番だと思う。
自由討論
1 合併のよかった点,悪かった点について
●知 事
江田島市も合併してできたところであるが,この合併について,よかった点,悪かった点があったら教えていただきたい。
○参加者
住民の大多数から,合併して一つもいいことがないという声を聞くが,合併せずにそのまま続いていたら,私はもっとみじめな目にあっているのではないかという気がする。能美町の時代には75歳以上は船賃が無料であったが,合併後特典は無くなった。しかし,その後の利用者の減少等の中では,合併しなかった場合も同じことになっていたと思う。
●知 事
一体感という感じはだんだん出てきたか。
○参加者
行政の出先機関がなくなったので,当初は不便になったが,地域のみんなで協力し合って声かけをしているので不便さは感じていない。女性会に関しては,合併して他の町との交流もできるようになり,勉強になったという声も聞く。
●知 事
合併して持続可能になったにもかかわらず,住民の皆さんがそれを十分感じられていないというのがひとつ残念なことで,それを感じていただくにはどうしたらいいかというのを考えないといけないと思う
2 江田島への移住について
●知 事
多くの方が外から江田島に移住してこられているが,地域の中での受入れはどういう雰囲気か。
○参加者
広島市からこちらに移住してきたが,最初は地域情報が非常に入りにくかった。自治会に入れていただいてからは,情報が入りやすくなって,住みやすくなってきた。沖美町を中心に移住者の会を発足し,今は全域に広がり,そこでまたいろいろな人たちの出会いができてきており,そういう面で広がってよかったなと思っている。
●知 事
いろいろなところで定住交流の取組を行っているが,移住者同士のネットワークというのは,他ではあまり聞かなかった。ここでは,それが受け皿として,移住を推進していく上での機能を果たしている様であり,これは一つ考えてもいいことかなという感じがした。田舎に住みたいという希望を持っている方は意外と多く,新しい人に入ってきてもらうと活力につながっていくので,それがうまく回ればいいなと我々も考えているところである。
3 海の道構想について
○参加者
海の道構想に関してだが,瀬戸内のよさということであれば,宮島の裏側やこのあたりも景観がすばらしいところがたくさんある。海上のクルージング等も含めて,この辺ももっとPRしていただくと,私たちも非常にうれしいのだがどうか。
●知 事
今度宮島の展望台を建て替えをするが,そこから宮島の裏や江田島がよく見えるので,宮島の裏側もPRしていこうと考えている。クルージングについては,我々もこれから活発にしていきたいと思っているが,幾つかステップを踏んでいく必要がある。例えばサイクリングやクルージングなどの仕掛けによって,最初はまずメインのところから始めていく。それで,だんだんお客さんが増えてくると,そこだけでは満足しない人が出てくるので,どんどん広げていきたいと思っている。
4 知事によるトップセールスについて
○参加者
江田島に住んでいる人の仕事は主に一次産業であるが,それが危機的な状況にあり,まず後継者がなかなか育っていない。我々も農業製品や海産物を少しでも売るように努力し頑張っているが,知事には,ことあるごとに広島県の産品を宣伝してほしい。
●知 事
今,県では,農林水産業活性化計画を立てて,農林漁業で自立した事業ができるように,進めようとしている。イチゴなどの農業でもカキなどの漁業でも,より広い市場,大きな市場を見据えて規模の拡大,収入の拡大を図っていくということはどうしてもやらないといけない。もちろんそのために,私は先頭に立ってPRもしていきたいと思っているので,そこは御安心いただきたい。私も汗をかいて頑張る。
8 現場視察
懇談に先立ち,江田島市内4箇所を現場視察しました。
○江田島ふるさと市場
地域の活性化のために,本年3月から9月までの間開設されているふるさと市場を訪れ,地元の魚介・特産品の販売等の取組について,お話を伺いました。
※ふるさと市場からの移動は自転車で行いました。
○白地水産株式会社
最新のシラス加工施設等を備えた水産加工工場を訪れ,主要な産業である水産業等の現状について,お話を伺いました。
○有限会社グリーンファーム
Uターン青年と地元農業者とが共同でトマトを栽培している温室を訪問し,コンピュータ制御の設備等による低農薬栽培の取組について,お話を伺いました。
○夢来来(ゆめきらい)
江田島市への移住者仲間で設置した,移住希望者や観光客等の交流施設を訪れ,交流定住促進の取組について,お話を伺いました。
関連情報
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