平成22年広島県議会7月臨時会(平成22年7月30日)
知事説明要旨
本日,臨時県議会を招集いたしましたところ,議員各位にはご参集いただき,誠にありがとうございます。
去る7月12日からの梅雨前線による大雨は,県内の広い範囲で非常に激しい雨をもたらし,一部の地域では400ミリメートルを超える累積雨量を観測いたしました。さらに,7月16日には,庄原市で局地的豪雨が発生し,西城町大戸地区では1時間の最大雨量が91ミリメートル,10分間の最大雨量は44ミリメートルとなる「猛烈な雨」を記録いたしました。
これらの一連の大雨は,死者5名,負傷者6名,家屋については全壊18棟,半壊15棟をはじめ,被害を受けた家屋が約1,600棟にのぼるなど,本県に甚大な被害をもたらしました。
この度の災害により,犠牲となられました方々に対しまして,改めて衷心より哀悼の意を表しますとともに,被災された皆様に,心からお見舞いを申し上げます。
県といたしましては,呉市,庄原市,世羅町に災害救助法を適用し,迅速な救助を実施するとともに,県の職員公舎を提供するなど,市町と協力して,被災者支援に全力で取り組んで参りました。
また,被災した土木施設や農林水産施設などにつきましては,二次災害のおそれのある箇所の応急復旧工事を実施するとともに,庄原市内の被災箇所につきましては,国の緊急災害対策派遣隊と共同で,土砂流出の危険性について緊急調査を実施したところでございます。
また,一昨日の28日には,議会と連携して,呉市長,庄原市長,世羅町長とともに,内閣府の防災担当大臣や国土交通大臣に対して,被災者の生活再建や早期の災害復旧を行うための支援などについて,強く要望してきたところでございます。
県といたしましては,今後も,こころのケアや健康支援,必要な資金の提供や融資などにより,被災者の生活再建をきめ細かに支援するとともに,災害復旧事業の早期実施や再度の災害を防止するための対策に全力で取り組んで参ります。
さて,今回提出いたしました,緊急に対応する必要のある被災者への支援策や災害復旧事業に係る補正予算案について,その主な内容をご説明いたします。
まず,被災者への支援につきましては,避難所の設置や食料品の提供など,災害救助法に基づく各種応急救助を実施するほか,災害弔慰金などの支給や災害援護資金の貸付,住宅に被害を受けた方々が生活を再建するための支援金などについて,所要の経費を追加計上しております。
また,中山間地域の主要産業である農林業にも甚大な被害が及んでいることから,被災した農家等の経営安定などに必要な資金について,低利融資を行うために必要な予算を計上するとともに,債務負担行為を設定しております。
土木施設や農地・農林施設等の災害復旧費につきましては,被災状況調査に基づいて,所要額を追加するとともに,河川災害に関連した改良復旧工事や再度の災害を防止するための砂防えん堤等の緊急整備などに要する予算を新たに計上しております。
これらの結果,一般会計の歳入歳出補正予算額は111億4,425万円となり,本年度予算の累計額は9,501億2,537万円となります。
この財源といたしましては,国庫支出金76億2,011万円,県債30億9,863万円などを充当いたします。
なお,このほか,専決処分報告2件を提出いたしております。
どうぞ,慎重にご審議いただいたうえ,適切なご議決をくださるよう,よろしくお願いいたします。