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薬物依存症からの回復を支援しましょう!

印刷用ページを表示する 掲載日:2017年2月15日更新

 大麻や覚せい剤などの薬物の乱用を繰り返すと,やがて,脳の慢性的な異常状態である「薬物依存」という状態に陥り,薬物をやめようと思ってもやめられなくなります。薬物を使うことが最優先されるようになり,家族や周りの人も巻き込んで,さまざまな問題を引き起こすようになります。
 残念ながら,依存症になってしまった脳は元の状態には戻らないと考えられています。その意味で,依存症が完全に治るということはありませんが,きちんと治療を受けて薬物をやめ続けることができれば,円滑な社会生活を営むことができるようになる可能性があります。これを回復と言います。
 乱用を続ける薬物依存症者は,「薬物のためなら何でもする」という状態になっているため,刑罰による抑止力がほとんど働かず,刑罰を受けた人の再犯率も非常に高くなっています。したがって,薬物依存症者の回復を促進することが,薬物のない社会を目指す上での大きな課題となっています。
 薬物依存症からの回復を決意した人が真に更生し,社会の一員として円滑な生活を営むことができるようになるためには,本人の強い決意とともに,家族,職場,地域社会など周囲の人々の理解と協力が欠かせません。薬物乱用という「行為」は,けっして許されるべきものではありませんが,薬物依存症という障害に苦しみ,回復を決意している「人」に対しては,偏見や差別意識を持つことなく,同じ社会の一員として,依存症からの回復を支援していきましょう。

Q&A

 Q1 「薬物を使っても回復することができる」などということが分かると,安心して乱用を始める人が増えるのではないかと心配です。薬物乱用をなくすためには,むしろ,「薬物を使ったら,とてつもなく恐ろしいことになる」ということだけを強調すべきではないですか。

A1 薬物の害を強調することは重要ですが,「薬物を使ったら,皆,凶暴になる」というように誇張して恐怖心を煽るようないわゆる「脅し型」の啓発は,薬物依存症の人への偏見を助長するだけで,啓発としては逆効果であると言われています。一見普通の状態の人から「オレは3年間も使っているけど全然平気だよ。」などと誘われると,「凶暴になると聞いていたけど,この人は,そんなことなさそうだな。やはり,啓発で言っていたのは大げさな話だったのだな。」ということになってしまい,せっかく啓発で学んだことが,すべて否定されてしまいます。
 また,薬物依存症から回復することは可能ですが,けっして簡単なことではありません。一生涯続く薬物依存症という障害を背負ってしまっているので,薬物に対する強い渇望と闘いながら,薬物を使わないという努力を一日一日積み重ねていくことが必要であり,挫折し,脱落することも少なくありません。
 したがって,若者等に対する啓発では,「薬物を乱用すると依存症になり,やめたくてもやめられなくなること。」や「依存症からの回復は大変困難で,仮に回復できても,完全に元の状態に戻るわけではなく,薬物に対する渇望と闘う努力を生涯続ける必要があること。」などを正しく伝え,だから「ダメ。ゼッタイ。」なのだということとともに,薬物に頼らない生き方をすべきであることを強調することが重要です。

 

Q2 薬物依存症からの回復が困難なのであれば,専門病院の入院治療等で完全に回復してから社会復帰すべきではないですか。

A2 幻覚や妄想などの中毒症状は,病院で治療することが可能ですが,薬物依存症を治療する薬はありません。
 また,依存症から回復するためには,薬物に対する渇望を抑える訓練をすることが重要ですが,閉鎖病棟への入院中のように薬物を使いたくても使えない状態では,渇望と闘う必要もない状態なので,訓練になりません。このため,退院等の直後に,急激に湧き起こる薬物への渇望に抗しきれず,薬物を再使用してしまう例が多くみられます。
 したがって,薬物依存症から回復するためには,一般社会で生活を送りながら,専門病院への通院や自助グループのミーティングへの参加などの取組を続けていくことが重要です。

 

Q3 近所で薬物依存症の人が集まるミーティングが行われると聞きました。凶悪犯罪に巻き込まれるのではないかと心配です。

A3 そのような心配は,まったく必要ありません。
 自助グループが行っているミーティングは,薬物依存症の克服を決意した人たちが,回復のために,薬物への渇望を抑える方法等について真剣に話し合い,支え合う場です。
 当然ですが,途中で脱落して薬物を再使用してしまうときには,ミーティング会場などには近づきません。
 もちろん,薬物をやめる気持ちがない人や薬物の売人なども,けっして近づきません。
 また,薬物依存症の人でも,幻覚・妄想などの中毒症状がある場合は,病院での治療が優先されます。
 薬物をやめることを決意し,自らの意思で自助グループのミーティングに通っている人たちは,完全に社会の一員です。いたずらに不安視することなく,依存症からの回復を支援し,薬物乱用のない社会の実現を目指しましょう。

 

Q4 身近に,薬物依存症ではないかと思われる人がいます。どうすればよいですか。

A4 薬物依存症の状態になってしまうと,本人の努力や家族の力だけで回復することは,ほとんど不可能です。
 早期に,広島県立総合精神保健福祉センター(Tel.082-884-1051)などの専門機関に相談することが大切です。

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