出前講座とは,「Teamがん対策ひろしま」登録企業に,県から講師を無料で派遣し,社員の方に1時間程度の講座を受講いただき,がんの予防や検診に関する正しい知識を身に付けてもらう取組です。
この度,第8期(令和3年度)登録企業のミライワーク様が出前講座を実施されましたので,その様子をご報告します。
特に今回は,令和3年度から新たな試みとして開始した,がん経験者の方による体験談を取り入れた出前講座です。
令和3年11月30日(火曜日) 16時00分~17時00分
【講師】公益財団法人 広島県地域保健医療推進機構 健康推進課 松田 景子 保健師
【講師】平野 清子 さん
ミライワーク様の本社で開催し,4名の方にご参加いただきました。
講座の前半は,松田保健師から科学的根拠に基づく「がんの予防」についてのお話です。初めに,広島県のがんの現状や,がんの基礎知識をご紹介いただいた後,がんになるリスクを低下させることができるとされる5つの健康習慣(禁煙,節酒,食生活,身体活動,適正体重の維持)について,具体的な例を示しながら1つずつ詳しく解説していただきました。
▲松田保健師による講義
講座の後半は,平野さんから,ご自身の経験を踏まえて,定期的ながん検診,特に乳がん検診と子宮頸がん検診の必要性についてお話しいただきました。
がんを経験された方が,どのような経緯でがんと診断され,治療に取り組まれ,日常生活を送られているかお話しを伺う機会はなかなかありませんが,定期的にがん検診を受けることの重要性を改めて痛感することができます。
今回は,会場に乳がんの触診体験モデルを準備していただき,社員の方に実際に乳がんを発見してもらうことで,今日から使える実践的な内容も盛り込んでいただきました。
平野さんから講座の最後に,「がん検診は自分のためだけでなく,大切な人のために受けるものだと考えてみてください」とお話しいただいた事が印象に残っています。お父さんやお母さんといったご家族,または会社の同僚や友人など,周りの大切な方にもぜひ必要ながん検診を勧めてみてください。
▲平野さんによる体験談
▲触診モデル(触診のコツを身に付けて正しいセルフチェックを)
「AYA(アヤ)世代」という言葉をご存じですか?
AYA世代とは,「Adolescent and Young Adult」の略で,思春期から若年成人(おおむね15歳から39歳前後)の方を指します。
AYA世代の方の中には,「2人に1人ががんになる時代」とは聞いたことがあっても,こころのどこかで「若いから大丈夫」「自分にはまだ関係ない」と思っている方はいませんか?
しかし実際には,国立がん研究センターによると,1年間に約2万人のAYA世代の方ががんと診断されていると推計されています。また,20歳から39歳までのがん患者の約8割が女性であると発表されています。
男女別の年齢階級別罹患率
国立がん研究センター・国立成育医療研究センター「院内がん登録 小児・AYA世代がん集計」
AYA世代のがん患者さんは,学校生活や就職,就労,結婚,妊娠,子育てなど,生活環境や社会環境が劇的に変化する時期であることが多く,がん患者さんやその家族の方が抱える悩みも特有のものがあります。
だからこそ,がんという病気や治療のこと,助成制度や相談窓口などを知っておくことは,いざという時に助けの一つになるかもしれません。次のページには,がん患者さんに限らず,AYA世代の方に知っておいていただきたい情報が掲載されています。ぜひAYA世代の社員の方や,AYA世代にかかわりのある方にご紹介いただければと思います。
Teamがん対策ひろしま出前講座では,予防や検診,両立支援など幅広いテーマの中から,企業のニーズにあわせて受講していただく事が可能です。(※その他にも希望するテーマがあればご相談ください。)
実施できる企業数に限りがありますので,お申し込みはお早めにお願いします。受講を希望する登録企業の方は,広島県健康づくり推進課(082-513-3093)までお問い合わせください。