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第19回「湯崎英彦の地域の宝チャレンジ・トーク」(平成27年12月19日府中市)

印刷用ページを表示する掲載日2015年12月21日

平成27年度 第19回県政知事懇談「湯崎英彦の地域の宝チャレンジ・トーク」を,次のとおり府中市において開催しました。

府中市

1 開催日時

 平成27年12月19日(土曜日) 13時30分から14時40分まで

2 開催場所

 府中市保健福祉総合センター「リ・フレ」 3階パレアホール
 (府中市広谷町919-3)

3 内容

取組現場の訪問

訪問先内容

移住者が集う賑わい拠点

(旧瀬川百貨店
:上下町上下1023)

○NPO団体や地元有志が協力し,上下に残る旧豪商店舗「瀬川百貨店」を再生中。
○ショップやカフェ,イベントスペースとして,移住者が集う賑わいの拠点を目指している。
○11/13~15開催の広島の《あきない魅力》を伝える県主催イベント「小商いメッセ~山の街~」では,店内に残る貴重な品々を販売する「昭和レトロ市」を開催。

地域の人のくつろぎ空間

(プラチナサロン
:父石町302-3)

○市主催のプラチナ大学の受講生が中心となって,地域貢献を目的に「NPOプラチナ創業塾」を設立。
○地域内の空き店舗を利用し,地域の人がくつろげる場所として,プラチナサロンを開設。カフェ,健康サロン,パソコン教室などを実施している。
○また,今年度から婚活支援事業にも取り組むなど,様々な活動を通して,地域の課題解決へ寄与したいと意気込んでいる。

 移住者が集う賑わい拠点

瀬川百貨店01 瀬川百貨店02

上下町に残る旧豪商店舗「瀬川百貨店」を訪問し,移住者が集う賑わいの拠点として,ショップやカフェとして再生に取り組まれている,地域の皆さんの活動の様子を拝見しました。

 地域の人のくつろぎ空間

プラチナサロン01 プラチナサロン02

空き店舗を利用して地域の人がくつろげるサロンを開設され,カフェや体操教室,パソコン教室などを運営されている「NPOプラチナ創業塾」の取組について,お話を伺いました。

県政知事懇談会

懇談会

◆湯崎知事による挨拶 

知事挨拶

◆地域住民の方(4組)による『私の挑戦』の発表

 府中市在住で,あらかじめ選定した方に「人づくり」「新たな経済成長」「安心な暮らしづくり」「豊かな地域づくり」等の分野の取組について発表していただきました。

名前・職業など取組内容などテーマ

 藤原 幸大(ふじわら こうだい)さん
NPO法人アルバトロス
理事長

○福山市出身で,東京から府中市へJターン。
○NPO法人アルバトロスを立ち上げ,市内に多く存在する空き家・空き地に新たな価値を創出するため,地域住民と不動産所有者,移住者を結びつける活動を行っている。
○空き家の巡回や点検,入居者の募集から入居後の維持管理上のアドバイスなどを行っている。また,移住希望者へは,住宅情報や地域,移住に関するノウハウ等を提供している。
NPOアルバトロスのチャレンジ

高橋 良昌(たかはし よしまさ)さん
重森 正治(しげもり まさはる)さん
稗田 由子(ひえだ ゆうこ)さん

府中まちなか繁盛隊

○市内の商店主らが中心となり,中心市街地の活性化に取り組む「府中まちなか繁盛隊」を結成。
○売れ筋商品ではなく,店主自らが惚れ込んだこだわりの“逸品”を掲載した「府中まちなか一店逸品BOOK」の製作や,店のPRと集客を兼ねたイベント「府中まちなか わく♪わく♪ お店めぐりツアー」「府中まちなかお店ゼミナール」等を企画するなど,店とまちなかの魅力を発信する事業を次々に展開している。

府中発↑繁盛ストーリーへの道
~よろこび・潤い・イキイキと~

新岡 春南(しんおか はるな)さん
中島 雅貴(なかじま まさき)さん

県立府中東高等学校
インテリア科

○平成21年から「ひろしまの森づくり事業」の一つとして,市内の保育園・幼稚園・小学校・中学校からの要望を受け,県産ヒノキの間伐材を使用した遊具・家具等を製作して,贈呈している。
○また,デザインを学ぶ全国の高校生が感性と創造力を競う「毎日・DAS高校生デザイン賞」(毎日新聞社主催)では,インテリアデザイン部門賞で10連覇中。

府中市とともに!

谷山  莉香子(たにやま りかこ)さん
横山 愛美(よこやま まなみ)さん

市立上下中学校3年
新納 叶望(しんのう のぞみ)さん
市立上下南小学校6年
橋本 桜果(はしもと おうか)さん
市立上下北小学校6年

○府中市では,市内全小中学校で小中一貫教育を実施。
○上下学園(上下南・上下北小,上下中)では,小学校区にとらわれない地域全体のふるさと学習を行い,上下の良さを発見することで,郷土愛を育てている。
○また,生徒によるガイドツアーや市外イベントでのパンフレット配り,バスツアーの企画など,生徒が主体的になり上下の良さを町外へ発信し,地域の活性化に貢献している。

みんな 大好き わが郷土 上下

 発表者

NPO法人アルバトロス理事長 藤原幸大さん
「NPOアルバトロスのチャレンジ」 

藤原さん

○藤 原
 府中市から全国へ向けて,空き家にはこういう活用方法があるということをメッセージとして届けていきたい。そのような気持ちで取り組んでいます。
 一概に移住したから全て生活がうまくいったり,心が豊かになったりなどということは難しく,やはり現実には,いろいろな不安があると思います。僕たちはNPOの団体として,同じ目線で,移住者目線で受け皿のサポートをする活動を1年間やってきました。
 空き家バンク制度に対するサポートを基本的な取組として,そのほか,空き家・空き地活用事業,移住相談窓口などを行ってきました。
 僕たちが府中市の紹介を都市部でする際,人生観の変わる移住を提案したいとお話しています。移住希望者の皆さんは,ありのままの生活,暮らしが,どういうものかということを一番知りたいと言われます。そこの地域に魅力があるかどうかという判断の基準は,実は皆さんの普段の生活なのです。実はここが本当に大事な部分で,この情報発信をしっかりと行っていきたいと思います。
 皆さんと一緒にこの府中市で,これから人口が減っても生活していける豊かな暮らしとは何だろうかと,話ができる場をつくっていきたい。府中市の私たちの暮らしと,そしてこれからの暮らしのあり方を考えていくという活動をNPO法人を通してやっていきたいと思っています。

●知 事
 人生観が変わるとか,あるいはこういう人生を送りたいというところにその地域が合っていないと,移住してもなかなか長続きしないということも確かです。地域にとっての魅力というのが必要で,それはさっきおっしゃったとおり,地域の人自身の生活の中にあるといえます。私も移住関係のいろいろな活動を見ていますが,本質的なところをしっかりとつかみ,それを表現されて,展開されており,府中市の移住促進の活動が,本質を捉えた形で進んでいるということで,藤原さんには,すごくお力をいただいているのではないかと思います。

府中まちなか繁盛隊 高橋良昌さん,重森正治さん,稗田由子さん
「府中発↑繁盛ストーリーへの道~よろこび・潤い・イキイキと~」 

府中まちなか繁盛隊

○高 橋
 府中の中心市街地の現状を何とかしたいという志を持つ商業者を中心に府中商工会議所の支援を得て,8店舗で「府中まちなか繁盛隊」を発足させました。商店街単位組織の枠を取り外しまして,全国でも異例の形で地域商業の活性化に取り組んでるネットワークグループでございます。
 私たちの取組には3つの目的・テーマがございます。まず,1つ目がにぎわい創出事業で2つ目が個店研修事業,そして3つ目が商店街創業促進事業です。
 昨年より「府中まちなか繁盛大作戦」と銘を打ちまして商業活性化策の中でも難易度の高いとされる,「一店逸品」運動という活性化イベントに取り組んでおります。自店のこだわりの商品や独自の技術を時間をかけて皆さんの意見交換の中で磨き上げていき,完成したその逸品を地域の方,あるいはいろんな方々にアピールしていくもので,それぞれの逸品を完成させて1冊の小冊子にまとめ上げました。東京で開催されました第4回全国逸品セレクションに広島県を代表して初エントリーし,全国各地29の団体の中からフード部門,ノンフード部門の両部門でそれぞれ府中の逸品がグランプリを獲得し,初参加,初エントリー,しかも2部門で独占ダブル受賞に輝いたのは全国でも府中だけという大変異例の大快挙でございまして,広島県府中市大いにPRして,全国制覇をして帰ってまいりました。
○稗 田
 今回たくさんの方に応援していただき,名誉ある賞を受賞いたしましたことをスタッフ一同大変喜んでおります。今回全国逸品セレクションでグランプリを受賞したのがクッキーシューパックなんですが,今日は皆さんを代表して湯崎知事にパティシエ気分を味わっていただこうとお持ちしましたので,召し上がってください。
○重 森
 全国セレクションに行って思ったんですが,いろいろな業種,いろいろな商品,いろいろな方と出会いまして,いろいろな逸品があることを知りましたが,やはり,そこの経営者,アピールされる方,発表される方,この方々が逸品だと思います。
○高 橋
 依然として地方の商業をとりまく環境は厳しいものがございますが,個店のよさ,また,魅力を発信し続けていくためにも地域に根差した個店づくり,また,人づくりにさらに磨きをかけていきたいと考えているところでございます。

●知 事
 にぎわいをつくっていくとか,お店ですからお客さんに来てほしいというのもあると思いますが,それ以前に,お店の皆さん自身が元気になっていくことにつながっていると思います。府中も必ずしも昔のにぎわいというほどではないのかもしれません。それを放っておけば,行政が何とかしてくれるとか,行政のせいにするというのも,一つの手なのですが,こうやって,ご自身たちで取り組まれて,そして自分たちがやる気が出てくるというとこにつながって,日本一にもつながっていくということです。本当にすばらしいと思います。

県立府中東高等学校インテリア科 新岡春南さん,中島雅貴さん
「府中市とともに!」

 府中東高校

○中 島
 府中東高校は,県の唯一の普通科と工業科の併設校です。工業科のなかのインテリア科では,木材加工,デザイン,陶芸,コンピューターグラフィック,製図などの内容で実習が行われています。1年生と2年生の間は木材の特徴や機械の使い方など基本的なことを学びます。3年生では課題研究としてグループに分かれ,各グループで家具や遊具,おもちゃなどを製作します。
 全国レベルのコンテスト「毎日・DAS高校生デザイン賞」で,10年連続入賞中で,日本一の受賞回数を継続しています。今年度は6作品を応募し,4作品が入賞を決定しました。その一例が,GO・5・五輪ジャーという作品でグランプリである銀の卵賞を受賞しました。
○新 岡
 府中市内の児童施設の備品や遊具を,インテリア科の生徒たちがデザイン・製作したものを贈呈し,高校生が地域に貢献することを目的にしています。
 児童が座っておしゃべりするコミュニケーションベンチ・テーブルと,くぐって遊ぶトンネルといわれる児童向け遊具は地域貢献事業の作品の一例です。小さな子が使うので,通常の使用で想定されるより,細かなところへの配慮が必要となります。研磨作業の時,各角を丸くし,触ったりぶつかったときけがのないようにします。園児からは,「大切に使います。ありがとうございます。」というお礼がありました。
 地域貢献事業は私たちにとって多くのメリットがありました。使ってもらって喜んでもらえたことでますますやる気になったこと。ものづくりの技を身につけることができたこと。私たちが考えたことが製品になったこと。材料の提供してもらったことで,実習費の軽減につながったことがあります。

●知 事
 作品をつくって,そして子供たちに喜ばれるという,すごく地域密着で,お互いが,いいなという感じがします。僕は自分が高校生ぐらいの時に,「社会に喜んでもらえたらうれしいな。」ということを,考えたこともなかったと思います。本当にすばらしい取組で,社会に役立つということを実感してもらっているのではないかと思います。

市立上下中学校3年 谷山莉香子さん,横山愛美さん
市立上下南小学校6年 新納叶望さん,市立上下北小学校6年 橋本桜果さん
「みんな 大好き わが郷土 上下」 

上下学園

○谷山・横山・新納・橋本
 私たちは,「みんな大好きわが郷土上下」を合言葉に,上下をアピールする活動をしてきました。
 小学6年生は,バスツアーを計画し,そのチラシを尾道や福山などいろいろなところに置いていただいたり,新聞に載せていただいたりなどして,参加者を募りました。
 中学生は,57名が15のグループに分かれて上下の活性化案を考えました。例えば,上下町のいいところがいっぱいあります。それをアニメにして紹介するという考えとか。上下町に道の駅を作ろうという考えをだしてその建物の外観デザインを考えたりしました。
 小中合同で活動したこともあります。5月には来場者数80万人を超えるばら祭りで,上下をアピールするチラシを配ったことです。8月には小中合同で鞆の浦に行きました。私たち小学生は観光ガイドの方からガイド方法を学びました。全部を説明しないで,「この続きは,次の場所で」といって,期待させる方法はすごかったです。中学生は,元気な町から,町を元気にするヒントを学びました。
 私たちの活動はすべてが順調だったわけではありません。失敗することやうまくいかないことのほうがたくさんありました。でも,友だちと協力して上下町のために頑張ってきたことは誇りです。私たちはこれからもふるさとを思い,自信と誇りをもって立派な大人になります。

●知 事
 寸劇風の発表は初めてでした。すごくよかったと思います。
 あやめちゃんのデザインを活用していました。実はあやめちゃんのデザインを考えた人は,以前にチャレンジ・トークで発表もしていただいたのです。連綿とこの伝統が続いているということで,本当にすばらしいと思います。
 みんなにこのほんわか力を伝えてくれて,そして上下の活動がとても活発だというのがよくわかりました。

◆知事まとめ

 府中市は,活発に活動されている方がたくさんいらっしゃると同時に,さらにそれが,すごい高みにまで届いているというケースもあって,改めてすごい地域だと思います。
 広島県も日本全体も,特に何か自然の資源とか天然資源とかあるわけではありませんから,何をやるにしても人というのは,全ての力の源泉なわけです。人も座っているだけだとやはり物事は何も動いていかないわけですが,府中のために,広島県のためにということで,空き家を活性化しようとか地域を活性化しようとか,あるいは商店街を活性化しようとか,何かをやってみる。そして,小学校中学校の皆さんが言ってくれましたが,必ずしも全てがうまくいくわけではない。失敗もいっぱいありますが,その中でうまくいくことも出てくるし,失敗から学ぶこともたくさんある。そして,できることからやろうと商店街の中で始められたことが,日本一につながっていく。私はそういうものではないかと思うのです。本当に自分の身の周りの中で見過ごしていることや,こうしたらいいなと思っているのですが,何も手をつけていないことが,いっぱいあるのではないかと思います。そういうことに失敗してもいいから,あるいは自分ができることでいいから何かを取り組んでみると,また違った明日が生まれてくるのではないかと思います。
 住民の皆さんの多くがそれに取り組んでいくと,本当に一歩ずつ一歩ずつ,大きな力になっていくと思います。大きな輪になってそれが本当に活性化した府中とか,あるいは広島県を元気にしていくとか,そんなことにつながっていくのではないかなと思います。
 本当に身近なことから,できることからやることで大きな違いが生まれてくることが,今日の発表から本当によくわかったのではないかと思いました。

4 傍聴者

約140名

5 来場者の声(アンケート結果から)

○小学生,中学生,高校生の方々,本当に地域活性のため一生懸命に取り組んでいらっしゃると思い感動しました。まさに地域の宝です。私共も大人も自分に何が出来るかを考えたいです。
○上下町の子供たちによる寸劇風の発表には,随分大きな刺激を受けました。四半世紀前に,全国各地の地域づくり先進地を見て回った経験を持っているので,また,どこかで関わっていけたらと思いました。“一歩踏み出す勇気”をもらったと思います。
○年齢や立場の違う方の発表から共通することは,府中を愛している,府中を盛り上げたい,というものでした。私も府中へ勤めるものとして,府中の発展のためになりたいと思いました。また,小学生の発表は,日頃の教育の取組が出ていて府中市の教育の素晴らしさに感心しました。発表も寸劇のようで,とても楽しく聞かせていただきました。ありがとうございました。

6 発表者の感想 ~チャレンジ・トークを終えて~

・NPO法人アルバトロス理事長 藤原幸大さん
 市民の方々へNPOの周知ができたと感じております。
 また,今後の活動を広げていくきっかけになったと感じております。
 この度の機会を与えてくださいましてありがとうございました。
・府中まちなか繁盛隊 重森正治さん 
 
私たち「まちなか繁盛隊」では,それぞれの店を強くすれば町も強くなる,魅力的になる,と活動を行っております。その取組に発表の場を頂いただけでも感謝します。
 また,他の発表者の方々を見て聞いて楽しく思いました。特に学生さんの発表2組は,私たちも全体で何かしないといけない!と思わせるような発表でした。まさにチャレンジ・トークの目的「自分たちも何か地域のために・・・。」を実感しました。ありがとうございました。
・上下南小学校6年 新納叶望さん 
 
この発表を通して,上下のよさをたくさんの人にもっと知ってもらいたいなと思いました。そして,練習の時より良い発表ができたし,めったにできないことにチャレンジできたので良かったです。
 湯崎県知事様,ありがとうございました。

7 その他

 懇談の模様は,録画でご覧いただけます。
 こちら(インターネット放送局)からご覧ください。

ダウンロード

第19回「地域の宝チャレンジ・トーク(府中市)」チラシ (PDFファイル)(1.33MB)
第19回「地域の宝チャレンジ・トーク」(府中市)議事録 (PDFファイル)(518KB)

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