平成27年度 第17回県政知事懇談「湯崎英彦の地域の宝チャレンジ・トーク」を,次のとおり三原市において開催しました。
平成27年11月28日(土曜日) 13時30分から14時40分まで
三原市中央公民館(三原市円一町2-3-1)
訪問先 | 内容 |
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歴史的建造物を活用した地域活性化の取組 | ○築約90年の豪商屋敷跡「山脇邸」を町おこしの拠点として再生するため,多くのボランティアにより改修や清掃を行っている。 |
映画館跡を拠点とした現代アート発信の取組 | ○約20年前に閉館した映画館をアトリエ「HS-LAB」(エイチ・エス・ラボ)としてオープン。 |
空き店舗を活用した | ○空き店舗を活用したアンテナショップを運営し,市民の手づくり作品や,障害者施設で作られた商品を販売するなど,市民と協働して三原市の活性化を推進。 |
築90年の豪商屋敷跡「山脇邸」を訪問し,多くのボランティアの皆さんで清掃や改修を行い,町おこしの拠点としての再生を目指している「山脇邸再生プロジェクト」について,お話を伺いました。
閉館した映画館跡を活用したアトリエ「HS-LAB」(エイチ・エス・ラボ)を訪問し,現代アートの発信基地を目指す取組のお話を伺った後,コラージュアートの体験をさせていただきました。
「三原港」に移動して,空き店舗を活用したアンテナショップを運営するなど,市民と協働して地域活性化に取り組むNPO法人「みはらまちづくり兎っ兎(とっと)」の活動について,お話を伺いました。
三原市在住で,あらかじめ選定した方に「人づくり」「新たな経済成長」「安心な暮らしづくり」「豊かな地域づくり」等の分野の取組について発表していただきました。
名前・職業など | 取組内容など | テーマ |
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山崎 愛一郎(やまさき あいいちろう)さん | ○三原のPR活動に励むボランティアグループ「三原二之丸会」(H24結成)の会長を務める。 | 「城下町三原の歴史・文化を後世に伝えたい」 |
唐井 ゆかり(からい ゆかり)さん 地域おこし協力隊 | ○大和地区の地域おこし協力隊として,大和町に居住。(H25.5~) | 「地域の魅力を伝えたい~地域おこし協力隊としての挑戦~」 |
梅田 叶夢(うめだ とむ)さん 三原市立第二中学校3年生 | ○4年間にわたり,三原市中之町地区の中之町下町内会防災会と連携して防災教育に取り組む。 ○中学校体育館が避難所として開設されたことを想定した防災学習や,地域住民と協力した避難所の運営体験を実施。 | 「地域と行う防災教育」 |
中村 優生(なかむら ゆうせい)さん 県立総合技術高等学校3年生 | ○地元企業と連携し,ものづくり,サービス,ビジネスの感覚を身に付ける模擬株式会社「来てみんさい屋」を学校内に設立。 | 「総合技術高校発!地域元気化プロジェクト~模擬株式会社経営と地域コラボによる商品開発を通して~」 |
○山 崎
古きよき城下町文化を研究し後世に伝えていくべく,平成24年3月5日に三原の城下町文化保存会として,三原二之丸会を発足いたしました。
取組といたしましては,三原浮城まつりの武者行列に自前の甲冑や武具を携えての参加や戦国喫茶の開催,時代衣装甲冑類の着つけの研さん,あるいは三原ゆかりの資料収集,岡山県瀬戸内市にございます備前長船刀剣博物館で三原市のPR,テレビラジオなどで三原の魅力を発信するなどを行っておるわけでございます。
また,三原を紹介するということで,三原の歴代城主の定紋を染めました手ぬぐいでありますとか,あるいは城下町三原をPRするのぼりの製作,ファイルなどをこしらえまして皆さんにお配りするようなこともいたしております。あとは三原浅野家が用いました旗でありますとか,三原ゆかりの資料等の復刻版をこしらえるというようなこともございました。
今年は三原の4大祭りに協力しようという会員の思いもございまして,5月のさつき祭りには三原二之丸会による武者行列でさつきパレードに参加。8月のやっさ祭りでは三原二之丸会チームで昔ながらの踊りを披露いたしました。11月7,8日の土日に行われました第12回三原浮城まつりでは,武者行列のしんがり役を例年どおり務めまして,甲冑のその他行列に出ます方の着用指南,あるいは戦国喫茶を三原城の舟入やぐら跡で行いました。
大体,よろいかぶとであるとか,着物姿で印象になるだけ残るようにと,こういう装束を古式ゆかしく着用いたしましてPRしておるわけでございます。また,三原二之丸会は仕事ではなく休みを利用しての活動でございまして,なかなか時間がとりにくいところもございますけれども,若さを生かして縦横無尽に大変なことも軽やかに進めております。
三原城は,日本で最初にできました海城だそうで,一国一城令が徳川幕府の手によって出された後も奇跡的に残ったお城でございまして,明治まであった,天下に聞こえた海城でございます。我々二之丸会の近年の目標は,この節目450年を大切にいたしまして,三原で歴代発展いたしました歴史や文化などのすばらしい遺産を,三原二之丸会なりに後世へ伝えてまいることが目標でございます。そして何より三原好きな人々を増やしていきたいなというのが第一義の目標でございます。何とぞ皆様方には温かいご支援,これからも何とぞご指導くださいますようにお願い申し上げます。これからも頑張ります。
●知 事
県にも,「こういう活動がやりたいのでお金をお願いします」と言われることはよくありますが,二之丸会の皆さんは全て自分たちの力でやられて,三原を宣伝されるという,本当に地域愛の結晶のような行動だなと思います。
三原の皆さん,ぜひ二之丸会の皆さんを,お見かけになったら,「ありがとう。」と声をかけてさしあげていただきたいと思います。
○唐 井
青年海外協力隊として西アフリカにあるガーナ共和国で2年間活動し,2012年9月に帰国,2013年5月より三原市地域おこし協力隊1人目として大和町へ移住し,現在3年目を過ごしております。
地域おこし協力隊は,都市から過疎地域に住民票を移して,一定期間移住し,地域ブランドや地場産業の開発,販売,PRそして農林水産業への従事,住民の生活支援など多岐にわたる活動を行うものです。
活動概要ですが,農事組合法人「むくなし」に入りまして,稲刈り,田植え,防除作業,そして野菜の栽培,収穫,出荷という形を週2回行っております。ここの農事組合法人「むくなし」はとても活発な農事組合法人でして,泥リンピックという田んぼの中でやるバレーのイベントをされています。その運営補助や,11月に行いました収穫祭の運営の補助なども行っております。また,大和町自治振興連合会という大和町全域の自治組織があります。そちらで主催行事の運営補助もしています。
自身の活動の基本として,「地元の人は活躍するべきだ」と私は思っています。地元の人だからこそわかる大和町のよさ,三原市のよさというものがあります。そちらをどんどんどんどん発信していくべきだと思うのです。しかし,発信の方法がわからないとか,自分は町内とか市内のつながりしかないという方もいらっしゃるところに,移住者であったり,出身者が力を合わせることによって,町内のいいところをどんどんどんどん外に伝える力ができるのではないかと思って活動しております。それが,魅力の伝わる循環ということです。素敵なことを出身者や移住者の方が挙げることによって,何かおもしろいことに地元の方が気づくと思います。出身者,Uターン者,移住者,関係なく,皆がそう思い,一緒に活動しようかという形になっていくように,私は活動していきたいと思っております。
地域の魅力を伝えるために,現在まで活動していたことですが,1年目に町内の情報収集をしまして,地理の把握,大和町内はどういったところなのか,どういったものがあるのかということを調べることを行いまして,2年目から大和町のものは三原にとってはすごい魅力的なものなのだということを知ってもらうため,イベントや情報発信ということに力を入れ,3年目の今は,情報発信の強化を行っています。
●知 事
世界に出ていって,このふるさとの大切さに改めて気づいて,もっとよく知らなければと感じ,戻って来られたわけですね。
発表の中で,すごくいいと感じたのが,「いいなと思ったのでやっちゃおう」という思いです。いいなと思っても実際にされる人は,少なかったりします。これまで世界で培ってきた経験を大和町で生かしながら,また,海外ともつながっていけるのではと思いますので,大和町をこれからもどんどんPRしていくようお願いします。
○梅田,児玉
二中(編注:三原市立第二中学校)の防災教育は生徒の命を守るためだけに行われているのではありません。学校,保護者,地域,行政及び研究機関が協力することで,生徒が地域及び社会で役に立つ人間になるように育む目的もあります。さらに,防災教育の視点として,仕組みを知ることや備えることを学ぶことが大切です。
1年生は,もし,二中が避難所になったらというテーマのもと,避難所の運営の仕方について学習します。まず,1人3平方メートルの陣地を新聞紙で確保します。思い思いの場所に陣地を取ってはいけません。体の不自由な人などに配慮した動線の確保が必要だと教えてもらいました。
2年生は,避難を終えて自分の安全を確保できた後の,まだ,避難できていない地域の人を助ける練習をしました。竹と毛布でつくった簡易担架や,普段使っている学校の椅子を使って人を運ぶことができました。力がある私たち中学生が積極的に動き,助けになりたいと思いました。
私は三原市の公立中学校の生徒会長から成り立つ公立中学校生徒会連合会に二中代表として所属しています。今年の8月,連合会は,みはら未来議会という市の行事に参加し,三原市の5年後,10年後,その先の未来に向かってよりよくしていくにはどうすればよいかを質問しました。二中は,三原市の災害時において避難所生活の対策と防災教育の充実について質問しました。古池副市長から,計画的な防災行政の推進を図るために地域防災計画を策定し,物資の調達,確保を目的に災害協定を締結していることなどを回答していただきました。私たちの学習が未来の三原のために役立ったことを実感した瞬間でした。
このほかにもさまざまな防災教育をしてきましたが,実際に災害が起きたときにどう行動ができるかが一番大切なことだと思います。そのためには,一つ,冷静な判断と迅速な決断力。一つ,避難が困難な人を救助できる行動力。一つ,日ごろからの備えの3つが身についたりできるようになることを目標にして日ごろの勉強を大切にして,人間力を磨いていきたいと思います。そして,地域や社会の役に立つよう,チャレンジし続けたいと思います。
●知 事
防災教育を受けているというよりも,何か防災教育を皆さんにしているという側面もあるのではといえるほど,充実していました。
冷静な判断力と迅速な決断力,なかなか我々もできないですが,それをしっかりと身につけようという思いに至るというとこだけでもすごいと思います。また,普段から備えるとか,行動力とか,すばらしい学びがあったと思います。
本当に,すごくしっかりしているお二人でした。高齢化と言いますが,全然負けないで,頑張ってもらえるのではないかと思います。
○中 村
私たちは授業の中で模擬株式会社来てみんさい屋という組織を経営し,地域活性化に向けた取組として,全社員とお客様の笑顔と幸福を追求すると同時に地域社会に貢献する,このことを企業ビジョンとして活動しています。
活動の大きな柱は,華金ショップの開催に向けた取組です。工業,家庭系の学科はものづくりの技術を生かして商品を製作し,商業系の学科が中心となり販売やイベントの企画,運営をしていきます。今年度は新たに相談コーナーというものを設け,地域の方々のお悩みに寄り添い,地域を支えていく拠点になることができればと活動を始めています。
販促活動により,集客にプラスの風を起こし,右肩上がりで来場者数が伸びています。このことは地域の方に華金ショップを認知していただいている証拠であると感じています。気軽に来店しやすく,価格も安く,品質にも納得いただいてることが,リピーターを惹きつけている一要因ではないかと感じております。
○大 道
続いて,地元企業とのコラボ企画について,紹介いたします。
3年生の課題研究の授業で商品の企画,開発に向けた研究を進めています。今年度のテーマは,地元の産業に元気を吹き込むこと。米の消費量拡大に向けて,米粉を使ったタコ焼き開発に取り組みました。大和町のお米農家,道の駅と一緒に試行錯誤を繰り返し,商品化にたどり着きました。地元商工まつりで,白いタコ焼きを製造販売し,その取組を地元テレビで紹介していただきました。
○向 井
この商品の想定される付加価値は,白さ,地ダコ使用,そしてとろーり感ですが,白さについてはまだ課題を残しています。商品パッケージは高校生らしさを出し,裏面にも女子高生あるあるをプリントしました。タコ焼きを食べながら高校時代を思い出し,話題に花を咲かせていただければという思いで考えました。こちらの商品は道の駅にて継続的に販売することが決定しています。
私たちは三原の町を元気にするため,思考を続け,地元の企業の方とともにPDCAサイクルを意識した実践活動を続けています。
●知 事
白いタコ焼きは,三原の新しい名物になりそうです。いろいろ試しながら,PDCAを高校の時から実践し,机の上で勉強するだけじゃなくて,本当にリアルな社会の中で勉強していくということで,頼もしいなと思いました。
本当にしっかりと学校で学んで,そしてこれから社会に出て,しっかり活躍してくれそうな感じがします。
本当に発表者の皆さんそれぞれ,頑張っておられ,いろんなことに取り組んで,地域を元気にしていただいていると思います。三原二之丸会の皆さんは,三原好きを増やしたいと言われていましたが,そのために,一歩前へ出るというレベルを超えて三原好きの自分たちができることに取り組んでいただいていますし,唐井さんも,三原から世界へ出て,そしてまた三原に戻って,地域のために自分ができることを,かなりのレベルで実行していただいています。中学生,高校生の皆さんも,こんなに地域のこととかかわったり,地域のことを思ったり,責任感とか,すばらしい学びをして,実践をしてくれています。
こうだったらいいなとか,ああだったらいいなとか思うことは多々あれ,それを本当に少しでも実行するということによって,いろいろなことが変わっていくのではないかなと,感じました。
武将の格好をして,ただ行列に並ぶというだけではなくて,それを使ってもっと何かできないだろうかと思い,それを実践されたり,自分の海外での経験を何かうまく役に立てられないか,あるいはPRに自分が役に立てるのではないかと考え,それを実際にやってみるということで大和の情報が大きく発信されていき,そしてまた地域の皆さんに変化が生まれていく,そんなことではないかと思います。
一人一人が,一歩だけ前に出て何かやってみる,思うだけではなくて実践をする,ということで地域社会が変わり,そしてその積み重ねによって,広島県が変わって,それがまた日本全体が変わっていくということにつながっていくように思います。
約100名
○三原は私達高齢者ばかりで発展性が低いと思っていましたが,今日のトークをお聞きして,「明るい三原」を感じる事が出来ました。ありがとうございました。
○4組の皆さんそれぞれに,課題を研究し地元を豊かにしていくという熱意と実践,成果が感じられ,とても有意義な時間を過ごせました。良い刺激をもらえて,とても良かったです。
○三原の色々な世代の発表を聞き,あらためて三原って良いところだなぁと思えました。自分にできることが何かを考えさせられました。
・ボランティアグループ「三原二之丸会」会長 山崎愛一郎さん
三原二之丸会の活動や今後の夢などについて,発表させていただきましてありがとうございました。会員一同,うれしくいたしております。
会場にご来場賜わりました皆様はさることながら,新聞やテレビでも行事の様子が紹介され,市内外の方々から御声をかけていただくことが多くなりました。
今後も三原の城下町文化の継承を通して,広島県の魅力を発信する一助となることを願い,取組を進めてまいりたいと思います。ありがとうございました。
・地域おこし協力隊 唐井ゆかりさん
発表の場を与えて頂き誠にありがとうございました。
事例発表をさせて頂き,「地域おこし協力隊という仕事,活動している人がいる」ということを,活動地域である三原市大和町だけでなく,三原市民の方々に広く知っていただける機会が得られました。
また,同じ事例発表者の他の3組の発表からは,とても刺激をもらいましたし,同時に「自分ももっとやろう!」という活力をもらいました。湯崎知事から早急なご意見や感想を頂戴したのも大変うれしかったです。ありがとうございました。
懇談の模様は,録画でご覧いただけます。
こちら(インターネット放送局)からご覧ください。
第17回「地域の宝チャレンジ・トーク(三原市)」チラシ (PDFファイル)(1.41MB)
第17回「地域の宝チャレンジ・トーク」(三原市)議事録 (PDFファイル)(506KB)
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