平成27年度 第11回県政知事懇談「湯崎英彦の地域の宝チャレンジ・トーク」を,次のとおり坂町において開催しました。
平成27年6月14日(日曜日) 13時30分から14時40分まで
坂町町民センター(坂町平成ヶ浜1-1-1)
訪問先 | 内容 |
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幅広い層の町民とともに楽しむダンスサークル活動 | ○町内のダンスサークル「リズムウォーカー」による活動。(H24.2.26発足,部員18名) |
町内の新たなスポーツ・文化・防災拠点施設 | ○防災・スポーツ・文化活動の新しい拠点として誕生(H26)。 |
悠々健康ウォーキングのまちづくり (水尻ベイサイド遊歩道:坂町植田~水尻) | ○坂町は,H22 に「悠々健康ウォーキングのまち」を宣言。 ○産学官一体でのウォーキング推進により,健康な「こころ」と「からだ」による心豊かな生活を目指すとともに,坂町のPRとイメージアップに取り組む。 |
幼児から大人までストリートダンス,ヒップホップダンスの基礎ステップ等に楽しく取り組むダンスサークル「リズムウォーカー」の練習を見学しました。
町内の新たなスポーツ・文化・防災拠点として昨年度完成した「サンスターホール」を訪問し,最新の防災設備を視察しました。
坂町では,ウォーキングを通じて,健康な「こころ」と「からだ」による心豊かな生活を目指す取組を進めています。「水尻ベイサイド遊歩道」をウォーキングし,瀬戸内の景色を堪能しました。
坂町在住で,あらかじめ選定した方に「人づくり」「新たな経済成長」「安心な暮らしづくり」「豊かな地域づくり」等の分野の取組について発表していただきました。
名前・職業等 | 取組内容等 | テーマ |
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東 一壯(ひがし いちそう)さん (認可地縁団体)横浜戸主会会長 | ○坂町横浜地区に260年余り前から伝わる伝統文化「曳船」の継承に取り組む。 | 横浜地区に伝わる伝統文化の継承 |
岡村 繁範(おかむら しげのり)さん 株式会社オカムラ広告代表取締役 | ○海,山といった坂町の豊かな自然環境を活かし,ウォーキングと男女の出会い支援を組み合わせた「歩コン(あるこん)」を開催(昨年度3回) | 町の自然を通じて出会う!歩く婚活『坂町歩コン』 |
伊藤 夢唯(いとう ゆい)さん 町立坂中学校3年生生徒会長 | ○「地域を通して生き方を考える」総合的な学習の時間で,「安心・人にやさしい」坂町の防災を学習。 | 地域の生命を守る~防災学習を通して~ |
梶山 林太郎(かじやま りんたろう)さん 町立坂中学校3年生陸上競技部部長 | ○昨年度,広島県代表として全国中学校駅伝大会出場を果たし,今年も連続出場に向けて,日々練習に取り組む。 | 力走!チャレンジ!!~感謝の走りで恩返し~ |
○東
横浜地区に伝わる伝統文化の継承についてお話をさせていただきたいと思います。
横浜戸主会では,曳船の管理運営を行っておりまして,先月行われた2015年ひろしまフラワーフェスティバルの花の総合パレードに出場した際には,我が曳船が87団体中,第1位に輝き,パフォーマンス賞を受賞しました。
小船は,昭和62年10月に建造されました。横浜小学校の運動会に演技種目として採用されております。今日に至っておるわけでございます。担ぎ手は,5年生と6年生です。運動会の1週間前,大船の指導者が学校に出向き,演技指導を行っております。
また,10月の第2日曜日に,大船とともに八幡神社へ寄進いたしております。メーンは児童ですが,小学校の先生方,保護者の皆さんと横浜戸主会がサポートしてコミュニケーションを図っています。
坂町史によりますと,寛永2年(1749年)に曳船の記述があります。当時は,漁船にご神体を乗せたものです。現在のような曳船になったのは,文政元年(1818年),大工,倉橋八兵衛によって建造されました。266年の伝統が今日まで引き継がれています。大船は,次の世代に残そうとする地域住民の熱い声援によるものです。
最近の傾向といたしまして,町外に出られた方が,祭りの日に担ぎに帰ってこられております。また,担ぎ手は,若い人が増えております。今年のフラワーフェスティバルには,77名の担ぎ手が参加されました。
9月22日,23日には,東京有楽町駅前,東京国際フォーラムにおいて,全国町村会主催の,町イチ!村イチ!に広島県の代表で出演をいたします。そのとき,曳船の音頭を歌う予定になっております。
●知 事
大船と小船とあって,結構すごい動きで,勇壮な動きですね。そして今,お祭りの日に帰ってくる若い人たちがたくさんいる。今,お祭りの伝承者とか少なくなっちゃって困っているというのが大体のパターンなんですけどね。友達が友達を呼んでくるような形なんですね。人のつながりが大事だということ。あと,小船もつくって,小学生にやってもらうというのは,これはいいアイデアですね。小学校のときに運動会,ある意味で言うと,否応なしにみんなやるわけでして,必ずそれが伝わっていく。これは,本当にお祭りの伝承に困っているようなところだと,自然に小っちゃいころからやるということで,すばらしいなと思います。
本当に皆さんのそういう熱い思いをまた集めて,そしてこの260年続けて,またさらに続けていく,まさに仕掛けができているなというふうに感じました。
○岡 村
ようよう倶楽部では,議論を重ねた結果,ウォーキングの町であること,遊歩道の整備,ベイサイドビーチなど,坂町のさまざまな特色を生かした事業として,町の自然を通じて出会う歩く婚活という,ほかではあまりない婚活として,坂町歩コンの開催を決定いたしました。
婚活を開催するに当たり,主に2つのことを大事に考えながら企画を練ってきました。1つは,常に坂町を歩いてもらい,それで坂町を知ってもらうことが絶対条件の中で,人数が少なかろうと参加してもらうということです。もう1つは,しっかり参加者目線で考え,安易に短時間での交流でカップリングの成立を求めてないんですよね。まず交流を楽しんでもらうということを一番に考えていました。交流の中で,強制と自由性のバランスも考えながら,婚活後に連絡を取り合えるような配慮も行っています。大切なこの町で,坂町で出会ってほしいという,ゴールより出会ったこのきっかけとして思い出づくりをしてほしいという中で,今後も継続していきたいと思います。
今後の活動なんですけど,「住もうよ!坂町」という,実は,このようよう倶楽部には行政及び司法書士,建築関係,不動産関係など,それぞれの道にすぐれたメンバーがいます。この町の空き家対策への取り組みも本格的に始動していきたいと考えています。町と連携した空き家対策,調査の中で,家主と相談者の窓口,これはどれだけ坂に住みたい人が実際いるのかとか,そういった声かけをリサーチしながら,何らかのお手伝い,窓口ができたらいいなと考えています。私らやっぱり商工会員として,町のこの空き家をうまく起業する場所として,店舗利用してもらいながら,メンバーに引き込み,さらに町の活性化をしていきたいと思っております。ゆくゆくは,空き家サイトの設立をして,窓口を本格的に進めていきたいと考えております。
私たちようよう倶楽部は,坂町郷土愛の名のもとに,やりたいこと,やるべきことにとどまらずに突き進んでいきたいと思いますので,今後ともとことんのご指導,ご支援,ご協力をお願いできればと思います。
●知 事
この歩コン,これは何か一石二鳥というか,カップルが生まれて,そしてまた坂町のことを知ってくれると,これはまたすばらしいアイデアじゃないですか。
郷土愛があって,自分の町のことを放っとけないということなんでしょうね。最初は盛り上がらない会議を一生懸命やって,イベントなどを通じてだんだんとやっぱりエネルギーが高まってくる,それをリードされているのが岡村さんなのかなというふうに思います。この団結力というか結束力というのをおっしゃいましたけども,やっぱり誰かがそれを火をつけていって,初めてそれが火が広がっていくという火付け役ですよね。その大きな役割を果たしていただいているんじゃないかなと思います。
○伊 藤
私たち,坂中学校の3年生は,今年から防災についての取り組みを始めました。地域の人々の命を守ろうと考えるようになりました。私たちにできること,第一に頭を守ること,そしてどこが安全かを事前に調べておくことです。地震後の津波の危険性に対しては,素早く逃げる,高いところへ逃げる,元いた場所に戻らないという3つが大切です。
避難所で食べ物をどう分け合うかというシミュレーションや,避難場所に持っていくものとして何を選ぶかということを考えたりしました。その後,坂町の地震災害の予測や防災対策について,インターネットを使って調べ学習を行いました。一人一人が調べたことを班でまとめ,坂町の防災の課題について発表しました。そこから出てきた課題は,日ごろから避難訓練を行う,高い防波堤を建てる,避難場所を詳しく知る,自己判断をしっかりするなどさまざまありました。
私たちは,これまでの学習をもとに,防災に何が必要かを考え,今月の19日に坂小学校の1年生とともに行う防災訓練の計画を立てました。食料班は,実際に炊き出しを行い,小学生たちに振る舞います。救護班は,救急法や応急処置法を小学生に教えます。施設案内班は,サンスターホールの防災設備について,小学生たちに案内します。ケア班は,避難所で小さい子どもの世話をするという仮定で,避難所でできる遊びを考え,小学生たちに体験してもらいます。生活指導班は,避難所内で知らない人とコミュニケーションをとる方法や,いざというときに避難できるよう,整列点呼の態勢を整える練習を行います。体験班は,段ボールの仕切りを組み立てたり,簡易担架をつくったりする体験を行います。
これらの活動は,私たち中学生が地域の命を守るという自覚を持つことにつながっていくと思います。私たちが地域の命を守る立場になることにより,少しでも救える命があるなら,頑張る価値があると思います。そのために,私たちはこれから新たな挑戦をしていきたいです。
●知 事
この防災を考えるというのは,去年広島で大きな土砂災害があって,改めてとても大事なことというふうに認識をいただいていると思います。
坂という地域は,大きな地域ではありませんけども,アメリカのホームステイとかいろんな経験をしたり,こうやって自主的な経験をしてもらったり,本当に子どもたちが何かしっかりと将来を担ってくれそうな雰囲気がたっぷりで,本当にうれしいですよね。
○梶 山
僕たち,坂中学校陸上競技部は,全国制覇を目標に日々の練習に取り組んでいます。
去年は,広島県代表として全国中学校駅伝大会に参加しました。結果は16位で目標の8位入賞には届かず,悔しい思いをしました。この悔しさをばねに,チーム一丸となって頑張っています。
僕たちの練習環境は大変恵まれています。山があり,海があり,中電グラウンドという全天候型の陸上競技場もあります。山では,脚の筋肉をつくったり,苦しいときに我慢ができる忍耐力や精神力が鍛えられ,海では砂浜を走って足腰を鍛えることができます。中電グラウンドでは,試合を想定した練習を行うこともできます。学校の目の前にある高速道路の高架下は,雨天練習場にもなります。毎日,坂町の自然や設備に感謝しながら練習をさせてもらっています。
去年は,県駅伝,全国駅伝という大きな大会に出場することができました。このとき,地域の皆さんに多くの応援をいただき,全国駅伝には僕たちが坂町の皆さんに支えてもらっていることを改めて実感することができました。
全国大会には,坂町から大型バス3台で応援団が駆けつけてくれました。毎日学校の周りを走っていると,地域の皆さんに声をかけてもらったり,大きな大会の前には壮行会を開いてもらったりして,そのたびにもっと頑張ろうと思います。
僕が,都道府県対抗男子駅伝に出場させてもらったときも,沿道でたくさんの声援をいただきました。また,大会が終わった後に,当日の僕の写真を撮影してくださった方が学校に写真を届けてくださり,地域の皆さんから温かい言葉をかけていただいて,もっと力をつけなくてはいけないと強く思うことができました。
今年は,去年のリベンジをするために,厳しい練習にも全力で取り組んでいます。チーム全体としては,全国駅伝優勝,個人では全国3,000メートル優勝,都道府県駅伝で中学生区間新という目標をクリアするためにも,そして日々支えてくださっている地域の皆様のためにも,これからもっと頑張っていこうと思います。
●知 事
もう自分の力だけではなくて,やっぱり周りの力でできているんだというのを,本当にまだ中学校3年生ですけどしっかりと認識をしてもらって,そして,またそれを責任感というエネルギーに変えて頑張ってくれているということで,きっと今年も中学校駅伝代表になって,そして1位をとって,また都道府県対抗駅伝では区間賞をとるということで頑張ってほしいと思います。
坂町の4組の皆さんに発表していただいて,この260年にわたる伝統とか,また逆にこのまちのいろんな課題に積極的に取り組んでいただいている。これは人ごとだと思って放っとくことは簡単だと思うんですよね。でも,それを何とかしようというふうに一歩踏み出して活動してくれるということが大きな違いを生んでいくような気がします。
実は,歩コンの参加者は町民の皆様はおられなくて,町外の人ばっかりなんですよね。これは,逆に言うと,それを通じて坂町のことを知ってもらって,そして坂町に来るかもしれない。空き家対策もやり,そういうことになるかもしれません。そして,そこには伝統のある曳船なんかも楽しめて,それを守っていくということも大変ですし,それも誰かがやってくれるというわけじゃなくて,誰かがやらなきゃいけないんだけど,その誰かになるということは,とても大切なことじゃないかなと思います。
そして,中学生のお二人,とってもいい発表をしていただきました。これからの将来が楽しみなお二人の発表だったんじゃないかと思います。
町の力がこうやって集まって,古い伝統や今の課題,そして次世代を育てていく,それぞれがみんなそれぞれの持ち分というか,役割というか,その中で何かできることをちょっとでもいいことをやろうと,放っとかないで誰か任せにしないで自分がやろう,そういうことが町の大きな力につながっていくんじゃないかなというふうに思います。
約160名
○ 同じ坂町で色々な活動をしている方達がいることをくわしく知ることができました。
○ 坂の事が色々わかりました。又,是非,参加したいと思います。
○ 元気な坂町であってほしいと思います。若い人の活躍を応援します。 はじめてこの会合に参加しました。湯崎知事の進行役はとてもよかったです。 発表者4名の方のお話も大変しっかりして,力強さを感じました。
・(認可地縁団体)横浜戸主会 折出龍興さん(音頭の歌い手)
伝統文化の継承者と言えばカッコいいが,小さな町の年に一度のお祭り文化。これまで50年,伝統文化の伝承者という使命感で続けてきました。
そんな片隅の文化にスポットを当てて頂きありがとうございました。伝統文化の継承者という責任と,継続の大切さを心新たにさせていただきました。
これからも,伝統を守っていきたいと思います。
株式会社オカムラ広告代表取締役,ようよう倶楽部 岡村繁範さん
今回のチャレンジトークでは,これまで任意団体として町の活性化のため活動してきたことを県及び町の方へ報告でき,個及び団として大変有意義な機会となりました。これを機会にその後の会議も,皆のモチベーションが一気に高まり,部内での新たなワークショップの増設などが決定しました。
小さな町ではありますが,官民協働となる事業先駆者となり,これに続く若者や住民グループなどの新たな活動団体がどんどん増えていくことを願っています。
この度の機会を与えてくださった関係者の皆様には本当に感謝の気持ちでいっぱいです。有難うございました。
町立坂中学校3年生生徒会長 伊藤夢唯さん
坂町の防災について,発表する機会はないので,たくさんの人に中学生の取組を伝えられてよかったです。また,発表を聞いてくださった方が後から,「良かったよ!」と声を掛けてくださったことにとても感動しました。私たち中学生の思いを代表して知ってもらえたのでよかったです。
この発表をするまでに多くの人に手伝ってもらい,とても感謝しています。チャレンジ・トークは私にとって成長できる良い機会になりました。
懇談の模様は,録画でご覧いただけます。
こちら(インターネット放送局)からご覧ください。
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