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第8回「湯崎英彦の地域の宝チャレンジ・トーク」(平成26年12月6日 神石高原町)

印刷用ページを表示する掲載日2014年11月4日

平成26年度 第8回県政知事懇談「湯崎英彦の地域の宝チャレンジ・トーク」を,次のとおり神石高原町において開催しました。

jinsekikougen

1 開催日時

 平成26年12月6日(土曜日) 13時30分から14時40分まで

2 開催場所

 陽光の里文化ホール(神石郡神石高原町上豊松1767-1)

3 内容

取組現場の訪問

訪問先内容

アグリパーク陽光の里

(神石高原町下豊松‎)

○トマト産地の育成・強化のため造成されたトマト団地。(平成10年完成:農地約6.2ha,内ハウス約4.6ha)
○効率的な生産システムを構築し,担い手の確保に努め,町外からの就農者も含め,現在11世帯がトマトを生産している。
○ブランド「マルトヨとまと」は,昨年度,過去最高の販売実績を達成。

仙養ヶ原ふれあいの里

(神石高原町上豊松)

○標高700mに位置する高原レジャー施設。自然観察センター(天文台),アスレチック,キャンプ場など自然交流施設や宿泊施設,また,陶芸・ガラス工芸など芸術体験工房の他,「ドッグラン」も設置されている。
○今年度,『ヒトと動物,自然との共生』をテーマにPFI方式による森林公園整備事業を実施予定。

アグリパーク陽光の里

アグリパーク陽光の里(視察)

トマト産地の育成・強化のために造成したハウス団地を訪問し,効率的な生産システムを構築し,ブランド強化に取り組む活動状況について,意見交換しました。

仙養ヶ原ふれあいの里

仙養ヶ原ふれあいの里(視察)

『ヒトと動物,自然との共生』をテーマに,交流・体験・利用できる「くつろぎの場」となるような公園を目指し再整備中の仙養ヶ原を訪れ,具体的な整備計画について,説明をしていただきました。

県政知事懇談会

懇談会

◆湯崎知事による挨拶

知事挨拶

◆地域住民の方(4組)による『私の挑戦』の発表 

 神石高原町在住で,あらかじめ選定した方に「人づくり」「新たな経済成長」「安心な暮らしづくり」「豊かな地域づくり」等の分野の取組について発表していただきました。

名前・職業等取組内容等テーマ

小田 千寿香(おだ ちずか)さん

農業(トマト農家)

○平成10年に広島県職員を退職し,実家(豊松)で行うトマト栽培に従事。
○ブランド「マルトヨとまと」のPRや販路拡大のほか,他の生産者等と協力して行う農地の集積など,トマト産地拡大の取組を通じ,地域の活性化に貢献している。

 トマトで生きていくぞ~!

石岡 基(いしおか もとい)さん

井関大矢自治振興会
「星の里」班 班長

○ 平成24年に神石高原町の定住促進住宅団地「星の里いせき」(井関地区内)に住宅を新築し,福山市から移住。
○町外からの移住者の多い「星の里」自治組織の班長として,コミュニティやルールづくりに取り組む他,消防団等の活動を通じ,既存の地元住民との交流を積極的に図っている。

  未来への贈りもの~ここからふるさとをはじめよう~

高山 将弘(たかやま まさひろ)さん
兒玉 早紀(こだま さき)さん
前原 幸亮(まえはら こうすけ)さん

県立油木高校3年生

○従来から行っていた,ナマズの養殖・加工,特産品化の取組をさらに拡大。今年6月にはマツダスタジアムでナマズをモチーフに制作したマスコット「なまっしー」を披露し,なまずの天丼,フリッターのPR販売を行った。
○ナマズの特産品化は,学校の枠にとどまらず,耕作放棄地を活用した養殖など町民参画の取組へと発展してきている。

『なまっしー』で地域おこし

田邉 佑季(たなべ ゆき)さん
古森 茉文(こもり まあや)さん
清水 結衣(しみず ゆい)さん

町立神石高原中学校3年生

 ○平成26年度,神石・油木・豊松の三中学校が統合し新設された中学校として,生徒一人ひとりが期待を胸に抱き,新しい学校文化を築いていこうと,日々学業や文化活動等様々な取組に挑戦中。

 挑戦 新設校の風土を創る

 

発表者

トマト農家 小田千寿香さん
「トマトで生きていくぞお~!」

小田さん(発表)

 ●小 田
 トマトという作物は,1年中出せるわけではなく,夏場だけの仕事です。この間,トマトで食べていきながら,なおかつ自分でも稼ぎを持っていらっしゃる,あるいは仕事を持っていらっしゃるような方が地元に定住してくださることを常に願っています。食べていける農業ということがまず第一の大前提なのですが,たくさん植えなければ食べていけない,生活できないというのが,悲しいですけれども,今の現状です。
 30代,40代の方は働き盛りと言われるのですが,この方たちは働きたい盛りでもあると思うんです。そういった方々の力をしっかりお借りすることができればと思っています。そうすることで生産力がアップします。生産力がアップすると,市場への供給も安定してきます。つまりは,価格の安定につながります。こうなってくると,小規模の農家でも,去年は500本植えたけど,今年は400本にして,もうちょっと頑張ってみようかということで,高齢になっても持続可能な農業ができます。トマトが高い時期をねらって,その時期にピンポイントで出荷するだけでも十分もとがとれるような農業,そういった農業ができることが私はトマトで食べていくことだと。もしかしたら年金がもらえるような年になってもトマトのおかげで納税者になれるかもしれない。そういった農業を目指しております。
 できましたら,この地域にたくさんの方に定住していただきたいのですが,実際トマトというのは,お米で換算してもいいのですが,1ヘクタールの田んぼがありましたら,現在1人でつくることは可能です。これでは定住者を増やすことにはなりません。ですから,これから定住者を増やした上で,なおかつ,しっかりと農業をしていくことができること,そういうことも考えて,年相応に弱っていく体力と相談しながら,持続可能な息の長い農業ができることを考えています。

○知 事
 トマト作りにやりがいを持ち,毎年同じことの繰り返しでもなく,経験値も必要としながら,新しく努力とかもしなければいけないし,そうした状況の中で食べていける。今,女性の活躍というのは非常に大事で,それから自立できる農業というのもすごく大事で,その両方を体現している小田さんは本当にすばらしいなと思います。

 井関大矢自治振興会「星の里」班班長 石岡基さん
「未来への贈りもの~ここからふるさとをはじめよう~」

石岡さん(発表)

●石 岡
 私は広島県福山市の出身ですが,2013年2月に星の里いせきに引っ越して参りました。
 地元の消防団に星の里いせきから団員がいないということで,私を含めて6名が三和方面隊第一分団第三部に入団することとなりました。はじめは団地内での防災という意識で取り組んでいたのですが,消防活動を続けるにあたって,地元の防災意識というふうに気持ちが変わってまいりました。
 今年の3月末には,団地の自治組織の前班長から班長をやってくれという言葉をいただきましたので,快く引き受けさせていただきました。「常会だより」というかわら版のようなものを作成して電子メール配信を開始したり,活動費が極めて少ないということなので,アルミ缶,古新聞,古紙,こういったものを回収して,業者に持ち込んで換金しようという試みを行いました。また,ダム周辺の草刈り,清掃活動を行って,きれいな水面に集まるホタルを観賞しようという「井関水源の環境を守る会」という有志の団体があり,この活動にも,星の里から12名の方が参加し,数匹のホタルが観賞できました。それから,冬場に子供たちに何とか運動を通じて健康促進,青少年の健全育成を目的とした活動を行っていこうということで,毎週金曜日にフットサルを中心としたスポーツ活動を行っております。
 神石高原町は確実に人口減少の傾向にあります。今の子供たちが進学や就職で町から出て行くことはあると思います。ただ,将来的に星の里に帰って,自分たちもここで子育てをしたいと思えるような団地づくりをしていかなければならないと思っております。そのためには,町に雇用も必要だと思います。また,行政と住民がタッグを組んで取り組んでいく時代だと考えております。新しい団地づくり,それから地域の方々との交流,そういった意味でいうと,私自身はある意味旗振り役であって,ある意味つなぎ役のようなものかなと考えております。子供たちの未来にそういった思いを贈り物にしたいと考えております。
 私が昨年この神石高原町に引っ越してきたときは,正直,よそものだったんです。しかし,たった2年弱の間に多くの地元の皆様と交流させていただいて,また,温かくウエルカムな気持ちで迎えていただいたということに非常に感謝しております。そして,ここから私のふるさとづくりを始めていきたいと思っております。

○知 事
 石岡さんは割とさらっと淡々と語っておられましたが,最初の一歩がここまで広がっていったということと,それから,その力が団地の皆さんをいろいろ巻き込んで,何気ないつながりからすごく広がっていくということが起きるんだなということがよく分かりました。
 石岡さんももちろん,消防団に入りませんかと言われて,「めんどくさいな。忙しいからいいよ」と言わなくて,入ろうかなと。そういうところの一つ一つが大きな違いを生んでいって,すばらしいなと思います。新しい一歩がこういうふうに大きな影響を,波紋というか,広がりにつながっていくのだと思いました。

県立油木高校3年 高山将弘さん,兒玉早紀さん,前原幸亮さん
「『なまっしー』で地域おこし」

油木高校(発表)

●高山,兒玉,前原
 私たちは町内唯一の農業高校として,地域の課題である耕作放棄地を草等で荒らさず,手間をかけず,収益が上がる方法はないかといろいろ考えた末,ナマズ養殖にたどりつきました。関東ではナマズは高級魚で1kg3,000円程度で取り引きされています。私たちはナマズに地域の未来と活性化を託そうと考え,校内でナマズ養殖をしています。また,近くの廃校になった小学校のプールを借り, 2000匹のナマズの稚魚を放流しました。ナマズの稚魚は2年で50cmの大きさに成長し,昨年からいよいよ本校で育てたナマズの加工や販売をスタートさせています。
 今年の6月にはマツダズームズームスタジアムでナマズ天丼とフリッターの販売を行いました。本校のナマズ養殖のテレビを見られた松田オーナーがすばらしい実践だと褒めてくださり,ナマズ養殖に協力したいということで実現しました。また,松田オーナーから常時ナマズ料理を販売し,マツダスタジアムの名物料理にしていきたいという話があり,来年度はイベント的に,再来年度からは常設メニューとして,油木高校のナマズを利用した料理の販売が決定しました。ナマズという食文化を様々な方面に広げていく大きなチャンスだと考えています。
 学校と神石高原町の連携をより強めながら,大急ぎで地域にナマズ養殖を広げていく必要があります。昨年,草木地区自治振興区ではナマズ学習会が行われ,地域の耕作放棄地を池に変えられ,ナマズ養殖をスタートされました。今年度はさらに規模を増やしておられます。また,県立広島大学の生命環境学部の黒木先生とナマズの共同研究を行うことも決まり,ナマズの食品としての機能性を分析し,機能性を生かしたナマズの商品開発にも挑戦していく予定です。そうした地域の期待の中,本年度は,産卵,ふ化,そして稚魚の生産に挑戦しています。
 今年2月,ウナギが絶滅危惧種に指定され,価格は高騰しています。ナマズ養殖のビジネスチャンスは非常に大きいと言えます。最初の1年や2年は赤字覚悟で,大量の試食もしてもらい,新聞広告やテレビのグルメ番組等,マスコミも最大限に利用しながらナマズのおいしさを理解してもらうことが必要です。私たちのプロジェクト研究の取組の規模と夢はとても大きなプロジェクトです。10年後,20年後,この町が豊かで住みやすい町でい続けられるように頑張ります。

○知 事
 これからまたいろいろ研究してもらいたいと思いますけれども,地道な活動が5年間かけていわゆる商品化というところまで来たなという感じで,油木高校の皆さんも頑張ってくれています。ありがとうございました。

町立神石高原中学校3年 田邉佑季さん,古森茉文さん,清水結衣さん
「 挑戦 新設校の風土を創る」

神石高原中(発表)

●田邉,古森,清水
 統合前,私には統合への期待と閉校に対する寂しさがありました。しかし,それ以上に統合への期待もありました。統合することで3校のよい校風が重なり,すばらしい学校にできるのではないか。人数が増えることで勉強や部活動,行事などをさらに充実させることができるのではないかという期待です。
 私たち初代生徒会の大きな使命は,よき風土をつくっていくことです。そのために特に力を入れているのが「あいさつ」と「歌声」です。私たちは立ち止まってあいさつをする静止あいさつと,先に「おはようございます。お願いします。」と言葉を発してから後で礼をする千言後礼を徹底しています。私たちの校歌「ひかりのそのさきへ」は,自然あふれる学校に笑顔が満ちるようにと願いを込めてつくられた歌です。落成式のとき,「聞く人と作詞者を感動させる歌声をつくる」を目標として練習を積み重ねました。本番では,みんな最高の歌声で合唱ができ,全員が達成感を持てました。この歌声とあいさつは私たちが胸を張って誇れる校風です。
 第1回体育大会は,「新設校の伝統は私たちが創る」を合い言葉に,実行委員で考えた「初志貫徹~全力・協力・迫力~」というテーマを掲げて,全員が力を出し尽くしました。閉会式後の解散時には先生も生徒も涙を流しました。また,11月には文化祭を行いました。思い出に残る行事にしようと生徒会を中心に「千支絆厚」というテーマを掲げて取り組みました。一人一人が自分の役や仕事に責任を持ち,新設校の風土,伝統をつくろうと自覚を持ってやりきることができたと思います。
 私たちは,今,最高の学習環境の中で学習をしています。美しい校舎で同級生と切磋琢磨しながら学び合っています。また,学校の寮では学習時間がしっかりと確保されており,週2日,数学と英語の先生が学習に来られます。この最高の環境で過ごせることに感謝しています。そして,この最高の環境を与えてくださり,応援し,支えてくださるすべての方々への恩返しとして,社会に貢献できる人になりたいと決意しています。
 私たちが今,築こうとしている伝統は,これからの神石高原中学校の基盤となります。後輩たちはその基盤をしっかりと受け継いで,さらによりよい伝統に発展させてくれると信じています。そのために,責任を持って未来へつなげていこうと思っています。開校してわずかですが,新設校の第1期生としての自覚と誇りを持った全校生徒の雰囲気はトップレベルだと思います。日本一の学校を目指し,これからも伝統の礎を築くという夢に向かって挑戦を続けていきます。

○知 事
 本当に伝統をつくっていくのは私たちであると。この基盤をつくって,それを後輩が受け継いでくれる。すごい責任感ですよね。僕も聞いていて,こんなすばらしい子供たちがいるというのは広島の未来も,神石高原の未来も明るいなと感じました。三つ子の魂百までではないのですけれども,最初の卒業生,3年生がこうやってしっかりと学校づくりをしてくれたら,神石高原中学校もすばらしい学校になっていくと思います。

◆知事まとめ

4 傍聴者

 約100名

5 来場者の声(アンケート結果から)

来場者

〇4組の実践発表はどれも素晴らしかった。特に今後の神石高原町を背負う中・高校生の取り組みに希望をもった。
〇町内で頑張っておられる方のお話しが聞けて良かったです。なかなかこんなチャンスはないので・・・。時々は開催してほしいです。
〇「チャレンジ・トーク」というネーミングが良い。県全体がパワーを持つと思います。夢を語ることは,未来へつながる,元気になる源となる,大事にしたい。
〇4組のチャレンジトークをそれぞれ知事が受け止めてトークを広げられ,増々高まると思いました。せっかく来てくださったので,もう少し時間があればと思いました。有意義な時間をありがとうございました。又の機会をお願いします。

6 その他

 懇談の模様は,録画でご覧いただけます。
 こちら(インターネット放送局)からご覧ください。

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